生産現場もデジタル化へ、
採用や育成もオールインワンで実現するタレントマネジメント

課題:人事評価の効率化、意思決定への活用、人材育成

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日本ピラー工業株式会社
人事総務部人事グループ 南 敦士 様、森川 武 様

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    業種製造業社員数900名

1924年に設立し、もうすぐ100周年を迎える日本ピラー工業株式会社。電子機器関連事業と産業機器関連事業を展開しており、特に電子機器関連事業では半導体の洗浄装置に使われる世界シェア90%の継手を生産しています。

今回はタレントパレット導入の背景や、導入後の活用などについて、総務人事部人事グループの南 敦士様と森川 武様にお話いただきました。
歴史と伝統を持つ老舗企業が、タレントマネジメントの必要性を感じるようになったきっかけとは何だったのでしょうか。当時抱えていた課題意識からうかがいます。

目次:

タレントマネジメントで「人材配置・人材育成・モチベーション向上」の精度を向上

― どのような課題感からタレントマネジメントシステムを導入しようと考えたのか、背景を教えていただけますか?

もともとは他社の基幹システムを使っていたのですが、部署の所属履歴や昇格時期、住所や家族情報といった基本情報しか管理ができておらず、今まで具体的にどんな業務をしてきたのか、どんな成果を挙げてきたのか、どんなことを感じながら仕事をしてきたのかというような定性的な情報が取れずにいました。
しかし、今後の人材活用を検討していく中で、それらを集め、見える化して人材配置や人材育成に活用していくべきだと考えたのです。

― そこで、タレントマネジメントシステムに注目されたんですね。

はい。せっかく持っている人事情報を、ただ管理するだけでなく活用する方にシフトしていきたい。そうすることで経営層やマネジメント層に対して有意義な情報を提供することができるのではないか?と考え、ファーストステップとして着手していきたいと考えました。

当時の目的をもう少し具体的にすると、「人材配置」「人材育成」「モチベーション」に分けられます。
まず「人材配置」については、「社員の知識・スキル・価値観・業務・ビジョン」を見える化することで、適材適所の人材配置ができるのではないかと考えました。
2つ目の「人材育成」については、「個人のキャリアプランやスキル・経験など定性的な情報」を見ながら、マネジメント層が行うジョブアサインの参考になるようなシステムにしたい。最後の「モチベーション」は、適材適所の人材配置を社員が受けることで、モチベーションの総和を引き上げたい
と考えていました。

導入目的

― その3つの目的を実現する中で、タレントパレットを選んだ決め手は何だったのでしょうか。

以前使っていたシステムの中にもタレントマネジメントの機能はあり、たとえば社員一人ひとりに紐づく情報を可視化することはできたので、もともとはそれを導入しようと思っていたのです。
しかし、そのシステムは導入時に何十ページもの説明書を読まなければならないような使い勝手が難しいものでした。今後様々な機能を設定していくことを見据えて、操作面で難しいと判断しました。

そんな時、他社のサービスをいくつか調べてみると、非常に設計しやすそうなシステムが増えていたんですね。今まで触っていたシステムと比較すると、インターフェースも格段に進化しているなと感じました。

その中の一つに、タレントパレットがありました。
タレントパレットを提供するプラスアルファ・コンサルティングさんはもともとマーケティングを専門とする会社で、それがサービスの思想にも活かされていると感じました。我々自身、人事にもマーケティング思考が必要だと考えており、今後は属人的な感覚だけでなく、根拠となるデータを活用して物事を判断していくことが求められるでしょう。
タレントパレットは、他社のシステムとは違ってそうした分析機能やコンセプトがしっかり整っているなと感じ、導入に至りました。

アナログ文化だった工場の現場も含め、全社でシステム化を実現し効率化へ

― 現在、どういった社員がタレントパレットを活用されていますか。

日本国内の全社員が使っており人数としては約900名程度です。
設計をしているのは人事部ですが、たとえば社員の男女比率、人事配置といった情報はダッシュボード機能を使って、いつでも必要なタイミングで経営層が見ることができるようにオープンにしています。

