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2017.04.12導入事例

大手化粧品通販企業マードゥレクス社が重要視するリソースの最適化と高速PDCAの実現で、“答えのないCRM”から妥当解を導き出す。

株式会社マードゥレクス 取締役社長 藤原尚也氏
プラスアルファ・コンサルティング取締役副社長 鈴村賢治
 
今や「女優肌」の代名詞ともいわれる微粒子ファンデーションで有名な『エクスボーテ』シリーズをはじめ、こだわりの化粧品や健康食品の企画開発・製造販売を手がける株式会社マードゥレクス。メインターゲットを3~40代に置く同社の商材はまさにEC向けといっても過言ではないだろう。化粧品市場における最先端CRMソリューションについて、同社社長藤原氏と弊社取締役鈴村との対談から探っていきたい。

 
 

CRMの原体験は「レンタルビデオショップ」で


鈴村:いまでこそECは注目されていますが、藤原さんの場合、それこそ黎明期ともいえる2000年頃からオンラインでのご経験をお持ちですよね。さらにいえばその前からリアルなCRMを手がけていたという。
 
藤原:もともとカルチュア・コンビニエンス・クラブ(以下CCC)という会社でTSUTAYAのスタッフでした。その頃からレンタルしてくれたお客さんが再度ご来店されたときに『こういう作品がいいですよ』とか『この映画観た人はけっこうこっちの映画も借りてます』なんて。いわゆるレコメンドですよね。もともとリアルな世界でも客単価をどうやって上げるかという、いわゆるLTVの最大化みたいなことをずっとやっていたわけです。
 
鈴村:その後、CCCは会社をあげてオンラインショップの立ち上げに挑む。ここでも藤原さんのノウハウが活かされることになるんですね。
 
藤原:当時でいうと浜崎あゆみとかモーニング娘。とか、そういう人たちを“好きなアーティスト”として登録している人に、CD発売の予約の告知を入れたメールを送る。そうすると予約がガーッと来るわけです。オンラインは初月こそ200万ぐらいの売上げだったのですが、1年ぐらい経つと月商1億超えることも。時代の勢いもありましたね。とにかく僕は実店舗でやっていた取り組みをそのままネットで実現していったのです。
 
藤原氏は次にニキビケアのプロダクトを扱う外資系企業に転職。ここではアメリカのマーケティング手法をそのまま日本で展開する、という取り組みに携わる。ニキビケアという商品特性上、一度購入した顧客に継続して利用してもらう必要があるのだが、その課題に対してステップメールを用いて成果をあげていったのだ。ここで藤原氏はそれまでとは異なるメールマーケティングのノウハウを身につけることになる。
 
藤原:マードゥレクスではリアル店舗でやってきたことと、アメリカ発のメールマーケティングを結びつけたCRMに取り組もうと。新たに化粧品の世界で売上げを伸ばすために、マーケティングオートメーション(以下MA)ツール導入の検討に入ったんです。
 
鈴村:ECは手法やトレンドなどの移り変わりが特に激しい世界なんですが、そんな中でも結局のところは人の感性がベースになると思っています。ですから藤原さんがいまECの分野でご活躍されているのは非常に納得感があるというか。これまでのご経験がすべて活かされているわけですからね。
 
藤原:ありがとうございます。でも私がマードゥレクスに入社した当初は、デジタルの売上げは全体の11%しか占めていませんでした。そもそもの戦略が違っていたんです。だから逆に言うと、まだまだ伸びしろはあるな、と。それぐらいマーケティングの戦略が紙媒体やBtoBに寄せられていたんです。これはやるべきことをやりさえすれば絶対に売上げは伸ばせるぞ、それにはこれまで紙でやっていたことをデジタルで展開すればいい。その確信がスタートラインでした。
 

一度でも使ってくれたお客様のLTVを最大化させるために


藤原:マーケティングについては大きく2つの戦略を立てています。ひとつは新規獲得、そしてもうひとつは獲得した顧客をどうリテンションさせていくかというCRM。シンプルにこの2つです。ここで重要なポイントとなるのが新規の集客には結構なコストがかかるということ。一度購入に至った顧客に対して同じようなプロモーションコストは当然ながらかけられません。やはりできる限り効率よく継続につなげ、ロイヤリティを高めていく必要があるなと。
 

