こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
タレントマネジメントを成功させるには、人材のスキルや能力を一元管理できる「タレントマネジメントシステム」が欠かせません。社員のあらゆる情報を分析し、育成や人材配置を最適化することがタレントマネジメントにおいて重要なためです。
しかし「タレントマネジメントシステムを導入したいけど、どれを選べば良いかわからない」と悩んでいませんか?
タレントマネジメントシステムを適切に選ばないと、自社の目的に合わないシステムを選んでしまう可能性があります。結果、導入に失敗して費用対効果の低いタレントマネジメントになってしまうかもしれません。
そこで本記事では「タレントマネジメントシステム」について解説します。
自社に合ったタレントマネジメントシステムを選べるような内容になっていますので、ぜひ最後までお読みください。
タレントマネジメントの概要
タレントマネジメントは、社員一人ひとりの情報を育成や人材配置に活用し、組織の活性化を図るマネジメントのことです。
以下のような情報を収集・分析して、企業の成長を促進させます。
- 社員のスキル
- 能力
- 経験
- 特徴
現在、限りある人的資本をうまく活用するために、タレントマネジメントは人事担当者において欠かせないものとなっています。
少子高齢化による人材不足や激しい市場環境の変化に対応していくには、一人ひとりのポテンシャルを最大限に引き出すことが重要です。タレントマネジメントによって社員の個性を把握することは、人事部の助けになります。
タレントマネジメントは人材育成以外にも、エンゲージメントの向上や離職(離脱)防止など、さまざまな施策に応用できます。
タレントマネジメントについて詳しく知りたい方は、別記事「タレントマネジメント」をあわせてご確認ください。
タレントマネジメントシステムを導入してできること4選
タレントマネジメントシステムは、人材管理の効率化や効果の最大化のために活用されるツールです。タレントマネジメントで成果を出すために、多くの企業が導入しています。
本章では、タレントマネジメントシステムによってできることについて、以下の4点を紹介します。
- 情報の一元化
- 経営層の人材戦略に関する意思決定支援
- 次世代人材の育成
- 社員エンゲージメントの向上
できることを具体的に把握し、タレントマネジメントシステムが自社に必要かどうかを判断しましょう。
情報の一元化
タレントマネジメントシステムでは、人材に関するあらゆる情報を一元化できます。
現在、多くの企業で以下のような情報がバラバラに保管されているのが現状です。
- 労務
- 人事評価
- 研修
- 自己申告
上記のデータをエクセルシートや複数のシステムで管理していると、探すのに時間がかかる場合やファイルを紛失するリスクがあります。
タレントマネジメントシステムでは、全ての情報をまとめて保管できるため、データの抽出や分析にかかる時間を削減できます。
人材データベースについて詳しく知りたい方は、別記事「人材データベース」をあわせてご確認ください。
経営層の人材戦略に関する意思決定支援
タレントマネジメントシステムによって定性的になりやすい人事情報を客観的に把握できるようになり、意思決定権のスピードを高められます。
人材活用は人事部門だけでなく、経営層の課題です。経営目標を達成するには、必要な人材や人員を確保できるよう戦略を立案しなければなりません。
タレントマネジメントシステムでは、スキルや能力ごとに人材を閲覧できるため、意思決定の速度に加えて質も上げられるのが魅力です。またデータを活用することで、人事戦略の精度をより高められ、経営方針に沿った事業活動を促進できます。
次世代人材の育成
ミドルマネジメント層やグローバル人材など、次世代の経営者や管理職になるような人材を育てるためにもタレントマネジメントシステムは有効です。
成長段階や取得スキルなどをモニタリングでき、能力の高い人材を絞り込め、その中から管理職に向いている人材を抜擢できます。
今後経営者や管理職になるであろう人材を候補者として、適切な育成方針を立てられるようになります。能力の高い人材の中でも、昇格可能時期を段階的にセグメントすることで、中長期的に確保するための仕組みの構築も可能です。
