タレントパレットを活用したデータドリブンな人事戦略で、
多角化する事業を支える人材の確保・育成を推進
課題:人材育成、離職防止、エンゲージメント向上
課題:人材育成、離職防止、エンゲージメント向上
業種 | サービス・店舗 |
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従業員数 | 10,687名(2024年3月期/全社) 4,423名(2024年3月期/東日本カンパニー) |
全国にパチンコホールを300店舗以上展開する総合エンターテイメント企業、株式会社マルハン。2021年には、社内カンパニー制を導入し、経営の迅速化を図っています。関東・甲信越・静岡で事業を展開する同社の東日本カンパニーでは、人材の採用・育成・定着を目的にタレントパレットを導入いただきました。
同社では、タレントマネジメント戦略に基づいてどのようにタレントパレットを活用いただいているのか、当時の課題やシステム導入の背景、今後の展望について伺いました。
(武田氏)2024年春に、執行役員として人事、総務・法務、調達・建設、開発を管掌しています。各部門の部門長を支援するのが私のミッションです。
(今井氏)私は従業員教育とタレントパレットの構築と運用を担当しています。
(武田氏)経営の意思決定迅速化と新規事業の展開が目的です。パチンコ業界の売上減少と成長の鈍化に対応するため、国内3カンパニー(東日本カンパニー・北日本カンパニー・西日本カンパニー)と海外金融を手掛ける金融カンパニーという社内カンパニー制に移行しました。
(武田氏)2000年頃から入退社管理や異動管理は給与計算システムで行っていましたが、人事評価、人事考課、教育、採用は別のシステムが管理されており、一貫性がありませんでした。経営層や営業から人事情報を共有してほしいというリクエストが増えてきたため、人事情報の一元管理を目的に、7~8社のタレントマネジメントシステムを調べました。
(武田氏)当時の人事メンバーと検討した結果、採用から配置、退職までの人的リソースのフローと、従業員のキャリアパスをすべて統合的に管理できると考えました。
また、自社の運用に合わせられる柔軟性も、最終的にタレントパレットを選定した大きな理由です。
(武田氏)最も重要なのは人材の獲得と定着です。人材の「流動性」を高めるため、パチンコ事業で活躍している人材に社外を含め新規事業やグループ会社に挑戦してもらう「シルプロジェクト」を推進しています。
(武田氏)「シルプロジェクト」では、3つの「シル」、「ソトシル(外を知る)」、「ナカシル(社内の職務を知る)」、「ヒトシル(仲間を知る)」です。
「ソトシル」は、社内外を含めた留学です。
当社ではホテル事業を新たな柱とし、パチンコ店舗の従業員をホテル事業への配置を行っています。また、飲食店への留学という例もあります。店長経験のある従業員がSNSの集客に悩んでいる飲食店でホールスタッフとして働きながら、自分の店舗でのSNS展開のノウハウを共有し、スーパスター制度でナンバーワンスタッフに選ばれました。またグループ会社や間接部門への社内留学も活性化しており、半年から1年ほどの期間で自ら手を上げた人に機会を作っています。
「ナカシル」は、本社機能含め社内を知る機会です。営業店舗で勤務しながら間接部門長やグループ会社代表とコミュニケーションをとることで社内を知る仕組みがありキャリア形成支援に繋げています。
「ヒトシル」は、1on1ミーティングや「イズムの種まき」と呼んでいるサンクスポイントの活用、キャリア申告・評価シートを通して働いている仲間の理解を深めます。
これらの活動を通して、従業員がチャレンジできる企業風土を醸成し、パチンコ事業で培った経験を他の事業に活かすことを目指しています。
(武田氏)「ソトシルの公募」「ナカシルの社内コミュニケーション」はタレントパレット上で行っています。
以前は、社内のイントラ掲示板に文書を貼り付けて、各店舗に展開していましたが、
積極的に従業員に声を掛ける店舗もあれば、バックヤードへの掲示に留まるケースもあり、公募の通知が全ての従業員に確実に届くとは限りませんでした。
