チームワークはなぜ重要?メリットやデメリット、高めるための方法を解説


チームワークはなぜ重要?メリットやデメリット、高めるための方法を解説

業務を円滑に進めるためには、チームワークが欠かせません。結束力や一体感がなければ組織の生産性は低下し、企業の成長も鈍化する恐れがあるためです。本記事では、組織においてチームワークが重視される理由、チームワークを高めるメリットを解説します。チームワーク強化に活用できるフレームワークもまとめているため、ぜひ参考にしてください。


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チームワークとは?

まずは、チームワークの定義や目的を解説します。


チームワークの定義

チームワークとは、同じ集団に所属するメンバー同士が、共通の目標に向かって連携を取り合い協力することを指します。組織が円滑に機能するためには、メンバー同士のチームワークが不可欠です。作業を分担、あるいは共同することで、組織としての高いパフォーマンスが発揮できるようになります。


チームワークの目的

チームワークの目的は、業務を効率化し、組織の力を最大化することにあります。それぞれ得意分野や身についているスキルは異なるため、チームで協力して作業を行うことで生産性の向上が期待できるでしょう。適切に連携を取り合えるようになると、メンバー同士が強みを生かして働きやすくなり、チーム全体の能力も高まります。


チームとグループとの違い

チームと似た言葉に「グループ」があります。グループとは、共通の属性を持つ人の集まりを指す言葉です。一方、チームは共通の目的を持つ人の集まりを表します。どちらも「複数人の集まり」という点は同じですが、グループには共通した目的を持っているという意味は含まれていません。共通した目的があるのなら、グループよりもチームという言葉の方が適しています。


組織においてチームワークが重視される理由

ここでは、組織においてチームワークが重視される理由や背景を解説します。


VUCA時代を生き抜くため

VUCAとは「Volatility (変動性)」「Uncertainty(不確実性)」「Complexity(複雑性)」「Ambiguity(曖昧性)」という4つの言葉の頭文字をとった造語です。個人が高いスキルを持っていても、組織として迅速に動けなければ、企業の競争力は低下してしまいます。


VUCA時代を生き抜くためには、チームで協力する姿勢が欠かせません。将来の見通しを立てることが難しいVUCA時代では、素早い判断と臨機応変な対応が求められます。


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仕事を効率化するため

組織を迅速かつ効率的に機能させるには、チームワークが重要な役割を果たします。個人のスキルや強みを発揮できなければ業務が停滞しやすくなり、生産性も向上しません。苦手分野をフォローできる体制が整っている組織は、業務の無駄も少なく、限られた時間を有効活用できます。


グローバル化に対応するため

近年、国際競争が激しさを増しています。ビジネスチャンスを広げるためには、国内だけでなく海外に目を向け、グローバル化に対応しなければなりません。さまざまな経験やバックグラウンドを持つメンバー同士の協力により、多角的な視点が生まれてグローバルな場での競争力も高まります。


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多様な働き方を実現するため

在宅勤務やモバイルワークが普及し、出社することが当たり前ではない時代になっているからこそ、チームワークの重要性が高まっています。これまでは、対面でのコミュニケーションが重視される傾向でしたが、今後はオンライン上で円滑にやりとりできる仕組みづくりが必須です。


メンバーが協力し合い、互いを補完しながら働くことができれば、多様な働き方を実現しながら成果を上げやすくなります。


チームワークを高めるメリットは?

では、チームワークを高めることで、どのような効果が期待できるのでしょうか。ここでは、企業・社員双方の視点からメリットを解説します。


業務の効率化が図れる

チームワークの向上によって業務の効率化が図れます。適切に業務を分担し、メンバーが各自の得意なことに集中できれば、作業をスムーズに進めることが可能です。また、経験豊富な社員が全体のサポート役に回るようになると、業務の流れを俯瞰でき、トラブルも回避しやすくなります。


困難な目標を達成できる

個人で業務を行うより、チーム内の協力によって困難な目標を達成しやすくなります。どれだけ優秀な社員でも、ひとりでできることは限られるため、大規模なプロジェクトに挑戦するためにはマンパワーが必要です。目標達成のために人手を集め、さらにチームワークを強化する体制になると、難しい課題にもアプローチしやすくなります。