鈴村:やはりそうですよね。でも、これはなにもマードゥレクスに限った話ではないんですよね。新規と既存のお客様の内訳は、どこもほとんと一緒。売上げの構成比は2:8あるいは3:7が健全な経営状態だと思っています。これが逆転するといわゆる“自転車操業”で、プロモーションで獲得した分しかお客様が入ってこない。つまり売上げが伸びないという状態です。もはや新規だけで収益をあげるということが限界に来ているのです。いかにロイヤリティを上げて自分たちのファンになってもらうか。これこそが通販企業にとっての大きな経営課題となっていますね。
 
藤原:それとマードゥレクスの場合、商品のSKU(※)が40を超えて50近くなっています。こうなると以前のニキビケア商品のような単品リピート通販とは話が違う。商品それぞれの特徴を意識する必要があります。さらに使う人によって用途や期待することも異なってきます。これをいかに組み合わせながらレコメンドするか、を考える必要があって、一度でも弊社の商品を使ってくれたお客様のLTVを最大化させようと考えるとCRMシステムを導入してしっかりやっていかなければ、と。
※SKU…最小管理単位(Stock Keeping Unit)の略。商品ラインナップのことを指す。
 
いかにきちんとロイヤリティを上げていき、自分たちのファンになってもらうか。この命題に取り組むためには人力だけでは限界があると感じた藤原氏の目に止まったのがカスタマーリングスである。MAベンダー3社から同様のツールについて説明を受けた藤原氏だが、最終的にカスタマーリングスを選択する。
 

複雑なことをどこまでもシンプルに。とことん使いやすく


藤原:今回ツールに望むものとしては大きく3つあって。一つはお客様が実際にどういう購入の仕方をしているのか、とか、どういった動きをしているのかをデータとして把握できること。いわゆるDMPですね。しっかりとデータを貯める場所が必要だと考えていました。それも置いておくだけでなく、用途にあわせて蓄積できることも含めて、です。さらに二つ目としてはこのデータの活用ですね。データを見ながらどんなサービスにするか、どんなプロモーションに変えていけるのか。リテンションのためのメールなのか、アンケートを取るべきか、そういったことを操作性とともに臨機応変にできること。そして最後に分析機能です。施策に対して効果がいいのか、悪いのか。良いなら良いで、次どうすればもっと良くなるか。悪い場合もどうすれば改善できるか。こういった分析が必要です。これらの3つが僕の中でCRMをやる上での必須条件だったんです。
 
藤原氏はカスタマーリングスのプレゼンをはじめて聞いた時、そのシンプルさに驚かされたという。藤原氏の頭の中で前述の3つを叶えるには相当複雑な構造になるだろう、との先入観があった。いろいろなことができればできるほど、制約も増えるもの。それまでもさまざまなシステムを使いこなしてきた藤原氏ならではの想像である。
 
藤原:便利でいろいろできればできるほど、反対に使い勝手が悪くなったり…そういう矛盾はつきものでした。でもプレゼンを聞いた第一印象がとにかくシンプルで、データを貯める、貯めたデータを活かす、活かしたデータの分析ができる。この3つの流れ、まさにPDCAサイクルがこのシステムの中で自動的に回っている印象を受けたんです。すごく興味を惹かれて『始めるならいつから?』とか『いくらですか?』なんていきなり露骨に聞いてしまったことを覚えています(笑)。
 
鈴村:確かにそうでしたね(笑)。ほかに検討段階で他社のツールとの比較において大きく違いを感じた点などはありましたか?
 
藤原:基本的にどの会社も言ってることは同じなんですね。でもやっぱり、何が違うかっていうと二つあって。ひとつはスピード感です。データが貯まったあとに、それをサービスに変えるところの速さ。そしてもうひとつが実際に使う運用者にとっての操作性。これ結構大事なんです。なぜならCRMって“これが正解”というような答えがないんですよ。これだけやっておけばずっと売上げが上がりますよ、ということはないんです。常にお客様は変化するし、われわれの側も提供する商品が変わっていきますし。だから、それにあわせて常にA/Bテストしないといけない。やり方自体を変えていかなければならないんです。そのためには実際に現場で運用している人が使いやすかったり、数字が見やすいシステムじゃないと意味ないんですよね。
 
