社員のスキルアップや社内研修に、eラーニングを活用する企業が増えています。これから導入を検討する人も少なくないでしょう。
本記事では、eラーニングの概要やメリット、eラーニングを実施するために必要なことなどを解説します。eラーニングに必要なシステムを選ぶ際のポイントも紹介しているので、導入を検討している企業はぜひ参考にしてください。
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eラーニングとは
eラーニングとは、インターネットを利用した学習方法のことです。オンライン学習と呼ばれることもあります。利用者はパソコンやスマートフォンなどの端末を使って講座を受講し、各々が好きなタイミングで学習を進められるシステムです。
eラーニングのおもな目的
eラーニングのおもな目的は、社員の業務スキルや生産性の向上、キャリアアップなどです。なお、eラーニングの活用方法は企業によって異なります。一例としては、新人研修や各階層向けの研修や、社員が自由に学べる場として提供しているなどです。
eラーニングの歴史
ここからは、eラーニングの歴史を紹介します。現在「eラーニング」と呼ばれる学習方法が確立されるまでの流れは、おおむね以下の通りです。
CD-ROM教材を利用した学習が開始
初期のeラーニングは、「CD-ROM」というコンパクトディスクに教材を記録し、それをコンピューターに差し込んで学習するというスタイルでした。CD-ROMを使った学習は、それまでのビデオ学習とは異なるインタラクティブな学習コンテンツを提供できます。受講者の理解度や答えに応じた教材の提示も可能となりました。
しかし、CD-ROMの作成・配布には多くの手間がかかります。また、CD-ROM教材は「内容の修正が容易ではない」「進捗状況の管理が難しい」などの課題も抱えていました。
インターネットを利用した学習への移行
インターネットのブロードバンド化が進むと、インターネットを利用した「WBT（Web Based Training）」という学習方法が普及していきました。WBTは、学習管理システム（LMS）を使用した教材や学習履歴の一括管理が可能で、教材を受講者のコンピューターに直接配信できます。配布コスト面で、CD-ROM教材の弱点を克服しました。
現在ではこのように、インターネットを利用した学習を「eラーニング」と呼ぶ場合が大半です。
モバイル端末の発展による利便性の向上
スマートフォンやタブレットなどのモバイル端末の進化は、eラーニングの利便性をさらに強化しました。持ち歩きに便利なモバイル端末は隙間時間の有効活用に適しており、「時間と場所にとらわれない学習」をさらに一歩進んだ領域にまで押し上げたといえるでしょう。
モバイル端末は、接客や調理などの現場で活動するデスクレスワーカーにも使いやすく、eラーニングの裾野を広げることにもつながっています。
eラーニングのトレンドと今後
近年は、eラーニングにAI技術を導入するケースが増えています。生成AIを利用した学習コンテンツの制作や、カリキュラム作成の自動化など、活用方法は実にさまざまです。
また、従来のeラーニングはおもに「知識」の習得に用いられてきましたが、ロールプレイング型教材やVR教材など「体験」を得られるタイプの教材も登場しはじめました。これにより、従来は難しいとされてきた実技の習得にも、eラーニングを活用できるようになりつつあります。
また、学習者が受動的に講座を受講するスタイルから、能動的に学ぶアクティブラーニングへシフトしている点もポイントです。
eラーニングのメリット
eラーニングを導入すると、以下のようなメリットを期待できます。
いつでも・どこでも学習できる
eラーニングならパソコンやスマートフォンなどを使って、いつでも・どこでも講座を受講可能です。時間や場所に関係なく、社員の都合のよいタイミングで学習を進められます。
ちょっとした待ち時間や移動時間などの隙間時間も利用しやすく、無理なく学習を継続できるでしょう。
教育の質を均一化できる
eラーニングでは全ての受講者が同じ教材を用いるため、教育の質を均一化しやすいというメリットもあります。また、対面型の学習とは異なり、講師が変わることによって教育の質が左右される心配もありません。教材の修正やアップデートも容易なため、最新の情報を迅速に提供できるところも利点です。
学習進度を管理できる
専用のシステムを利用すれば、社員ごとの進捗状況やテスト結果などを一元管理できます。紙ベースでの学習と比べて、学習進度の管理を効率化しやすく、運用担当者の負担を軽減することが可能です。また、進捗状況や学習データなどの情報を生かすことで、1人ひとりに適切なアプローチを実現しやすくなります。
eラーニングのデメリット
eラーニングにはさまざまなメリットがある一方、以下のようなデメリットもあるので注意が必要です。
実技の習得やアウトプットが難しい
eラーニングは画面上での学習がメインとなるため、実技の習得にはあまり適さない傾向があります。前述の通り、教材のタイプによっては実技学習にも対応可能ですが、基本的にインプットに偏りがちで、アウトプットの機会が少なくなりやすい点がネックです。
