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2017.07.13導入事例

リユース業界最大手「コメ兵」が取り組むオムニチャネル最前線。MAを活用した勝ちパターンのつくりかた。

株式会社コメ兵 執行役員 藤原氏
     IT事業部マネージャ 諏訪氏
プラスアルファ・コンサルティング取締役副社長 鈴村賢治

日本最大級のリサイクルショップ『コメ兵』を運営する株式会社コメ兵。販売だけでなく買取があること、商品は基本的に一点物、といったリユースならではの特徴を持っている。同社がオンライン化に着手したのは2001年。2010年には総合ショッピングサイトを立ち上げるなど、業界の中でも先駆者的存在といえるだろう。各種メディアにも取り上げられる同社のオムニチャネル戦略やCRMの位置付けなどについて執行役員の藤原氏、IT事業部マネージャの諏訪氏と弊社取締役鈴村との対談から探っていきたい。

■オンライン成功のカギを握る“人の価値”
藤原:当社の場合、そもそもリアルのビジネスが出自。EC事業はゼロからのスタートでした。そのときに最も気をつけたのが、店頭の人たちの協力をいかに取り付けるかということ。幸い社風として風通しが良く、はじめは反対意見があったとしても取り組みが形になり「あれ、なんかこれいけるかも」となると一気に協力体制が固まっていく。そういう風土に助けられてここまできています。

鈴村:これは他の会社さんにも当てはまることなんですが、オムニチャネルやるときってオンラインのチームとオフラインのチームが対立してしまうと、まず前に進まないんですよね。コメ兵さんはそのいちばん難しいところに最初に手を打ったというわけですね。

藤原:そうです。あと重要なのはリアルからオンラインに人を異動させること。ECやるからといっていきなり外部から人材を招へいするとあまり上手くいかないんですよね。そもそもが仲良くないケースが多いから。それよりもリアルの現場とオペレーションをわかっている人がオンラインもやるというのが大事。きっとこうやればお客様は喜んでくれるだろうな、というのが何となく感覚的にわかるんですよね。それを意識して動いていました。

鈴村:藤原さんは総合型のECサイトを立ち上げたあと、ご自身の傘下に情報システム部門を移されたそうですね。早い段階でこれができるのは正直すごいと思いました。IT部門を事業部側に持ってくることであらゆる取り組みのスピードが格段に早くなる。またオムニチャネルにおいて一番大きな壁である、オンラインとオフラインの店舗の仕組みが違う中での統合という問題をクリアできるわけですからね。
藤原:どこの会社も情報システム部ってだいたい管理部系にありますよね。それを営業部に移して、顧客データや商品マスタを整理していったんです。最近また組織改革して、今度はマーケティング統括部というのを作りました。ECとデジタルマーケティング部隊、あとはリアルのマーケティングですね。そこも統合して全部同じ容れ物でやりましょう、という形になっています。

鈴村:オンラインの顧客データと購買データの紐付けだけでも苦労する会社が少なくない中、コメ兵さんが頭ひとつ抜けている理由がそのあたりにあるのではないかと思います。コメ兵さんでいえばオンラインの顧客データと購買データ、店舗が持つ会員データと購入データ、さらには買取のデータがありますので、結果として8つぐらいあるデータをつなげて、それぞれ大きな事業部をまたがるような仕組みを構築しなくちゃいけない。それにはまず物理的な連携が出来るかどうかという問題、そして連携するための体制が整っているかという問題があります。コメ兵さんのオムニチャネルが上手くいっている背景には仕組みと並行して組織や人の問題がいち早く解決されている点にあるんですね。そういう意味ではまさしく先見の明があった。秘訣をしっかりと押さえていたと。

表面だけを見るとコメ兵の取り組みは先進的そのもの。もちろんそれは言葉の通りではあるのだが、その裏側には組織づくりや人の合意を取る、といったある意味アナログな環境整備がなされていたのである。と、なると次はツールの選定が成否の鍵を握るのだが…

