サテライトオフィスとは?導入するメリットやコツを解説します!


サテライトオフィスとは?導入するメリットやコツを解説します!

サテライトオフィスは、本社や事業本部などから離れた場所に設けられた就業場所を意味する言葉です。

今回は、サテライトオフィスを導入するメリットやうまく運用するコツを紹介します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


サテライトオフィスは、本社や事業本部などから離れた場所に設けられた就業場所を意味する言葉です。テレワークなど多様な働き方に対応するために、多くの企業で取り入れられています。


この記事では、サテライトオフィスを導入するメリットやうまく運用するコツを解説します。


サテライトオフィスとは

サテライトオフィスの導入を検討する際は、基本的な意味をまずは押さえておくことが大事です。ここでは、サテライトオフィスの意味と支店・支社との違いを解説します。


サテライトオフィスの意味

サテライトオフィスとは、企業などが離れた場所に設けるオフィスを指します。本社や事業本部から見たときに、サテライト(衛星)のように存在するものであることから名づけられています。


サテライトオフィスは新たな勤務地として、多くの企業で導入されています。テレワークの1つの形態であり、在宅勤務と同様に捉えるのが一般的です。


サテライトオフィスと支店・支社の違い

従業員側の要望や都合で就業場所として利用するのがサテライトオフィスであり、支店や支社は企業側が指定した就業場所で勤務するという違いがあります。法律上の規定では、支店は登記が必要でしたが、サテライトオフィスは登記がいりませんでした。


ただし、2022年9月の商業登記法改正によって、支店についても所在地の登記が廃止されています。しかし、本店のある所在での支店の設置や移転、廃止などは引き続き登記が必要なので注意しましょう。


サテライトオフィスの種類


一口にサテライトオフィスと言っても、その形態によって「都市型サテライトオフィス」「郊外型サテライトオフィス」「地方型サテライトオフィス」に分かれます。自社に合った形態を見つけるために、それぞれの特徴を見ていきましょう。


都市部に開設する都市型サテライトオフィス

都市型サテライトオフィスは、都市部に開設するものを指します。地方に本社がある企業であれば、都市部の営業所として設置するケースが多いといえるでしょう。


都市部の営業担当者である従業員が、営業先から本社に戻るといった手間をなくせるため、無駄な移動時間を削減できます。オフィス機能を様々な場所に分散させられるため、災害発生時のBCP対策(事業継続対策)としても有効な手段です。


郊外に開設する郊外型サテライトオフィス

郊外型サテライトオフィスは、都市部に本社を置く企業が郊外に拠点を設けることを指します。郊外に新たな職場を設ければ、それまで通勤に時間がかかっていた従業員の時間や交通費を減らせるでしょう。


通勤時間が減ることによって、労働時間の調整が行いやすくなり、介護や育児などの私生活とバランスを取りやすくなります。従業員の離職防止にもつながるはずです。


田舎に開設する地方型サテライトオフィス

地方型サテライトオフィスは都市型とは逆に、都市部に本社を構える企業が、地方にオフィスを設けることを指します。地方に拠点を置くことで、新たなビジネスにつなげられる可能性があります。


また、都市部で働いていた従業員が地方に移住することによって、自然に囲まれた暮らしができるといったメリットもあります。快適な住環境を手に入れることで、生産性の向上にもつながるでしょう。


国や地方公共団体においては、地域活性化を目的とした地方型サテライトオフィスの開設に様々な支援を行っています。


サテライトオフィスが注目された理由とは

サテライトオフィスが注目されるようになった理由として、次の3つがあげられます。


・理由①働き方の多様化したから

・理由②ネットを利用したツールが発展したから

・理由③地方創生につながるから


それぞれのポイントについて解説します。


理由①働き方の多様化したから

働き方改革などの影響によって業種や職種によってはテレワークが普及しましたが、「通信環境が自宅に整っていない」「小さな子どもがいるので、自宅では仕事に集中できない」といった意見もあります。そうした課題を抱えている企業にとっては、サテライトオフィスを設けることで、不特定多数の人との接触を回避しながら、安心してテレワークを行えるでしょう。


すでにサテライトオフィスとして運営されている施設や、シェアオフィスなどを活用すれば導入費用を大幅に抑えられるでしょう。新型コロナウイルスの影響によって広いオフィスを解約したり、そもそもオフィスを持たないという選択をしたりする企業も増えているため、サテライトオフィスに対するニーズは高くなっているといえます。


理由②ネットを利用したツールが発展したから

サテライトオフィスで就労できる背景には、ネット環境の整備が進んだこともあげられます。スマートフォンやダブレットなどの端末が普及したことに加えて、Web会議システムやチャットツールなどのサービスが多く使われるようになったので、サテライトオフィスで仕事をしやすい環境が整ったといえるでしょう。


理由③地方創生につながるから

サテライトオフィスは民間企業だけでなく、国や地方公共団体なども注目しています。企業が日本全国の様々な場所に拠点を設けてくれれば、人の行き来が活発になり、地方創生につながるからです。


積極的な支援策を行っている自治体もあるので、サテライトオフィスの導入を検討するときは、自治体の支援を受けられないかどうかもチェックしてみましょう。


多様な働き方を実現するために、あらゆる人事データを統合して分析

サテライトオフィスを導入することで、テレワークなどの多様な働き方に対応できます。しかし、どのような就労形態が良いかは従業員ごとに異なるため、丁寧に個々の人材の特性を見ていく必要があるでしょう。