これがタレントパレットのプッシュ通知で全ての従業員に確実に届くようになったので、応募のチャンスも平等になりました。
コストを考慮すると、アルバイトまで導入するのを躊躇う企業も多いと思いますが、当社では全従業員がタレントマネジメントシステムに触れることを重視しています。
タレントマネジメントシステムは、働く従業員のためでもあると考えています。
(武田氏)社員同士でポイントを付与できるサンクスポイントの仕組みを使った「イズムの種まき」は、「マルハンイズム」がベースとなっています。「マルハンイズム」は当時在籍していた1000名以上の従業員が550日かけて「マルハンにとって大切にすべきこととはなにか」を言語化したものです。
「イズムの種まき」は、「マルハンイズム」を体現する仲間を称えることを目的としており、
全従業員が毎月1回必ず送るということを全社のKPIとして掲げています。
新しく入社したアルバイトも3日以内に必ずサンクスポイントを送るようにしているため入社直後からタレントパレットを使用することになり、利用促進にもつながっています。
(武田氏)サンクスポイント参加率が高い店舗ほど定着率が向上しています。
エリア長や店長が積極的にポイントを送ることで、従業員の行動や成長を認め、業績向上にも繋がっています。また、タレントパレットの導入により、数値の可視化や他部署へのポイント付与も可能になりました。
(今井氏)学生のエントリーから入社準備まで、タレントパレットで一元管理しています。
採用時のTPI適性検査の結果を配属調整やメンター選定に活用しています。
また、採用管理をタレントパレットで一元管理するようになり、コストと工数が大幅に削減することができ、2023年度には、約150万円の採用関連経費が削減できました。
(今井氏)自社で制作したeラーニングコンテンツを、パート・アルバイト含む全従業員を対象に展開しており、4000名分の研修管理をタレントパレットで行っています。
昇進・昇格要件に必要なコンテンツや研修資料、テストなどを掲載しています。
タレントパレットは設定の柔軟性が高いため、コンテンツ作りにとても役立っています。
今後は、外部の研修メニューもタレントパレット上で展開する予定です。
(今井氏)以前はシステム管理者しか受講履歴を確認できませんでしたが、タレントパレットを導入後は、従業員自身や管理職が閲覧できるようになり、従業員のスキルアップや、能力開発に役立てられるようになりました。受講率の低い従業員の把握や受講促進も可能になりました。
(今井氏)効果測定は今後の課題です。研修履歴や業務履歴がタレントパレットに集約されることで効果測定が可能になると考えています。
対面での研修やメンター(指導係)の記録もタレントパレットに入力する予定で、講師の貢献度を分析できるようにする予定です。タレントパレットの活用により、すべての従業員が常に学べる環境を提供し、自らが目指す人材になるために学びを続ける文化や風土を築いていきたいと考えています。
(今井氏)ポジション管理機能とポジションマップを最近使い始めました。ジョブディスクリプションと併せて活用し、可視化する取り組みを始めました。
今後は、スキル機能の活用に注力し、階層別のコンピテンシーやスキルシートを導入し、各人のスキルを可視化・分析していきます。
(武田氏)アルムナイ採用についてもタレントパレットを活用していきたいと考えています。
2021年にアルムナイ採用の組織を立ち上げ、元正社員約300名を対象にゴルフコンペや食事会、Webでの情報交換会などを定期的に開催しています。
カムバック入社や、グループ会社へ就職する事例も増えており、ビルメンテナンスのグループ会社で募集したところ、すぐに2名を採用できるなど、成果に繋がっています。
現在はアルムナイ採用を別のシステムで行っていますが、将来的にはタレントパレットに集約していきたいと考えており、プラスアルファ・コンサルティングの担当者と連携し、開発を進めています。
タレントパレットには退職後も在籍中のデータを蓄積していますので、在職中のスキルやキャリアを活かした採用がしやすくなることを期待しています。
人事の「今」と経営の「未来」を変える、
タレントマネジメントシステムです。