藤原:もともとコメ兵には先人が築いてきた仕組みがありました。リユース業の中でいちばん最初にPOSを入れたり、メンバーズカードやポイントカードも導入してましたからね。だからツールって話よりもデータが先にあった。ツールは手段でしかなくて、大切なのはまず何をやりたいか、ということですよね。以前からあった仕組みをどう活用するかというところからのスタートだったので助かりましたよね。

鈴村:商品データのマスターがしっかりあって、そこに顧客を紐付ければ誰がいつ何を買ったのか、という答えがでますからね。

藤原:そのあとメール全配信とかやってたんですが、全配信ってそもそも自分が受け取る方だったら嫌じゃないですか。そんな中でもある程度のクラスターは作りました。3年ぐらいそれでやってたかな。7種類ぐらいに分けて。でも結局は全配信だったんですけど。

鈴村:クラスター作っても全配信なんですね。どうして全配信になるんでしょうね。多くの会社がダメだとわかっていながらやめられないとおっしゃいます。一つの仮説としては、根底に機会損失したくないという気持ちがあるのかなと。それまで取りあえず送れば売れてた時代があって、その経験を持っている人であればこそ、送らないことへの機会損失の目線でやっぱり全配信でもいいから送っておこう、となる。

藤原:実際にそれが一番の理由だと思いますよ。これだけ情報があふれていると全配信よりもタッチポイントを増やすことのほうが優先順位高いと思うんです。また、みんなが全配信やってる中で、自社だけやらなかったら忘れられてしまう。本当はそれぞれクラスタリングでセグメントを切ってやりたい。でもできない。やらないよりも全配信のほうがマシ、って話だと思うんですよ。

精度の高いマーケティングを手がけるには相当の手間がかかる。送るだけでなく、検証の作業も膨大なものになる。そこでスポットライトを浴びるのがマーケティングオートメーションであり、ITの力だろう。ここで藤原氏に数あるMAツールの中からカスタマーリングスを選択した理由を語ってもらおう。

■ツールに業務をあわせるのではなく、業務にツールをあわせる
藤原:カスタマーリングスを選んだ理由は大きくふたつあります。ひとつは技術的な面。当社の場合、購買データだけでなく買取データも存在します。 そしてやりたいことは売り買いをグルグル回していただいて『コメ兵の経済圏』を作っていくこと。だから買取と販売の人たちをどうつなげていくかが重要なんです。 でもほとんどのベンダーのツールはパッケージ化されていて、当社の重視するところに対応できない。いわゆる“備考欄”でやっておきましょう、なんて言われてしまうんですね。

鈴村:コメ兵さんにとっては核になる部分なのにそれを備考でやるしかないと。それは不安になりますね。いまは良くても将来的にどうなるかわからないのでは、投資できないのもよくわかります。

藤原:その点、カスタマーリングスの場合できますか?と聞いたら「できますよ」と即答してくれて。しかも、こういう形でやりましょう、と道筋まで教えてもらえたので。これなら納得できるなと思いました。 そしてここからがもうひとつの理由なんですが、営業や技術も含めて直接やりとりをさせていただいたときの感触です。私たちがいちばん困るのが「ツールをお渡しするので、あとは勝手にやってください」。 当然ですが当社はマーケティングの会社でもないですし、エンジニアもいません。でも プラスアルファの担当者さんたちは「一緒にやっていきましょう」という距離感で接してくれました。やり取りの中でもこちらの投げかけや悩みに対して「じゃあこういうやり方あります。こうしたらどうですか」といった提案をものすごくたくさんいただけた。 それに感銘を受けて「じゃあもうプラスアルファさんにしましょう」って話で決めたのを覚えています。

