リスクマネジメントに役立つ資格一覧。考え方から取り組みも解説


リスクマネジメントに役立つ資格一覧。考え方から取り組みも解説

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

健全な企業経営を行うためには、リスクマネジメントが欠かせません。発生するであろうリスクに優先度を付け、それらのリスクに対する適切な対策を用意・実行することで、企業価値を維持・強化できます。とはいえ、どのようにリスクマネジメントを行えば良いか分からないという方も多いでしょう。

そこで、本記事ではリスクマネジメントの考え方と実務、リスクマネジメントを行う上で役に立つ資格について解説します。これからリスクマネジメントプログラムを策定する方はぜひ参考にしてください。

リスクマネジメントの考え方



重大な問題が発生する前に、発生しうる特定のリスクに対する対策を用意するというのがリスクマネジメントの基本的な考え方です。それでは、リスクマネジメントはどのように実施すれば良いのでしょうか。具体的な考え方と注意点もあわせて解説します。

プロセスに従って実施する

発生しうる特定のリスクに対して、適切な対応策を用意をするためにはプロセスを知る必要があります。プロセスは以下の順で実施されるのが一般的で、PDCAサイクルの要領で回すのがオーソドックスな方法です。

  • リスクの発見
  • 発見したリスクの分析と評価
  • 適切な対策の選定と実施
  • モニタリングおよび是正


まずは、どのようなリスクが発生するのかを抽出しなければなりません。ブレーンストーミング方式で各部署の代表者がアンケートやチェックリストなどをもとに、起こりうるリスクを抽出する方法が一般的です。

続いて、抽出したリスクがどれくらいの発生頻度で、どの規模の被害を与えるのかを分析するための、分析・評価の工程に入ります。シナリオや数値で予測を立てるのがベストですが、難しいものに関してはA・B・Cなどの定性評価を取り入れましょう。
分析と評価が完了したリスクに対しては、それに対する適切な対策を策定します。このとき気をつけたいのは、多少の損害を被っても特定のリスクが回避できる対策を取ることです。ほかにも、発生した不利益を分散させること、移転することも対策のひとつと考えましょう。

対策が実行された後は、当初の想定通りにリスク回避ができたかどうかを記録し、全社で共有します。別の対策を発見した場合や想定通りにいかなかった場合は、新たなリスク回避策として取り入れることも検討すると良いでしょう。

さまざまな業界におけるリスクマネジメント

ひと口にリスクマネジメントといっても、業界によってその種類が異なります。代表的なものとして、4つの業界のリスクマネジメントの考え方をまとめました。

  • 医療業界:院内感染対策、メンタルヘルスケアに対するマニュアルや研修の用意
  • 建設業界:物件損傷、賠償災害、労働災害に対する契約方法・スケジュールの見直し
  • 金融業界:金融商品の時価変動、財務状況の変化に対するリスク管理部門の設置
  • 福祉業界:利用者および地域からの信用損失に対するヒヤリハットの導入や情報共有


いずれの場合も重大な損失が発生する恐れのあるリスクです。各業界で共通するリスクマネジメントには、必ず盛り込むようにしましょう。

リスクマネジメントにはスキルが必要

リスクマネジメントを適切に行うには、一定のスキルが必要です。実務内容は「リスクマネジメントの実務」で解説しますが、基本的には全社を見渡す目線と部署を見渡す目線の2種類のスキルが求められます。

スキルを身に着けるには初心者で実務経験が1~2年、中級が2~3年、上級が3年以上と考えるといいでしょう。知識だけではなく、実務での経験値もリスクマネジメント実務者になるには必要です。

知識については、社内に研修や教育プログラムがあればそれらの活用を、ない場合は外部研修や書籍で身に着けることができます。ただし、上級者向けの知識に対応するものはあまり書籍化されていない傾向にあり、書籍での勉強は初心者や中級者までの勉強方法だと考えておくのが妥当です。

リスクマネジメントは各業界において、観点は異なるものの、それぞれの企業が注力している状況にあります。しかし、リスクマネジメント実務者は誰にでもできるというものではないと考えた方が良いでしょう。
「リスクマネジメント」については、こちらの記事をご確認ください。

リスクマネジメントの実務

リスクマネジメントの実務者側になると、PDCAサイクルの要領でリスクマネジメントを行っていくこととなります。業務内容は、その業務が会社全体のリスクマネジメントを健全に機能させるためのサポートなのか、リスクマネージャーと呼ばれる管理者なのかで異なります。

以下から、それぞれの業務内容を詳しく見てみましょう。いずれもリスクマネジメントを適切に運用するために大切な業務です。

リスクマネジメントの業務内容

サポート役にあたるリスクマネジメント担当者の、主な業務内容は次のようになります。わかりやすくするため、業務内容がPDCAサイクルのどれに該当するのかをまとめました。

Plan

  • 経営者などのリスクマネジメント活動に対する方針・意思の確認
  • 全社のリスクマネジメント方針や規程・要領の作成
  • 年間の活動目標や解決すべき課題の決定
  • 年間計画の決定
  • 手法の選択・決定
  • リスクマネジメントや手法の教育・研修プログラムの企画


