1on1アジェンダを3つのカテゴリーに分類│注意点や話題の具体例も解説


1on1アジェンダを3つのカテゴリーに分類│注意点や話題の具体例も解説

人材育成の一環で、1on1ミーティングの導入を進めている企業が増えています。1on1の目的は、上司と部下の関係性構築と部下の成長促進です。多くの企業では、1on1の前に1on1アジェンダを作ります。この記事では、1on1アジェンダの概要、アジェンダに含めるべき内容や注意点などを解説します。ぜひご覧ください。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

人材育成の一環で、1on1ミーティングの導入を進めている企業が増えています。1on1の目的は、上司と部下の関係性構築と部下の成長促進です。多くの企業では、1on1の前に1on1アジェンダを作ります。この記事では、1on1アジェンダの概要、アジェンダに含めるべき内容や注意点などを解説します。ぜひご覧ください。

ミーティングを円滑に進める1on1アジェンダとは?

1on1アジェンダとは、1on1で話す内容をまとめたものです。そもそもアジェンダとは、予定や行動計画などの意味合いで使われます。1on1以外でも、会議や講義はアジェンダに従って進行します。


1on1アジェンダは、上司と部下のどちらが作っても構いません。ただし、部下の主体性を高めたい場合は、部下にアジェンダ作りを任せると効果的です。部下がアジェンダを作ると、部下自身が話したい話題を盛り込めるようになります。


1on1アジェンダを作る目的

1on1アジェンダを作る目的は、限られた時間を有効に使うためです。1on1は忙しい業務の合間を縫って行われます。アジェンダを作成するうえで話題を厳選すれば、有意義な1on1になります。


また、部下に積極的に話してもらうためにも、事前にアジェンダを共有して1on1の準備をしてもらうことが大切です。1on1アジェンダに基づき、計画的に面談を進めるよう上司と部下に伝えましょう。


1on1アジェンダの3つのカテゴリー

1on1アジェンダは、3つのカテゴリーに分けられます。


・親睦を深める1on1アジェンダ

・現在の業務や職場に関する1on1アジェンダ

・将来に関する1on1アジェンダ


以下ではカテゴリー別に、1on1アジェンダの具体的な会話例を交えて解説します。


親睦を深める1on1アジェンダ

親睦を深める1on1アジェンダに適した内容を解説します。具体的な会話例も参考にしてください。


1.雑談

雑談をアジェンダに選ぶ理由は、部下の緊張をほぐし、その後の会話を進めやすくするためです。相手が興味を示しそうな話題や、会話を広げやすそうな話題を選びましょう。以下に、具体的な会話例を示しました。


・最近うれしかったことはありますか

・最近寒くなってきましたね

・週末には何をしていますか

・会社の近くに新しくお店ができましたが、もう行きましたか


2.心身の健康状態

心身の健康状態をアジェンダに選ぶ理由は、部下の健康状態をマネジメントに反映するためです。心身の健康状態に不安があれば、業務のボリュームを調整する、必要に応じて病院の受診を促すなどの対応を取れます。ただし、プライベートに関する悩みを根掘り葉掘り聞くと、プライバシーを侵害したと捉えかねません。以下は、具体的な会話例です。


・仕事量は多すぎないですか

・仕事でもプライベートでも、悩んでいることはありますか

・残業が続いていますが、体調は大丈夫ですか

・家族の皆さんはお元気ですか


3.ポジティブなフィードバック

ポジティブなフィードバックをアジェンダに選ぶ理由は、上司と部下の信頼関係を構築して、部下に意欲的に1on1に臨んでもらうためです。以下に、具体的な会話例を示しました。


・書類作成が早いため助かっています

・臨機応変に動いてくれるので助かります

・周囲に気を配ってくれてありがとう

・資料が分かりやすいと他部門からも好評ですよ

・この前の提案は、なかなか斬新な視点でしたね


現在の業務や職場に関する1on1アジェンダ

現在の業務や職場に関する1on1アジェンダに適した内容を解説します。会話例も参考にしてください。


1.業務や職場に関する悩み

業務や職場に関する悩みをアジェンダに選ぶ理由は、部下の悩みや苦手な業務を探ってマネジメントに活かすためです。また、部下の悩みを追求すると、職場の課題を発見できる場合もあります。


