LMSを比較する際のポイントは？機能やメリットについても解説

2025.06.10

LMSの導入にあたり、どのシステムを選ぶべきかに悩んでいる人もいるでしょう。本記事では、LMSの概要や比較のポイントなどについて解説します。LMSの導入を検討している人は、参考にしてください。

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LMSとは

LMSとは、学習教材の配信や進捗管理などを一元管理できるシステムのことで、学校だけではなく企業でも広く活用されているシステムです。

企業で活用する際には、eラーニングやオンライン研修などの実施に向いているでしょう。

eラーニングとの違い

eラーニングは、教材の形式や学習方法などのツールを指します。LMSは、eラーニングを管理・運用するためのシステムであり、eラーニングそのものではない点に注意してください。また、eラーニングは、LMSの一機能として利用されることが多い点も押さえておきましょう。

オンライン研修との違い

オンライン研修は、Zoomなどを使ったリアルタイムの集合型研修を指します。LMSはオンライン学習が中心で、時間や場所に縛られずに利用できる点がオンライン研修との違いです。

オンライン研修は、講師と受講者がリアルタイムでつながるため、質問やディスカッションがしやすい点が特徴として挙げられます。

LMSが必要とされている理由

ここでは、LMSが必要とされている理由について解説します。

人手が不足しているため

人手が不足していることが、LMSが必要とされている理由の1つです。日本国内では、さまざまな業種で人手不足が深刻化しています。そのため、限られた人材で高い成果を上げるためには、社員それぞれのスキルアップが欠かせません。LMSは教育に必要な事柄の一元管理が可能であり、効率的に学びを進められます。

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働き方が変化しているため

働き方が変化していることも、LMSが必要な理由です。

コロナ禍をきっかけにテレワークが普及し、時間や場所に縛られずに働くスタイルが定着しつつあります。この影響もあり、研修についても従来の集合研修ではなくオンラインで実施するためのインフラ整備が求められるようになりました。LMSの導入は、オンライン中心でも研修の学習効果を高めるために有効です。

LMSが持っている機能

ここでは、LMSが持っている機能について解説します。

教材や利用する人の管理

LMSでは、研修や講座に使用する教材をシステム上で配信・管理できます。コンテンツを一元的に登録・更新できるため、情報の管理がスムーズになるでしょう。

また、受講者の情報管理も可能で、誰がどの講座を受講しているかなどを把握できます。テスト機能を活用すれば、学習効果の確認も行えます。

進捗の管理

LMSが持っている機能の1つは、進捗の管理機能です。活用すれば、受講者の進捗状況や達成度をリアルタイムで確認できます。誰がどこまで学習を進めているかを把握すれば、指導やフォローがしやすくなるでしょう。

成績や履歴も管理できるので、個人の成長過程を記録・分析することも可能です。

外部に対する学習の提供

LMSのなかには、外部の人に向けて学習コンテンツを提供できる機能を備えたものもあります。受講者からの申し込み受付やコンテンツの自動配信に対応しているシステムもあり、社外向けにも効率的に学びを提供可能です。

学習環境の整備

LMSは、学習環境の整備にも適しています。マルチデバイスに対応していれば、パソコンだけではなくスマートフォンやタブレットでも受講可能です。通勤時間や外出先など、時間や場所を選ばずに学べる点は、大きなメリットといえるでしょう。

また、学習に関する質問を行えるチャット機能や、セキュリティを担保する認証機能を備えたシステムもあり、安心して学習を進められる環境が整っています。

LMSが活用されるシーン

ここでは、LMSが活用されるシーンについて解説します。

社内向けの研修

LMSが活用されるシーンの1つは、社内向けの研修です。新入社員研修やコンプライアンス研修など、社内で行われる教育の場面でも活用されています。

また、オンライン上で教材の配信やベンダーが提供しているコンテンツの受講などにも活用可能です。学びをやり直す「リスキリング」の手段としても注目されており、活用されています。

社外向けの研修

代理店や販売パートナーなど、社外向けの研修にもLMSは活用されます。対象ごとにアクセス権限を細かく設定可能であり、セキュリティ性が高いため、安心して運用できるでしょう。

コンテンツ販売

LMSは、コンテンツ販売のプラットフォームとしても利用されています。制作した有料の講座や学習コンテンツをLMS上で販売し、オンライン形式で提供可能です。

従来は対面で行っていたセミナー形式の講座も、LMSを使えば場所を問わず受講可能となり、より多くの受講者に届けられます。

資格の受講管理

LMSが活用されるシーンとして、資格の受講管理をする場合も挙げられます。資格取得に必要な講座や試験の進捗を管理できるため、管理者にとっても受講者にとっても利便性が高いでしょう。合格・不合格などの情報もオンライン上で確認できます。

また、社員ごとに保有資格の一覧を管理する機能もあり、スキルの可視化や人材配置の参考に活用できる点も特徴です。

LMSを活用するメリット

ここでは、活用するメリットについて解説します。

受講者のメリット

LMSを活用すれば、受講者は自分のペースで学習を進められます。時間や場所にとらわれず任意のタイミングで学べる点は大きなメリットです。また、履歴やテストの結果がシステム上に記録されるため、学習履歴や理解度を確認しながら進められ、不明点が出てきても気軽に相談できます。

講師のメリット

LMSを活用する講師のメリットは、教材の配信や更新が一元化されている点です。テスト結果や質問履歴などをリアルタイムで確認できるため、効率的なコミュニケーションが図れるようになります。また、オンラインであるため、より多くの受講者に学びの機会を提供できる点も、LMSならではのメリットです。