Do

  • リスクマネジメント委員会の運営
  • 教育・研修プログラムに即した教育や研修の実施
  • 各部署・グループ会社での実施サポート
  • リスクの情報収集・分析・評価
  • 重大なリスクに相当するものの選定
  • 対応計画書の運用・サポート
  • 対応状況のモニタリング
  • 対応結果の集約と関係各所への報告・共有


Check・Acttion

  • 内部監査での指摘およびインシデントの情報収集と分析
  • リスクマネジメントの課題・懸念事項のヒアリング
  • リスクマネジメント活動に関わるあらゆる要素の見直しと改善


管理者のリスクマネジメント

社内の各部署単位でリスクマネジメントを実施する人のことをリスクマネージャーと言います。やること自体はサポート役のリスクマネジメント担当者の業務に似ていますが、対象とする範囲が部門や部署に限定されるのが特徴です。具体的には次の通りです。

  • 部門・部署レベルでのリスクマネジメント活動の方針確認
  • リスクマネジメントの実施もしくはサポート
  • 実施結果のとりまとめやレビュー
  • 部門や部署長、全社のリスクマネジメント担当者への報告
  • モニタリングや課題の吸い上げ


経営管理だけで終わらない、あらゆる人事データを統合して分析

経営管理だけで終わらない、あらゆる人事データを統合して分析
時代は人材情報「管理」から人材情報「活用」へ!
タレントマネジメントシステム『タレントパレット』で、様々な経営課題と向き合えます。

・従業員のあらゆる人材データを一元管理
・社員情報や生産性、満足度など人的資本ダッシュボードを構築
・人材データを自由に掛け合わせて候補者を瞬時に発見
・分析したデータを人事戦略の策定に活用

タレントパレットの資料を見てみたい

リスクマネジメントに役立つ資格一覧



リスクマネジメントを実施するのに役に立つ資格がいくつかあります。中でも特に役立つリスクマネジメントに関連する資格を5つ紹介します。

CRISC

CRISC(Certified Information Systems Auditor)は、リスクマネジメントに関する国際資格です。試験は、ISACAというITガバナンスの国際団体が行っています。IT分野におけるリスクの認識と評価、及びシステムコントロールの設計・運用の専門知識を有している証拠として与えられます。

試験ではITリスクのマネジメントでの実務経験や専門知識が問われるほか、外国語を読み解く語学力も必要です。ISACAでは試験対策コースも実施しており、独学での受験に自信がない人も安心して受験できるのが特徴です。

公認リスク管理監査人(CRMA)

公認リスク管理監査人(CRMA)は、IIA(内部監査人協会)が認定している国際資格です。かつては内部統制評価指導士と分けられていましたが、現在は統合されています。

リスク評価やガバナンスプロセス・品質評価など、リスクマネジメントの専門職の権威性を示すための資格です。CRISCと同じく外国語での試験で、専門知識以外に外国語力も問われます。合格率は平均6割前後とやや低く、受験にあたってはきちんとした対策が求められます。

情報処理安全確保支援士

情報処理安全確保支援士はIPA(情報処理推進機構)が2017年に創設した比較的新しい国家資格です。経済産業省所管の資格であり、サイバーセキュリティの技能を証明する役割を担っています。

試験の合格率が平均20%と非常に難しく、保有者はIT関連のリスクマネジメントの現場で活躍できるでしょう。過去問題などはIPAのホームページで公開されています。

GRMI Diploma

GRMI Diplomaは、RIMSという世界でも名高いリスクマネジメント団体が認定している国際資格です。リスクマネジメントの領域での幅広い専門知識が求められるほか、受験にはCRMの資格が求められる難易度の高い試験でもあります。

経営者目線に立ったリスクマネジメント知識を有していなければ合格は難しいでしょう。合格後は証明書が送られるだけではなく、PIMSやリスクマネジメント協会の公式ホームページに名前が掲載されます。

RMO

RMO(Risk Management in Organization)は、リスクマネジメント協会が認定する民間資格です。同協会への加入が資格取得の条件となっており、合格後に加入しなければ資格が付与されません。

試験内容はリスク管理に関わる内部統制や環境・財務・情報など、広範囲にわたります。知識以外にもリスク管理を実践する技術力も問われるため、相応の実務経験も不可欠です。試験に合格する以外にも、同協会が認定している教育機関で講座を修了することでも認定されます。

まとめ

リスクマネジメントを適切に実施するには、各種資格を保有しておいたほうが良いでしょう。資格保有はマストではありませんが、リスク管理を担当できる人材の需要は年々高くなっています。

リスクマネジメントに求められるスキルや技術は、業界によって異なります。しかし、共通しているのは、リスクマネジメントを実施することで企業を防衛するだけではなく拡大させられる可能性もあるということです。特に時代が大きく変化する昨今、リスクマネジメントができる人材は各企業にとって、今以上に貴重な存在となっていくでしょう。

危機管理を実施するうえで、社内のあらゆる情報を集約しておく必要があります。「タレントパレット」では、あらゆるデータを統合して分析できる機能を有しています。経営に直結するリスクマネジメントとの相性も良いため、導入を検討している方はぜひ資料をご請求ください。

タレントパレットのHPはこちら