鈴村:ありがとうございます。僕らが開発している中でいちばん大切にしている考え方が、 ツールでやりたいことが制限されちゃいけない、 ということなんですね。さきほど藤原さんもおっしゃいましたが、ツールはあくまでも道具なんです。道具がここまでしかできないから施策もここどまり、というのは頭の中の思考を狭くするのでやりたくない。 当社のポジションというのは使う方のアイデアや発想を最大限に広げるための触媒みたいなものです。 そういう意味からも、万が一ご提案の時に即答できなかったとしても持ち帰って開発部隊とすり合わせしながら次のバージョンで実装するとか、新たな切り口からの提案をしています。それこそが我々の開発思考だし、そういった提案を心がけていました。

藤原:さっき決め手はふたつ、といいましたが実はもうひとつあって。プラスアルファさんってすごく日本的だなって思うんです。 いろんな点で、いい意味で日本的な会社だなと。ツールベンダーの多くが欧米的で、ツールに業務を合わせなくちゃいけない。 でも日本は発想が逆で、業務にツールをあわせてくださいというのが一般的。プラスアルファさんはそれをあくまでも戦略的にやることでクライアントの思いを叶えようとしているんじゃないかと感じたんですね。 それは実はすごく重要なことで、当社に限らず他の企業さんも同じ感想を抱いているはずですよ。

鈴村:そこをご理解いただけて、ありがとうございます。今回の提案の中で議論を重ねて、理解を深めなければならなかったことはふたつありました。 ひとつは買取販売というビジネス形態ですね。これがどのような力学で動いているのかという話。 そしてもうひとつはオムニチャネルで店舗とオンラインのデータをどう統合して何をしたいのか、という要望に応えられる提案です。 こういった当社の姿勢というか、スタンスがしっかり伝わっていたようで、本当にうれしいですね。

こうしてコメ兵のマーケティング活動をサポートするツールとして導入されたカスタマーリングス。実際に日々の業務で使いこなしているのはIT事業部のマネージャである諏訪氏だ。 リアル店舗での販売・買取経験を持ってWeb事業室の立ち上げに参加。さらに店舗開発まで手掛けたのちに再びWebの世界に戻ってきたというキャリアの持ち主である。

諏訪氏:いまから3年ほど前に藤原の元でECを担当していたときは、先ほども話が出たクラスター分析しつつ全配信せざるを得ない作業環境でした。 何十、何百っていうセグメントを作ってそれぞれ適した人たちにメールをお届けすることが難しかったんですね。それから部署異動を経て、久しぶりにWebの現場に戻ってきたらカスタマーリングスが導入されていて。 いまでは当然のようにセグメントも出来るし、個別アプローチも可能になりました。加えて作業工数が大幅に削減できているので、考えることに時間がかけられるようになっています。 どうしたらお客様に適切なタイミングで適切なアプローチができるようになるか、とかですね。 その結果としてアプローチ件数も大幅に増やすことができた。ここがそれまでのシステムとカスタマーリングスとを比較した上での最大の違いだと思います。

鈴村:膨大な作業や手間、負荷、負担といった呪縛から解放されて、本来やるべきメール内容や適切な配信数について考える時間が生まれたということですね。コメ兵さんの場合、リユースという特徴がありますがそのあたりに活かされていることなどありますか?

諏訪氏:以前はどうしても「点」でのアプローチしかできなかったんですが、今はオートメーションの力を借りて「線」でつなぐことができるようになりました。 それによってお客様とのリレーションが生まれつつあるのかな、と感じています。たとえば会員登録した後に何のアクションもないお客様にアプローチをしてご購入いただく。 その際にはやはり『中古品だから…』という最初の障壁があるんじゃないか、または買った後に後悔されることがあるんじゃないか、と仮説を立てます。 そしてその仮説に基づいてリレーションのメルマガという形でアフターやメンテナンスのフォローを実施する。 そこからはカスタマーリングスの機能を駆使して分析をかけながら、なるべく適切なタイミングでCRMを回すと。こういうことができるようになったんです。

藤原氏:マーケティングオートメーションを使いこなす上でとっても重要なのがシナリオだと思うんです。 諏訪は実際に店頭で働いていたからお客様がこうしたら喜んでくださる、と感覚的にわかっているんですよね。それをITの力でどう実現するのか。ここがMA活用の最大のポイントだと思っています。

