ゼネラリストは時代遅れといわれる理由は?これからのゼネラリストに必要なことを解説


ゼネラリストは時代遅れといわれる理由は?これからのゼネラリストに必要なことを解説

本記事では、ゼネラリストの存在意義やスペシャリストとの違いについて考察します。また、なぜゼネラリストが時代遅れと言われるようになったのか、今後求められるゼネラリストのスキルや育成するメリットなども詳しく解説します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

かつて日本では、多角的な視点と幅広い分野の知識・経験を持つゼネラリストを多く育成する傾向がありました。しかし現在では、専門領域における深い知識と高度なスキルを持つスペシャリストに対するニーズが高まっており、今後もその傾向が続くことが予想されており、ゼネラリストの需要が減ると感じる方もいるでしょう。

本記事では、ゼネラリストの定義からはじめ、現代のゼネラリストが直面する課題を考えていきます。

そもそもゼネラリストとは?

ゼネラリストとは、一般的には幅広い知識と経験を持つ人を意味します。しかしビジネスにおいては、どのような課題に対しても対応できる広い分野に対する理解を持つ問題解決能力が高い人材を指します。ゼネラリストは、柔軟な思考と多角的な視野を持ち、企業にとって重要な役割を果たします。

どのような課題に対しても幅広く対応し、組織全体を俯瞰する能力がゼネラリストには期待されるでしょう。ゼネラリストは広範囲にまたがるスキルと視野を活用し、企業のさまざまな課題解決を目指します。

組織やチームの管理職や監督者として全体を統括する立場が、ゼネラリストに求められる役割です。

スペシャリストとの違い

スペシャリストとは、専門分野に特化した能力を持つ人です。全体をまとめるゼネラリストに対して、特定の分野に対する深い知識と高い技術を持ち、専門領域で力を発揮します。

専門家の代表例としては、エンジニアやプログラマー・会計士などが挙げられ、専門分野における高いパフォーマンスを期待される人材です。

スペシャリストは、専門分野の問題解決に向いていますが、専門外の問題には対応できない場合があります。対してゼネラリストは、広範囲の知識と経験を活用し、臨機応変に問題解決を図れますが、専門性は浅くなりがちです。

ゼネラリストが多かった時代の背景

かつての日本型経営では、新卒一括採用した人材にさまざまな部署での経験を積ませて、総合職として育成するやり方が主流でした。終身雇用が常識で、組織が大きく変化しない時代には、広範な知識と経験を活かして組織全体を見渡せる人材が必要とされたのです。

幹部候補としてゼネラリストには、組織全体の動きを理解した上で適切な戦略を立て、実行に移せる管理職が多く求められていました。

しかし、情報技術がビジネスにおいて不可欠となった現代では、スペシャリストの重要性が増しています。そのため総合的な人材は今後、時代に合わせた変化が必要となるでしょう。

ゼネラリストが時代遅れといわれる理由

情報技術の発達により専門家へのニーズが高まった結果、ゼネラリスト不要論までもがささやかれるようになりました。企業が求める人材像もスペシャリストに移行しており、ゼネラリストは時代遅れとまでいわれています。

本章では、ゼネラリストが時代遅れといわれる理由について深堀りして、今後の展開についても考察します。

専門分野に特化した人材のニーズが高まっている

近年のIT技術の高度化にともない、多くの業務で専門的な技術や知識が求められるようになりました。単純作業の多くが自動化された結果、処理すべき情報量は増加し、業務も専門化しています。

複雑な知的労働の割合が高くなった結果、専門的な領域に強みを持つ人材に対するニーズが増加したのです。IT技術がさらに発達すると、スペシャリストを求める声はますます高まっていくでしょう。

業務内容が細分化・専門化することにより、特定領域に深い理解を持つ専門家が求められ、従来のようなあり方は時代遅れとなっているのかもしれません。

ゼネラリストが完全に不要というわけではない

現代のビジネスシーンにおいて、より多くのスペシャリストが求められていることは間違いありません。しかし、専門領域に特化した人材への需要が高まっているとはいえ、総合的な人材が不要だという意見は行き過ぎです。