調整力が身につく

調整力とは、相対する意見や主張を調整し、落としどころを見つけて収める能力のことです。調整力はビジネスパーソンに欠かせないスキルのひとつだといわれています。チームの一員として仕事をすることで、自然と共同作業を進めるために必要な調整力が身につき、ビジネスパーソンとしてのステップアップを目指しやすくなるでしょう。


フォロー体制が構築できる

チームワークの向上により、メンバー同士の自主的な助け合いが生まれます。フォロー体制が構築できると、トラブルが発生しても、相談しながらよりよい解決方法を模索できるでしょう。また「担当者が休みだから対応できない」といったケースを減らせ、円滑な組織運営を実現しやすくなります。


新しいアイデアの創出につながる

企業が発展するためには、新しいアイデアの創出が不可欠です。チームでのプロジェクトへの取り組みによって相乗効果が生まれ、個人では考えられないような新しいアイデアが浮かびやすくなります。新しいアイデアを具体的な形にするためには、互いの考えを尊重しつつ、前向きに議論できる環境整備が欠かせません。


チームワークを欠くことによるデメリットは?

チームワークが悪いと、さまざまな問題が発生するリスクが高まり、業務も円滑に進みません。ここでは、チームワークを欠くことによるデメリットを解説します。


生産性が低下する

チームワークの欠如は生産性に深刻な影響を与えます。チームワークが不足していると、コミュニケーションを十分にとれないため、情報共有が適切に行われません。連携がうまくいかず、個人が十分なパフォーマンスを発揮できなくなれば、組織としての生産性も低下します。


モチベーションが低下する

モチベーションの低下もデメリットのひとつとして挙げられます。チームが適切に機能しない環境では「自分だけ仕事が多い」「責任を押し付けられる」など、不平不満が募りやすくなるでしょう。仕事に対する意欲が失われると、チームとしての成果も上がりにくくなり、目標達成が遠ざかるといった悪循環に陥ってしまいます。


意見の衝突が増える

チームワークが欠けている組織では、意見の衝突が増えてきます。チーム内の人間関係が悪化するとお互いをフォローする機会も減ってしまい、作業を円滑に進められません。トラブル発生時も責任の押しつけ合いが起こり、問題がさらに大きくなってしまう恐れがあります。


チームワークが築けている組織の特徴

続いては、チームワークが築けている組織の特徴を解説します。


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企業の理念やビジョンが浸透している

チームワークが築けている組織は、大半の社員が企業の理念やビジョンを理解できています。共通の目標設定によって目指すべき方向が明確となり、結果としてチームワークを高めることが可能です。


職場の雰囲気が良好

チームワークが悪い組織は、職場に活気がなく雰囲気も暗い傾向にあります。一方、チームワークがよい組織は、職場の雰囲気が明るく人間関係も良好です。自分の成果だけを追い求めるのではなく、互いの弱点をサポートし、チームとしての成功を目指せる関係性が理想的だといえるでしょう。


コミュニケーションが活発

コミュニケーションは、チームワークの土台となる重要な要素です。コミュニケーションが活発な職場は、情報伝達もスムーズで、スピード感のある意思決定が行えます。上司や先輩に気軽に相談できることはもちろん、ちょっとした雑談がしやすい職場も、チームワークが築けている組織の特徴です。


最近では、対面でのコミュニケーションだけではなく、ビジネスチャットなど、非対面のコミュニケーションツールを活用する企業も増えています。


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チームワークを高めるための方法

チームワークが欠けている組織は、社員の意識改革につながる取り組みを行わなければなりません。ここでは、チームワークを高めるための施策を紹介します。


チームとしての目標を具体的に設定する

まずは、チームとしての目標を具体的に設定し、周知することからはじめます。目標を設定することで、共通認識を持って業務に取り組めるようになり、強固なチームワークを確立しやすくなるでしょう。


チームの目標は、企業の理念やビジョンと関連付けるのがポイントです。理念やビジョンと紐づいていないと、企業の目指す方向性とズレが生じてしまい、適切な評価が得られなくなる恐れがあります。


個人の役割を明確にする

続いて、チームのなかでの個人の役割を明確にします。仕事を振り分ける際は、社員それぞれが強みを生かせるような役割を持たせることが大切です。また、個人の役割は資料を作成するなどして、チーム内で共有しましょう。業務フロー図を作成しておくと、業務の担当者や責任者が視覚的に把握できます。


