ピグマリオン効果の欠点と注意点とは。カバーするための方法も解説


ピグマリオン効果の欠点と注意点とは。カバーするための方法も解説

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

ピグマリオン効果は、企業の人材育成に有効な手段として注目を集めています。実際、部下に期待を込めて業務や課題を任せることで能力向上を図る手法であるものの、過剰な期待をかけてしまうとプレッシャーになってしまう可能性もあるため注意が必要です。

では、ピグマリオン効果の欠点にはどのような対処や方法があるのでしょうか。

本記事では、ピグマリオン効果のビジネス上のメリットと欠点、および注意点と具体的な活用方法について解説します。

ピグマリオン効果のビジネス上のメリット

ピグマリオン効果に期待できるビジネス上のメリットで代表的なものは次の3つです。

  • 自主的な期待を引き出す
  • 課題設定から目標まで管理する
  • コミュニケーションが最適化される


マネジメントを行う場合でもピグマリオン効果は高い成果を発揮するでしょう。それぞれどのような内容なのか、詳しく解説します。

自主的な期待を引き出す

ピグマリオン効果を導入することで、次のように部下本人の自主的な期待を引き出せるでしょう。

・上司が部下に期待をすることで、部下はモチベーションを高めることができる
・もっと上司のために活躍したいという思いが生まれ、自主的な成長につながる

ピグマリオン効果において理想的な結果です。自主的な期待を引き出すことで、上司が期待した以上の成長を遂げてくれる可能性もあるといえるでしょう。

課題設定から目標まで管理する

上司が部下の課題設定や目標達成までのサポートを行い、それに対し適正な評価をすることで生産性の向上や業務改善につなげられます。ただし、単に本人に期待するだけではなく、伴走する形で上司が部下をサポートすることが必要であり、成功すれば高い効果を発揮するでしょう。

課題設定については、部下の性格や特性にもよるため、個別面談を通じて共に考えるようにすることがベストです。

コミュニケーションが最適化される

上司から期待されているという意識を部下が持てるため、双方のコミュニケーションが円滑になります。周囲に波及した場合、部署だけではなく企業全体で円滑なコミュニケーションをとる風土が根付いていく可能性もあるでしょう。

また、コミュニケーションは、マネジメントにおいて最も重要な要素のひとつです。ピグマリオン効果を用いることで、円滑なコミュニケーションを取れる関係性の構築が可能となります。

ピグマリオン効果はビジネスにおいてもメリットを生むことが可能です。では、ピグマリオン効果はいつ登場し、なぜそのような名前なのでしょうか。ピグマリオン効果の概要について詳しく知りたい方はこちらの記事から。

「ピグマリオン効果」については、こちらの記事をご確認ください。

ピグマリオン効果の欠点



ここからは、ピグマリオン効果の欠点について解説していきます。手法や強制との違いをしっかりと把握できていなければ、期待していた効果を出すのは難しいでしょう。

期待の定義が明確でない場合マイナスの方が大きい

上司が部下に対して、どのような期待を抱いているのかは人によって異なります。内容を明確にせず、ただ単に期待している事実だけを部下に伝えた場合、ピグマリオン効果の恩恵を受けることはできません。

また、1回伝えた期待の定義がずっと同じままでは、部下が成長していないと感じてしまい逆効果になってしまう可能性もあります。

この場合は、どのような内容で期待しているのか、何が目的なのかを明確にしましょう。個別の面談を実施する際はそのたびに期待の定義を明確にし、期待をしている様子を部下に見せるスタンスや言葉も重要です。

期待と押し付けを間違う可能性がある

よくある勘違いとして、期待と押し付けを間違ってしまう管理職も少なくありません。たとえば、口では期待していると伝えているものの、実態は期待しているといえばいうことを聞いてくれると思っているケースなどが該当します。

ピグマリオン効果による期待として伝える場合、本人の業務量やクリアして欲しい課題を適切な量を与えることが重要です。「期待しているから」と口で言いつつ、部下を配慮せずに業務や課題を与え続けるのは押し付けとなります。

そのため、管理職は業務バランスとピグマリオン効果における期待の意味に注意しなければなりません。

誰にでも効果的なわけではない

ピグマリオン効果は、誰にでも効果を発揮するわけではありません。効果を発揮するのは、実際にコミュニケーションが取れている部下や信頼している部下に対してのみだといえます。

また、期待をプレッシャーと感じてしまう部下に対しても、ピグマリオン効果を期待するのは難しいといえるでしょう。マネジメントを行う場合、相手との関係性や特性をふまえて言動を調節しましょう。

