タレントパレット導入で社員の見える化が実現。
セガサミーグループHR変革ビジョンの実現へ

課題:グループを横断した人事戦略、人材の見える化、エンゲージメント向上

セガサミーホールディングス株式会社

セガサミーホールディングス株式会社
人財開発本部 副本部長 兼 人財戦略室 室長 笠井 敬博 様
人財開発本部人財戦略室 HRDX課主査 池田 陵平 様
人財開発本部人財戦略室 HRDX課課長 芝﨑 幸一 様

  • セガサミーホールディングス株式会社

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    業種製造業、サービス

    社員数連結 7,535名、単体 437名 (2021年3月末時点)

エンタテインメントコンテンツ事業、遊技機事業、リゾート事業を主軸に、ゲームからダーツまで幅広い領域にビジネスを展開するセガサミーホールディングス。2018年にグループ会社を大崎のオフィスに集め、グループ全体でのビジョン達成に向け、会社をまたいだ横断的な人事施策を講じ始めました。今回はそんな同社のビジョン達成の鍵となる、タレントマネジメントシステムの活用について伺いました。

目次:

ビジョン達成の手段としてのタレントマネジメントシステム

― タレントパレット導入のきっかけについて教えてください。

笠井様:2018年の8月に、グループ会社が大崎のビルに移転したのがきっかけですね。それまでは個社ごとに事業領域が違ったため独立性を大事にしてきたのですが、市場環境が大きく変わるなかで効率的なグループ経営を図るとともに、人財交流の活性化による事業間の連携強化やシナジー創出を目的に大崎に集まりました

必然的に人や情報が交わり、「人財も会社をまたいでの異動ができるようになるのではないか?」という機運が高まったときに、「人財情報を可視化したい」というニーズが出てきたんです。それまではグループ各社各様のシステムを使っていたので、会社を超えてしまうとどんな人財がいるのか全くわからない状況でした。事業のスピードと、最適な経営判断、そこに投下していくヒューマンリソースをスピーディーかつ最適化したいと感じたのが新しいシステムを探す動機でした。

セガサミーホールディングス株式会社様①

― 検討の背景には「セガサミーグループHR変革ビジョン」があると伺いましたが、どのようなものになりますか?

笠井様:2020年11月6日に発表した構造改革のなかで、これからのあるべきHR像を再定義し、3つの柱を定めました。1つ目は「ミッションピラミッドが共通の絶対軸」、2つ目は「脱年功。志と実力を示す者が挑戦し活躍できる環境活躍できる環境」。3つ目は「グループとして人財の活躍機会を最大化」です。特に後半の2つを実現するために、人財の見える化はマスト条件でした。

出典:セガサミーホールディングス株式会社IR資料

出典:セガサミーホールディングス株式会社IR資料

― システムの選定にあたって、タレントパレットを選ばれたのはなぜでしょうか?

笠井様システム選びでは、HR変革ビジョンによって変更した新評価制度に柔軟に対応できること、360°フィードバック機能があること、組織のなかでの流動化を支援するような機能があること、この3点を重視すると共に、個々人が自らのキャリアデザインが描きやすく、それを上長も目に見えるような形でサポートできるような仕組みや、本人の意志=willやできること=can、現場組織の本当にほしいところ=mustをマッチングさせ、1つの情報として見えるようにしたいと思いました。

池田様:タレントパレットを導入する前に使っていたシステムもですが、他社システムの多くが評価システムや運用を回すためだけのシステムだったのに対し、タレントパレットの場合は役員層、社員、人事、それぞれの目線で活用でき、それぞれがメリットを創出できそうだと感じタレントパレットの導入を決定しました。

セガサミーホールディングス株式会社様②

笠井様人のことを考えるのは人事だけじゃありません。経営は経営の視点で、リーダーはリーダーの視点で考えなくてはいけないし、人事は当然人事として見ないといけない。今まではそれぞれの頭の中にあった情報を、一つの情報として皆が同じ情報、人財データをそれぞれの立場により使えること、更には俯瞰で見ることができること、そして、グループ会社それぞれが営む事業の独自性を後押しするため、全てを統一するのではなく、それぞれの事業にフィットできるような柔軟性も含め、全て担保できたのがタレントパレットでした。

芝﨑様:システムの選定や導入では、各社事業領域や業態が異なるので人事制度の完全統一は難しいですし、システムを個別にカスタマイズすることも効率的とは言えません。今後グループ会社での展開を考えた時、自分たちで簡単に設定出来る柔軟性もポイントになりました。

笠井様我々が掲げているHR変革ビジョンは、グループの中期経営計画に伴走するためのビジョンだと思っています。なので、3年後には変わるかもしれません。その時に「システムの仕様と違うのでできません」は理由にしたくなかったので、取り組みが変わった際にも柔軟に対応できることは必須でした。

― システム選定や導入にあたってはグループ各社の意見などを取りまとめるのは大変ではなかったですか?

