クレドとは?企業における必要性や導入方法を解説


クレドとは?企業における必要性や導入方法を解説

企業成長のために必要とされる「クレド」は、企業全体および従業員が心掛ける行動指針のことです。導入時には、「企業理念」との違いを踏まえ、クレドの意味を正確に理解する必要があります。ここでは、クレドの意味・必要性・導入方法などをご紹介します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

企業成長のために必要とされる「クレド」は、企業全体および従業員が心掛ける行動指針のことです。

企業理念とよく似ているため、混同されることがありますが、両者には少し違いがあります。クレドを導入する際には本当の意味を正確に理解しておくことが大切です。

ここではクレドの具体的な意味をはじめ、企業にとっての必要性や導入方法をご紹介します。

クレドの意味とは?

クレドとは、企業全体や従業員に対して示す行動指針や信条のことを指します。ラテン語で「志」「約束」「信条」という意味があり、よく似た言葉として挙げられるのは「企業理念」や「経営理念」などです。

しかし、これらの言葉とは異なる意味合いを持っているため、クレドを企業に導入するのであれば、本来の意味をはじめ、両者の違いも明確に把握しておく必要があります。

企業が「何を信条にして働くか」を明確にすることにより、従業員の仕事への意欲ややりがいが高まるため、数多くの企業がクレドを導入しています。

クレドを導入している企業として有名なのが、アメリカの有名企業である、ジョンソン・エンド・ジョンソンです。「我が信条」という名前で1943年に導入された後、4回もの変更を加えられつつ企業全体に浸透しました。従業員一人一人が持つ目標も大切ですが、企業全体が目指す目標・ゴールを設定すれば、企業の成長につながります。

クレドを導入する際には従業員全員にも内容を浸透させ、企業全体のクレドに対する理解を深めましょう。

クレドの必要性とは



クレドが注目されるようになったきっかけは2000年代にさかのぼります。2000年代にはあらゆる企業が不祥事を起こし、大々的にニュースに取り上げられました。

例えば、海外の大手企業による不祥事が原因の経営破綻や、日本国内における金融業・食品加工業に携わる企業の不祥事などが挙げられます。

数多くの経営問題を受け、2006年には金融商品取引法・公益通報者保護法が施行され、企業・従業員のモラル意識を高める動きが活発化しました。

結果的に、従業員一人一人の意識・行動を改善させて、自主性を高めるという目的でクレドが積極的に導入されていきました。

クレドと他の言葉との違いとは?


クレドと似ている言葉として「企業理念」や「経営理念」などがあります。実際にクレドを導入する際には混同しないように注意しましょう。なお、従業員全員がそれぞれの言葉の意味を正確に理解することも大切です。

混同されがちな言葉とクレドとの違いについて、以下で詳しく解説します。

クレドと経営理念・企業理念の違い

クレドと経営理念・企業理念の3つの単語はほぼ同じ意味を持ちますが、厳密にいうと少し意味合いが違い、導入目的も異なります。

経営理念は経営者が自ら考えて示した経営に対する価値観のことです。企業理念とは、企業を主体とした価値観や社会への貢献の仕方などを指すため、両者は主体が異なる言葉といえるでしょう。

また、クレドは特に経営理念と似ていると考えられますが、経営理念に比べると、具体的かつ実践的な内容である点が大きな違いです。さらに、経営理念は創業当初から変わらない場合が多いですが、クレドは時代・業績に応じてその都度適切な内容に変更していくという特徴があります。

クレドとバリューの違い

企業経営に必要な言葉として「バリュー」が存在しますが、バリューは「価値」という意味を持ち、クレドとは根本的な違いがあります。

企業全体の価値観・信条をはじめ、従業員が仕事をする際に土台となる考え方や、働き方の指標などがバリューの具体的な意味です。

また、バリューとの関連用語として「コアバリュー」も存在します。企業の軸となる価値観を意味し、従業員全員が共通の価値観でいることと、企業全体の結束力を高めることを目的として導入されています。

バリューとコアバリュー、いずれも「価値観」に特化した言葉であるといえるでしょう。

クレドとミッションの違い

ミッションとは「任務」「使命」などの意味があり、企業が行うべき任務・使命を指しています。

社会における企業の存在意義や、どのような形で社会貢献できるのかということを示したものです。例えば、「ユーザーが満足できるサービスや商品を提供する」「企業独自のアイデアや技術により社会に存在する問題を解決する」などが挙げられるでしょう。