日本ピラー工業株式会社 人事総務部人事グループ 南 敦士様、森川 武様様

他にも、「Aさんってどんな人?」と聞かれたりしたときに、タレントパレットを見ればどんな人物でどういう思考性で、これまでの評価はどれぐらいで今期具体的にどんな業務をやっていて……という必要情報がすぐにわかります。
また、マネジメント層に対しては、直属の部下の情報が見えるようにしています。たとえば部下の経験やスキル、本人のキャリア思考、そして過去の評価などですね。異動などがあった際に、新しく赴任した先の部下について何も知らない状態だったとしても、タレントパレットを確認すれば過去の実績や前の上司がどんな評価をしていたかまですぐに把握ができます。
こうした情報を見ながら、新任・異動してきたマネジメント層の社員が部下に対し、スムーズに適切なコミュニケーションをとれる状態
が次に目指している段階です。

一般社員は評価シートの入力や入社前の具体的な業務経験の入力などを実施しています。
そうすることで「日本ピラーでは未経験でも、前職で経理経験があるんだったら経理への異動も可能だね」という発想もできるようになりました。この変化は非常に大きな前進だと思っています。また、年に一度本人の意向を確認する「自己申告調査」を行っており、いつでも回答ができるようにタレントパレット上で入力ができる
ようにしています。

― より具体的な現場ベースの運用で、タレントパレット導入により変わったことはありますか?

具体的なところでは「工場など現場での評価運用」ですね。
今まではWordやExcelを使ったり、現場だと年配の方などもいますので手書きで提出してもらったりしていたのですが、手書きだと評価者側も手書きで記入しなければならず、情報を管理するためにコピーして保管しておく、という手間も発生していました。また、その保管では○年前の結果を見たい、というような過去の記録をさかのぼるのも非常に大変な工数がかかります。

我々も「生産現場でどこまで電子化できるのか」という点は懸念していたのですが、若手からベテランのメンバーまで、全員にタレントパレットで入力してもらいました。
現場社員が多いので電子化によるメリットはかなり大きかったです。マネジメント層からも「非常に使いやすい、業務がかなり効率化できた」という声をもらっています。
もちろんそれに合わせて共有パソコンを増やすといったサポートも行っています。

人事情報を一括管理し、採用管理から離職防止まで一気通貫で活用

― 人材配置やモチベーション向上などでどのようにタレントパレットを活用していますか?

適切な配置を経営層やマネジメント層が考えていくことで、社員がもっと自分の強みを生かせるようなジョブに配属になり、それがモチベーションの引き上げにつながればと考えています。
自己申告調査の内容は、忖度が発生しないよう上司には見られなくしていますが、一部の経営層は見られるようになっています。情報をいつでも確認できるようになっているので、異動希望やチャレンジ意欲、あるいは介護や家庭事情等の配慮が必要な社員の声を、実際に異動配置で反映していくことができます。

これまでは、人事が異動希望を調査して結果レポートを作成し、一定数まとめて報告する形でした。
ただ、それでは時間もかかりますし、後でもう一度見たいとなったときに、簡単に確認できる状態ではなかったのです。タレントパレットがあれば、何かのタイミングで「そういえばこの人ってどんなことを希望してたっけ」と思ったときに、すぐ自己申告調査の回答内容を確認できます。

海外拠点への異動者をアサインする際も、希望者の中から経験などを見てピックアップ出来る事を期待しています。

― 人材育成面ではいかがでしょうか?

e-ラーニングをタレントパレット上で受講できるようにしました。
コンテンツの補充はまだこれからですが、将来的には学びたいことがいつでも学べるような状態にしたいと思っています。たとえばAさんが「こういうことやりたい」と思ったときに、「それならこのe-ラーニングを受けたらどう?」という会話ができたらいいなと思いますし、先ほどの適性検査の結果と絡めて、上司が部下のジョブを考えるときにも活用できれば、という構想があります。

― 研修については特化したシステムもありますが、なぜタレントパレットで進めていこうと思ったのでしょうか?