ゼネラリストは全体を見渡す視野を持ち、さまざまな問題を総合的に分析し、組織全体の方向性を示す役割を担います。ゼネラリストの持つ全体を統合する能力があってはじめて、スペシャリストに適切な方向性を示し、リードしていけるのです。

不要になりつつあるのは旧来のタイプのゼネラリストであり、これからの時代に合わせた新しいタイプが待望されています。

ゼネラリストを目指す人の課題


ゼネラリストが持つ幅広い知識や経験は、今後のビジネスシーンにおいても不要となることはありません。しかし、これからゼネラリストを目指す人々には、乗り越えるべきいくつかの課題があります。

具体的には、専門スキル習得や年収・転職の難易度などの問題です。

本章では、ゼネラリストを目指す人が直面する可能性のある課題について解説します。

専門的なスキルが身につきにくい

ゼネラリストの長所は、幅広い分野の知識・経験ですが、特定の専門スキルが身につきにくいというデメリットもあります。

チームをまとめるために必要な、幅広い知識の獲得には多くの時間と労力が必要です。そのため、専門分野に特化したスキルを身につける時間が不足しがちになります。

問題解決に必要とされる知識・スキルの専門性が高まるなか、大きな強みである多角的な視点や全体をまとめる力が発揮しにくい場合もあるでしょう。

スペシャリストより年収が低くなりやすい

ゼネラリストはさまざまな部署で経験を積んだのち、管理職や幹部候補として活躍する傾向があります。しかし、ある程度のキャリアを積むまでは、専門分野に特化したスキルを持つ人材に比べて、年収が低くなるケースも珍しくありません。

スペシャリストの持つ専門的なスキルには、能力に応じた報酬が与えられるのが一般的です。一方で、突出したスキルの少なさから、キャリア初期には収入面でスペシャリストよりも不利になる場合があります。

スペシャリストより転職が難しい

ゼネラリストは専門領域に特化した人材と比較して、転職において不利になる場合があります。多くの企業が経験者や特定のスキルを求めているため、専門分野に特化した高度なスキルを持たない総合的な人材は、企業から十分な評価を得られないかもしれません。

また、ゼネラリストは資格や実績など、明確に能力を証明する手段が少ない点も不利です。専門特化型と比較すると客観的な評価を得にくいことから、転職の難しさにつながっています。

ゼネラリストの育成だけで終わらない、あらゆる人事データを統合して分析

タレントパレットは、ゼネラリストの育成だけでなく、あらゆる人事データの一元管理・分析が可能なツールです。

パフォーマンスデータやキャリアパス・研修履歴などを統合的に分析し、企業の人材管理を強力にサポートします。人事戦略の質を向上させ、組織全体のパフォーマンスアップのために、タレントパレットの活用をご検討ください。

時代は人材情報「管理」から人材情報「活用」へ!
タレントマネジメントシステム『タレントパレット』で、様々な経営課題と向き合えます。
・あらゆる人事情報を一元集約
・人材の見える化で埋もれた人材を発掘
・AIシミュレーションで最適配置を実現
・簡単操作で高度な人事分析が可能
⇒タレントパレットの資料を見てみたい

これからのゼネラリストに必要なこと

ゼネラリストは、柔軟な思考や広い視野を強みとして、企業のなかで活躍してきました。しかし、デジタル化やグローバル化が進むなか、時代の変化に応じてゼネラリストも常にアップデートを重ねていかなければなりません。

本章では、求められる存在であり続けるために、これからのゼネラリストに必要なことについて解説します。

時代に合わせた柔軟な価値観

近年、ITやDX技術の発達速度は目まぐるしく、企業のあり方も更新され続けています。変化の激しい世界でゼネラリストもまた、時代や社会情勢の変化に対応していかなくてはなりません。

リモートワークの普及や、非接触への需要増加などにともなって、企業の戦略は今も変化の真っ只中にあります。このような時代において、ゼネラリストは柔軟に価値観をアップデートしていくことが重要です。

組織の中で全体を見渡し、さまざまな調整を担ってきたゼネラリストならば、時代の変化に柔軟に対応することもできるでしょう。新たに生まれる課題に対応していくためには、従来の考え方に縛られることなく、あらゆる角度から分析し対応する能力を、さらに向上させることが不可欠です。

