従業員エンゲージメントの向上事例9選|向上させるメリットやポイントを解説


従業員エンゲージメントの向上事例9選|向上させるメリットやポイントを解説

人手不足が深刻化する近年、従業員エンゲージメントの向上は、どの企業にとっても重視すべき課題といえます。しかし、具体的な施策が分からず、従業員エンゲージメントの低迷に悩んでいる担当者も多いでしょう。


この記事では、従業員エンゲージメントを向上させる施策について、事例もあわせて紹介します。ぜひ参考にしてください。


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従業員エンゲージメントとは

従業員エンゲージメントとは、組織の方針を理解して愛着を持ち、組織に貢献したいと考える度合いのことです。組織にマッチする人材は、一般的に従業員エンゲージメントが高い傾向が見られます。


従業員エンゲージメントとは?高めるメリットや取り組みのコツ・成功事例を紹介


従業員エンゲージメントを向上させる5つのメリット

企業の立場から、従業員エンゲージメントを向上させるメリットを解説します。


1.業務のパフォーマンスが高まる

従業員エンゲージメントの高い社員は、組織全体の生産性を押し上げ、提供するサービスや製品の品質を向上させます。


従業員エンゲージメントの高い社員は、業務に対して熱意と意欲を持っているためです。受け身ではなく主体的に課題を発見して改善策を考案し、実行に移すことで、業務のパフォーマンスが高まります。


2.人材の定着率が高まる

従業員エンゲージメントの向上に成功すると、人材流出の防止に貢献できます。組織に対して深い愛着と帰属意識を持つ社員は、他社からより良い待遇や条件の提示があったとしても、現在の職場で継続して働きたいと考えるためです。


社員との感情的なつながりは、企業にとって優秀な人材を確保するポイントとなります。


3.新しいアイデアが生まれやすくなる

従業員エンゲージメントの高い社員が互いに意見を出し合うと、新しいアイデアが続々と誕生する可能性があります。社員1人ひとりが共通のビジョンや目標を持つことで、組織としての創造性が高まるためです。また、従業員エンゲージメントの高い職場は、心理的安全性が確保されており、失敗を恐れずに自由に発言しやすい環境が整っています。


4.組織としてのまとまりが強化される

従業員エンゲージメントの高い社員が集まる職場では、組織のビジョンや目標に対する理解と共感が深まり、一体感が生まれます。部署・部門間の壁を超えて社員が結束すると、組織全体で強固なチームワークが形成されるでしょう。


5.顧客満足度が向上する

高い従業員エンゲージメントは、社内の業務効率や品質を向上させるだけではなく、顧客満足度も高めます。


自社の理念や価値観を十分に理解しながら働く社員は、企業の強みと顧客のニーズを結びつけた価値あるサービスを提供するためです。また、企業に貢献したいという気持ちから、社員は自然に顧客のニーズを深く理解し、応えようとする姿勢を持つようになります。


従業員エンゲージメントの向上を阻む3つの要因

従業員エンゲージメントの向上に課題を抱える企業は多いものです。ここでは、従業員エンゲージメントの向上を阻む要因を解説します。


1.個々の強みが発揮されにくい人材配置

個々の強みが発揮されにくい人材配置は、社員のモチベーションを低下させることで、従業員エンゲージメント向上の大きな障壁となります。人材配置のミスマッチは、個人の成長機会を奪い、組織全体の生産性低下や貴重な人材の早期流出にもつながる深刻な問題です。適材適所の人材配置で、従業員エンゲージメントを向上させましょう。


2.古い価値観に縛られた企業風土・体制

今の時代にそぐわない企業風土・体制は、従業員エンゲージメントを低下させます。長時間労働をよしとする社内風土や年功序列の人事制度、一方的なトップダウン型の意思決定といった状態は改善すべきです。努力が正当に評価されず、意見が反映されにくい環境では、社員の帰属意識や貢献意欲が育ちません。


3.上司の育成力・コミュニケーション不足

上司の育成力やコミュニケーション能力に問題があると、部下の従業員エンゲージメントは低下しがちになります。不適切なフィードバックや公平性を欠く人事評価は、社員の信頼感を損なうためです。また、上司の伝え方が悪ければ、組織のビジョンや目標が社員に浸透しません。


