チャレンジシートを会社で作成するコツや必要項目、職種別の書き方を紹介


チャレンジシートを会社で作成するコツや必要項目、職種別の書き方を紹介

会社におけるチャレンジシートとは、従業員の目標を設定し、その過程で必要なことを明確化させるシートです。スキルアップだけでなく、適切な人事評価が可能になります。

本記事ではチャレンジシートを作成するコツや必要項目、職種別の書き方を解説します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


会社や団体において従業員個人の目標を設定し、ゴールまでのステップに必要な項目を明確化するために作成するシートを「チャレンジシート」といいます。一人ひとりの目標達成は会社全体の成長にもつながるため、活用を検討している会社も多いのではないでしょうか。


チャレンジシートを効果的に活用したい経営者や人事担当の方に向けて、本記事ではチャレンジシートを作成するコツや必要項目、職種別の書き方を紹介します。


チャレンジシートとは?

チャレンジシートは従業員が個々でキャリアプランを立て、ゴールに向けた目標を設定した上で、その過程を明確にすることを目的としたシートです。「目標設定シート」「目標管理シート」とも呼ばれることもあります。


目標管理という概念は、アメリカの経営学者でマネジメントの父として知られるピーター・ドラッカーによって体系化されました。日本でチャレンジシートが導入され始めたのは、1990年代後半と比較的最近のことです。近年では多くの組織がチャレンジシートを活用して、従業員の目標を効率的に管理しています。


チャレンジシートを会社で作成する理由

チャレンジシートを会社で作成する理由を理解した上で導入すると、より効果を期待できます。ここでは主な理由として3つをご紹介します。


理由1 従業員のスキルアップにつながる

チャレンジシートを会社で作成する理由の1つが、従業員のスキルアップです。


チャレンジシートで難易度の高い目標を設定すれば、達成に向けてスキルアップが求められます。目標の内容は個々で異なり、仕事に直結するものだけでなく語学力や知識の向上などを設定するケースもあるでしょう。いずれにしても目標達成が近づくにつれ、徐々に個々のスキルや知識が向上し、会社全体の生産性アップにつながります。


理由2 適切な評価につながる

会社によっては明確な評価基準が設けられていないケースがあり、上司との関係性や業務の違いが評価を左右することもあります。しかしこうした不均衡な評価は、従業員のモチベーションを下げる要因になりかねません。

一方で、フォーマットが統一化されたチャレンジシートを活用すると、評価基準が明確になります。その結果客観的で公平な評価が可能になり、従業員も目標を立てやすくなります。

理由3 従業員のモチベーションを維持できる

チャレンジシートによって目標達成までの道筋が明確になると、クリアすべき項目をイメージしやすいです。長期的な取り組みが求められる目標であっても、必要なスキルや具体的な行動、進捗状況が可視化されることで、一歩一歩ゴールに向かっている実感が得られるでしょう。目標達成が現実的になると、従業員のモチベーション維持にもつながります。


また、チャレンジシートを活用した適切な評価も、従業員のモチベーション維持につながるでしょう。


チャレンジシートを会社で作成する際の4つコツ

効果的なチャレンジシートを作成するためには、4つのコツを押さえることが大切です。それぞれのコツについて詳しく解説します。

1 具体的な数値やプロセスを盛り込む

せっかくチャレンジシートを導入しても、曖昧な目標ではモチベーションアップにつながりません。目標を設定する際は、具体的な数値やプロセスを盛り込むことが大切です。


例えば「9月までに新規契約10件を達成する」「年内にTOEICで700点以上を取る」など、明確な数値を取り入れることで、誰が見ても分かりやすい目標になります。また、達成に向けてのステップを組むために、期限を具体的に設定しておくことも重要なポイントです。


2 長期的な目標から逆算した短期的な目標も設定する

チャレンジシートでは、すぐには達成できないような難しい目標を立てるケースが多いです。この場合、長期的な目標だけを立てていても、目標達成に向けたステップがイメージできず、途中で挫折する可能性が高いでしょう。