正直、e-ラーニング単体のシステムで考えると他社さんでも魅力的なものがあると思います。
しかし、社員の利便性を考えると「e-ラーニングはこのシステム、評価はこのシステム、勤怠はこのシステム……」と分かれている状態は避けたいと考えていました。システムの適材適所や個別最適を重視し過ぎると、逆にユーザビリティが下がってしまうと考えたのです。また、我々人事にとっても、データが分散してしまう懸念がありました。

これは育成に限らずですが、人事にまつわるデータは活用や利便性を考えたときに、一気通貫したオールインワンの管理があるべき姿かと思っています。タレントパレットを実際に触ってみたら非常に使いやすかったので、領域を広げていけばそういった意味のオールインワン化ができると考えています。

ワンプラットフォーム

― 採用機能も活用いただいているとのことですが、どのような活用をされていらっしゃいますか?

どの会社さんもそうかと思うのですが、人事が入手・管理できる情報は基本的に入社後の情報がメインになってきます。あとは、学歴や職歴に関する最低限の基本情報ですね。一方で採用時の評価や、本人はどんなことをやりたいと言って入社したのかという情報が、過去の採用管理システムでは分断されている状態でした。

たとえば社員が急に退職する、社員の異動を考えるとなったとき、その人の採用時・選考時の希望をかなえられたかどうかを分析しようと思うと、採用管理システムから情報を引っ張り出してこなければなりません。タレントパレットを使うことで、そうした手間を発生させずに情報を集約、蓄積ができています。これも先ほどお話した「オールインワン管理」につながる部分ですね。

もう一点、採用で今後実施していきたいと考えているのが、採用候補者にTPI適性検査を受検してもらうことです。
選考段階でTPI適性検査を受検してもらうことで、適性のある職種や部署、既存社員とのマッチングなどの参考にしたい
と思っています。また採用時に現職社員と採用候補者の面談を設定することがあるのですが、ある程度似たフィーリングの社員をアサインすることで、より入社を前向きに考えてもらうことができるんじゃないかなと考えています。

― ここまで伺ってきたこと以外でタレントパレットを活用している場面があれば教えてください。

組織診断も全社員にやってもらっていて活用していますが、非常によくできた機能だと感じています。
自己申告調査が個人にフォーカスを当てるのに対して、組織診断は組織全体にフォーカスを当てるものになっており、全社員を見渡したときに「うちの会社にはどういう社員が多いのか、会社全体でどんな課題があるか」という視点の参考にしています。

たとえば弊社の課題としてキャリアビジョンがあるのですが、全社傾向としてわかるだけでなく、事業部ごとの分析もできるので、「どの事業部でそういう声が多いのか」なんてこともわかります。そうすると、対象の部署に対してピンポイントに対策を練ることができますよね。

また経営層を説得するときにも、きちんとデータで示すことができる。人事がただやりたいことをやろうとしているのではなく、「自社の組織として今ここが課題だから、こういう施策をやっていきたい」というエビデンスに使うことができると考えています。

キャリアやビジョン、モチベーションを助け、経営に貢献できる人事へ

― 最後に、人材活用や人事戦略を通して、会社として実現していきたい姿を教えてください。

まずは社員のモチベーションやエンゲージメントを高めることができ、そして最終的には組織の目標や目的、戦略に紐づいて経営に貢献できるような人事が実現したい姿です。

私がずっと考えているのは「fully inclusive talent management」すなわち「包括的なタレントマネジメント」です。
こちらは全社員のキャリアやビジョン、モチベーションを手助けするような取り組みを、滞りなく社員が受けられるように、所属長や経営、あるいは人事が考えていくもの。こうした動きにタレントマネジメントの領域を活用していきたいですし、タレントマネジメントシステムはそのためにこそ活用すべきものだと捉えています。
また、ただ推進するだけではなく、タレントマネジメントシステムを活用して施策を実施した結果、ちゃんと社員のエンゲージメントを高められたかどうかなどの結果分析などもしていきたいですね。