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サテライトオフィス導入のメリット

サテライトオフィスを企業が導入するメリットとして、次の4つの点があげられます。


・移動コストが削減できる

・ライフステージの変化による離職が防げる

・優秀な人材の確保につながる

・自然災害などのリスク管理ができる


各メリットについて解説します。


移動コストが削減できる

サテライトオフィスを設置すれば、従業員の移動コストを削減できます。通勤時のストレスを軽減でき、自由に使える時間が増えるのでワークライフバランスの実現につながっていくでしょう。


企業にとっても、従業員の労務環境を改善でき、余分な交通費も節約できるメリットがあります。


ライフステージの変化による離職が防げる

子育てや介護を行っている従業員であれば、家族のケアに対応するため、従来の働き方での勤務が難しい場合があります。そうしたときに、自宅から近い場所にサテライトオフィスがあれば、柔軟な働き方ができるので対応しやすくなるでしょう。


企業にとっても育児や介護を理由とした退職は大きな損失となるため、事前に従業員が気兼ねをせずに働ける環境を整えてあげることで、離職防止につなげられます。


優秀な人材の確保につながる

地方にサテライトオフィスを設ければ、都市部では働くのが難しい新たな人材の確保につなげられます。総務省では「おためしサテライトオフィス」と呼ばれる事業を行っており、都市部の民間企業を対象として総務省が選定した地方で一定期間就労体験をしてみるという主旨です。


いきなり地方にサテライトオフィスを設けるのはハードルが高い部分があるため、こうした制度を利用して自社のニーズに合った土地を見つけてみましょう。


自然災害などのリスク管理ができる

企業としての機能を各地に分散させておけば、自然災害が発生したときでも事業の継続や早期復旧を実現しやすくなります。本社や支社以外に拠点を設ければリスク分散につながり、予見できない災害に対する備えにもなるでしょう。


サテライトオフィス導入のデメリット

サテライトオフィスには多くのメリットがある一方で、気をつけておきたいデメリットも存在します。どのようなデメリットがあるのかを解説します。


コミュニケーションが取りづらくなる

通信環境がきちんと整っていなければ、コミュニケーションが取りづらくなるといったデメリットが生じてしまいがちです。Web会議システムだけのコミュニケーションとなってしまえば、細かなニュアンスが伝わらなかったり、個々の通信環境によって聞き取りづらかったりするでしょう。


セキュリティ面の見直しが必要になる

サテライトオフィスでの勤務はテレワークが中心となるため、データの取り扱いなどセキュリティ対策をしっかり行う必要があります。個人のPCではなく会社支給のPCを使ってもらったり、使用するソフトを常に最新のものにアップデートしたりといった作業が必要になります。


評価基準を新しくする必要がある

テレワークで働く従業員が多くなると、人事評価基準を見直す必要が出てきます。本社や支社に出勤する従業員と、テレワークで働く従業員との間で待遇差が大きければ不満の原因になってしまうでしょう。


勤務状況や業務内容に応じて、テレワークに合わせた人事評価基準を設けてみてください。


従業員のストレスが増える可能性がある

サテライトオフィスでの勤務は、従業員が自分の責任において業務を進めなければなりません。効率良く仕事を進められる人もいれば、つい怠けてしまう人もいるでしょう。


個々の従業員の特性に応じて、テレワークが適しているかを判断することが大事です。また、テレワークによる勤務が始まってからも、コミュニケーションを緊密に取っていくことが望まれます。


サテライトオフィスの導入例


サテライトオフィスを導入する際は、実際に導入した企業の事例から学ぶのが大切です。ここでは、3社の事例を紹介します。


都市型サテライトオフィスを導入した日立製作所

日立製作所では、都市型サテライトオフィス「@Terrace」を開設しています。場所にとらわれない効率的な業務遂行(タイム&ロケーションフリーワーク)の実現を目指しており、在宅勤務制度の拡充やIT環境基盤の整備などもあわせて進めているのが特徴です。


郊外型サテライトオフィスを導入した富士通

富士通では郊外型サテライトオフィスを導入し、毎月約9,000人程度が利用しています。通勤時間は1人あたり月30時間が減少し、テレワークの平均継続率も80%を維持するなど、着実に定着する取り組みを進めています。


地方型サテライトオフィスを導入したあしたのチーム

あしたのチームでは、地方型サテライトオフィスを導入し、地元で多くの人材を採用しています。地方創生への貢献やCSR活動を通じた企業価値の向上などに取り組んでいるのが特徴です。


サテライトオフィス導入における補助金や助成金

サテライトオフィスの導入を検討するときは、国や地方公共団体が設けている補助金制度や助成金制度を活用してみましょう。主なものとして、以下のとおりです。


・テレワークマネージャー相談事業:総務省

・サテライトオフィス設置等補助事業:東京都

・働き方革新推進支援助成金(テレワークコース):厚生労働省

・IT導入補助金:経済産業省

・デジタル田園都市国家構想推進交付金(地方創生テレワークタイプ):内閣府


上記はあくまで一例であり、他にも様々な補助金・助成金の制度が存在しています。サテライトオフィスの候補地となる自治体のWebサイトなどを確認して、利用できる制度がないかを事前にチェックしておきましょう。


まとめ

サテライトオフィスは主に従業員のニーズに合わせて設けるものであり、設置をすればテレワークなどをスムーズに行いやすくなるでしょう。企業にとってもメリットが多く、多様な働き方を認めていく取り組みの一環として進めていくことが大切です。


しかし、どのような働き方が合っているかは、個々の従業員によって異なる面があります。人材の特性を見極めた上で、円滑に業務を行っていける環境を整えてみましょう。


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