ミッションは企業の原動力になるため、しっかりと設定することで、企業全体の熱量が上がります。

クレドとスローガンの違い

企業におけるスローガンとは、経営理念・企業理念などを親しみやすいキャッチーな一言にまとめたものです。

経営理念・企業理念は、難解な長文で記載されている場合が多く、「理解するのが難しい」と感じられる可能性があります。しかし、スローガンのように分かりやすい言葉で示されていれば、意味が把握しやすくなり、常に意識しつつ業務に取り組めるでしょう。

クレドは基本的に社内に対して提示されるのに対し、スローガンは社内に限らず、社外・お客様に向けても提示されている点が大きな違いです。

クレドとビジョンの違い

クレドと「ビジョン」もよく似た意味を持つ言葉ですが、ビジョンは企業があるべき姿や、将来目指す展望という意味があります。

つまり、それぞれの企業における目標・企業の方向性などがビジョンに当てはまるでしょう。

クレドもビジョンも従業員一人一人が認識し、企業全体に浸透させる必要があるという点では類似していますが、ビジョンはミッションを前段階に置くという特徴があります。企業の使命であるミッションを前提にした上で定めるのがビジョンです。

関連記事:ビジョンとは?個人と組織における違いや重要性、活用ポイントを解説

企業がクレドを導入するメリットとは?


企業がクレドを導入することで、社会的モラルが向上するほかに様々なメリットが存在します。企業だけではなく、従業員一人一人にとってもメリットとなり得るため、積極的に導入したいものです。

ここからは、クレドの導入時に得られる以下3つのメリットをご紹介します。

  • クレドにより他企業と差別化できる
  • クレドの導入は人材育成にもつながる
  • クレドの導入により従業員の意識も向上する

クレドにより他企業と差別化できる

企業によりクレドの内容は様々です。クレドは経営戦略やそれに伴う行動指針を示したものですが、具体的に提示することで他企業との差別化を図れます。

例えば、高級な商品を取り扱う企業であれば、「高級感」というキーワードに沿った商品開発によって、同業種との差別化が可能です。対して、リーズナブルな商品を安定的に提供する企業であれば、「親しみやすさ」というキーワードにより、お客様との距離感が近くなることが期待できます。

クレドの導入は人材育成にもつながる

クレドの導入は、企業の利益を上げるだけではなく人材育成にも効果的です。

企業内の全員にクレドの内容を正確に認識・実践させれば、主体的に行動できる従業員の育成につながります。

現代のビジネスシーンでは、仕事の効率化だけでなく、正確な判断も必要です。上司・先輩の指示を受けてから行動するのでは、作業効率が下がってしまいます。一方で、クレドを導入すれば、従業員全員に一定の判断基準が備わるため、従業員が主体的に判断・行動しやすい環境作りが可能です。

関連記事:人材育成とは?人材育成の方法やポイント、成功事例を詳しく紹介

クレドの導入により従業員の意識も向上する

クレドの導入により、明確な判断基準・行動基準への理解が深まります。したがって、従業員はどのような業務を遂行するにあたっても自信を持って取り組めるようになるでしょう。

クレドが明示されていない場合、「上司からの指示や判断を待った後にしか自信を持って取り組めない」と感じる従業員も存在するかもしれません。「何をすればよいか」が具体的に示されていると、日々の業務がスムーズに進むようになり、従業員のモチベーション向上に役立つでしょう。

クレド導入時の人材育成管理だけで終わらない、あらゆる人事データを統合して分析

時代は人材情報「管理」から人材情報「活用」へ!
タレントマネジメントシステム『タレントパレット』で、様々な経営課題と向き合えます。
・あらゆる人事情報を一元集約
・人材の見える化で埋もれた人材を発掘
・AIシミュレーションで最適配置を実現
・簡単操作で高度な人事分析が可能
⇒タレントパレットの資料を見てみたい

クレドを導入する方法とは?

クレドを導入した場合、企業・従業員にとってあらゆるメリットがあります。実際にクレドを導入する手順を以下の3つのステップに沿って解説します。

  • プロジェクトの計画や目標を明確にする
  • 全従業員の意見を聞く
  • クレドを作成する

プロジェクトの計画や目標を明確にする

クレドの導入時に最初に行う必要があるステップは、プロジェクトの計画・具体的な目標の設定です。

具体的な目標を定めなければ、導入しても効果がないばかりか、現場の混乱を引き起こしかねません。

「組織にとってよいとされているから」と曖昧なスタンスで導入を決め、達成すべき目標が立てられないままクレドを導入しても、従業員への浸透および企業の成長は難しいでしょう。綿密にプロジェクト計画を立てることと具体的な目標を定めることはクレド作成において重要な項目です。