従業員エンゲージメントを向上させる9つの施策

以下では、企業理念・ビジョンの浸透や制度の見直しなど、従業員エンゲージメントを向上させる具体的な施策を解説します。


1.企業理念・ビジョンを浸透させる

企業理念・ビジョンへの理解を得られると、従業員エンゲージメントが向上します。企業理念やビジョンを分かりやすい言葉で表現し、入社研修や定期的な講習会、日常的に目にする社内資料などを通じて繰り返し伝えましょう。


前述のように、組織の方針を理解して愛着を持ち、組織に貢献したいと考える度合いこそが従業員エンゲージメントです。社員が組織の方針を理解するにあたって、企業理念・ビジョンに対する理解は不可欠といえます。


2.評価制度を整備し納得感を高める

公正で透明性の高い評価制度は、従業員エンゲージメントを向上させます。結果だけではなく取り組みのプロセスも重視し、客観的な指標に基づく評価制度を構築しましょう。自身の貢献が正当に認められていると実感できると、社員の組織への信頼と愛着は深まります。


評価者に対しては研修を実施し、適切な評価スキルを身につけさせてください。また、自社の風土や働き方に適した評価制度の設計も、従業員エンゲージメントを向上させるポイントです。


3.キャリア形成支援を行う

将来のキャリアパスを明確にイメージできる環境は、従業員エンゲージメントを向上させます。自身の将来の姿が具体的に描ける状態は、この組織で成長していきたいという前向きな気持ちを育むためです。キャリアデザイン研修の実施や、社内公募制度の導入によって、組織内での成長機会を社員が可視化できるようにしましょう。


4.教育研修を強化し成長を支援する

充実した研修制度や自己啓発支援は、社員の専門性と従業員エンゲージメントの両方を高めます。組織が個人の成長に投資していると実感できれば、社員は安心して働けるためです。


また、教育研修により新たなスキルを獲得した社員は、業務に自信と意欲を持って取り組めるようになります。結果として、仕事へのモチベーションが沸き、従業員エンゲージメントがさらに高まるでしょう。


5.ワークライフバランスを整える

社員のワークライフバランスの健全化は、従業員エンゲージメントを長期的に良好に保つポイントです。定期的なストレスチェックや、残業時間の把握による労働時間の管理などを通じて、ワークライフバランスの改善に努めましょう。また、柔軟な勤務形態や休暇取得の推進など、個々に合わせた働き方を支援する制度も、ワークライフバランスの改善に効果的です。


6.従業員エンゲージメントを「見える化」する

従業員エンゲージメントの見える化は、効果的な施策を実行するための基盤となります。現状の従業員エンゲージメントの高さを把握し、定期的に変化を観測し続けると、効果のある施策を見つけられるためです。


定期的なサーベイや面談を通じて、従業員エンゲージメントは見える化できます。なお、専用のシステムを活用すれば、データ収集・分析を効率よく進められ、従業員エンゲージメントの見える化にかかる手間を大幅に削減可能です。


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7.1on1・フィードバック文化を根づかせる

上司と部下の定期的な対話も、従業員エンゲージメントの向上に効果的です。1on1ミーティングや日々のフィードバックを通じて、コミュニケーションを促進させましょう。日常的なコミュニケーションを通じて、社員は上司との信頼関係を構築でき、組織内で尊重されていると感じます。


ただし、上司からの一方的な指示では、部下はネガティブな感情を抱きかねません。従業員エンゲージメントの向上には、双方向のコミュニケーションが不可欠です。


8.社内コミュニケーションを活性化する

従業員エンゲージメントの向上のため、上司と部下のつながりだけではなく、横方向のつながりも強化してください。同僚との良好な関係性は職場や仕事に対する満足度に大きく影響するためです。社内SNSやチャットツールの導入、部門間交流会などの社内イベントによって、従業員エンゲージメントを向上させましょう。


9.称賛・感謝を伝える企業文化を育てる

社員の貢献を適切に認め、感謝の気持ちを表現する文化は、従業員エンゲージメントを向上させます。サンクスカードや表彰制度などの仕組みを導入するだけではなく、日常業務のなかで自然に感謝の言葉を送り合える環境づくりが重要です。また、上司が部下の意見を尊重する姿勢は、自分は価値ある存在として認められていると社員に実感させます。