また、タレントマネジメントシステムでは、定期的に行ったフィードバックの内容を記録や保管ができるので、成長度合いを時系列順に可視化できます。
社員エンゲージメントの向上
タレントマネジメントシステムは社員のコミュニケーションを活性化させ、エンゲージメントを向上できるツールです。
たとえば、システム内でパルスサーベイを実施できる機能があります。パルスサーベイは、週1から月1程度で実施する社員の健康状態や会社満足度の調査のことです。
定期的にパルスサーベイを行うことで、社員の状況の変化を把握できます。
パルスサーベイの結果を見て問題があったら改善を行い、より良い会社づくりを行えるため、社員の会社満足度を上げられます。
会社満足度の向上は、優秀な人材が会社に対する不満によって離職するのを防ぐために有効です。
「タレントマネジメントシステム 目的」について詳しく知りたい方は、別記事「タレントマネジメントシステム 目的」をあわせてご確認ください。
タレントマネジメントシステムの種類4選
タレントマネジメントシステムには、以下の4つの種類があります。
- 人事評価に特化したシステム
- 目標管理に特化したシステム
- 人材配置に特化したシステム
- 多目的型のシステム
それぞれ特徴が異なるので、自社の導入目的に合ったシステムを選べるようにしましょう。
人事評価に特化したシステム
人事評価に特化したシステムでは、以下のようなことができます。
- 人事評価シートの記入
- シートの記入の催促
- 評価段階のワークフロー
- データ管理
- 人事面談のスケジュール管理
評価者と被評価者に記入した評価シートを、システム上で人事担当者が閲覧し、最終的な査定を行える仕組みになっています。
自社で行っている人事評価制度に合わせたシステムを活用すると、業務効率化を図るとともに、評価結果をシステムに蓄積して経年で変化を確認したり、高評価者の抽出や分析をしたりすることが可能です。
人事評価に特化したシステムが対応している主な評価方法は、以下のとおりです。
- MBO
- OKR
- コンピテンシー評価
- 360度評価
- ノーレイティング
システムによっては、それぞれの評価方法に特化したものや、複数の方法に対応できるものがあります。
人事評価と結びつく給与計算ができるシステムも少なくありません。
目標管理に特化したシステム
タレントマネジメントシステムには、人材育成を強化させたい企業に適している目標管理に特化したシステムも含まれています。
システムでできることは以下のとおりです。
- 目標管理シートの作成
- 進捗管理
- 社員同士でのメッセージのやり取り
社員の進捗を可視化できるため、上司が目標を管理しやすくなります。
進捗が良くない場合はシステム上でコミュニケーションを取れるので、上司が部下に対してリアルタイムでフォロー可能です。
OKRのように組織での目標を管理できるシステムもあります。どのような目標を達成すべきかを組織全体で共有でき、方向性を統一できるため、コミュニケーションの活性化にも効果的です。
目標管理ができるシステムにも、幅広い目標管理に対応できるものやMBOやOKRなどに特化したものがあります。
人材配置に特化したシステム
適材適所の人材配置を目的としたシステムもあり、人材情報の管理や情報収集、分析を行えます。
たとえば、マネジメント能力の高い人材を探したい場合、能力の高い順に社員を閲覧できます。高い評価を得ている人だけを抽出し、プロジェクトチームの作成の参考にすることも可能です。
システムによっては人材配置のシミュレーションを行えるので、必須の資格やスキルを持った人材を特定の部署に配置するとどのような効果が得られるのかを予測できます。
従来の勘や経験に頼った配置から客観的な指標で、人材を配置をしたい企業におすすめです。
また新しい事業を始める際や、次世代の経営者を育成したい企業にも適しています。
多目的型のシステム
多目的型のシステムは評価や育成、人材配置などの全ての人事業務への対応が可能です。システムによっては労務管理もできるので、人事部で必要な事務作業の多くを効率化できます。
弊社のタレントマネジメントシステム「タレントパレット」も多目的型です。タレントパレットを活用すると、以下のようなことができます。
- 人材情報の一元管理
- 人材の能力やスキルの可視化
- 人事評価の記入
