目指したのはデータに基づいた組織戦略
タイムリーな社情報共有で意思決定を高速化

課題:人材の見える化、最適配置、意思決定への活用

丸紅ITソリューションズ株式会社
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    業種IT

    社員数425名(2022年4月1日時点)

2014年に大手総合商社・丸紅株式会社の子会社として設立された丸紅ITソリューションズ株式会社。丸紅グループ内外問わず、各社に最先端のITソリューションを提供しています。同社では、どのようにタレントパレットを利用しているのか、活用方法や今後の展望も含め、経営管理部人事総務課の橋本様と岩前様にお話をうかがいました。

目次:

システム導入に期待したのは直近の課題だけではなく会社全体の組織戦略

― まず、タレントマネジメントシステムの導入の目的や、当時の課題について教えてください。

橋本様:導入の目的は、人事情報の一元化及び見える化し、データ分析によるロジカルな現状把握や将来予測から人材戦略の意思決定のスピード化を実現することにありました。社内の人事情報がExcelや複数のシステムで管理されて点在してしまっているのはよくある話かと思いますが、弊社も例外なく同じような状況で課題を感じていました。

当時の課題には大きく3つありました。
1つ目は人事情報が一元化できていなかったこと、2つ目は人事に問い合わせないと部署やチームの部下の人事情報が手に入らず、これまでの経歴や研修の受講履歴、評価結果などを社員にタイムリーな情報共有ができていなかったこと、3つ目は業務経験やスキルにもとづいた最適配置や人材育成などの人事戦略ができていなかったことです。

導入目的と当時の課題

― 数あるシステムの中で、選定の軸はなんだったのでしょうか。

橋本様:検討をはじめた2018年頃は「タレントマネジメントシステム」という言葉もまだあまり耳馴染みがありませんでした。最初は「人事情報を一元化すること」を基準にシステムを考えていたのですが、導入に向けて情報収集を行っていくなかで、タレントマネジメントシステムではいろんなことができそうだということを知り、せっかくシステムを導入するのであれば、集めた人事情報をもとに会社全体の組織戦略を考えられるような、現状の課題も解決する、かつ長期的に活用ができるシステムを導入するのがいいのではと考えるようになりました。

―その軸で検討するうえでタレントパレットを選定いただいた理由はなんですか。

橋本様:タレントマネジメントシステムは、シンプルな機能のものと先々を見据えて機能がたくさんある拡張性の高いシステムに二極化している傾向があると考えており、人事として、ただデータベースを作って簡単に終わらせてしまうのはもったいないと感じたのです。
せっかくコストをかけてシステムを導入するのであれば、人事だけではなく、現場や経営にもメリットが期待できるものを入れたいと考えました。そこで、多機能で長期的にも活用がイメージできたタレントパレットを導入し、理想の人材活用や戦略を実現したいという人事担当者としての熱意を込めて、経営陣に説明し承認を得ました。

タレントマネジメントシステムの二極化

― タレントパレットの導入で、工夫されたことについて教えてください。

橋本様:社内説明において、間接的なアプローチかもしれませんが、タレントマネジメントシステムを入れることによってどういう効果があるのかという点で不用意にハードルを上げないように経営層やマネージャーに説明するようにしました。
新しいシステムを導入する際は、CMでよくあるような劇的な変化を期待する経営層の方も多いと思います。イメージが先行してしまっている部分もあると思うので、導入時に「まず何からやっていくのか」「最終的にどこを目指すのか」の計画を話しながら進めるのが、経営陣の理解を得るポイントだと感じております。

橋本様:検討をはじめた2018年頃は「タレントマネジメントシステム」という言葉もまだあまり耳馴染みがありませんでした。最初は「人事情報を一元化すること」を基準にシステムを考えていたのですが、導入に向けて情報収集を行っていくなかで、タレントマネジメントシステムではいろんなことができそうだということを知り、せっかくシステムを導入するのであれば、集めた人事情報をもとに会社全体の組織戦略を考えられるような、現状の課題も解決する、かつ長期的に活用ができるシステムを導入するのがいいのではと考えるようになりました。

― 実際にタレントパレットを導入してみて、どのような変化がありましたか?