導入・運用コストがかかる
通常、eラーニングの受講環境を整えるには、専用のシステムが必要です。そのため、eラーニングの導入には、システム利用料などの費用がかかります。
なお、初期費用だけでなく、月額料金やメンテナンス費用などのランニングコストが発生する点にも注意しましょう。
eラーニングを実施するために必要なもの・こと
ここからは、eラーニングを実施するために必要なもの・ことを紹介します。
学習管理システム（LMS）
LMSは「Learning Management System」の略称であり、日本語では「学習管理システム」と呼ばれます。
学習管理システム（LMS）は、社員がeラーニングを受講するためだけでなく、企業側が教材や学習者を管理するためにも必要です。システム上で社員1人ひとりの受講状況やテスト結果などを一元管理できるので、必要に応じたフォローがしやすくなるでしょう。
また、学習管理システムには、対象の受講者に教材を割り当てる役割もあります。
学習教材
eラーニングを導入するためには、パソコンやスマートフォンなどで受講する形式の学習教材が必要です。また、教材にはさまざまなタイプがあります。
- テキストや図表を用いた教材
- 動画教材
- アニメーション教材
など
また、学習管理システムで提供された教材だけでなく、自社で制作した教材も使用可能です。
SCORM
SCORMとは「Shareable Content Object Reference Model」の略称であり、eラーニングを共通化するための国際標準規格です。
eラーニングを導入する際、SCORM規格に準拠したシステムや学習教材を使用すれば、より多くの人が教材を利用できます。
学習者へのサポート
eラーニングは、自立型の学習スタイルが基本です。しかし、学習意欲を維持してもらうためには、社員からの質問や相談に回答し、適切なアドバイスをする役割の人が欠かせません。
eラーニングを導入する際は、学習アドバイザーやチューターを配置し、社員の理解度やモチベーションの低下を防ぎましょう。
- 学習アドバイザー：学習に関する困りごとを包括的にケアする人
- チューター：教材の内容に関する質問に回答する人
eラーニングシステム（LMS）を選ぶ際のチェックポイント
eラーニングシステム（LMS）を選ぶ際は、以下の4つのポイントを比較するとよいでしょう。
システムのタイプ
eラーニングシステムには、コンテンツ型とプラットフォーム型の2種類があります。
コンテンツ型とは、サービス提供側があらかじめ用意した教材を使用するタイプのシステムです。コンテンツ型はさらに、幅広い分野を学習できる汎用型と、特定の分野に特化した特化型の2種類に分けられます。
一方、プラットフォーム型は、サービスの利用者側が教材を用意するタイプのシステムです。プラットフォーム型には、利用者側で作成済みコンテンツを配信するタイプと、システム上でコンテンツの作成・共有可能なタイプがあります。
コンテンツ型 | 幅広い分野を網羅した「汎用型」 |
特定の分野を深く学べる「特化型」 | |
プラットフォーム型 | 既存教材を配信するタイプ |
システム上で教材を作成して配信するタイプ |
学習コンテンツの種類やカスタマイズ性
システム側で用意された教材を利用する場合は、自社のニーズに合う学習コンテンツが配信されていることを確認しましょう。「新人研修」といった特定の学習内容がパッケージ化されたプランがあると、目的に応じて必要な講座を組み合わせて受講させやすいので便利です。
自社に合わせたプログラムや教材を作成したい場合は、柔軟性やカスタマイズ性の高さもチェックしましょう。
搭載されている機能
自社のニーズに合わせて、必要な機能が搭載されたシステムを選びましょう。受講者や講座の管理機能はもちろん、コミュニティ機能や教材作成の支援機能、学習促進機能などがあると便利です。
以下に、eラーニングシステムの代表的な機能をまとめました。
受講者管理機能 | 受講者の学習進捗やテスト結果などを管理する |
講座管理機能 | コースの管理やスケジュールの設定などができる |
教材管理機能 | 教材の登録や更新などができる |
テスト機能 | テストの作成や制限時間の設定などができる |
料金
システムの選定においては、予算に合うかどうかも重要なポイントです。まずは導入にかける予算を設定し、システムごとの料金体系を確認しましょう。
ただし、利用料ばかり気を取られてしまうと、本来の導入目的を果たせなくなる恐れがあるので注意が必要です。
eラーニングを実施する際の注意点
eラーニングを実施する際は、次の2つのポイントに注意することが大切です。
導入目的を明確化する
目的が曖昧なまま導入すると、eラーニングの効果が薄れてしまう可能性があります。導入目的を明確化すれば、自社に必要な機能やコンテンツを判断でき、eラーニングの質を高めやすくなるでしょう。
目的を明確化する際は、「SMART」というフレームワークの活用がおすすめです。
- Specific：具体的な
- Measurable：計測可能な