諏訪氏: 検証のスピードも早くなったと実感しています。 以前から実行後の分析には時間を費やしていたんですが…分析してどんなアプローチができるんだろうと考えたときに、やはり何十というセグメントのイメージはできても、 3回ぐらいまで送るとその先が続かないんですね。これもしたい、あれもしたい、というのがどんどん広がっていってしまって。その時に時間という制約の中で限界がやってくるという。 これ以上はお届けしたくてもなかなかできない、ということが正直ありました。それが解消された。

藤原氏:そのあたりはスピーディにできるようになったよね。僕もせっかちなんで「まだか」「もう出たか」「もうやったか」と矢継ぎ早に催促しちゃうほうなんで(笑)。これ、マードゥレクスの藤原さんも多分同じだと思うんですけどね。

鈴村:やはりやったことに対してすぐに返ってくることって重要ですね。マーケッターにとっての実感そのものですしね。それが遅いと何やってたんだっけ?みたいなことになりますし。

諏訪氏:実際に店頭で働いていたこともあって、シナリオはたくさん浮かんでくるんですよね。 ECしか利用していないお客様も中にはいらっしゃるんですが 「どうしてこのお客様はECだけなんだろうか」と考えながら、お店にご来店くださるお客様との違いを頭の中で思い描く。その上でどんなアプローチができるかな、とかイメージするんです。

実店舗での買取・販売経験を持つ諏訪氏だからこそ、カスタマーリングスの機能を充分に引き出していることは言うまでもないだろう。 さらに諏訪氏は扱う商品が一点物だけに在庫連携に細心の注意を払っているという。その点においてもカスタマーリングスは新たな機能追加によって支援可能である。

■マーケッターにとって大切なのは“勝ち癖”
藤原氏:やっぱりマーケッターって負けちゃいけないと思っているんです。勝ち癖をつけていく必要がある。 勝ち癖をつけるっていうのはつまりノウハウの蓄積のことだと思うんで。 それをずっと積み重ねていくことで、年間にこれだけのお客様を獲得できました、売上がこれで利益がこれだけです、というのが重要です。さらにいえば 人が動いた、売れただけじゃなくてそれを何人で出来たのか。生産性もすごく大切だと思うんですよ。 経営視点で見るということですね。コストの部分とお客様に愛されて買っていただけるという両方を見ることが欠かせない。裏側ではきちんと数字を管理しないといけません。

鈴村:そのためにはいわゆる“場数”をたくさん踏む必要がありませんか?

藤原氏: マーケッターの人たちが「メール送りました、その反応がありました」というセットを高速回転させていくことで勝ちパターンを増やすことが重要だと思います。 やっぱりその中には“負け”のケースもたくさんあって、だからこそバッターボックスに立つ回数は多くしないといけない。 いきなりホームランは打てないですし、それでも狙いにいくと変なメールをバンバン送るようになっちゃいますからね。 バントでいいからちょっとずつ、小さなクラスターに嫌われないようにメールを送って、そのあたりで勝ち癖をつけていかなくちゃなと思っています。

鈴村:いまの勝ちパターンの話、個人的にグッときました(笑)。 多くの企業が勝ちパターンがわかっていないから全配信から脱却できないのだ、と。勝ちパターンを獲りに行くチャレンジができないと、 いつまでたっても機会損失ばかり気になってしまう。茹でガエルの状態ですよね。その逆に勝ちパターンがたまっていけばそれだけマーケティングの実感にもなるし、御社にとってのノウハウそのものになりますよね。

諏訪氏: 勝ちパターンを蓄積したり、マーケッターとしての実感を得るという意味においても、今やカスタマーリングス抜きには考えられないですね。 プラスアルファさんには最初の時点から非常に親身になってご提案だったり修正追加していただいているので、現場で使っていて不満や不具合に感じることはありません。常に新しいことにチャレンジできるよう、都度チューンアップしてもらえている感じがします。