橋本様:まずは、人事情報の一元管理を実現することができました。タレントパレットに属性情報、異動や評価の履歴、業務経験、人事との面談履歴を社員番号に紐づいた形で保管することで社員情報の閲覧が非常に便利になりました。

また、社員情報を人事が活用するのは当たり前の話ですが、人事だけに閉じずに現場マネージャーが情報を使えるようになったことがとても良かったと感じています。現場では日々、上司と部下の間でさまざまなコミュニケーションが行われますが、その会話の中から「メンバーが将来どのようになりたいか」「どう成長していきたいか」が分かります。それに加え、タレントパレットで過去の評価や経験などの情報を活用することで、メンバーを戦略的にデータに基づいた配置を実現することができるようになりました。

今後益々タレントパレットに社員情報が増えていくことで、より一層にメンバーのエンゲージメントを意識した育成や最適配置、プロジェクトアサインなど考えやすくなるのではないかと感じています。

社員のあらゆる情報が一元化され瞬時に確認が可能

― いきなりたくさんの情報が見られるようになることへの懸念やデメリットはありませんでしたか。

橋本様:突然いろんな情報が見えてしまうと、やはりメンバーは混乱します。人によっては 使っていない機能までクリックして「これなんですか」と問い合わせてくる可能性もあるので、 まずは必要最小限のところからスタートし、徐々に拡張するのが望ましいと感じています。使える機能や見られる情報の閲覧範囲は、役職や権限によって非表示にするなどかなり細かく設定することができているので、必要最小限の形にすることでメンバーが混乱することなく、かつシンプルな画面で直感的に操作できると感じています。

運用や役職に応じて閲覧・活用範囲を設定できる権限設定

特に活用しているのは「モニタリング、アンケート、組織マップ」

― タレントパレットで活用されている機能を教えてください。

橋本様:大きく分けて「モニタリング」「アンケート」「組織マップ」の3つです。それぞれご紹介します。

活用機能① :モニタリング

条件に応じて自動的に社員をグルーピング

橋本様:左側にさまざまなフォルダが並んでいますが、弊社では所属組織の表示にとどまらず、入社年次フォルダ、入社区分フォルダ、特定の年度のS評価の社員フォルダなど自社で確認したい切り口でフォルダを細かく作成して該当の社員をすぐに確認することができるようにし、経営層やマネジメント層が人事に問い合わせなくても必要な情報をすぐに見られるようにしました。

岩前様:資格所有者などでも分類しているので研修の対象者も自動的に抽出され、一目でわかるようになりました。

― モニタリング機能で工夫されているところはありますか。

橋本様:弊社はたくさんのグループ組織があるからこそ、マネージャーが使いやすいように工夫しています。例えばフォルダ側の階層をたくさん作っておくことによって、簡単に検索できるようにしています。

また、縦軸に組織や評価、年齢を選ぶことによって、年齢×評価で社員に並べたり、組織ごとに並べたりマトリクスを作ることができます。気になる社員の写真をクリックすると、一元化されている情報を見ることができ、そのまま社員をドラッグしてプールグループを作成しておくことも可能。
次のプロジェクトアサイン候補者や次世代人材候補者など特定の社員をグルーピングしておくことで、経営層やマネージャーは自分だけが見られるグループを作ることができ、痒いところに手が届く機能だと思っています。

活用機能② :アンケート

橋本様:アンケートについても、自社で自由に作成できるため活用の幅はかなり多岐にわたっており、研修の満足度や課題の提出、従業員満足度調査、異動の希望、コロナ禍になってからはテレワークなど働き方の調査で活用しています。

アンケートの収集や結果分析はもちろんですが、特に便利だと感じているのは社員が入力した文章の中のワードから情報を抽出するテキストマイニングです。

社員の声をテキストマイニングで可視化し、モチベーションフォローへ

従業員満足度調査の中で、最近気になっていることや人事に伝えておきたいことなどをフリーテキストで収集したとき、例えばネガティブな単語に紐づいている言葉はなんだろうと見に行くことができます。
ネガティブな発言が見受けられるメンバーには特別なケアが必要な場合もあるので、単語だけではなく、入力してもらった原文や、そのメンバーの経歴などの属性も確認して対応策を検討します。