チャレンジシートを活かすためには、長期的な目標を踏まえた上で短期的な目標を設定する必要があります。小さな目標を1つずつクリアすることによって、モチベーションアップが図られ、結果的に困難な目標の達成にもつながります。


3 進捗具合を記録して可視化する

具体的な目標だけでなく進捗状況を可視化することも、チャレンジシートで重要なポイントです。目標を達成するためには、日々目標を意識する必要があります。進捗状況が一目で分かる状態にしておけば、最終目標はもちろん今日実行するべき項目を把握することが可能です。


進捗状況を記録するコツとして、できるだけ細かく書き出すことが挙げられます。詳細に記録されている方が、達成に向けて歩みを進めている実感が得られます。


4 定期的に見直し、反省点や改善点を記録する

いくらチャレンジシートを活用しても、目標やプロセスを立てただけでは達成につながりません。プロセスはあくまでも予定であり、状況によっては計画通りに進まないこともあるでしょう。大切なのは最終的に目標を達成することです。そのためには、定期的にプランの見直しを行い、反省点や改善点があれば修正する必要があります。


計画通りの動きができていない場合は、日程調整をした方がよいでしょう。また、思うような結果につながっていないと感じたら、別の手段を検討することも大切です。


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チャレンジシートで必要な項目

チャレンジシートを作成する上で必要な項目は、主に以下の4点です。


・具体的な目標

・目標達成までの期日

・具体的な日々のタスク

・進捗状況


それぞれの項目について詳しく解説します。


具体的な目標

まず、チャレンジシートの目的である達成するべき目標を明記する必要があります。この時、「積極的に営業活動をする」「英語が話せるようになる」といった曖昧な表現ではなく、できるだけ具体的に記載することが大切です。また長期的な目標に加えて、ゴールに向けた短期的な目標も立てておきましょう。

ただし、長期的な目標が多すぎると、やるべき項目が増えてしまい挫折する可能性があります。最大でも3つに絞ることがチャレンジシートを効果的に使うポイントです。

目標達成までの期日

チャレンジシートに必要な項目として、目標達成までの期日が挙げられます。期日が明確になっていないと具体的なスケジュールが立てられず、目標達成に至らない可能性が高いです。


期日を決める時は長期的な目標だけでなく、ゴールに向けたステップとして、短期的な目標を達成するための期日も設定しましょう。細かく設定することで達成度が明確になり、モチベーションアップにもつながります。


具体的な日々のタスク

難易度の高い目標を達成するためには、日々の地道な行動が重要です。チャレンジシートにも、目標達成から逆算してスケジュールを立て、毎日のタスクを明記しましょう。


タスクを考える際も長期的・短期的な目標と同じく、具体的な内容にすることが重要です。例えば「SNSのフォロワー数を3ヶ月以内に10,000人増やす」という目標であれば、「1日1記事投稿する」というタスクを立てることで、日々実行するべき行動が明確になります。


進捗状況

チャレンジシートには、目標やタスクだけでなく進捗状況を記載する項目も必要です。毎日、仕事が終わる時間帯に振り返りの時間を設け、タスクの達成具合や経過を記載しましょう。進捗状況も具体的な数値を書き入れることが大切です。


例えばSNSのフォロワー数を増やす目標があれば、「1記事投稿した」「10名フォロワーが増えた」など過程を数値で記録しておくと、翌日のやる気にもtつながります。


チャレンジシートの書き方例を職種別で紹介

チャレンジシートに書く内容は、職種によって異なります。例えば営業職のように数値で状況を把握できる職種であれば、目標も立てやすいでしょう。しかし、数値化しづらい職種に就いている方の中には、チャレジシートの書き方が分からないというケースも少なくありません。


続いては、チャレンジシートの書き方例を職種別に解説します。


営業職

営業職は、目標を数値化しやすい職種の1つです。会社全体で設定された予算や受注件数などを個々の目標に反映させてもよいでしょう。目標達成に向けた行動計画も、具体的な数値で設定することが大切です。ただし、法人向け営業と個人向け営業では目標が異なるため、自分に合った目標を設定する必要があります。


