【必見】研修の費用は助成金の利用で抑えられる!種類や事前に確認すべき4項目も解説


【必見】研修の費用は助成金の利用で抑えられる!種類や事前に確認すべき4項目も解説

研修の助成金制度について知りたい方は多いのではないでしょうか。研修は社員のスキルやモチベーションアップには欠かせません。しかしそれなりの費用がかかるため、なかなか実施できていない企業も存在するでしょう。本記事では、費用軽減に役立つ研修助成金の仕組みや条件について解説します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


「研修の助成金制度について知りたい」「費用面がネックで研修を行えていない」といったお悩みをお持ちの方も多いのではないでしょうか。


研修は、社員のスキルやモチベーションアップに欠かせません。しかし、それなりの費用がかかるため、希望する研修を実施できていないと悩む企業もあるでしょう。国や各都道府県が実施している助成金制度を利用すれば、研修を実施する際の費用の負担が軽減されます。


そこで本記事では、費用軽減に役立つ研修助成金の仕組みや条件について解説します。自社に必要な研修の種類や申請方法が分かる内容になっているため、企業担当者はぜひ最後までお読みください。


研修に利用できる3種類の助成金


研修に利用できる助成金の種類は、以下の3つです。


  • 人材開発支援助成金
  • キャリアアップ助成金
  • 市区町村独自の助成金


それぞれ対象者や条件が異なるため、自社が利用できるものはどれかを考えてみてください。


人材開発支援助成金


人材開発支援助成金は、社員の職業能力開発支援の実施が対象です。従来は以下の3つのコースに分類されていましたが、令和5年4月1日より人材育成支援コースに統合されました

  • 特定訓練コース
  • 一般訓練コース
  • 特別育成訓練コース


人材育成支援コースでは以下の3つの訓練を行えば、かかった経費や期間中の賃金の一部などが助成されます。

  • 人材育成訓練
  • 認定実習併用職業訓練
  • 有期実習型訓練


人材育成訓練は、業務に必要な知識・技能を習得させるためのOFF-JTを10時間以上行う必要があります。認定実習併用職業訓練は、中核人材育成のためのOJT・OFF-JTを組み合わせた訓練の実施が条件です。

有期実習型訓練は、契約社員やアルバイトなどを正社員にすることを目的としたOJT・OFF-JTを組み合わせた訓練を実施した場合に、費用が助成されます。人材育成訓練と認定実習併用職業訓練は、正規雇用・非正規雇用に関係なく受講が可能です。なおOFF-JTの訓練時間は、最低でも10時間以上設ける必要があります。

キャリアアップ助成金


キャリアアップ助成金は、契約社員やアルバイトなど、非正規雇用者の処遇改善を実施すれば受給が認められます。以下の5つのコースがあるので、目的に合わせて選びましょう。

  • 正社員化コース
  • 賃金規定等改定コース
  • 賃金規定等共通化コース
  • 賞与・退職金制度導入コース
  • 短時間労働者労働時間延長コース


正社員化コースは、派遣を含めた非正規社員を正社員に登用した場合に適用されます。1人あたりの支給額は大企業427,500円、中小企業570,000円です。1年度1事業所あたりの申請上限人数は、20人です。賃金規定等改定コースは、非正規社員の賃金を3%増額すれば助成されます。3%の増額が最低条件で、5%以上の場合は助成金額がアップします。

賃金規定等共通化コースは、非正規社員と正社員の賃金を共通化することが条件です。1事業所あたりの助成額は、大企業450,000円、中小企業600,000円です。賞与・退職金制度導入コースは、すべての有期雇用労働者などに対して、賞与・退職金制度を新たに設けて実施すれば助成されます。賞与制度と退職金制度の実施が両方か片方かで、金額が異なります。

短時間労働者労働時間延長コースは、契約社員やアルバイトなどの週の所定労働時間を増やし、社会保険に加入させるのが条件です。企業規模や増やした労働時間によって、金額は異なります。

市区町村独自の助成金


市区町村独自の助成金は都道府県ごとに制度設置の有無や条件が異なるため、確認するのがおすすめです。今回は、東京都の事例を解説します。東京都の場合は、都内の中小企業または中小企業団体が対象です。

対象者が常時勤務する事業所の所在地が都内であること、訓練時間の8割以上出席した人に限ります。訓練の内容は「自ら企画し実施する訓練」と「教育機関に社員を派遣して実施する訓練」の2つです。助成額は、以下のとおりです。

自ら企画し実施する訓練

対象受講者数×訓練時間数×430円

教育機関に社員を派遣して実施する訓練

受講料などの2分の1、または15,000円のいずれかの低い額

「教育機関に社員を派遣して実施する訓練」の受講料は、教科書や教材費などを指します。昼食代や交通費など、訓練に直接関係しない費用は含まれないため注意しましょう。

研修に助成金を利用するメリット


助成金は種類が多く、自社に合った制度が見つかりやすいです。返金不要で、使い道は自由です。費用面の負担が減るため、予算を気にせず社員に受けさせたい研修を行えます。自社の成長には、社員のスキルアップが欠かせません。


助成金を上手く活用すれば、今まで実施できなかった訓練を行えます。また助成金を使って研修を充実させれば、社員のスキルやモチベーションのさらなる向上が期待できます。自社に対するエンゲージメントが上がり、一層業務に励んでくれるでしょう


研修による社員の気持ちの変化を可視化したい方は「タレントパレット」の導入をご検討ください。アンケート機能で、社員の満足度やエンゲージメントをリアルタイム集計できます。


