“人的資本経営の実践”で地域に幸循環を創出する
──筑波銀行のタレントパレット活用の成果
課題:人材の見える化、人材育成、採用管理
課題:人材の見える化、人材育成、採用管理
業種 金融
従業員数 約2,200名
茨城県を中心に地域金融サービスを展開する筑波銀行。「地域のために 未来のために」というパーパスを掲げ、地域社会の持続的発展に貢献するために、従業員一人ひとりが「筑波PRIDE」を胸に業務へ取り組んでいます。中期経営計画においては「人的資本経営の実践」を重要テーマと位置づけ、従業員のウェルビーイングの実現と人財ポートフォリオの最適化を推進されており、その実行基盤としてタレントパレットを導入。分散していた人事情報の統合、スキルや適性の可視化、研修・採用データの一元管理により、人的資本を経営戦略に直結させる体制を構築しつつあります。
今回は、タレントパレット導入の背景や具体的な活用状況、そして今後の展望についてお話を伺いました。
筑波銀行は茨城県を中心に展開する地域金融機関です。拠点数は72、従業員約2,200名の規模で事業を行っています。地域に住む個人や法人のお客様に対し「小回り」と「質」による“とことん支援”を心がけた金融サービスを提供し、地域の「ファースト・コールバンク」としてお客様から真っ先に相談いただけるような、第一に想起される存在を目指しています。
また、地域金融機関という特性上、従業員の多くは地域に暮らす住民でもあります。縁あってこの地域で共に経済活動や生活を営むお客さまを金融という側面からご支援し、お客さまの期待に応えていく中で従業員が笑顔で生き生きと働くことで、地域に幸循環を生み出すことが我々の使命です。この考えは経営計画にも反映されており、中期経営計画の一丁目一番地に「人的資本経営を実践していく」という意思表示があります。これは、当行全体として「人」を起点とした経営に本気で取り組む決意の表れだと考えています。
我々人事のミッションは、人的資本経営の推進です。そのためには、従業員一人ひとりのスキルや経験・志向を正確に把握し、成長を後押しする基盤が不可欠です。人的資本経営の実践のためには、タレントマネジメントシステムの活用がキーファクターになると考えています。
私自身は人事部門での業務改革を皮切りに、人事制度の改正や採用、研修など幅広く担当してきました。2024年からは人事のバックオフィスのチームリードと並行しタレントマネジメントシステムの比較検討から導入、本格運用開始までのプロセスを担当しました。
最大の課題は、人事情報の分散でした。採用情報は採用システム、評価は評価シート、研修は別システムと、それぞれが独立して存在しており、人財に関するデータがバラバラに点在していました。そのため、人事施策を立案する際には、基礎的な検討の段階で膨大な集計作業を余儀なくされていたのです。また、異動や配置を検討する場面でも、抜け漏れなく最適な判断を支援するための情報が提示できているのかという不安が常に残っていました。
さらに、従業員のキャリア形成という観点でも課題は顕在化していました。従来は年次ごとに一律の研修を受ける仕組みでしたが、現代では十人十色のキャリアが存在します。画一的な研修体系では個々のニーズに応えきれません。従業員自身も『これまでの経験が生かせるのか』『やりたいことが実現できるのか』といった疑問を抱えていました。既存のラーニングマネジメントシステムもありましたが、単なる受講履歴の保存にとどまっていたためキャリア形成を支援するには不十分でした。
人事としては、自己申告書や面談などを通じて情報を収集してはいたものの、1つのプラットフォームに集約できていなかったため十分に活用することの難しさに葛藤を感じていました。結果として、キャリアウェルビーイングの向上にむけ個々のキャリアに寄り添い成長を支援するためには、新たなプラットフォームの構築が不可欠であると強く認識するに至ったのです。
担当としては、早い時期からタレントマネジメントシステムの必要性を認識していました。しかしながら、投資対効果など人事領域の効果を定量的に数値化することに苦労し、導入の必要性を十分に訴求できずにもどかしい状況が続いていました。
その局面を大きく転換させたのが、経営層による明確な意思表示だったといえます。当行は2025年2月に将来目指す姿を明確にするため「筑波銀行未来戦略デザイン」を策定しましたが、その議論の中でも「人的資本経営の推進には、タレントマネジメントシステムが標準装備として不可欠である」との考えが示され、経営戦略と直結する形で導入が承認されました。経営が「人的資本経営の実践」に改めてコミットしたことにより、プロジェクトは一気に前進することとなりました。
複数のタレントマネジメントシステムを比較検討する中で最終的にタレントパレットを選んだ理由は「活用できるシステムである」という点に尽きます。市場には多様な製品が存在し、それぞれに優れた機能を備えています。導入時の目的達成だけを考えるならば、安価かつ迅速に導入できるシステムを選ぶという選択もありましたが、私たちは、導入後に社内外の環境が変化した際も持続的に活用し続けることができるかどうかを重視したのです。タレントパレットの新機能リリース頻度やその内容を知るに、VUCAの時代においても活用し続けていけると感じたことは大きな決め手となりました。また、選定時のコミュニケーションの中で、いちSaaSとしてシステムを提供するだけでなく、伴走者として我々人事を支援して頂けるサービスであり組織だという印象を感じていました。
実際に、タレントパレットは機能面に加え、サポート体制や伴走力においても非常に優れており、データをどのように活用し、従業員のウェルビーイング向上や企業のパフォーマンス向上、さらにはパーパスの実現に結び付けていくのかという観点で信頼に足ると判断しました。導入当初の目的達成だけではなく「活用し続ける」ことを通じて価値を創出できる仕組みこそが、当行にとって決定的な採用理由となりました。