■すべては“実感”を得るために
カスタマーリングスの導入で、コメ兵のデジタルマーケティングは強力な武器をひとつ手に入れたことになった。 PDCAが回しやすくなり、改善のスピードも手応えも以前とはケタ違いに上がっているからだ。そしてメール配信を通じた顧客との関係性構築も良好だという。

藤原氏: MAツール導入で一番大きく変わったのはメール配信業務ですね。 それまでは全配信に近かったので取り組み自体も結果もなんだか掴みどころがなかったんですよね。それが カチッと数字で落ちてくる ようになった。タイミングも配信内容も固まってきている印象です。だから PDCAも回しやすい。 あとは最終的には僕たちは利益を出す必要があるので、儲けさせていただかなければいけないんですが、 その前の段階でお客様とどうやって関係性を作っていくかということが実は最も重要なんですよね。その意味で本当にカスタマーリングスを入れて良かったなと。

鈴村:我々がこだわっているのは先ほどもお話に出ましたが、 マーケッターの方が実感を得る、 ということなんですね。施策に対して反応がある、とか、PDCAが回せたり勝ちパターンの蓄積なんかも全て実感。 逆に実感がない状態ってどういうことかというと、いわゆるブラックボックスです。データを入れるとグルグル回って知らないうちに答えが出てくる、 みたいな。これだと結局ツールに使われているだけなので、使う側の人間が何も考えなくなります。 人とITの間をつなぐためには、できるだけ早くフィードバックをしてその人が考えるために必要な情報を提供できるか。ここが一番大事だと認識しています。

藤原氏:あとは お客様から嫌われないためにもカスタマーリングスはなくてはならないツール です。 嫌われてしまったらもうCRMどころじゃありませんからね。嫌われないためにはお客様のことを知らなければならない。 基本中の基本だと思います。しかしそのためには「知ること」や「考える」ための時間がいる。それなのに作業に追われていては、とても追いつかないですから。

鈴村: お客様のことを知るというのも実感のひとつです。 マーケティングの視点で考えるとEC事業や会員サービスを展開している企業って、ものすごく恵まれている状態にあると思うんです。 顧客データも購買データもお持ちなわけですよね。でも一般企業でそこまでデータが揃っていることは少なかったりする。それでみなさん苦労されているわけですよ。 これ誰が買ったんだっけ、みたいな。その一方でオンラインやオムニチャネルを手がけているところは比較的データが集まりやすいにも関わらず、活かしきれていない。 もったいないと思います。せっかく持っているんだからデータを有効活用してもらって、データから実感を得て、それに対してまた考えるというスパイラル。ここを我々としては支援していこうと取り組んでいるわけです。

鈴村いわくカスタマーリングスはまだまだ進化をし続けるとのこと。特に「実感」にはこだわっており、さまざまな角度からあらゆる改善を図っている。 たとえばアバターを採用したり、視覚的な仕掛けを通して直感的に実感を得られるような工夫をインターフェースに盛り込んでいる。

諏訪氏:たとえば CVRが数字じゃなくて人の顔になっているだけで、ものすごく親近感が湧きます。 漢字で名前が羅列されているだけよりも、人の顔の写真になっている方がより“顧客を感じる”ことになると思いますね。

鈴村: ITやデジタルってゼロイチの世界なので、そこにアナログ要素を上手く取り入れて「なるほど」「面白いね」みたいな感覚を引き出すのって結構重要だと思っています。 やはり人間、動体視力を持っているので見るものや見え方で物事を判断したり、アイデアが浮かびやすくなったりすることもありますよね。 面白いというのは意外とバカにできなくて、ツールそのものもそうですが、結果に対してのアクションが面白いってのは特に大事かなと。

