人材サービス業
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科学的人事ケーススタディ

エン・ジャパン株式会社

代表取締役社長 鈴木孝二様

エン・ジャパン株式会社

デジタライゼーションで業界が劇的に変化
人材を可視化し意思決定できるツールが必然に

2008年のリーマンショック以降、市場規模が大きく減少した人材業界。景気回復や少子高齢化に伴う人口減少等の構造的な人手不足から、2010年以降は「人材採用」の需要は高く水準する一方、2018年には有効求人倍率が過去最高となり採用難の状況に。「採用」から「定着」へとシフトしつつある人材領域では、経験と感覚に頼る意思決定ではなく、蓄積されたデータを分析する科学的な“人材の可視化”が必然となる。業界を牽引する企業として、自らの組織で人材戦略や意思決定のあり方を検証し、そのノウハウを顧客にフィードバックしていくことが使命と考え科学的人事に取り組んでいる。

1多様な角度で収集したデータから人材を可視化

人材サービスモデルは変化しつつあり、活躍する人材の素質も企業が求める人材像も変わってきています。これまでの活躍モデルによる採用を変える必要があることから、360度評価はもちろん業績評価や独自の適性検査など、様々な指標でデータを集めていました。しかしそれらは、迅速な意思決定や総合的な判断ができる精度ではありませんでした。データが活かされず、入社時の評価と現在の業績に差が出ている人材や、適材適所に配置されず埋もれてしまっている人材もいたと思います。過去の経験や感覚という属人的な判断に頼る状態だったのです。

このような課題を解決するため、独自のタレントマネジメントシステムを作ることも考えました。しかし、既存の事業モデルも劇的に変えていかなければならない状況で、実現したいことを全て兼ね備えたシステムを新しく作るには時間がかかりすぎてしまう。そこで市場に出ているサービスを様々な観点から検討した結果、人材の可視化とサービスコンセプトの思想、そして機能の拡張性に優れたタレントパレットの導入に至ったのです。それにより、今までは収集のみで活用できていなかったデータを分析・評価につなげる道筋ができました。

2個別事案のこまめなメンテナンス

事業戦略と人材戦略はタイムラグなく合わせる必要があります。しかし、社員数が1,000人を越えると経営陣が全ての人材を把握できず、個別に問題が起きた場合も逐一アプローチしていくことが難しくなりました。

データを分析できれば、思うように活躍できていない人材の問題が浮かび上がってきます。可能性のある人材が期待値ほど活躍できていない、マネジメント体制の中で埋もれている等、本人の本音からはうかがい知れずとも、データによってそれらは可視化されます。可視化したデータをキャッチアップできれば、週1回の経営会議での共有や周囲および本人へのヒアリング、必要があれば配属先の変更や話し合いによる解決も可能です。業績評価は半期ごとに行いますが、人間関係はこまめにメンテナンスしています。本人の性格や相性もあるので、細かいパラメーターを付けたタイプ別のマッチング度合も判断材料とし、早期離脱を防ぐために入社から1年は毎月、その後も半年ごとにチェックを継続しています。