- Achievable：達成可能な
- Relevant：関連性の高い
- Time-bound：期限が明確な
これらを意識することで、適切な目標設定を実現しやすくなります。
社員の学習意欲を維持する工夫が必要
eラーニングは強制力が働きにくく、学習進度が個人の自主性に依存しやすい傾向があります。
社員のモチベーション低下を防ぐため、個別のフォローやリマインド、コースマップの作成など、学習を促すような工夫を行いましょう。はじめからこれらの機能が備わったシステムを選べば、施策をスムーズに実施できます。
ただし、eラーニングでの学習を強制するのではなく、あくまで自律的に学べるようサポートすることが大切です。
また、教材のわかりやすさや、使い勝手の良さも重要な要素といえます。たとえば、隙間時間を利用して受講できるタイプなら、忙しい人も無理なく学習を継続できるでしょう。
eラーニングシステム（LMS）を導入するなら「タレントパレット」
eラーニングシステム（LMS）をお探しなら、タレントパレットをご検討ください。タレントパレットは、多くの大手企業から選ばれているタレントマネジメントシステムです。人材の見える化や人事評価など、人事課題の解決につながる多様な機能を備え、eラーニング・研修管理にもお役立ていただけます。
講座の受講履歴や結果を一元管理
タレントパレットなら、eラーニングで受講した講座名や受講日、受講後のテストやアンケートの結果、それぞれのスキルなどの情報をシステム上で一元管理できます。オフライン研修も同じシステムで管理できるため、対面研修とeラーニングを組み合わせたい企業でも、便利にお使いいただけるでしょう。
また、スキルテンプレート機能を活用すれば、受講後の社員の成長も可視化可能です。スキル情報に基づいた講座のレコメンド機能といった、eラーニングの運用に役立つ機能も豊富に取り揃えています。
独自教材の作成をサポート
タレントパレットなら、独自教材も効率的に作成可能です。エディターを使用し、オリジナルコンテンツを容易に作成できます。
動画やHTML、パワーポイントなど多様なフォーマットに対応している点もポイントです。ニーズに合わせて、多種多様な教材を作成できます。
「タレントパレット」をeラーニングに活用している企業事例
最後に、タレントパレットをeラーニングに活用している企業の事例を紹介します。
青山商事株式会社
青山商事株式会社様では、従来より衛生通信によるeラーニングコンテンツの配信を行っています。タレントパレットの導入後は、商品知識や接客マナーなどの動画コンテンツを一元化することで、運用コストの大幅削減に成功しました。
また、これまでのキャリアや受講履歴の蓄積により、個人のスキルが可視化できるようになったというお声もいただいています。若手社員を中心に倍速視聴についてもご好評をいただき、eラーニングの効率化、生産性の向上に寄与しました。
青山商事が目指す採用から育成、配置、定着、活躍まで一気通貫した人材マネジメント
ブリッジインターナショナル株式会社
ブリッジインターナショナル株式会社様では、社内教育用に100種類ほどの講習を用意し、クライアント先に常駐している社員も受講できる体制を整えています。
また、「スキル評価＝アウトプット」と捉え、eラーニングによるインプットとスキル評価によるアウトプットのサイクルを構築している点も特徴です。このサイクルの実現に寄与することも、タレントパレットの選定理由のひとつでした。
タレントパレットの導入により、eラーニングの受講環境やスキルが見える化され、eラーニングの受講率やスキルレベルが向上したというお声もいただいています。
働きやすい環境と仕組みづくりで目指したのは社員のモチベーションとスキルレベルの向上
株式会社LIXIL Advanced Showroom
株式会社LIXIL Advanced Showroom様では、接客業務に必要な基本知識や接客技術をまとめた約400ものコンテンツを掲載し、各々が任意のタイミングで受講できる環境を整えています。日々追加される新商品の情報も、タレントパレットへアップロードしていち早く共有しているとのことです。
また、従来は受講者名簿や受講結果をエクセルや紙のアンケートで管理していましたが、タレントパレットの導入後は受講結果をリアルタイムで把握できるようになり、集計の手間も軽減されました。全100問以上で構成される知識テストの結果も、スピーディに公開可能です。
400コンテンツ以上のe-ラーニングを実施、全国の拠点で現場社員の研修・育成を推進
まとめ
eラーニングとは、インターネットを利用した学習方法のことです。eラーニングにはいつでも・どこでも講座を受講でき、教育品質を均一化しやすいなどのメリットもあります。
なお、eラーニングの導入には、学習管理システム（LMS）の導入が欠かせません。
タレントパレットは、多くの大手企業から選ばれているタレントマネジメントシステムです。採用、育成、配置、離職防止から経営の意思決定支援までワンプラットフォームで実現します。
eラーニング・研修管理機能も充実しているため、学習管理システムを導入する際はぜひご検討ください。