リバースメンタリングとは?実施のメリットや注意点、向いている企業体系を解説


リバースメンタリングとは?実施のメリットや注意点、向いている企業体系を解説

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

リバースメンタリングのことを詳しくご存知でしょうか。うまく活用すれば、自社の若手育成に大きく貢献する活動になるでしょう。しかし、全ての企業でリバースメンタリングが有効というわけではありません。

今回は、リバースメンタリングの概要やメンタリングとの違い、メリットや実施する上での注意点を解説します。

リバースメンタリングの概要

リバースメンタリングとは、若手社員をメンターとして、上司や先輩社員にアドバイスや指導を行う人材育成方法です。経験豊富な先輩社員がメンターとなって若手社員を指導する方式とは異なり、若手社員が詳しい領域やテーマを、上司や先輩に指導する方法を指します。

具体的にはパソコンの使い方やDX、ITの知識などが例に挙げられます。上司や先輩社員が詳しくない領域に対し、若手が操作方法や使い方を教えることもリバースメンタリングの一つと考えていいでしょう。

従来のメンタリングとは立場が逆転していることから「逆メンター制度」と呼ばれることもあります。また、メンタリングのペアも同じ部署の若手と上司ではなく、他部署の若手と上司という組み合わせが多いようです。

メンタリングとは目的と立場が異なる



従来のメンタリングは、上司は先輩社員がメンターとなり、メンティーである若手社員に知識や経験を教える手法です。仕事をする上で必要な知識や経験を共有するのもメンタリングの役割ですが、それに加えて教えてもらった知識や経験から気づきを与えるのがメンタリングにおいて重要とされています。

一方のリバースメンタリングは、若手が持っている知識や能力を上司や先輩に共有することで、企業の発展につなげるのが目的です。一方的に教えるだけではなく、新しい知識を上司や先輩に与えて企業に貢献させるのが、リバースメンタリングの目的といえます。

メンタリングとリバースメンタリングの違いを踏まえた上で、一般的な知識の共有を行う場合はメンタリングが行われることがほとんどといえるでしょう。

そこで、メンタリングについて詳しく知りたい方はこちらの記事を参考にしてください。

「メンタリング」については、こちらの記事をご確認ください。

リバースメンタリングを実施する3つのメリット

リバースメンタリングを実施するメリットはいくつかありますが、代表的なものは次の3つです。

  • 視野の拡大
  • 若手社員のモチベーション向上
  • 良好な関係性の構築


リバースメンタリングで重要なのは、ただ先輩や上司が知らないことを教えてもらうだけではありません。あくまでも若手社員のためのものであり、ひいては企業全体のためでもあるアクションです。

次章でご紹介するメリットを踏まえて、リバースメンタリングを企業の発展や革新に活かしましょう。

視野の拡大

若手社員が持っている新しい知識や価値観の共有は、メンティーである上司や先輩社員だけではなく、企業全体の視野拡大につながる可能性があります。

最新の技術や情報に好奇心旺盛で吸収力が高いといわれている若手社員が、今まで会社になかった価値観を持ち込むと、上司や先輩社員の知見と視野が広がるでしょう。また、新しい業務のアイデアや新規ビジネス創出の可能性、働き方改革につながるかもしれません。

特にDXやICTに関する知識や理解度は、長年同じ会社にいる人材とは比較にならないほど高い場合が多くあります。長年培ってきた上司の知識や経験を組み合わせることで、新たなシェアを獲得できる可能性があるのです。

若手社員のモチベーション向上

リバースメンタリングは、若手社員が上司や先輩社員に対して自分の知識や考え方を伝えるものです。本来自分が学ぶ立場と考えている若手社員にとって、リバースメンタリングは会社に貢献していると感じられる有効な方法の一つといえるでしょう。

会社の役に立っていると感じられると、仕事へのやりがいや達成感を感じられます。結果的にモチベーションやエンゲージメントの向上に役立ち、生産性向上や離職率低下も期待できるのです。

良好な関係性の構築

リバースメンタリングを通じて、若手社員と上司のコミュニケーションが活発になるのもメリットの一つです。従来のメンタリングではコミュニケーションがないことも珍しくなく、関係性構築には個人差がありました。

しかしリバースメンタリングは、若手社員と上司が気兼ねなく意見を交換し合える環境になるので、良好な関係性を構築しやすいというメリットがあります。主従関係に代表されるような縦向きの関係が緩和され、年齢や社歴にかかわらず平等な社風が構築できるでしょう。

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リバースメンタリングを実施する際の注意点



革新的な発想が得られたり、会社の風通しがよくなるメリットがある一方、リバースメンタリングを実施する際にはいくつかの注意点があります。代表的なものは次の3つです。

  • 目的の共有
  • 価値観の違い
  • 適切な評価


リバースメンタリングに限った話ではありませんが、ただ実施するだけでは効果が得られません。特にリバースメンタリングの運用中に、以下で紹介する3つのポイントが守られているかをモニタリングすることが重要です。