悩みを聞いたあとは、上司は自分の助けが必要かを尋ねます。先回りして課題を解決してしまうと、部下の主体性が育たないかもしれません。以下は、会話の一例です。


・チームのメンバーとうまくやりとり出来ていますか

・業務や職場に疑問を感じることはありますか

・業務はスムーズに進んでいますか

・私にサポートできることはありますか


2.業務を遂行するモチベーション

業務を遂行するモチベーションをアジェンダに選ぶ理由は、部下のモチベーションを高めて実力を発揮させるためです。モチベーションを高めるコツが分かれば、マネジメントに活かせます。また、部下のモチベーションが高ければ離職のリスクを減らせます。以下に、具体的な会話例を示したため、参考にしてください。


・どのようなときにやりがいを感じますか

・現在の職種は希望に合っていますか

・近頃、成果を出せたと感じる仕事はありますか


3.業務で心がけているポイント

業務で心がけているポイントをアジェンダに選ぶ理由は、部下の仕事に対する価値観を知ってコミュニケーションに役立てるためです。以下は、具体的な会話例です。


・仕事のクオリティと早さなら、どちらを優先しますか

・効率を追究するための工夫はありますか

・アイディアをすぐ発信しますか、それとも自分である程度まとめてから共有しますか

・大勢で進める仕事と個人で動ける仕事なら、どちらが自分に合っていると思いますか


4.現時点の評価・目標設定

現時点の評価・目標設定をアジェンダに選ぶ理由は、進捗を確認して人事考課の参考にするためです。目標達成が厳しい状況であれば、部下に業務の進め方を見直してもらう必要があります。以下では、具体的な会話例をご紹介します。


・目標に対して進捗状況はどうですか

・挽回するためのアイディアはありますか


部下自身がアイディアを出せない場合もあります。アイディアのヒントを出す、参考になりそうな事例を挙げるなど、上司は部下自身がアイディアを出せるようサポートしなければなりません。


将来に関する1on1アジェンダ

将来に関する1on1アジェンダに適した内容を解説します。アジェンダの具体例もご覧ください。


1.キャリアプラン

キャリアプランをアジェンダに選ぶ理由は、部下に自分の強み・弱みを把握してもらい、前向きにキャリアを形成してもらうためです。以下に、具体的な会話例を示しました。


・業務を通じて、どのようなスキルを伸ばしたいと思いましたか

・将来的にどのような仕事にチャレンジしたいですか

・取得を検討している資格や、興味ある研修やセミナーはありますか


部下のなかには、キャリアプランを考えられない人もいるかもしれません。今の業務を基に視野を広げるよう促すなど、上司は部下が自分でキャリアプランを考えられるようサポートする必要があります。


2.企業や部門の方針のすり合わせ

企業や部門の方針のすり合わせをアジェンダに選ぶ理由は、組織の方針を部下に伝えるためです。組織の目的・目標が分かっていれば、部下は主体性ある行動を取れると考えられます。以下に、具体的な会話例を掲載するため、役立ててください。


・組織の方針について、質問はありますか

・今の業務の進め方は、組織の方針と合っていると思いますか

・組織に貢献できると感じていますか


1on1アジェンダに関する注意点

1on1アジェンダに関する注意点を解説します。上司と部下の距離感、時間との兼ね合いなどを意識すると魅力的なアジェンダを作れます。


1.上司と部下の距離感を意識する

上司と部下の距離感によっては、雑談による話しやすい雰囲気作りが大切です。緊張していては、部下は素直な意見を言えないおそれがあります。また、上司と部下の関係性が良好な場合でも、プライバシーを侵害するようなアジェンダは避けるべきです。


2.アジェンダの数を増やしすぎない

1on1は短時間で行われるため、アジェンダが多すぎると時間内に収まりません。30~60分程度の1on1を予定している場合は、2~3個のアジェンダが理想的です。聞きたい内容が多い場合は、優先順位をつけて次回の1on1に持ち越します。


また、アジェンダの数が多いと1on1の準備やフィードバックに手間がかかり、定期的な開催が難しくなる場合があります。


3. 毎回同じ内容にしない

1on1アジェンダの使い回しはおすすめできません。すべて新しい内容にする必要はありませんが、1部だけでも変えるべきです。毎回同じアジェンダで話していると、1on1が形骸化するおそれがあります。本当に聞きたい話題、話したい話題を盛り込んでアジェンダを作ることが大切です。


まとめ

1on1アジェンダを作ると、ミーティングが円滑に進みます。1on1アジェンダには、親睦を深める内容・現在の業務や職場に関する内容・将来に関する内容を盛り込みましょう。効果的な1on1には「1on1ミーティングサポート」が搭載されたタレントパレットがおすすめです。


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