また、特徴的なコメントがあった場合は、ポジティブな場合もネガティブな場合もフラグを立て、場合によっては個別にヒアリングをしたり、上司に面談依頼したりするなどの対応をしています。

タレントパレットを使うことで、従来と比べて情報が立体的に見えるようになったと感じています。どのようなメンバーがケアを求めているかが見えてくるので、人事は現在問題があるメンバーだけでなく、仮説を立てて効率的に動くことができるようになりました。

活用機能③ :組織マップ

橋本様:組織マップ機能は非常に便利で重宝しています。
社員情報をExcelで管理されている人事担当者の方も多いと思いますが、組織マップ機能を活用することで、顔写真付きのわかりやすい組織図を社員に公開することができます。どの組織に誰がいるのか、顔と名前の一致、勤務地の情報などを追加することもできます。カーソルをかざすことで必要な属性情報を表示させたり、気になる社員がいたらクリックして詳細を確認したりすることもできるので、人事にとってもメンバーにとっても便利な機能だと感じています。

― 丸紅ITソリューションズ様では具体的に組織マップをどのように使っていますか?

橋本様:組織に対してメンバーの所属情報が蓄積されるので、確認したい過去日付を入力すると過去の組織マップが見られるようになっています。過去の組織マップを調べたり作成したりするのは非常に手間がかかるので、とても便利ですね。
また、表示させた組織マップを「2022年10月の組織マップ」「2022年9月の組織マップ」「2022年8月の組織マップ」というような履歴形式でダッシュボードに登録しています。そうすることで、経営層や現場のメンバーも都度組織図を探す必要がなくなり、見たいときにダッシュボードで見られて調べやすくなったようです。

リアルタイムに社員情報が見られることで意思決定のスピード化と働きやすさに貢献

― 導入からこれまでの活用を通じて、タレントパレットからどのような効果を得られたと感じますか。

橋本様業務の効率化という点で非常に大きな効果がありました。マネージャーもしくは経営層がタレントパレット上でリアルタイムに人事情報を確認できるようになり、現場の意思決定のスピード化や働きやすさに貢献できたと感じています。

また、これまでExcelを使っていた人事考課も、タレントパレット導入以降は社員や評価者がExcelを開くことがなくなり、工数を削減することができました。
コスト削減につながったケースとしては、タレントパレット導入前は他社サービスのストレスチェックを使っていたのですが、タレントパレットにストレスチェック機能が搭載されているので、現在はタレントパレットにまとめることができました。

岩前様:今後、研修においても効果を発揮するのではと感じています。過去に受けた研修や持っているスキルもタレントパレット内で一目で見られるようになったので、研修内容や全社での教育方針を決める判断材料としても活用できると期待しています。

組織図を簡単に作成、気になる社員の詳細もすぐに確認

システム選定で重要なことは「実現したい未来」を見据えて目的と手段を切り分けること

― 導入を検討している企業様に、システム選定のポイントがあれば教えてください。

橋本様実際にシステム導入を経験した立場から申し上げますと、目的にあったものを選ぶことが一番大切だと思います。目的をどこに置くかを考え、目的と手段を切り分けて考えるべきです。弊社の場合は情報の一元化は、目的ではなくその先の情報の活用に向けての手段として、その軸がぶれることのないように意識してシステム選定を行いました。

岩前様:ポイントは大きく2つあると思っています。1つ目は操作性です。導入しても扱いづらいと定着しないので、操作性の良いシステムを選ぶのがおすすめです。2つ目は拡張性です。私どもは、ゆくゆくはタレントパレントを採用活動においても活用しようと考えています。採用の分析をし、社員のマッチングにも役立てていくことを目指しており、そのような会社の未来や展望に伴走できる拡張性を持っているかもシステム選定において重要な点だと感じます。