最初に着手したのは、従業員情報の一元化です。メンバ実感モニタ機能に、経歴・スキル・自己申告・適性検査の結果などを集約し、顔写真をクリックするだけで全情報を閲覧できる仕組みを約3か月で構築しました。これにより、一人ひとりのスキルや適性、意向が可視化され、配置や育成の基盤が整備されました。
※画面はイメージです。
さらに、組織全体を俯瞰できるダッシュボード機能も積極的に活用しています。地区別の人員分布や年齢構成の傾向といった情報を可視化できるようにしており、実際に、「このエリアの従業員の残業時間を把握したい」と要望を受けた際には、10分で新たなダッシュボードを追加し、即座に提示できました。このスピード感は組織全体に大きなインパクトを与えていると思います。
上記はほんの一例ですが、個人(メンバ実感モニタ)と組織(ダッシュボード)が契約後から3か月で実装・可視化されたことで、人事戦略の根幹となる「配置」や「育成」において、データやエビデンスに基づく施策や意思決定を行うという、導入目的の第一段階はスピーディに実現できたと実感しています。
また、トップ画面やレイアウトの切り替えが容易である点もタレントパレットの大きな特長であり、運用現場での使いやすさにつながっています。従来型のシステムでは要件定義を経て改修するのが一般的だと思われますが、タレントパレットであれば人事のいち担当者でもその場で柔軟に変更可能です。その時々のトレンドや人事施策に応じて、即座にトップページやレイアウトを最適化できることは大きな利点と感じました。
タレントパレットのサポート体制は非常に充実しており、システム導入の大きな推進力となりました。ヘルプサイトは情報量が豊富で、調べれば大半の疑問は解決できます。それでも解決できない場合には、問い合わせを行うと具体的な解決策が返ってくることは勿論のこと、その回答内容の熱量とホスピタリティの高さには驚かされました。目的や背景を理解したうえでのプラスアルファの提案が返ってきました。単なる問い合わせ窓口ではなく、伴走者として我々に寄り添ってくれる姿勢にはとても感動しました。このサポートがあったからこそ、導入初期の立ち上げスピードは大幅に加速し、わずか3か月で実装を終え本格運用に移行することができたと思っています。
さらに印象的だったのは、カスタマーサポート部門以外の方も積極的に関与してくれた点です。時には別部署の担当者から直接アプローチがあり、私の壁打ち相手となってくれたのです。そのやりとりを通じて課題が整理され、施策の具体化に直結する場面も少なくありませんでした。こうした組織横断的な伴走力は、他社にはない独自の価値だと実感しています。
採用領域においては、導入後すぐに、そして大きな効果を実感できました。従来は求人媒体と連動するATSを利用しており、そちらでも管理業務は十分に運用できていましたが、タレントパレットの導入により、面談調整や結果の記録などが飛躍的に効率化され、業務のスピードと精度が大きく向上しています。学生向けのマイページの提供、面接日程の調整、さらにはオンライン面接の実施まで、すべてをタレントパレット上で一貫して運用できていますし、なにより管理だけでなく、エントリーシートやコンタクト履歴の「分析」が行えるようになり、その結果は辞退率の減少として数字に表れました。
また、従来の採用管理システムは採用担当者以外ほとんど利用していませんでしたが、タレントパレットであれば、人事のプラットフォームとして人事部門の全員が毎日ログインをしています。採用管理システムと人事の基幹システムが、連動しているのではなく、「そもそも1つに統合されている」、今は当たり前のように利用していますが、こうした仕組みを実現できているのは極めて希少なのではないでしょうか。採用-育成-配置がシームレスに実現できるプラットフォームとして私自身強い手応えを感じています。
システム導入から1年目にあたる現在は、まだ応募した学生が実際に入社してはいません。しかし今後、採用から入社後までの一連のデータを蓄積・分析することで、より高精度な採用とオンボーディング、配置につなげられると期待しています。
第一はスキルベースの人財育成です。現在はスキルの可視化により、個人や組織の現状をリアルタイムに把握できるようになりました。今後はそれを分析活用し、スキルベースの育成と配置の高度化により、組織のパフォーマンス向上と従業員のキャリアウェルビーイング向上を有機的かつ好循環で実現していきたいと考えています。
第二はエンゲージメントの向上です。タレントパレットの標準機能としてのエンゲージメントサーベイの利用に加え、コンサルティングプロジェクトとしてご支援いただくことも検討しています。
タレントパレットを導入して分かったことは、機能だけでなくサポートやコンサルティングも含めて「活用し続けることができるサービス」であるということです。どのタレントマネジメントシステムを導入しても、導入時と比較すれば改善は見込めると思います。しかし、本当に重要なのは持続的に「活用し続けること」だと思います。実際、タレントパレットは、機能面だけでなくサポート体制も含め、実際に活用し続けることができる仕組みを備えています。
集約されたデータをいかに活用し、従業員のウェルビーイング向上や組織全体のパフォーマンス向上につなげるのか。その成果が、最終的には我々のパーパスである「地域のために 未来のために」の実現につながると確信しています。導入して終わりではなく、活用を通じて初めて価値が生まれると実感しています。
筑波銀行は今後もその実践を継続し「人を起点とした経営」を進化させ、地域に幸せの循環を創出していきたいと考えています。
人事の「今」と経営の「未来」を変える、
タレントマネジメントシステムです。