管理者のメリット

LMSは業務の効率化を実現できるツールです。受講者全体の進捗状況や学習履歴をリアルタイムで確認できるので、全体の状況を把握しやすくなります。また、古くなったコンテンツを随時アップデートできるため、常に最新の学習内容を提供可能です。さらに、講師や会場を手配する必要がないため、コストや手間の大幅な削減にもつながります。

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LMSを活用するデメリット

ここでは、活用するデメリットについて解説します。

受講者のデメリット

受講者のデメリットは、モチベーションの維持が難しい点です。LMSを活用した学びには自己管理が求められるため、自主的に取り組まなければ学習が進みません。そのため、モチベーションの維持に気を配る必要があるでしょう。

また、実技に関する学びが難しい点、ネット環境や端末の性能に左右される場合がある点もデメリットとして挙げられます。

講師のデメリット

講師と受講者は画面越しにコミュニケーションをとるため、受講者の反応を直接確認しにくい点は大きなデメリットです。オンラインでどう円滑に意思疎通を図るかの想定が不十分な場合は、受講者とのコミュニケーションがとりにくいでしょう。

また、システムの設定や使い方を理解するまでに、ある程度の時間と慣れが必要である点もデメリットになり得ます。加えて、通信環境が悪い場合には、スムーズに学びを進めにくくなる恐れがある点も押さえておきましょう。

管理者のデメリット

LMSを導入する際には、設定にかかる費用や工数が発生します。この点は管理者のデメリットとなるでしょう。

さらに、受講者の個人情報を扱う以上、セキュリティ対策やデータ管理には十分な注意が求められます。また、講師や受講者がシステムに慣れるまでは、教育やサポートを提供しなければなりません。

LMSの種類

ここでは、LMSの種類について解説します。

オンプレミス型

LMSの種類の1つは、自社が保有するサーバーにLMSを構築し運用するオンプレミス型です。細かなカスタマイズが可能であり、自社のニーズに合わせた柔軟な設計ができます。また、セキュリティ管理に優れている点も特徴です。

ただし、導入時だけではなく、保守・運用時にも専門知識を持つ人材の確保が求められます。

クラウド型

クラウド型は、ネット環境を通して利用できるLMSサービスです。自社で設備を用意する必要がなく、アカウント登録や設定を済ませれば利用開始ができるため、初期費用や導入までの時間を抑えられます。

さらに、システムのアップデートはサービス提供者が行うため、運用面の負担も少なく済むでしょう。

特化型

特化型のLMSは、ある特定の目的や業種に特化して設計されたシステムです。決められた用途に合わせて、必要な機能だけを搭載している点が特徴として挙げられます。そのため、操作がシンプルで扱いやすいです。汎用性には欠けるものの、目的に対する効果が高いといえるでしょう。

統合型

統合型は、その名前が示すとおりさまざまな機能が一体になったLMSです。学習管理機能だけではなく、履歴確認や出欠確認なども1つのシステムで運用を進められます。作業を1つのプラットフォームで完結させられるため、利用しやすいでしょう。

ただし、提供される機能の範囲や内容はシステムによって異なるため、自社に必要な機能が含まれているかを事前に確認してください。

LMSの導入手順

LMSの導入手順は、以下のとおりです。

契約：自社のニーズに合ったシステムを選定し、契約を結ぶ
環境構築：実際に使用するための環境を構築する
運用準備：教材の登録、マニュアルの整備など、運用に向けた準備を進める
運用開始：必要に応じて見直しを行いつつ運用を進めていく

LMSを比較する方法

ここでは、LMSを比較する方法について解説します。

自社に合った使い方ができるか

比較する方法の1つは、自社に合った使い方ができるかどうかです。システムの操作性や機能が自社に合っているかを事前に確認しておきましょう。

また、社内研修だけではなく社外に対してもコンテンツを提供したい場合には、柔軟に対応できるシステムかどうかの確認も必要です。人材育成に適した設計になっているか、予算の範囲で導入可能かなども考慮して、総合的に判断しましょう。

自社に合った教材があるか

LMSに用意されている教材やコンテンツが、自社に合っているかも重要なポイントです。既存コンテンツだけではなく、自社のオリジナル教材・マニュアルなどのアップロードや編集ができるかをチェックしましょう。また、教材の調達・作成の双方に対応しているかも見逃せない観点です。

パッケージ化されているか

LMSによっては、目的別にあらかじめパッケージ化された教材が用意されているものもあります。導入して即座にシステムを使いたい場合には、パッケージ化されたシステムを選びましょう。初期設定が簡単かどうか、導入後、スピーディに運用できるかが選ぶポイントです。

集合研修・オンライン研修の双方に対応しているか

LMSを比較する方法の1つは、集合研修・オンライン研修の双方に対応しているかどうかです。近年は、集合研修だけではなくオンライン研修を採用する企業も増えています。オンラインだけではなく、対面での研修も管理できるかを確認しましょう。

日程管理や受講者へのリマインド機能、出席確認機能などが備わっていれば、研修全体を効率的に進められます。

人材育成に適しているか

人材育成に適しているかどうかも、LMSを比較する重要な観点です。eラーニングや受講状況を管理できる機能があるかなど、人材成長の可視化に役立つ機能があるかを考慮して選びましょう。長期的なキャリア形成を支援できる設計になっているかのチェックも欠かせません。

自社に適したシステムを選ぶためにも、あらかじめ人材育成に関する課題を明確にしておきましょう。

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eラーニングの規格に則っているか

LMSを選ぶ際には、eラーニングの標準規格である「SCORM1.2」や「SCORM2004」などに対応しているかもチェックしておきましょう。これらの規格に準拠していれば、ほかのシステムやコンテンツ提供ツールとの互換性が確保できます。ひいては、将来的なシステム移行の際に役立つ備えとなるでしょう。