鈴村:やはりそこですよね。確かに表面上はどの会社も似たようなシステムです。しかしわれわれが一番こだわっているのは、いかにマーケティング担当者の思考を妨げないように操作できるかってことなんですね。CRMツールの場合、各機能別にツールが別々ということが往々にしてあります。メールはメール配信ツール、BIはBIツール、データベースはDBツール…といったように。そしてそれらのシステムの間は現場の担当者、つまり人がつないでいるんです。カスタマーリングスのコンセプトは、人が本来パワーとして引き出さなきゃ行けない部分をいかに最大化するかということにあります。そのために機能を自動化したほうがいいならばそうしようと。あくまで人ありきの仕組みであることにこだわっているんです。
 
分析は目的ではなくあくまでも手段、ゴールは打ち手によって収益を上げることにある。カスタマーリングスなら分析後すぐにアクションに移れる。たとえばRFM分析の結果、休眠顧客が1000人いることが明らかになったとする。それに対してすぐにメールを送れるだけでなく、どういう反応したのかをもう一つのツールでPDCAを回せるようになっている。しかも抜群の操作性も担保。だから考えるということにリソースのすべてが使えるのだ。
 
鈴村:さらにわれわれが分析をする際に非常に重要な観点だと捉えているのが「鳥の目と虫の目」。やっぱりある程度俯瞰をしながらいろんな状態を見て、でも、それでわかった気になっちゃいけなくて。気になったポイントを深掘りしていくことではじめてお客様ひとりひとりが見えてくるんです。「あ、なるほど、こういうお客様なんだ」っていう実感が結構重要なんですよね。
 
藤原:そうそう、そしてその実感を得るまでの操作が複雑じゃないんです。とにかくシンプルなんですよね、カスタマーリングスは。さっきの鈴村さんのツールの話じゃないけど、データを見るためにいちいちひとつひとつのツールを紐付けて、なんてやってるとそれこそ思考が妨げられてしまいます。最後は使わなくなってしまいかねません。あとこれは蛇足かもしれませんが、導入時にいろいろと要望を聞いてもらえたことも良かった。実はシステム自体が結構古くて…細かいところを見てもらって、これはできる、あれはできないみたいなことをやってもらいました。
 
鈴村:もちろんサポートのところにも力をいれています。導入にあたっては専任のコンサルタントが付いて、現場とのヒアリングを重ねながら実際の運用まで支援していく体制を整えています。導入後もさまざまなアドバイスを通じて長い付き合いを続けていくと。ここは本当に注力しているところですね。
 
 

アイデアを実行するためのプラットフォーム


鈴村:カスタマーリングスを入れたことで、何か新たな取り組みをはじめたとか。
 
藤原:戦略商品というものを4つ決めました。大きくスキンケアとベースメイクに分けて、さらにそれぞれ2つずつ商品をラインナップしています。スキンケア商品というのは定期購入されるアイテムで、一度登録してもらって購入いただければ1ヶ月に一度とか、1ヶ月半に一度といった頻度で継続的に商品が届くようになります。しかしベースメイク商品は、たとえばファンデーションなんかだとワンショット、つまり一回買ってもらったら終わりなんですね。だからなくなりそうな頃合いを見計らって『また新しいものを買いませんか?』と案内したり、使用中の期間でも『他にもこういう商品ありますよ』ってクロスセルをやるんです。
 
藤原氏によると4つの戦略商品についてはそれぞれ購入した顧客がまた使いたくなるような、もしくは定期購入を途中で止めないようにメールを用いてアプローチしていくという。そのためのステップメールはすべて用意していて、すでにその発展型ともいえる取り組みにも着手しているとのこと。
 

藤原:ファンデーションを使っている人に『よかったらウチのクレンジングオイル使いませんか?』というように、4つの商品の中でもクロスしてレコメンドするスタイルをつくったんです。カスタマーリングスを入れてからは実際に毎日取り込んでいるデータの中から、ある商品を買ったお客様は何を合わせて購入しているか、といった動きがつかめるようになりました。で、その併売の中から『あ、だったらこの商品』という感じでクロスメールを送る、みたいなことがやりたくて主力4商品とストーリーを作ったんです。
 