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研修に助成金を利用するデメリット


デメリットは、自社の体制や制度を整えなければならない点です。助成金を受けるには、以下の整備が必要です。


  • 新たな雇用や人事制度の設置
  • 就業規則の改定
  • 労働時間の削減
  • 賃金の増額


助成金受給のために一度制度を整えたら、簡単には廃止できません。助成金をもらうために新設した制度を廃止したとします。制度廃止国や都道府県に報告せずに受給を続けた場合、助成金の返還を求められる可能性があります。


助成金をもらいたいからといって無理に制度を構築すると、負担になるケースもあるため、注意が必要です。助成金は条件によっては金額が大きいため魅力的ですが、自社の状況を踏まえて申請するようにしましょう。


研修に助成金を利用する際に確認すべき4項目


研修に助成金を利用する際に確認すべき項目は、以下の4つです。


  • 研修の種類
  • 費用相場
  • 対象者
  • 手続きの流れ


助成金を受給するためには、事前準備が大切です。一つずつ解説しますので、ぜひ参考にしてください。


研修の種類


研修にはさまざまな種類が存在します。ゴールや目的を決め、必要な研修を受けさせることが大切です。目的に合った研修を受けさせないと、仕事で思うような効果が出ません。座学やOJTなど、研修形態も異なるため、対象者や現場社員のリソースなども考慮して選びましょう。

なお、新入社員を対象に行うようなビジネスマナー研修などは専門的な内容でないため、助成金の支給対象にはなりません。専門的知識や技術習得の一環として実施する場合のみ、適用されます。研修の種類について詳しく知りたい方は、別記事「研修種類」をあわせてご確認ください。

費用相場


助成金は、国や都道府県が全額負担してくれるわけではありません。ある程度の金額は、企業も負担する必要があります。研修の費用相場は、以下のとおりです。

種類

費用相場

管理職に向けた研修(参加人数5~10名)

40万円~60万円

新卒に向けた研修(参加人数20名~30名)

150万円~250万円

OJT・ロープレなどの実践研修

(参加人数10名~15名)

80万円~120万円

例えば、管理職に向けた研修を10名で行う場合に、60万円が助成されたとします。研修総額が100万円であれば、自社の負担額は40万円です。予算をオーバーすると、研修を実施できない可能性があります。

金額は研修の種類や人数によって異なります。詳しく知りたい方は、厚生労働省や各都道府県のホームページなどを確認するのがおすすめです。

対象者


正規雇用か契約社員・アルバイトなどの非正規雇用かによって、助成の対象が異なります。例えば人材開発支援助成金の場合「人材育成訓練」や「認定実習併用職業訓練」は、正規雇用、非正規雇用に関わらず受講できます。

一方「有期実習型訓練特定育成訓練」は、非正規雇用の社員のみが対象です。契約社員やアルバイトなどを、正社員に登用することを目的とした研修のためです。事前に社員に受けさせたい研修の対象者を確認しておかないと、申請時に受講できないことが発覚する可能性があります。対象社員にも迷惑がかかるため、必ず確認しておきましょう。

手続きの流れ


助成金を受けるためには「訓練実施計画」を作成し、厚生労働省や各都道府県に提出する必要があります。中には国や地方自治体から認定を受けなければならないものも存在し、書類作成から受給まで時間がかかるケースもあります。

助成金受給までの一般的な流れは、以下のとおりです。

  1. 書類作成:2週間~4週間
  2. 計画申請:2週間
  3. 研修受講:5ヶ月~6ヶ月
  4. 書類作成:1週間~2週間
  5. 受給申請:3ヶ月
  6. 受給


書類作成などは研修をスタートさせたい時期から逆算して、計画的に行いましょう。手続きの流れや実施計画について詳しく知りたい方は、別記事「研修計画」をあわせてご確認ください。

助成金の支給額


人材開発支援コースの助成金支給額は、以下のとおりです。

種類

人材育成訓練

(OFF-JT)

認定実習併用

職業訓練

(OJT+OFF-JT)

有期実習型訓練

(OJT+OFF-JT)

対象者

・正規雇用者

・非正規雇用者

・主に新入社員

(正規雇用者・非正規雇用者)

正社員を目指す非正規雇用者

訓練期間

定めなし 

6ヶ月〜

2年

2ヶ月以上

訓練時間

10時間以上

850時間以上(1年あたりの

時間数)

425時間以上(6ヶ月あたりの

時間数)

経費助成率

・中小企業の正規雇用者:45%

・大企業の正規雇用者:30%

・非正規雇用者:60%

・正社員登用:70%

・中小企業:45%

・大企業:30%

・60%

・正社員登用:70%

賃金助成

・中小企業:760円

・大企業:380円

※1人あたりの時間単価

OJT実施助成

-

・中小企業:20万円

・大企業:11万円

・中小企業:10万円

・大企業:9万円

出典元:厚生労働省

支給額は、大企業と中小企業で異なります。また、対象者が正規雇用かどうかでも費用が変動することを留意しておきましょう。


研修助成金のまとめ


研修には助成金を活用すると、金銭的負担を減らしながら社員の育成が可能です。社員のモチベーションアップやスキルアップにつながり、生産性や利益の向上が期待できます。助成金にはさまざまな種類があるため、自社の状況にあわせて適切なものを選びましょう。


また研修は実施して終わりではなく、きちんと成果が出ているかを確認することが大切です。成果を確かめるなら、タレントパレットの導入をご検討ください。タレントパレットは、あらゆる人材データを一元化・分析し、組織の力を最大化させるタレントマネジメントシステムです。


アンケート機能を使用すれば、研修を実施したあとの社員のモチベーションやエンゲージメントが分かります。結果を受けて次回の研修内容や対象者の選定に活かせるため、ぜひ導入を検討してみてください。


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