- 人事異動のシミュレーション
- e-ラーニングのコンテンツ作成
- 労務管理
- パルスサーベイの実施
上記のようにさまざまな業務をサポートします。
タレントマネジメントシステムを導入して業務を効率化したい方は、以下のリンクから資料を請求できますので、ぜひ参考にしてみてください。
タレントマネジメントシステムの選び方7選
タレントマネジメントシステムの選び方として、以下の7つがあります。
- 自社に必要な機能で選ぶ
- 自社の人事評価制度との連携しやすさで選ぶ
- 費用対効果で選ぶ
- セキュリティレベルで選ぶ
- クラウド型かオンプレミス型かで選ぶ
- サポート体制で選ぶ
- トライアル期間があるかで選ぶ
自社の課題を解決できるシステムを導入できるよう、ぜひ参考にしてみてください。
自社に必要な機能で選ぶ
タレントマネジメントシステムで達成したいことを明確にし、どのような機能が必要かを洗い出しましょう 。
たとえば、人事異動がうまくできない場合や、自社に不足しているスキルを探して採用計画を立てたい場合は、人材配置に強みのあるタレントマネジメントシステムの導入が望ましいです。
事前に必要な機能を把握しないと、効果を最大限に発揮できないシステムを導入してしまう可能性があるため、気を付けましょう。
自社の人事評価制度との連携しやすさで選ぶ
タレントマネジメントシステムにはMBOや360度評価など対応できるものが異なるため、自社の人事評価制度に合ったシステムを選びましょう。
自社の人事評価制度に合わないタレントマネジメントシステムを導入しても、適切に運用できません。事前にホームページやお問い合わせで対応できる人事評価制度を確認しましょう。
費用対効果で選ぶ
導入して得たい効果や予算のバランスを考慮して、タレントマネジメントシステムを選びましょう。
タレントマネジメントシステムにかかる費用をできるだけ安く抑えたい人もいるかもしれませんが、低価格のものを導入してしまうと、機能が物足りない場合があります。
反対に、高額なタレントマネジメントシステムを導入した場合、複雑すぎて自社には不要な機能があるかもしれません。使わない機能がある分だけランニングコストを浪費することになるため、自社に必要な機能だけが揃っているシステムを選ぶようにしましょう。
セキュリティレベルで選ぶ
タレントマネジメントシステムは、社員の個人情報や経営方針に関する機密情報を管理する必要があるので、セキュリティ対策は必ずチェックしましょう。
情報漏えいを防止するためにも、以下の観点から選ぶことをおすすめします。
- IDやパスワード管理を行える
- 二段階認証ができる
- セキュリティが第三者機関に認定されている
- 特定IPからでないとアクセスができないようになっている
また、スマホで管理したい場合は、紛失したときに遠隔で権限を外せるかを確認するようにしましょう。
クラウド型かオンプレミス型かで選ぶ
タレントマネジメントシステムには以下の2つのタイプがあり、どちらかを選ぶ必要があります。
- クラウド型
- オンプレミス型
クラウド型はブラウザで利用できるシステムで、最近では主流となっています。自社サーバーを用意する必要がなく短期間で導入でき、オンプレミス型よりも安く抑えられることがメリットです。
保守・点検についてもサービスの提供会社が行うので、自社での作業負担がかかりません。
一方オンプレミス型は、自社サーバーで構築するタイプのシステムです。クラウド型よりも初期コストは高いですが、拡張性が高く、自社に特化したタレントマネジメントシステムを構築できます。
自社の予算やセキュリティの方針に沿って、クラウド型かオンプレミス型を選択しましょう。
サポート体制で選ぶ
初めてタレントマネジメントシステムを運用する方は、サポート体制で選ぶのも大切です。導入や運用でわからないことが出てくる可能性があるため、質問してすぐに回答してもらえる企業の方が良いでしょう。
人事に関するコンサルティングを受けられたり、導入や活用方法に関する研修を行ってくれたりする企業もあるので、自社の人事スキルも考慮して決めることをおすすめします。
トライアル期間があるかで選ぶ
トライアル期間で操作性や視認性を確認し、社員が使いやすいものを選びましょう。タレントマネジメントシステムには、2週間や1か月間だけ無料や低価格で体験できるものがあります。