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ピグマリオン効果の注意点



ピグマリオン効果の手法を実行する上で、注意しなければならない点が3点あります。

  • プレッシャーと期待を間違わない
  • 褒めすぎない
  • 期待の方向性を見極める


注意点をふまえて、ピグマリオン効果を最大化するようにマネジメントを行いましょう。

プレッシャーと期待を間違わない

ピグマリオン効果は期待によって従業員のパフォーマンスを向上させるものです。しかし、過度に期待しすぎたり、そもそも期待をプレッシャーと受け取ってしまったりする人に対しては、マイナスしか生まない可能性があります。

また、期待をかける言葉とプレッシャーをかける言葉はよく考えたうえで言葉にしましょう。ピグマリオン効果に限った話ではないものの、上司と部下であれば、上司への不信感は会社への不信感につながるためです。

ほめ過ぎない

ピグマリオン効果を最大化するためには、部下を定期的に褒めることも重要です。しかし、褒めすぎてしまうと、部下は上司にとって欠点のない存在であると勘違いしてしまい、現状維持に甘んじてしまう可能性があります。

クリアできた課題を褒めつつ、さらにステップアップするために必要な課題を提示するようにしましょう。また褒めだけでなく、同時に出てきた改善点や課題も適正に評価し、本人に伝えることが大切です。

期待の方向性を見極める

モチベーションがアップする要因は、人によって異なります。頻繁に期待していることを伝えて欲しい人もいれば、基本的には期待していることを口に出さず黙って見守っていて欲しい人もいるでしょう。

マネジメントを行う側は、アプローチ方法を人それぞれで変えなければならないという事実を理解しておかなければなりません。画一的に同じように期待している場合、ピグマリオン効果による改善が期待できないといえます。

ピグマリオン効果の具体的な活用方法

ピグマリオン効果をより高いレベルで実践するためには、具体的な活用方法を知っておく必要があるでしょう。いくつかの方法がありますが、本記事では以下の3つの方法について解説します。

  • 目的をすり合わせる
  • 一人一人に合った声かけを行う
  • 研修や教育での振り返りを徹底する


目的を擦り合わせる

管理職や上司は、部下に新たな課題を出すタイミングで、課題を出す目的をすり合わせるようにしましょう。漠然と課題を出すだけでは、何のためにその課題が出されているのか理解できず、期待されていないと思ってしまう従業員もいるためです。

課題の目的をすり合わせた場合、部下は現在どの程度まで目標を達成できたのかを明確に認識することができます。管理する上司においても、部下の進行度合いや成果物の質を見て、現在どのレベルまで目標達成ができているのかを確認できるようになるでしょう。

一人一人に合った声かけを行う

ピグマリオン効果は、上司と部下のコミュニケーション及び信頼関係の上に成り立っています。しかし、コミュニケーションに関してもどのような方法が最適なのかは人によって異なるため、適切なコミュニケーションを部下それぞれに実施しなければなりません。

そのため、普段から個別面談やミーティングなどで人間関係を構築しておく必要があります。適切なコミュニケーションを一人一人に対して発揮できれば、ピグマリオン効果をより高いレベルで享受できるようになるでしょう。

研修や教育での振り返りを徹底する

研修や教育での振り返りを徹底することで、部下はどの程度上司から期待されているのかを把握できます。特定の研修や教育、結果を評価することで、期待を持たれているとモチベーションアップにつながる部下もいるでしょう。

注意点は、評価時はできなかったことに対する減点方式ではなく、新たにできるようになったことやクリアした課題に対する加点方式を採用するという点です。

ピグマリオン効果はうまく活用すれば企業の利益に繋がるようなプラスの効果を得ることが可能です。また、理論だけでなくピグマリオン効果によってメリットを享受している企業も少なくありません。ピグマリオン効果の例について知りたい方はこちらの記事から。

「ピグマリオン効果例」については、こちらの記事をご確認ください。

まとめ

ピグマリオン効果にはメリットも欠点もあるものです。しかし、欠点を理解し注意点を意識すれば、人材育成や企業の利益増加につながる手法でもあるといえるでしょう。どのようにピグマリオン効果を活用するのかを検討して、企業の人材教育に活用する必要があります。

タレントマネジメントシステムのタレントパレットでは、人材や企業が抱える経営課題を洗い出すことができます。部下に期待すべき内容や課題を明確にすることができることに加え、適正な人材配置なども検討することが可能です。

人材の育成がうまくいっていない、どのように人材を教育すればいいかわからないという企業の担当者は、ぜひタレントパレットの導入をご検討ください。

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