ワンプラットフォームで実現する
データに基づいた人事の本質とは

課題:経営意思決定のエビデンス、人材情報分析、人事評価の効率化

株式会社土屋鞄製造所

株式会社土屋鞄製造所
人事管掌 執行役員 三木 芳夫 様

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    業種製造業社員数570名

人材の才能を活かし組織力を最大化するタレントマネジメントでは、単なる業務効率化に止めるのではなく、組織力を向上させていくことも可能です。株式会社ハリズリー、株式会社土屋鞄製造所で執行役員 人事本部長 兼 コミュニケーション本部長を務める三木 芳夫様は、「人事データ分析をする上で、まず必要なのは組織の状態を把握すること」そして「会社の未来に思いを馳せること」だといいます。

今回は前半に三木様が考えるデータ活用で実現するこれからの人事について、後半ではタレントパレットを導入して得られたメリットを伺います。※本記事は、2021年9月3日に開催された「科学的人事フォーラムフレンドリー」のイベントレポートです。所属・役職はイベント開催当時のものです。
資料出典:9月3日開催 科学的人事フォーラムfriendly「導入企業様登壇!タレントマネジメントに必要な要素とは」土屋鞄製作所様講演資料抜粋

目次:

データ活用で実現するこれからの人事

2021年度 組織体制

私は人事管掌役員という立場から、全社およびホールディングス傘下企業の人事統括を行っています。まずはそういった観点から組織の状態を把握するにあたり、必要な分析とはなにかをお話したいと思います。

私は人事の仕事をする際、最初に自分の会社の健康状態をきちんと把握するようにしています。具体的に言うと、現在の売上高や利益の状態、従業員数。いわゆる会社にある財務データを把握し、きちんと分析した上で人事の施策や取り組みを進めていくのが大切だと考えています。

その中でも特に重要なのが、「過去5年分のデータを引っ張り出すこと」。当時の市場や売り上げのトレンド、利益の状態がどうだったのかを関係者の意見を元に分析し成長性や生産性の分析を図ると共に、そこに基づく当時の未来の目標を鑑みた時に今の状況がどうなのかを見る。そうすることで有効な施策の基本パターンを探り、その基本パターンに沿った人事分析・データ分析をしていくようにしています。

「データを目に見える効果から資産化する」その具体的な内容とタレントパレット活用法

そのために財務諸表を用いて、損益計算書(PL)・貸借対照表(BS)・キャッシュフロー計算書(CF)の財務三表をチェックします。ここで重要なのは「データを目に見える効果から資産化すること」です。

まずはPLで「どのように儲かっているのか」をチェックします。ここで費用としてかかってくるものは、例えば採用コストを指すとしましょう。そして、実際に売上高がどのくらい出て、差分の営業利益がどのくらいで、バランスシート上の純資産はどのくらい乗っているかをチェックします。資産は、予算から売上を引き算して導きます。この資産に我々がやっている活動が乗っているか。このような感覚で人事の施策を考えたり、最初のCFを定めたりします。

そのためにも、社員の状態をチェックできる体制を整えていくことが非常に重要です。もともと保持していたデータをタレントパレットの中に投入することによって細かい分析ができ、ダッシュボードで俯瞰して見える化することも可能になりました。

また、管理、会計、未来のこれからのお金について思いを馳せるようなコミュニケーションが取れると、人事としてもおもしろい仕事ができるのではないかと思っています。

人事の仕事では、会計の費用構造を把握した上で将来的な企業像を描いていくこと、そして事業部門とコミュニケーションを取っていける人事として、何を成長戦略とするか、どういう人員構成の組織にするかを人事から提案できるようになることが大切だと思っています。

こういう分析ができると事業にインパクトがある施策が提案できますし、やはりそういうことがやれる人事になっていくってことは、経営からしても、非常にポジティブなことだと思います。そのあたりをきちんとプレゼンテーションできるように数字で把握することが重要になるのではないでしょうか。

土屋鞄製造所がタレントパレットを選んだ理由

― 改めて、土屋鞄製作所が「タレントパレット」を導入したきっかけを教えてください。

元々、社内にある様々な種類のデータを活用していきたいと考えており、そのためにデータを集約・活用できるような、いわゆるデータウェアハウスとして「箱」になりうるサービスを探していました。また、評価運用を別のシステムで実施していたのですがUX/UIがわかりづらく、スムーズな運用やマネジメントのためにももう少しわかりやすいものがいいなと思っていました。それらの問題を解決し、データ活用ができるようなサービスがタレントパレットだと感じたのです。

全体イメージ

社員データにまつわる様々なシステムをタレントパレットに連携し、データウェアハウスとして活用。必要情報を一元化しダッシュボードで閲覧。

- 人事評価ツールだけをリプレイスする選択肢もあったのでしょうか?

