人財データと健康データを活かし、ウェルビーイングを推進。
中国銀行が実践する健康経営と人的資本経営
課題:人材の見える化、健康経営
課題:人材の見える化、健康経営
業種 金融
従業員数 4,797名(グループ連結)
地域金融機関を取り巻く環境が大きく変化する中、中国銀行では、人を企業価値創出の源泉となる「資本」と捉え、人的資本経営を推進しています。その実現を支える重要な取り組みが、従業員一人ひとりの健康とウェルビーイングを支える健康経営です。
同グループでは、タレントパレットを活用し、グループ全体の人財データと健康データを一元管理し、健康状態やエンゲージメントを可視化。紙中心だった健康管理をデータ活用へと転換することで、業務効率化や再検査対象者への迅速なフォロー、データに基づくマネジメントを実現しています。
今回は、グループ会社である中国銀行の皆さまに、タレントパレット導入の背景やヘルスケア管理機能の活用方法、健康経営にもたらした変化、そして今後の展望についてお話を伺いました。
ちゅうぎんフィナンシャルグループは、中国銀行を中核に、証券やリース、アセットマネジメントなどのグループ会社と連携しながら、地域のお客さまや企業が抱えるさまざまな課題の解決に取り組む地域金融グループです。金融サービスの提供にとどまらず、DXやSXの支援、地域活性化にも力を注ぎ、地域社会とともに持続的な成長を目指しています。
こうした経営を支える上で重要なテーマとして位置付けているのが、「人的資本経営」です。中国銀行では、人を企業価値創出の源泉となる「資本」と捉え、人財の戦略的な育成と適材適所で活躍できる環境づくりを推進しています。また、こうした人的資本経営を推進するためには、従業員が心身ともに健康で、意欲を持って働き続けられる環境づくりが欠かせません。そこで同グループでは、健康経営を人的資本経営の重要な柱の一つと位置付け、健康データやエンゲージメントデータを活用しながら、従業員のウェルビーイング向上に取り組んでいます。
こうした取り組みを進める上では、人財や健康に関する情報を正確に把握し、データとして活用できる基盤が必要となります。
以前は、人財情報や健康診断データが点在しており、健康管理業務にも多くの課題を抱えていました。
従来の人事システムは給与や、人事情報の管理がメインで、評価やスキル、資格などを可視化し、人的資本経営を進めていくことが急務でした。
なかでも負担が大きかったのが健診結果の管理です。健診データは多数の医療機関から届きますが、紙やPDF、CSV、Excel、XMLなど形式が統一されていませんでした。
そのため、各支店では管理職が支店全員分の健診結果を取りまとめ、本部へ送付する運用となっており、現場にも大きな負担がかかっていました。健康保険組合担当者も、届いた紙を一枚ずつめくりながら手作業でデータ化し、産業医に確認してもらう資料を作成しなければなりませんでした。
こうした状況では、再検査や保健指導が必要な対象者を正確に抽出するためにも膨大な時間を要します。健康データを効果的に活用し、人的資本経営を支える基盤とするため、汎用性が高く、あらゆるデータを柔軟に、人財データと健康データを一元管理できるタレントパレットを導入しました。
中国銀行では、人財情報の一元化に加え、ヘルスケア管理機能も活用しています。 特に健診データの管理では、多数の医療機関から届く形式の異なるデータを一元管理するため、XMLデータなどをCSVへ変換する独自ツールを開発しました。このツールを活用し、医療機関ごとに異なるデータ形式をタレントパレットの基本設定に合わせて変換することで、健診結果を効率よく集約・抽出できる仕組みを構築しました。
取り込んだ健診データはシステム上で一元管理され、産業医が設定した基準に基づいて再検査や保健指導が必要な対象者を抽出しています。抽出したデータは、就業判定や産業医面談の実施にも活用されています。
また、従業員自身もタレントパレット上で過去の健診結果を確認できるため、自身の健康状態を把握し、日々のセルフケアにつなげられる環境も整えています。
健診データがシステム上で一元管理されるようになり、これまで各支店から健診結果の郵送業務を大幅に減らすことができ、人事担当者が行っていた紙の確認や対象者抽出の作業も大幅に効率化されました。