■定量と定性、右脳と左脳、オンラインとリアルの融合へ
藤原氏:さっき鈴村さんがおっしゃったお客様を知る、ということに関していえば、当社もまだ全てを完璧にデータとして入れられてはいないんですよ。 たとえばAさんがリアルの店舗でクーポンを受け取ったけど使ったか、使ってないか。使ったとしたらいくら買ったのか。そういうところまではデータ化できていません。 本当はお客様のリアルな行動データを掴まないと、と思っているんですけどね。

鈴村:リユース業の場合、買取もあるわけだからデータが複雑で多岐に渡りそうですね。

藤原氏:あるお客様が買取に来て宝石を10点お持ち込みしたとします。 そのうちの6点は後日お売りになったけど、残り4点は売らなかった。 その4点を売らない理由はバイヤーと話した結果、明確になっているんですが、データとしては入っていない。 理由といってもいろいろあると思うんですよ。他のお店の方が高かったとか、やっぱりずっと使っていきたいとか。 そういう定量で計れないテキスト系の膨大なデータを入力することで、こういうことを言うお客様にはこれを見せるといいんじゃない?というようなシナリオがたくさんできると思うんですよね。

鈴村:その通りだと思います。 我々としては定性と定量どちらもマーケティングに必要だという考え方なんです。テキストマイニングの技術の話だと店頭で得られた情報を分析することによって、 お客様ごとにレコメンドする内容という左脳的なものはデジタルで出せます。一方で右脳的なものはもう少し感情的なものになる。

藤原氏:右脳的な情報ってこれからすごく重要ですし、取れるようになると思うので準備だけは早めに、と思っています。お客様と鑑定士やバイヤーが話をしていて何がフックになっているか。 それをデジタルで処理できれば、もしかしたら使える情報になるんじゃないかと期待しています。

世の中のマーケティングがシステマチックに進化を遂げたのち、その揺り戻しのようにアナログ、つまり右脳系の情報の重要性が脚光を浴びるようになってきた。 右脳と左脳データの両立はカスタマーリングスの大きなテーマではあるが、そもそも定量と定性を高次元で融合させることはプラスアルファ・コンサルティングの強み。今後のチャレンジに期待できるだろう。

藤原氏:僕たちがやっていることはいずれ統合マーケティングになると思います。 結局のところお客様にどれだけ喜んでいただけるかが鍵なので、デジタルに限らずもう少し広い範囲の活動も含まれてくると思うんです。 リアルのほうはデジタルに寄っていくし、デジタルはもっとリアルの現場に踏み込むことになる。 結局はみんな一緒にやりましょうよ、というのが一番の着地点になるんじゃないかと。 それをオムニチャネルとかいろんなバズワードで言われることはいいんですが…なにかすごくカッコいいものを作ろうというのではありません。 シンプルに、地道に取り組んでいることが実はオムニチャネルって言葉で表されているんだよね、という状態を目指していきたいです。

諏訪氏:やっぱりお客様に選んでいただくためにはメルマガ云々だけでなく、たとえばお店の外観だったり内装だったり、店頭販売員の服装や接客といった部分も重要になると思うんです。もちろんその根幹には会社としての経営理念とか、戦略戦術というものもありますし。

藤原氏:それら全てをひっくるめてマーケティングだと思って、 専門の部署だけではなく全社で意識して取り組むことが僕は重要だと思いますね。まずはインナーの面から全社でマーケティングを浸透させていき、 お客様に対しては統合的に商品やサービスをご提供できる。そういった会社のあり方をつくっていけたらと思っているんです。

会社としての勝負どころ、勝ちにいくポイントについてよく考え抜かれている…藤原氏の慧眼と諏訪氏の現場経験、 それにカスタマーリングスが掛け合わさって、コメ兵の強みに一層磨きがかかっているようだ。 多くのリユース企業にとって自社の取り組みをもう一度見直す対談になったのではないだろうか。 リアルとオンラインを融合し、全社で取り組むコメ兵のオムニチャネル戦略。これからもマーケティングのロールモデルとして業界の先頭を走り続けることだろう。