ただし、トライアル期間では機能が制限されている場合があるため、契約後に使える機能も考慮しましょう。
タレントマネジメントシステムを導入する際の3つの注意点
タレントマネジメントシステムを導入する際の注意点として以下の3点があります。
- 導入目的を明確にする
- 複数社の見積もりを比較する
- 社員にシステムの使い方を共有する
システムの導入後に後悔することがないよう、事前に注意点を把握しておきましょう。
導入目的を明確にする
タレントマネジメントシステムを闇雲に導入したとしても成果が得られるわけではないので、必ず目的を明確にしましょう。
目的が曖昧なまま導入してしまうと、何のためのシステムか分からなくなり、うまく運用できずに失敗する可能性があります。
事前に人事業務で改善したいことや解決したい課題を明確にしてから、導入を検討しましょう。
複数社の見積もりを比較する
できるだけ低価格でシステムを導入したい場合は、複数社に見積もりを依頼しましょう。
同じ機能をもったシステムでも、サービス会社によって価格や料金プランごとの内容が異なります。複数の会社に見積もりを依頼することで相場も把握できるので、料金が高く設定されているシステムの導入を避けられます。
また、会社によって見積書の書き方も異なるため、わからない点があれば納得できるまで聞きましょう。
社員にシステムの使い方を共有する
タレントマネジメントシステムを目標管理シートや人事評価シートの記入に利用する場合は、評価者と被評価者に対し使い方を共有しましょう。
研修を行い、評価システムを導入した背景や使い方を伝えて社員に納得してもらってから本格的に運用を始めます。
事前に研修をしておくことで、導入後のトラブルを最小限にでき、スムーズな運用ができます。
タレントマネジメントを成功させるための思考
タレントマネジメントは、ただシステムを入れて情報を統合するだけでは成功しません。
さらに一歩先の、データに基づく「マーケティング思考」を取り入れることが重要です。
また、せっかくのデータを管理するだけではなく、実際の施策などに活用しなければなりません。
そして活用するためのデータは静的な人事データではなく、動的な人材データなのです。
マーケティング思考がタレントマネジメントで有効な理由
タレントマネジメントシステムの導入目的は主に以下の4つです。
- ハイパフォーマー/次世代人材育成
- 採用強化・ミスマッチ防止
- 離職防止施策
- 社員エンゲージメント向上
どれも人事領域で重要な課題ですが、実はこれらはすべてマーケティング領域でも長年取り組まれてきた課題になります。
たとえばハイパフォーマーや次世代人材の育成は、自社のファンとなり、繰り返し商品を購入してくれる優良顧客の育成の手法が応用できます。
また、採用の強化や採用ミスマッチ防止では、流入チャネルの効果測定を行ってきた新規顧客獲得の考え方が役に立つでしょう。
このように、タレントマネジメントでは従来の業務効率化、人事管理という発想だけではなく、人材データ活用を行うマーケティングへの発想転換が必要になります。
考え方は似ているにもかかわらず、マーケティング領域ではCRM(顧客関係管理)システムがここ十数年で普及し、顧客データやアクセスログなどのデータ活用が進んできました。しかし人事領域ではまだローカルファイルでの管理や担当者の経験、勘による施策が行われ、データ活用は十分とは言えません。
タレントマネジメントにおいても、重要なのは仮説検証を進め、データを見ながら施策を考えることです。
まとめ
タレントマネジメントシステムは、人事評価や育成、人材配置などの業務をサポートするツールです。業務効率化につながるため、人事担当者の負担削減にもつながります。導入目的を明確にし、自社にあったタレントマネジメントシステムを選びましょう。
タレントパレットでも、さまざまな人事業務の最適化や効率化を行えます。人材情報を一元管理でき、人材のパフォーマンスを可視化できます。
リアルタイムで人材の状況を確認してフィードバックすることも可能です。フィードバックによって人材のパフォーマンスをさらに向上できるため、人材や組織のパフォーマンスにも良い影響を与えられるでしょう。
タレントマネジメントシステムで人事業務を効率化したい方は、下記から無料で資料請求できますので、お気軽にお問い合わせください。