専門家ではなく理解者になる

ゼネラリストは、専門家の悩みに寄り添い、適切なアドバイスを与えられる立場になるべきです。

専門家であるスペシャリストは、専門領域での問題解決には大きな力を発揮しますが、全体の調整やコミュニケーションに関して悩みを抱えることもあります。

したがって、専門分野に特化した人材の能力を活用し組織の目標へと方向づけることが、ゼネラリストの主な役割です。総合的な人材は専門家になろうとするのではなく、専門家の理解者となり、その能力を十分発揮できるようにサポートすることが重要です。

異なる分野の専門家たちをまとめるために、ゼネラリストは人間関係の調整力や、円滑なコミュニケーション能力も身につけておく必要があります。

幅広い知識のアップデート

ゼネラリストは、幅広い知識を常に更新し続ける必要があります。スペシャリストが専門領域の知識を学び続けることで価値を高め続けるように、ゼネラリストも幅広い知識をアップデートしていくことで、時代の変化に対応していかなくてはなりません。

多くの経験や知識を持っていたとしても、学び続けなければ急速な社会の変化から取り残されてしまいます。積極的に最新の知識を学ぶマインドを持ち、興味・関心の幅を広げることが大切です。

固定観念にとらわれず、あらゆる分野の情報をキャッチすることを習慣化してください。多様な世代や属性の人々と交流し、流行や最新のテクノロジー・サービスなどの情報に対し、常にオープンな状態でいるよう心がけましょう。

企業にゼネラリストを置くメリット


ゼネラリストの持つ知識や経験は「広く浅く」と軽く考えられがちですが、その広い視野と柔軟な思考は、組織をまとめるうえで不可欠な要素と言えます。

確かにスペシャリストは特定の分野に精通しているものの、視野が狭くなりがちなため、真価を発揮するためにはゼネラリストと組み合わせることが重要です。

本章では、ゼネラリストが企業にもたらす具体的なメリットについて解説します。

チームをまとめるため

ゼネラリストがいることで、多様性のあるチームをまとめられるというメリットがあります。広い視野を持った総合的な人材ならば、チームにおける人材の能力や特性を把握して、全体の調和を図りチームを円滑に運営できるでしょう。

スペシャリストはそれぞれの専門領域では無類の力を発揮しますが、能力が特化しているだけに、互いに協調を取るのは苦手な傾向があります。それに対しゼネラリストは、それぞれの専門分野を横断して連携を強化するのが得意です。

さまざまな視点から課題を発見できる

ゼネラリストは、さまざまな分野の知見を豊富に持つため、多角的な視点から課題を発見し、新たな発想を生み出すことが可能です。特定の領域にとどまらず、広範囲の知識を組み合わせて課題の発見に取り組むため、専門家よりも早く対応できる場合もあるでしょう。

いくつもの部署と連携して問題解決を試みることも多く、特定領域の専門家では発見できなかった課題を明らかにできることもしばしばあります。総合的な人材の持つ多角的な視点は、企業にとっての大きなメリットと言えるでしょう。

異動にも柔軟に対応できる

部署間の移動に柔軟に対応できる点も、ゼネラリストが企業にもたらすメリットと言えます。総合的な人材はひとつの分野に特化せず、広い分野の知識と経験を持つため、どの分野でも自分の役割を果たせるのです。

スペシャリストが特定の領域で限定的に能力を発揮するのに対し、ゼネラリストはあらゆる部署で貢献できます。どこかの部署に欠員が出た場合にも柔軟に対応できるうえ、複数の部署を経験することで、総合的な人材の価値はさらに高まるでしょう。

まとめ

本記事では、ゼネラリストの存在価値を見直し、これからのゼネラリストが解決すべき課題を明らかにしました。さらにこれからのゼネラリストにとって必要なことを考え、チームのまとめ役として貢献するための方法も解説しています。

優れたゼネラリストを育成するにはタレントパレットの導入が有効です。あらゆる人事システムを活用し、データを統合して分析できるタレントパレットは、経営や人事課題解決のための根拠ある施策を打てますので、お困りの際にはぜひご依頼ください。

タレントパレットのHPはこちら