従業員エンゲージメントの向上が必要な理由

ここでは、従業員エンゲージメントの向上が必要な理由を、近年のビジネス環境に触れつつ解説します。


従業員エンゲージメントとは?高めるメリットや取り組みのコツ・成功事例を紹介


リモートワークによるリスクに対応するため

従業員エンゲージメントの向上が重視される理由のひとつが、リモートワークの普及です。リモートワークは、ワークライフバランスの向上などさまざまなメリットをもたらします。しかし、リモートワークの進め方によっては、従業員エンゲージメントが低下するかもしれません。


物理的な距離によって、上司は部下の日々の業務状況を観察しにくくなり、適切な評価や指導が難しくなります。また、コミュニケーションの機会が減ると、社員の帰属意識は薄れやすくなるでしょう。リモートワークを推進するには、従業員エンゲージメントを意識した取り組みが不可欠です。


転職しやすい社会になってきているため

人材の流動性の高まりも、従業員エンゲージメントの向上が重視される理由といえます。企業が優秀な人材を維持するためには、魅力的な環境を提供するだけでは不十分です。社員の離職を食い止めるために、組織への愛着と帰属意識を育む環境を構築し、従業員エンゲージメントを向上させましょう。


従業員エンゲージメントの向上に成功した企業9選

以下では、従業員エンゲージメントの向上に成功した事例を紹介します。ぜひ参考にして、自社の施策を検討してください。


1.株式会社ハンナ

企業理念・ビジョンを浸透させる施策として、株式会社ハンナの事例を紹介します。同社はかつて経営戦略に対して一部社員から不満の声が上がっており、多数の社員の離職に悩んでいました。


課題に対応するため、同社は経営層による定期的な面談を実施し、企業理念・ビジョンの浸透に努めています。地道な活動で社員の理解を得られたことで従業員エンゲージメントが向上し、離職率の低下に成功すると同時に応募者数が増加しました。


※参考:株式会社ハンナ:働き方・休み方改善取組事例|働き方・休み方改善ポータルサイト


2.株式会社丸井グループ

評価制度を整備し納得感を高める施策として、株式会社丸井グループの事例を紹介します。同社は、社員の成長が企業の成長につながるような評価制度が必要と考え、制度見直しに取り組みました。


導入された「バリュー評価」と「パフォーマンス評価」の二軸評価により、個人の成果だけでなくチーム全体への貢献も適切に評価されるようになり、従業員エンゲージメントが向上しています。


※参考:丸井グループ独自の一体経営|株式会社丸井グループ


3.西部ガスホールディングス株式会社

キャリア形成支援を行う施策として、西部ガスホールディングス株式会社の事例を紹介します。同社ではかつて、上司が部下のキャリア志向を十分に把握できておらず、個々の成長に対する適切なサポートが困難な状況でした。


課題を解決するために、同社はキャリアデザインシートを、タレントマネジメントシステムの「タレントパレット」で管理する仕組みを導入しました。システムの活用により、上司は部下のキャリアに対する意向を体系的に確認できるようになっています。


※参考:西部ガスホールディングス株式会社|導入事例|タレントパレット|大手No.1タレントマネジメントシステム


4.株式会社LIXIL Advanced Showroom

教育研修を強化し成長を支援する施策として、株式会社LIXIL Advanced Showroomの事例を紹介します。


同社は、研修の準備や進捗確認の手間を削減するために、タレントパレットにより、社員教育をeラーニングコンテンツに集約しました。システムの活用により、社員教育を効率よく実施できています。


※参考:株式会社LIXIL Advanced Showroom|導入事例|タレントパレット|大手No.1タレントマネジメントシステム


5.HubSpot

ワークライフバランスを整える施策として、HubSpotの事例を紹介します。同社は働き方の柔軟性を高めるために、リモートワークを推進し、コミュニケーションツールの導入に踏み切りました。


働き方の自由度が高まった結果、従業員エンゲージメントが向上しています。また、応募者が増えたことで人材のグローバル化にも成功しました。


※参考:HubSpot's Product Culture


6.株式会社プレナス

従業員エンゲージメントを「見える化」する施策として、株式会社プレナスの事例を紹介します。同社が属する飲食業界は、かねてから人材の入れ替わりが激しく、人手不足が深刻化していました。