鈴村:商品が変わるとシナリオも変わるんですが、やはり藤原さんはもともとアイデアをお持ちなんですね。だからこそカスタマーリングスのようなプラットフォームが必要だと思うんです。アイデアがあっても実行する場がなければ宝の持ち腐れですし。さきほど正解がないという話がありましたが、まさにその通りで、お客様も変わるし商品も変わるので、いかに市場にチューニングし続けるかが大事なんです。アイデアを実行し、フィードバックを得て、チューニングして、次の施策をやるという。われわれがやりたいのはこの、アイデアを早く実行させたいということと、次のアイデアを産むための情報のインプットを早くやりたいということ。まさに“顧客の見える化”のポイントですね。
 

LINE@でさらに膨らむ新規獲得のアイデア


マードゥレクスではメール以外にも顧客とのコミュニケーションチャネルとして『LINE@』を採り入れはじめたという。藤原氏によると登録人数は2016年10月中旬からはじめて1ヶ月半ぐらいで2,200人超。11月の売上は180万円を計上した。今後はカスタマーリングスとつなぐだけでなく、ネットワークにも組み込んでいきたいと語る。
 
鈴村:LINE@への取り組み、早いですね。
 
藤原:最初は後ほどにでもやっていきましょう、なんて言ってたんですが、いまはもうぜひ今すぐ、って感じで(笑)。やっぱりLINE@もカスタマーリングスからちゃんとメッセージができるようにしたいんですよね。それとネットワークとつなぐというのは、実際にどのページを見たかというデータを貯めておいて、Yahoo!で他のサイトを見ているときにリターゲティングしていきたい。要は新規を獲得するためのリターゲティングですね。これまでずっとCRMの話ばっかりでしたが、実は新規にも使えるわけです。たとえば一度買って実際に使っている人はサイトに来る動機そのものがあまりないですよね。だから、そういう人がどこか別のサイトを見ているときにウチのメッセージに触れられれば、導線としては成立する。そこからさらにネットワークを使ってプロモーションできれば、なんて考えているんです。
 
鈴村:さきほども言いましたが、われわれはマーケッターの方のアイデアを広げるとともに、それを実現しやすくするシステムを追求しているんですね。だからこそ、やりたい施策に制限があっちゃいけない。LINEでいえばいま『LINEビジネスコネクト』と連携していますし、『LINEログイン』など新たな戦略サービスが出ています。これから顧客IDとLINEのIDとの紐付けのハードルがより低くなってくれば、マードゥレクスさんのターゲット層との親和性はますます高まってくるんじゃないかと思いますよ。
 
藤原:あとは広告費の無駄打ちが減ることにも期待しているんです。さっきも話したYahoo!DMPとの連携もカスタマーリングスとつなぐことでこちら側にすべてのデータが入ってきますから、セグメントも切れますし、そのセグメントを使って今度はWeb広告のターゲティングですよね。これを精度高くできるというのは結構重要なポイントですよ。
 
鈴村:施策の制限がない話に戻すと、たとえばSMSですね。電話の注文だとお客様とのコミュニケーションが電話しかないのですが、逆をいえば電話番号は取得できるわけです。だったらお客様に許可さえもらえればスマホに商品が届く案内ができます。これ、最近非常にニーズ高くなってきていますね。
それともうひとつ注目されているのがWeb接客ツール。やはりセグメントが細かくできるというのがカスタマーリングスの強みなので、そのセグメントと、お客様が訪問してきたときのPOPの精度を高めていくと。こうやって手段や手法の面での制限をなくすことが、マーケッターの方の思考の幅を広げることにもなると考えています。
 

自分たちが考えてやったことが成果につながる面白さ


カスタマーリングス導入によって広がるマーケティング手法とその可能性だが、その一方で藤原氏は「気をつけなければならない点がある」という。たくさんの選択肢が目の前に並ぶとどうしても「あれも、これも」と手を出したくなるのが人情というもの。しかも他社やさまざまな事例から聞こえてくるのはいい話がほとんど。つい「やったほうがいいのでは」という思いに駆られることも少なくないという。
 