全従業員の意見を聞く

企業は、あらゆる役職・分野の人材が集まって構成されているため、各立場からの意見をヒアリングする必要があります。

役職や仕事の内容に関わらず、全ての従業員からアンケートを取ったり、個人的に面談を行ったりして、率直な意見を聞く機会を設けましょう。

経営陣でクレドの作成についてミーティングを行うのが理想的ですが、上層部全員の参加が難しければ、事前アンケートを用いて結果をまとめる方法がおすすめです。アンケートには従業員の本音や熱意のこもった意見をもらえるよう、事前にクレドの重要性・必要性を周知しておくとよいでしょう。

クレドを作成する

従業員の意見を聞き、経営陣の方向性もまとまったら、クレドを実際に作成していきます。

集まった意見・提案を元にクレドを文章化する際、読み手はお客様・経営陣ではなく、従業員であることを意識しましょう。

部署や立場に関わらず誰もが一目見て分かるような、簡潔で具体的な内容に整える必要があります。文章化できたらいつでも見直せるように、名刺サイズ程度にまとめて全員に配布するとよいでしょう。

企業がクレドを導入する際の注意点とは

今までにクレドを導入していなかった企業が新たにクレドを導入する際には、いくつか注意点があります。

主に以下のような注意点が挙げられるため、導入の際は円滑に稼働できるようシミュレーションすることが大切です。

  • クレド導入の目的や意味を共有する
  • すぐに行動に移せる内容にする


実際に導入する際はクレドを導入する必要性と、目的や意義を全従業員に明示する必要があります。曖昧なまま進めると、クレド自身が意味を持たないものになってしまい、従業員からの興味・関心が得られないでしょう。

また、クレドはすぐに行動に移せるような内容であってこそ、企業成長につながります。あまりにも理想が高く、現実離れしている内容を設定してしまうと、従業員のモチベーションが下がるリスクも考えられます。

クレド導入時には、誰もがクレドの内容を容易に把握でき、内容に基づいて実践できるように心掛けましょう。

企業のクレド導入の成功事例企業のクレド導入の成功事例

クレドを導入している企業は数多く存在しますが、特に成功事例としてよく知られている企業は以下の2つです。

  • ジョンソン・エンド・ジョンソン
  • ザ・リッツ・カールトン


ジョンソン・エンド・ジョンソンは、アメリカを代表する医薬品や健康関連商品の企画・販売を行う企業です。1943年に当時の社長が、果たすべき社会的責任を記載した「我が信条(Our Credo)」を起草させたことからも、クレド活用の先駆け的存在といえるでしょう。

第一の責任はお客様に、第二の責任は全従業員に、第三の責任は地域社会に対するものであると、お客様第一の考えをクレドにより明示しています。

ザ・リッツ・カールトンは、世界各地でホテルやウェディング、リゾート事業を展開する企業です。企業内には企業理念の「ゴールドスタンダード」が設けられており、重要な要素としてクレド・モットー・サービスの3つの要素も掲げられています。

ザ・リッツ・カールトンのクレドには、おもてなしの心に対する項目をはじめ、カスタマーファーストの理念が記されています。

企業のクレド導入によって失敗しやすい例

企業のクレド導入によって以下のような失敗が起こる可能性もあります。

  • 経営層だけでクレドを作成してしまう
  • 目的や効果を共有しない


クレドは、本来従業員全員の意見を聞き、従業員が主体となって作成するのが好ましいです。

しかし、経営層が絶対的な権力を持っている場合、自分達だけでクレドを決定してしまい、従業員の意見を全く反映できていない状況が起こり得ます。結果的に、従業員が企業に対して不信感を抱くようになり、モチベーションが低下する恐れがあるでしょう。

また、クレド導入の目的や成果を従業員に共有しないことで、クレドの価値が下がる可能性も考えられます。全ての従業員が企業成長に必要な存在であると認識し、クレドだけでなく目的や成果までも共有することが大切です。

まとめ



クレドは企業理念・経営理念とはやや違う側面を持つため、馴染みがない企業もあるでしょう。しかし、クレドを活用することで、企業全体や、一人一人の従業員にも多くのメリットがあります。

目標を明確化させる・従業員へ広く周知する・幅広い層から意見を取り入れるなど、正しい方法で作成・活用すれば大きな成果が生まれるでしょう。

タレントパレットでは、クレド作成のために従業員へ配布するアンケートの作成・管理が可能です。また、従業員一人一人のスキル・データが管理できるため、導入後の成果についても細かく分析できます。

ぜひ無料の資料請求で詳細をご確認ください。


社員エンゲージメント の可視化で離職防止・生産性の向上へ
エンゲージメント調査ならタレントパレット