リーダーシップ研修を実施する

チームワークを向上させるためには、リーダーシップ研修の実施も効果的です。さまざまな部門から人が集まるプロジェクトでは、リーダーが率先してコミュニケーションをとらなければなりません。リーダーとして育成したい社員向けの研修を計画することで、効果的なコミュニケーション手法や目標設定に必要な知識が身につきます。


1on1ミーティングを実施する

1on1ミーティングとは、上司と部下が1対1で行う面談のことです。1on1ミーティングの定期的な実施によって組織の課題を把握でき、チームワークの向上に役立てられます。ただし、チームのメンバーが多かったり、頻度が高かったりすると、本来の業務を圧迫してしまう可能性があるため注意が必要です。1on1ミーティングのメリット、デメリットを比較したうえで、導入の可否や実施の頻度を検討しましょう。


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タレントマネジメントシステムを導入する

タレントマネジメントシステムを導入することも、チームワークを高める手段のひとつです。タレントマネジメントシステムとは、社員の情報を一元管理し、科学的な人事戦略を実現するためのツールを指します。社員のスキル把握やデータ分析、コミュニケーション促進をはじめ、多彩な機能が搭載されているので、自社に適したものを選びましょう。


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チームワーク強化に活用できるフレームワーク

チームワーク強化に活用できるフレームワークとしては「GRPIモデル」「タックマンモデル」があります。ここでは、それぞれの特徴を解説します。


GRPIモデル

GRPIモデルは、チームにおける課題を把握し、優先順位を明らかにするためのフレームワークです。


  • Goal:目標
  • Roles:役割
  • Process:手順
  • Interpersonal Relationship:人間関係


上記の頭文字をとって「GRPIモデル」と呼ばれています。「目標」「役割」「手順」「人間関係」の順番でチームの在り方を見直していくと、課題を浮かび上がらせることが可能です。GRPIモデルは、チームの構造を合理的に分解して効率性を高められるため、世界中でチームビルディングを行う際に取り入れられています。


タックマンモデル

タックマンモデルとは、チームの成長段階を把握するフレームワークのことで、心理学者のブルース・W・タックマンによって提唱されました。タックマンモデルでは、下記5つの段階ごとにチームの状態を分析していきます。


  • 形成期
  • 混乱期
  • 統一期
  • 機能期
  • 散会期


タックマンモデルの活用により、適切なタイミングで必要なサポートを提供しやすくなります。たとえば、チームが結成されたばかりの「形成期」では、メンバー同士の信頼関係を構築できるような取り組みが欠かせません。現在の段階を把握し、ステージごとに先回りして対処する仕組みを構築できれば、チームビルディングを成功に導きやすくなります。


チームワーク強化につながるタレントマネジメントシステムの機能

チームワークを高めるためには、タレントマネジメントシステムの導入もおすすめです。最後に、チームワーク強化に役立つタレントマネジメントシステムの機能を紹介します。


スキル管理

スキル管理とは、社員のデータを分析・蓄積し、能力を可視化する機能のことです。社員のスキルや強みを把握できれば、チームのなかで最適な役割に配置しやすくなります。また、社員の状況に合わせた研修を実施するなど、人員育成に活用することも可能です。


人材データ分析

人材データ分析では、年齢や男女比率、役職構成といった組織の状態が客観的な数値として掴めます。モチベーションなどの数値化しづらいデータも収集できれば、多角的な視点からチームワークの強化に取り組めるでしょう。


アンケート

アンケート機能の活用によって、社員のコンディションの変化をリアルタイムで把握できるようになります。ネガティブな回答が増えてきた場合は、問題点を明らかにしたうえで、適切に対処しなければなりません。独自に質問が設定できれば、チームワーク強化につながる効果的な戦略が立てやすくなります。


まとめ

組織として最大限のパフォーマンスを発揮するためには、チームワークが不可欠です。チームワークを強化できれば、生産性が向上し、企業としての競争力も高まります。「社員のモチベーションが低い」「職場の雰囲気が悪い」といった悩みを抱えている場合は、チームワークに課題があるのかもしれません。


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