データ化により異常値が非常に見やすくなり、紙の確認では見落としがちだった再検査や生活改善指導の対象者を確実かつスピーディーに把握できるようになりました。
抽出した対象者には速やかに保健指導や産業医面談を実施できるようになり、これまで以上に迅速で確実なフォローが可能になりました。その結果、再検査対象者へのアプローチ漏れがなくなり、受診率の向上にもつながっています。
また、ストレスチェックもタレントパレット上で実施しています。従業員も抵抗感なくスムーズに回答しており、回答率も高い水準を維持しています。
高ストレス者や未受検者の管理、産業医面談の対象者の把握をシステム上で行っています。集計結果は、集団分析をしたうえで各所属長に共有し、心理的負荷や身体的症状、仕事の量・質などの集計データをもとに職場の状況を把握し、環境改善に活用しています。
健診結果やストレスチェックなどの健康データを「管理する」だけでなく、組織改善や従業員の健康増進に「活用する」仕組みを構築したことが、中国銀行の健康経営を支える大きな基盤となっています。
健診結果やストレスチェックに加え、パルスサーベイやエンゲージメントサーベイもタレントパレット上に集約しています。以前は健康状態や組織のコンディションを把握するために複数の資料を確認する必要がありましたが、現在はダッシュボードで可視化されており、人事部門や所属長、経営層が組織の状況をタイムリーに把握できるようになりました。
こうした環境整備により、経営層や管理職の健康経営に対する意識にも変化が生まれています。
所属長は担当部署の状況を日常的に確認し、支店長から「またスコアが下がった。どう改善すればよいか」と相談を受けることもあります。健康や組織状態を自分ごととして捉え、変化の兆しを見ながらマネジメントする意識が浸透し始めています。
また、新任役員にはタレントパレットの操作説明会を実施し、自らデータを確認できる環境も整えています。健康診断やサーベイ、ストレスチェックなどのデータを、現場のマネジメントから経営層の意思決定まで、共通の指標として活用できるようになりました。健康経営は人事部門だけの取り組みではなく、経営やマネジメントにも根付いた取り組みへと広がっています。
今後注力したいテーマの一つが、若年層への早期アプローチです。40歳以上には特定保健指導の制度がありますが、40歳未満にはそうした機会が限られています。健診データを活用し、生活習慣病のリスクが高まる前の段階から適アプローチしていくことで 、従業員一人ひとりの継続的な健康維持につなげたいと考えています。
また、ヘルスケアデータに加え、残業時間やサーベイ結果などタレントパレットに蓄積された人財データを活用することで、従業員の健康状態の変化やリスクの兆候を早期に捉えることが期待できます。タレントパレットは、データ量が増えても安定して活用できる環境が整っているため、 今後は健康データだけでなく、多角的なデータ分析にも取り組む方針です。
現在は、ストレスチェックについても、集団分析の結果をより分かりやすく可視化し、課題やリスクだけでなく、職場ごとの強みも直感的に把握できる形へ進化させていきたいと考えています。AIなどの新しい技術も取り入れながら、健康管理の高度化と現場での活用促進を両立できる仕組みづくりを進めていきます。
あわせて、今後は社内への情報発信も一層強化していきたいと考えています。人的資本経営や健康経営への投資は、企業価値の向上だけを目的とするものではなく、従業員一人ひとりが健康で、自分らしく働き続けるための取り組みです。その意義や目的を従業員にも丁寧に伝え、理解と納得を深めていくことが重要だと考えています。現在も経営陣が全営業店を訪問し、行員と直接語り合う機会を設けるなど、対話を重視した取り組みを進めています。
人財データと健康データを活かし、人を最も重要な財産として大切にする人的資本経営をさらに進化させていきたいと考えています。その実現を支える基盤として、今後もタレントパレットの活用を一層推進していきます。
人事の「今」と経営の「未来」を変える、
タレントマネジメントシステムです。