エンプロイーエクスペリエンスとは?注目されている背景や高める方法を解説


エンプロイーエクスペリエンスとは?注目されている背景や高める方法を解説

エンプロイーエクスペリエンスとは、社員の体験を意味します。エンプロイーエクスペリエンスを高めることにより、企業としても社員の定着率アップなどのメリットが得られます。この記事では、エンプロイーエクスペリエンスとは何なのか、エンプロイーエクスペリエンスを高める方法などを解説するため、ぜひ参考にしてください。

エンプロイーエクスペリエンスとは

エンプロイーエクスペリエンスとは、「Employee Experience」のことでEXとも略されます。日本語に直訳すると、「社員の経験」となります。具体的にいうと、社員が職場で働くことにより得られる経験価値のことです。


エンプロイーエクスペリエンスは社員が職場で経験できる要素すべてを指しており、具体的な例としては以下のような内容があげられます。

  • 社員が会社組織で得た経験
  • 健康状態
  • スキルアップ
  • 社員の満足度

エンプロイーエクスペリエンスは、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)などのマーケティング的な概念が人事領域にも派生し、生まれたものです。社員を顧客と見立てて、社員の組織への愛着や満足度を高めて、生産性を向上させようという考え方です。


エンプロイーサクセスとは

エンプロイーサクセスとは、「Employee Success」のことで、日本語に訳すと社員の成功となります。社員が成果を上げたり、自分が目指すキャリアを歩んだりするなど、社員の成功体験を実現させる考え方です。


エンプロイーサクセスと実現させるには、エンプロイーエクスペリエンスを最大化することが重要です。エンプロイーサクセスを目指すことで、社員のモチベーション向上やエンゲージメント向上といったさまざまなメリットが得られます。


エンプロイーエクスペリエンスが注目される背景

エンプロイーエクスペリエンスが注目される理由としては、労働人口の減少が大きく関係しています。日本では少子高齢化が加速化し、労働人口の減少が深刻な問題となっています。人材確保が困難になっている企業も多いでしょう。


そのため、自社に必要な人材を確保し定着させるには、エンプロイーエクスペリエンスが重要です。エンプロイーエクスペリエンスが高い企業は、社員の定着率が高い傾向にあり、ミレニアル世代の人材流出防止にもつながるとされています。


また、労働環境や職場の雰囲気、人間関係などが高い企業は、生産性が高い傾向です。エンプロイーエクスペリエンスでは、生産性の向上や社員の心身の健康、働きがいのある職場づくりなどが目的となるため、労働環境の改善や職場の雰囲気を改善できる効果に期待できます。

自社のエンプロイーエクスペリエンスを高める方法とは

エンプロイーエクスペリエンスを高めるにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、エンプロイーエクスペリエンスを高める方法を解説します。


エンプロイージャーニーマップを活用する

エンプロイージャーニーマップとは、人材の募集から採用、社員の退職までの経験をマップにして表したものです。社員がどのようなときにどのようなエンプロイーエクスペリエンスを得るのかを整理した図で、旅行時のスケジュール表や地図などをイメージすると分かりやすいでしょう。


異動や昇進、ライフイベントなど、職場でどのような経験をし、パフォーマンスを最大化するのかをまとめたものがエンプロイージャーニーマップです。


健康経営を推進する

エンプロイーエクスペリエンスを実現するには、健康経営の推進が求められます。健康経営とは、兄弟的な視点から社員の健康管理を考えることです。


社員が心身に問題を抱えていたり安定していなかったりすると、企業にとっては退職や休職といった経営的なリスクが増加します。そのため、リスクを軽減するためにも、社員の健康に配慮した施策を打たなければいけません。


たとえば、有給の取得率をアップさせるための施策を行う、パワハラやセクハラなどのハラスメントを是正する、長時間労働を防止する取り組みを行う、定期的にストレスチェックをするなど、社員が心身の健康を保ちやすい職場づくりをしましょう。


従業員サーベイを実施する

従業員サーベイの実施も、エンプロイーエクスペリエンスを高めるには効果的です。従業員サーベイとは、社員を対象としてアンケートの一種で、社員や組織の状態を調べるために行います。これらの結果を、人事施策や戦略などに活かすことで、エンプロイーエクスペリエンスの向上につながりやすくなるようです。


従業員サーベイの具体例としては、社員満足度調査や社員意識調査などがあげられます。自社の社員が、自社のどのような部分に満足しているのか、どこに不満を感じているのかなどを把握できるため、社員の抱える問題の把握が可能です。社員が抱える問題や課題などに応じた対応や施策が打てるため、問題の早期解決もしやすくなるでしょう。


オフィスを一新する

エンプロイーエクスペリエンスを向上させるために、オフィス環境の改善も重要です。社員同士がコミュニケーションを取りやすい環境を構築しましょう。


オフィスはただ仕事をするための場所という考え方ではなく、社員同士がコミュニケーションを取りやすい場所、刺激を受けアイデアなどを創出しやすい場所にするという意識が重要です。そのため、ただ仕事をする場所にならないような工夫をしましょう。

エンプロイーエクスペリエンスにおいて重要な「エンプロイージャーニーマップ」

エンプロイーエクスペリエンスでは、エンプロイージャーニーマップが重要です。ここでは、エンプロイージャーニーマップの作成方法やポイントなどを解説します。


作成の目的とは

エンプロイージャーニーマップ作成の目的は、エンプロイーエクスペリエンスを高めることです。労働人口減少や人材確保が難しくなっている現代では、仕事への価値観や行動、思考などを考慮した組織づくりを考えなければいけません。そのため、社員の立場に立って課題や問題点を洗い出し、改善する必要があります。


エンプロイージャーニーマップでは、社員視点での課題の洗い出しが可能です。これにより、今まで見えていなかった課題なども把握しやすくなり、施策の漏れや抜けを発見しやすくなります。


作成の流れ

エンプロイージャーニーマップを作成する際には、以下のような流れで行いましょう。

  1. 採用から退職までのプロセスで得る経験を洗い出す
  2. 配属、オンボーディング、日頃の業務やコミュニケーション、学習と成長、評価、異動、昇進・昇格などの機会を見直す
  3. 社員の目線から、経験価値につながっているか確認する

まずは、社員を採用から退職まで、どのような経験が得られるのかを具体的に洗い出しましょう。そのうえで、入社や配属、異動などのフェーズごとにどのような課題、問題が生じるのかなどを検討し、見直しを行います。エンプロイージャーニーマップが社員の経験価値につながっているのか、社員目線に立って確認することも重要です。


作成のポイント

エンプロイージャーニーマップは、エンプロイーエクスペリエンスを向上させるためのものです。職種が異なればエンプロイーエクスペリエンスも異なるため、社員それぞれの経験価値を最大化するために数種類作成しましょう。


また、エンプロイージャーニーマップは作成して終わりではありません。作成したエンプロイージャーニーマップを社員に共有してフィードバッグをもらうなどしながら、ブラッシュアップしていくことが重要です。


まとめ

エンプロイーエクスペリエンスとは、社員の経験価値のことです。労働人口の減少が加速化しているため、人材の確保し定着させるには、エンプロイーエクスペリエンスを高める必要があります。エンプロイーエクスペリエンス向上を目指す際には、エンプロイージャーニーマップを作成や従業員サーベイの実施などを行いましょう。


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