芝﨑様:各社各様の人事制度があったので、従前はそれぞれ合わせていこうという流れは特になかったのですが、HR変革ビジョンに関する討議を通じて、そもそも我々が目指すべき方向感は同じであり、その実現に向けた手法として皆で合わせるべき部分と、事業領域や業態も違うので合わせない方がグループを成長し続けるため良い部分について、皆で話し合いを始めたことがきっかけで、セガサミーグループの未来に向かって、どうすべきか、どういうシステムならいいかということにも進むことができました。

セガサミーホールディングス株式会社様③

日々アクセスするタレントパレットが、社員を知るきっかけに

― 今、タレントパレットはどのように活用されていますか?

池田様:まずは評価運用から取り組んでいます。それ以外では、360°フィードバック、サンクスポイント、適性検査、キャリアアンケートを使っています。

笠井様:以前の評価運用は、半年に1回評価を書いて面談しましょうという形でした。今は普段の1on1やクォーターごとの個人および組織評価、日々のコミュニケーションも盛り込まれています。

池田様新入社員の月報にも活用していて、特にテキストマイニングは便利です。今まで100人ほどの月報を見て人の目で不安要素を探していたのを、テキストマイニングで不安要素を持っている社員を抽出したり、テキストマイニングを使った分析機能で他の新入社員とはタイプの異なった記載をしていている社員がいないかチェックしたりできます。

今後は決まった時だけでなく、出社したら毎日ログインして更新情報をチェックするなど、日常的に使われるタレントマネジメントシステムにできればと思っています。

タレントパレットを社内で展開する際、意外と評判がよかったのが動物占いですね。
社員に「評価のため、タレントパレットにログインしてください」と通知を出すだけでは、なかなかログインしてくれません。それが、動物占いのおかげで「何の動物だった?」といった会話が生まれて、コミュニケーションのきっかけにもなり、タレントパレットを社員に浸透させることができました。

― タレントパレットを入れたことで、社内に変化はありましたか?

池田様役員が使ってくれているのは嬉しいですね。「前のシステムより使いやすくなったね」という声も聞いています。

笠井様確実に役員がタレントマネジメントシステムへアクセスする回数が増えましたよね。「評価をするときに見るもの」から、「気になったらアクセスするもの」になっていると思います。

これまでは隣の部署の人がどんな人で、何をやっているかわからないことが多かったですが、タレントパレットを導入したことでタッチポイントも増え、お互いを知ることができる機会が加速度的に増えてくると思います。今後は、タレントパレットが社内の人に興味を持つきっかけ、横とつながろうとするきっかけの1つになって欲しいですしそうなるように仕掛けていきたいです。

― 今後タレントパレットを活用して進めたい施策はありますか?

池田様タレントパレットに搭載されている様々な機能を複合的に使うことで、我々がやりたいことを実現できるというイメージはすでに持っています。最終的にタレントパレットの機能を存分に活用して、HR変革ビジョンを達成したいですね。

芝﨑様:モニタリングの観点では、「どれくらいの人が異動しているか」「どれくらいの人が何歳で昇格しているか」「どれくらいの賃金体系の人がいるのか」、といった情報は今までなかなか可視化できていませんでした。今後はダッシュボードを使って可視化したものを経営陣に見せ、各社に考えるきっかけをタイムリーに共有するプラットフォームにしていきたいです。

笠井様:サクセッションプランにも取り組んでいこうと考えています。「こういう人財がほしい」という要件がある程度あるのだとしたら、そういう人財を育てるためにどんなことができるのか、それは誰なのか、といったことが可視化されている状態が必要ですよね。グループ会社の中にすごい人はたくさんいるはずなのに、なかなか知らないし、見えてこない。そういうときにもタレントパレットによってピックアップがしやすくなると考えています。
そして、個人が持っているスキル=canや「自分がこういうふうになりたいんだ、こういうもので世界を変えたいんだ」というwillを気持ちよく発揮してもらって、それらが会社として求めているmustにはまれば、競合他社と差別化できると思っています。

タレントパレットはワンプラットフォームで多機能なので、1個1個の機能だけではなく、複合的に考えて、自分たちで実現したい戦略に向けてベストなソリューションをデザインできるのは本当に魅力的です。タレントパレットの様々な機能を活用し、HR変革ビジョンに結び付けると共に、セガサミーホールディングスが掲げる「感動体験を創造し続ける~社会をもっと元気に、カラフルに。~」というミッションにつなげていければと思っています。