目的の共有

リバースメンタリングだけではありませんが、導入する場合はどのような目的を重視して導入するのかを検討するようにしてください。目的が明確になっていなければ、達成する目標や期待する効果を測定することが難しくなってしまうためです。

決定した目的は、リバースメンタリングに関係するメンターとメンティー双方に共有しておきましょう。理解が得られなければ、企業側が期待する効果が得られない可能性があります。

価値観の違い

企業にもよりますが、メンターとメンティーに歳の差が発生してしまうため、価値観や考え方にすれ違いが発生するケースがあります。もしメンターの価値観をメンティーが受け入れられずに批判してしまうと、その時点でリバースメンタリングが成立しなくなってしまうでしょう。

大前提としてリバースメンタリングは、相互の価値観に違いがあるという共通認識を持っておくことが重要です。そしてその価値観を一度受け止めて尊重することが、リバースメンタリング成功の鍵を握っているといっても過言ではありません。

適切な評価

メンターに対しては、その活動の内容や貢献度を人事評価に反映させる仕組みが必要です。通称の業務に加えてメンターを行う場合がほとんどであるため、人事評価に反映されなければモチベーション低下の原因となってしまうでしょう。

逆にメンターの貢献度や成果が反映されるようになれば、若手社員のモチベーション向上に大きく貢献できます。導入前にどのように人事評価に反映するのかを検討し、ただの重荷にならないような工夫をすることが重要です。

リバースメンタリングの実施に向いている企業体系

リバースメンタリングを実施すること自体は、どの企業でもできるかもしれません。しかし大きな結果を得られるかといわれれば、導入する企業の風土や特徴によって異なるのが事実です。

リバースメンタリングの実施に向いている企業の特徴は、次の3点のうちいずれかに当てはまる企業といわれています。

  • 年功序列重視の企業
  • 平均年齢が高い企業
  • 多様性・個性重視の企業


なぜこれらの企業で効果が高いといわれているのか、詳しく見てみましょう。

年功序列重視の企業

年功序列重視の企業は、上下関係がはっきりしているヒエラルキー型組織を形成しています。基本的には上司や先輩社員のいうことは絶対であり、若手社員や新入社員がそれに従うという場合がほとんどです。

ここにリバースメンタリングを導入することで、それまで硬直化していた企業の体制に突破口が開けるかもしれません。世代を超えたコミュニケーションが活発になるのがリバースメンタリングのメリットであるため、勤続年数や年齢に関係なく交流できる、風通しの良い企業に変化する可能性があります。

平均年齢が高い企業

平均年齢が高い企業にも、リバースメンタリングの導入は有効な方法です。企業全体の平均年齢が高いと、意見や考え方が偏りがちになり、革新的なアイデアが出にくい環境ができてしまいます。

リバースメンタリングを導入すると、それまで考えもしなかった意見や価値観が若手から提案されるため、柔軟性のある企業に変化するかもしれません。勤続年数が長く、プロフェッショナルが多くいる企業でも、新人や若手から革新的なアイデアが生まれるきっかけになることでしょう。

多様性・個性重視の企業

企業経営において近年重視されるようになった多様性(ダイバーシティ)や個性を重視する企業にも、リバースメンタリングは有効です。

そもそも多様性を尊重するには、年齢や国籍・性別などの理解と尊重が重要な鍵を握ります。リバースメンタリングを通じてお互いに信頼関係を築くことができるため、従業員一人ひとりに対する仲間意識や尊重する姿勢が生まれやすくなるでしょう。

また副次的な効果として、離職率の改善やモチベーションアップにつながった事例もあります。

まとめ

リバースメンタリングは、現在多くの企業で注目されている手法です。企業によって成果に差は出ますが、特に年功序列型の企業風土や多様性重視の企業には大きなメリットをもたらすでしょう。

一方でメンターの評価や社内の理解を得る必要もあります。特にメンターへの人事評価は、リバースメンタリングを継続する上で最重要事項といっても過言ではありません。人事評価に加えて適切に評価することが重要ですが、管理するには手間が増えるという理由で導入に踏み切れていない可能性もあるでしょう。

そこでおすすめしたいのがタレントパレットです。タレントパレットは、人事システムのあらゆるデータを統合して分析できます。リバースメンタリング導入の人事評価の管理も簡単にできますし、リバースメンタリングを行ったことで得られた変化にもいち早く気がつくことができるかもしれません。

タレントパレットの機能や詳細は、以下で詳しく解説しています。リバースメンタリングの導入を検討しているか否かにかかわらず、興味があればぜひご確認ください。

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