人手不足の解消に向け、同社はタレントパレットのアンケート機能を活用し、定期的に社員のコンディションの状況を可視化して、フォローする体制を構築しています。コンディションが懸念される社員を速やかにフォローしたことで、離職率の低下に成功しました。


※参考:株式会社プレナス|導入事例|タレントパレット|大手No.1タレントマネジメントシステム


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7.スターバックス

1on1・フィードバック文化を根づかせる施策として、スターバックスの事例を紹介します。同社はマルチタスクが求められる職場環境です。また、業務が複雑である一方で、詳細なマニュアルに頼らない運営を特徴としています。


高度な判断が求められる職場で業務を円滑に進めるため、同社が重視したのが、コーチング手法を取り入れたフィードバックの文化です。正社員とアルバイトスタッフは適切なフィードバックを通じて着実に成長し、優れた業績を生み出しています。


※参考:良い行動を習慣化させる、スターバックス流のフィードバック|Forbes JAPAN 公式サイト(フォーブス ジャパン)


8.青山商事株式会社

社内コミュニケーションを活性化する施策として、青山商事株式会社の事例を紹介します。同社は異動が頻繁な企業であり、社員同士のコミュニケーションが難しい状況がありました。


課題を解決するため、同社が導入したのがタレントパレットです。システムの活用により、社員同士が事前にお互いのスキルや経歴、強みなどの情報を、簡単に把握できるようになりました。社員同士のコミュニケーションが円滑になったことで、働きやすく生産性の高い職場環境の構築に成功しています。


※参考:青山商事株式会社|導入事例|タレントパレット|大手No.1タレントマネジメントシステム


9.株式会社オリエントコーポレーション

称賛・感謝を伝える企業文化を育てる施策として、株式会社オリエントコーポレーションの事例を紹介します。同社はかつて紙のサンクスカードを運用していましたが、業務負担の大きさが課題となっていました。


管理面の負担を軽減すべく、同社はタレントパレットを導入して、デジタル化されたサンクスポイント制度へと移行しています。その結果、業務負担を大幅に軽減しつつ、社員同士が称賛・感謝を伝えられるようになりました。


※参考:株式会社オリエントコーポレーション|導入事例|タレントパレット|大手No.1タレントマネジメントシステム


従業員エンゲージメントと似ている4つの言葉

以下では、従業員エンゲージメントと似ている言葉を解説します。人事課題の解消に向け、言葉の意味を知って使い分けましょう。


ワークエンゲージメントとの違い

ワークエンゲージメントは、おもに業務そのものに対する愛着を表す概念です。一方、従業員エンゲージメントという場合は、組織全体に対する愛着や帰属意識に重点が置かれています。


従業員満足度との違い

従業員満足度は、組織の居心地のよさに対する満足の度合いを示す指標です。従業員満足度が高くても、必ずしも組織の成果向上につながるとは限りません。一方、従業員エンゲージメントは企業への貢献意欲に直結するため、組織としてのパフォーマンスに大いに影響を及ぼします。


モチベーションとの違い

モチベーションは、個人が仕事に向けるやる気や熱意です。モチベーションには、報酬や評価といった外部要因による「外発的なモチベーション」と、仕事に対するやりがいや成長実感から生まれる「内発的なモチベーション」の2種類があります。従業員エンゲージメントの向上と関係が深いのは、内発的なモチベーションです。


ロイヤルティとの違い

ロイヤルティは、社員が組織に対して抱く忠誠心や愛着を表す概念です。ロイヤルティは、社員から組織への一方向的な感情として捉えられます。一方、従業員エンゲージメントは、組織と社員の間の双方向的な関係性を重視するものです。


まとめ

従業員エンゲージメントを向上させる施策はさまざまです。他社の事例を参考にしつつ自社で展開する施策を検討しましょう。なお、従業員エンゲージメントの見える化には、システムの活用がおすすめです。定期的な測定により、従業員エンゲージメントを効果的に向上させる施策を見つけましょう。


タレントパレットはHRテック業界で活躍する企業によって提供される、大手をはじめ数多くの企業に導入されているシステムです。コンサルティングの知見も生かして、お客さまの事業に貢献します。


従業員エンゲージメントの向上を検討中の人は、ぜひタレントパレットをご検討ください。


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