そうですね。人事評価のツールを単体でリプレイスするという考えもあったのですが、土屋鞄は50年以上の歴史のある会社なので履歴情報が多いのと、ホールディングスカンパニーとしてデータ管理だけでなく人員配置などの人事戦略とつなげたかったというのもあり、評価や一元化、その先のデータ活用までイメージができたタレントパレットを選定しました。
また、別で現状の分析や可視化を目的にBIツールの導入も検討していたのですが、結果的にそこもタレントパレットで賄えています。

- 人事データが多かったため一元化が必要だったとのことですが、他にも何か困っていたことや一元化を重視していた理由があったのでしょうか?

人事の情報には活用しにくいものが多いと感じます。例えば、弊社では社員に対して1年に1度、部署異動希望を取るのですが、それ自体が単発イベントとして社員からアンケートを取るだけで終わってしまっていました。しかし現場からすると、毎回聞かれるしどのように活用されているか不透明なため「人事は何をしているんだ」と感じることもあると思います。また、人事の中でも「労務からこういうアンケートがあがった」「採用チームからこんなことを言われた」「評価に関してはこう言われた」など社内での整合性が取れていないと、すごいストレスだと思うんですよね。

そういうものをきちんと解消しようと思うとやはりタレントマネジメントは根幹にあって、人事がどういう取り組みをしていこうと思っているのかをメッセージとしてわかりやすく伝えられるんじゃないかなと考えています。また、収集したデータはこういうところにつながってくると思っていて、それぞれのデータをきちんと共有して活用すること、使えないデータにしないことは社員にとっても人事にとっても役に立つのではないかなと思っています。

- 人事は採用担当、研修担当、労務担当などに業務が分かれているケースが多いので、一言で「タレントマネジメント」と言ってもそれぞれの指していることがちょっと違ったりすることがあるのですが、三木様の場合は、全体的な視点を持ちながら各業務が紐づくという発想をされているなと感じます。
このような発想はどこから生まれたのでしょうか。

僕自身が、これまでに採用も研修も労務管理も全部のポジションを経験したからというのはあるかもしれません。必要な人材を配置することを考えた時に、全体から考えた方が早いというのは、今までの経験や時間軸の中で学んだことだと思います。

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部分最適化されたシステムでなく、ワンプラットフォームで一気通貫な見方をすることにより必要な情報を横串で閲覧・分析ができ、モニタリングがスムーズに。そこから新たな気づきを得ることも。

- 三木様のお立場上、経営戦略と人事戦略を照らし合わせてみていらっしゃるかと思うのですが、数字の見直しとしてデータを見ていくタイミングはいつだと考えますか。

僕は、導入時に「3〜5年後の体制がどういう状態になっているか」の仮説を立てるところまで行うようにしています。そのため頻繁に見ると言うよりは、1〜2年経ったタイミングでモニタリングし、テコいれしなければならない場合には施策を打つようにしています。
また、未来のために今の課題を把握すること、データを蓄積しておくことは大切だと感じます。1人1人の生産性や残業時間、残業代なども、年単位で並べてみると見えてくることはありますし、人事として持たなきゃいけないKPIに気づけると思います。そのためにもダッシュボード機能でぱっと見られるのは非常にありがたいです。

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ダッシュボード機能
タレントパレット内に格納されているデータを用いて、経営・人事・現場に必要なアウトプットを作成・保存することができます。好きなタイミングで見たいデータを瞬時にモニタリングが可能で、データの更新に合わせて自動的にアウトプットも更新されるので毎回の作業も必要なくなります。

詳しい機能を見る >>

- 最後にタレントマネジメントシステムの導入を検討されている方にアドバイスをお願いします。

繰り返しにはなりますが、採用だけ、教育だけ、労務管理だけといった切り口でなく、人事全体で必要なシステムだということをお伝えしたいです。あとはやはり生産性向上や効率化だけで考えず、システムの導入に投資する意味やその仮説までをセットで提案し、経営サイドにバリューアップを訴えることが大切かなと思います。

人事の仕事で重要なことは“きれいにExcelを使えること”ではなくて、知り得たデータから社員のモチベーションを上げられたか、売り上げやお客さまの満足に繋げられたか、そういうところに思いを馳せることができるかだと思うんです。
タレントマネジメントシステムを活用することで、人事としての本質にも取り組めるようになると思います。