例えば、以下のように具体的な目標を立てると、日々のタスクをイメージしやすいです。


・法人向け営業:決算までにリピート客を10件増やし、売上1,000万円を達成する

・個人向け営業:既存顧客の訪問を月2回に増やし、毎月の成約を5%アップさせる


事務職

営業職とは異なり、数値化することが難しい職種の1つが事務職です。事務職において計画しやすい目標としては、日常業務のオペレーションの改善が挙げられます。例えば労力がかかる作業を効率化することで作業時間を短縮したり、システムを導入してミスをなくしたりなどの目標が考えられるでしょう。ルーティン化している業務も、改善率やシステムの導入状況などをあえて数値化することで、具体的な目標設定が可能です。

具体例として、以下のような目標例が考えられます。

・来月末までに勤怠管理システムを導入し、残業代の支払いに関するミスをゼロにする
・在庫管理システムを導入し、備品リストの更新や検品作業を1時間削減する

マーケティング職

マーケティング職では日常的に数字を使った分析を行っているため、チャレンジシートを作成しやすいです。部署全体でいうと、マーケティングによってお問い合わせ数や売上を目標に設定しやすいでしょう。また個々の目標として、分析をもとに思いついたアイディアの数やアイディアの採用率を数値化するのもおすすめです。


例えば、以下のような目標例が考えられます。


・Webメディアを毎月20本更新し、年間平均PVを20%アップさせる

・露出メディアを昨年より2倍に増やし、商品名の検索数10,000件を達成する


クリエイティブ職

クリエイティブ職は営業やマーケティングと比較すると、売上に直結する職種ではありません。そのため、具体的な数値を立てることが難しいです。そこで制作にかかる作業効率の数値化や、プロジェクト内での貢献度を目標にすることをおすすめします。また、貢献度に応じて粗利を配分する制度を設けると、より目標達成に向けたモチベーションが高まるでしょう。


例えば、以下のような目標例が考えられます。


・クライアントとの打ち合わせを週2回に増やし、誤認を回避して修正回数を20%削減する

・サンプルを5点リサーチした上で制作物を見直し、売上を前年度より30%アップする


サービス職

サービス職は、営業職と同様に売上や来店数などを目標にしやすい職種です。日々数値が変動するため、より具体的な目標を立てられるでしょう。また、アンケートや口コミ、クレーム件数の統計などを踏まえた顧客満足度を指標にすると、改善点を洗い出す上でも役立ちます。


サービス業における具体的な目標例として以下が挙げられます。


・同業種のサービスを月に2回体験し、分析内容を反映した上で年間売上を50%アップする

・1日20人以上を接客し、10名から高評価を得る


管理職

管理職は他の職種と異なり、個人的な目標ではなく会社全体の成長につながる数値を、目標に設定するケースが一般的です。また、会社の方針や理念を従業員に伝え、個々のモチベーションを上げることも重要な目標となります。管理職のチャレンジシートが曖昧だと、従業員の目標もブレてしまう可能性があるため、具体的な数値を用いることが大切です。


例えば、以下のような目標例が挙げられます。


・定例ミーティングを週1回行い、会社全体の目標達成率を20%アップする

・来月までに新商品に関する新規顧客向けの資料を作成し、年間売上1,000万円を達成する


まとめ


チャレンジシートは各従業員の目標を明確にするだけでなく、会社の成長にもつながる有効なアイテムです。しかし、曖昧な目標を設定していると、チャレンジシートの効果は発揮されません。チャレンジシートを作成する理由を把握した上で、職種ごとに適した目標を設定することが大切です。

「タレントパレット」は人事評価やキャリア、スキルなど人事に関する情報を集約し、分析・可視化させることで組織力を上げるマネジメントシステムです。人事評価機能では、柔軟で自由度の高い評価設定が可能で、評価フローをワンストップで行えます。

チャレンジシートを活用して従業員のスキルアップを目指したい会社や、効率的で適切な人事評価を行いたい方は、ぜひタレントパレットのシステムをご活用ください。


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