藤原:結局やるのは人なんで。人がチャレンジしながら、いろいろ試行錯誤しながらやっていくわけですよね。だからこそきちんと優先順位を付けてやるべきだと思うんです。並行でどれもこれもやりたくなる気持ちはわかるんですが、やはりリソースというものは限られているわけですよ。なので、たとえばウチでも電話受注が結構多いので、まずはコールから取り組んでみよう、とか。そこで一定の成果、データを貯めてから、じゃあ次はWeb接客やってみるか、というような感じですね。そうしたプロセスを経ていくうちにどんどんデータも貯まりますし、学習も進んでいくと思うんです。
 
鈴村:やっぱりシステムが人の手から離れていっちゃうと、よくないですね。いわゆるブラックボックス化してしまうんです。特にオンラインの場合はその傾向が強くあらわれます。きちんとPDCAを回して、その結果がわかる。そしてマーケッターが考えるという状況をいかに作るかが重要だと思っています。ノウハウが社内にたまっていけば、たとえ手段を変えたとしても修正が効くんですよね。ツール提供側としてもそこはしっかり啓蒙していきたいところです。
 
藤原:マーケティングやってて何が面白いかというと、やはり自分たちで考えてやったことが本当に上手くいったときなんですよね。あの感動に勝るものはないというか、楽しい瞬間なんです。だからまた新しい発見を探しにいく、みたいな。もしそれがなかったとしたら、管理画面なんて週に1回見に行くかどうかになってしまう。やっぱり成功体験が増えると、次も何かしたくなるというか、次はどんなデータが見えるかなというマインドが醸成されますよ。
 
鈴村:実感があるというのが大きいですよね。ツール導入後、順調に動き出した際には藤原さんとしてはどういったCRMをやっていきたいですか?
 
藤原:いちばんやりたいのはLTVの最大化ですね。これができた暁に、はじめて媒体別のCPOやCPAの設定ができるかなと。やっぱり今はまだデジタルでの売上げ規模そのものが小さいので…LTVもどうしてもミニマムなものになってしまう。規模が小さいと新規にかけるコストと既存にかけていいコストの見合いにどうしてもブレがでてきてしまって。ある程度出さなければいけない売上げと利益があるので、そこから逆算して配分やその枠内での最大化はやってはいるんですけどね。本当はマーケティングであれば、顧客ひとりひとりの顔を見ながらどれぐらいコストをかけるかどうかの判断がしたいわけですよ。アフィから入ってきた場合ならリテンションできればこれぐらい取れるから、というようなストーリーがつながっていってはじめてきちんとしたLTVとCPOのコスト効果が出てくると思うんですよね。そのためにもデジタルの売上げを大きくしたいと。
 
鈴村:なるほど。でも、マードゥレクスさんはまだまだ成長余地がたくさん残っている状態ですからね。実際にオフラインでの成功体験も持っていますし。ここをどうオンラインとトレードオフするか、ということがひとつの鍵を握ってるんじゃないでしょうか。やはりオフラインでも通用するものと、そうでないものがありますから。特に一番大きいのはデータ活用ですね。オフラインに比べるとデータ量が格段に違いますからね。アクセスログも含めていかに効率よく処理して、既存のリソースでいかに効果を最大化するか。藤原さんがまず最初にやらなきゃいけないことがこれじゃないかと思っています。そしていまやりたいと思っているステップメールとか、クロスのシナリオをなるべく早い段階で自動化してPDCAを回す。そうしてはじめて先ほど言っていたチャネルの最適配置というステップが踏めるようになるでしょう。
 

藤原:いや、でも本当に早く回してみたいです。たぶん、すごく面白いんじゃないかと思うんですよね。だってLINE@でも、数字がすぐに上がったことでみんな盛り上がってましたから。わかっていたことなんですが、やはり数字が上がり、それが見えるということがいかに重要か。いままでマーケッターの人は数字を見るまでにものすごく時間がかかってましたからね。早く見れるかどうかが、PDCAの回転を早くしますよね。
 
さらに藤原氏は、これからは「当たった」取り組みだけでなく「当たらなかった」取り組みにもスポットライトを当てて検証を進めていくという。一過性ではなく、すべてが経験として蓄積されることがCRMの重要なポイントのひとつ。これらの取り組みがマードゥレクスにとってかけがえのない資産になることは間違いないだろう。今後の同社のマーケティング戦略からますます目が離せない。