メンタルヘルスマネジメントとは?目的・関連資格の種類や企業におけるメリットを紹介


メンタルヘルスマネジメントとは?目的・関連資格の種類や企業におけるメリットを紹介

働くうえでストレスや悩みなどが蓄積されると、一人で抱え込んでしまい休職や離職につながってしまう可能性があります。そのため、企業として従業員のメンタルサポートをする専門家はとても重要です。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

働くうえで、ストレスや悩みなどは抱え込みがちです。自ら解決できる場合は問題ありませんが、場合によって休職や離職につながってしまう可能性があります。

そのため、企業として従業員のメンタルサポートをする専門家はとても重要です。本記事ではメンタルヘルスマネジメントについて詳しく解説します。

メンタルヘルスマネジメントとは?

メンタルヘルスとは、精神の健康状態を指します。近年職場の人間関係や業務内容に強いストレスや不安で悩む人は増加傾向にあり、精神的な不調によって休職や離職する人も増えています。

そのため厚生労働省は2010年に「職場における心の健康づくり」の指針を公表しており、企業に対して「心の健康づくり計画」の策定を義務付けました。精神の健康を守るためには、個々がストレスや不安などの原因を理解し、対処することが大切です。また、企業規模では従業員のメンタルヘルスケアについて取り組む必要があります。

心の健康は、悪化すると対処に時間がかかる場合が多くあり、本人が辛いだけでなく、職場の人間関係や士気の低下にもつながるでしょう。そのため初期の段階で気づき対応が重要です。

メンタルヘルスマネジメントの目的

メンタルヘルスマネジメントとは、従業員が働く上でメンタルの不調に対応したりストレスの緩和をしたりして、より健康な状態を目指すよう心の健康面をサポートすることです。

健康状態が良好であれば、能力や知識を従業員が最大限に発揮し、職場で活躍ができます。従業員一人ひとりがストレスなく働けることで、職場内だけでなく、企業全体に活気が出て、生産性の向上が期待できるでしょう。

ちなみに企業としてメンタルヘルスマネジメントを行う際、中心となる組織は経営層や人事部、総務部が担当部署です。相談窓口やストレスチェックを導入し、ストレスの軽減に努め、休職率や離職率の低下につなげます。

メンタルマネジメントとの違い

メンタルヘルスマネジメントと間違われやすい言葉に「メンタルマネジメント」があります。どちらとも精神面のサポートという意味では似ていますが、違いを理解して、正しい知識のもと実施しましょう。

メンタルヘルスマネジメントとメンタルマネジメントの違いは目的にあります。メンタルヘルスマネジメントは従業員のメンタルサポートが目的ですが、メンタルマネジメントは自身でメンタルをコントロールし、モチベーションの向上や成果につなげる目的です。

どちらも企業にとっては必要な取り組みであるため、企業には積極的な導入が求められます。

メンタルヘルスマネジメント検定の試験詳細


メンタルヘルスマネジメント検定試験は、年に2回、全国の15都市にある指定された会場で一斉に実施されます。3つのコースが設定されており、Ⅰ種のマスターコース、Ⅱ種のラインケアコース、Ⅲ種のセルフケアコースがあります。

受験するコースは立場や役職で異なるため、自分に必要となるコースを見極めてからの受験がおすすめです。

Ⅲ種(セルフケアコース)

Ⅲ種のセルフケアコースの詳細は、以下の通りです。
・対象者:一般従業員
・受験資格:なし
・受験料:5,280円
・目的:組織にて従業員自らのメンタルヘルスの対策の推進
・問題構成:選択問題
・時間:2時間
・配点:100点
・合格基準:70点以上の得点
・合格率:79.3%(第34回)

3コースの中でもっとも合格しやすいため、個人差はありますが、勉強時間は10〜20時間程度の独学で合格が見えてきます。試験の一週間ほど前からの勉強で十分です。通勤時間などの隙間時間を使って勉強すると負担が少なく試験勉強ができます。

Ⅱ種(ラインケアコース)

Ⅱ種のラインケアコースの詳細は、以下の通りです。
・対象者:一般従業員
・受験資格:なし
・受験料:7,480円
・目的:部門内、上司としての部下のメンタルヘルス対策の推進
・問題構成:選択問題
・時間:2時間
・配点:100点
・合格基準:70点以上の得点
・合格率:54.1%(第34回)

Ⅱ種のラインケアコースはⅢ種のセルフケアコースよりも約25%も合格率は下がります。
そのためⅢ種よりも勉強時間の確保が必要です。

勉強時間は30~50時間程度で合格が見えてきます。短期間で勉強するよりも、1ヶ月前から1日1~2時間の勉強を継続的に続けて、記憶の定着が重要です。

Ⅰ種(マスターコース)

Ⅰ種のマスターコースの詳細は、以下の通りです。
・対象者:一般従業員
・受験資格:なし
・受験料:11,550円
・目的:社内のメンタルヘルス対策の推進
・問題構成:選択問題、記述問題
・時間:選択問題2時間、記述問題1時間
・配点:選択問題100点、記述問題50点
・合格基準:選択問題、記述問題の合計得点が105点以上。なおかつ記述問題の得点が25点以上。
・合格率:17.6%(第33回)

Ⅰ種のマスターコースは、Ⅲ種とⅡ種に比べて一気に合格率が下がります。必要な勉強時間も大幅に増加し、100~120時間程度です。毎日1時間半の勉強を行うなら3ヶ月前から始める必要があります。

しかもⅢ種とⅡ種にはなかった記述問題があるため、選択問題以上に問題に慣れるように過去問題集を使用しての勉強がおすすめです。

メンタルヘルスマネジメント検定合格後の流れ

試験に合格後、合格者全員にカード型の合格証が届きます。希望者には、発行手数料1,320円で合格証明書の発行も可能です。

Ⅰ種(マスターコース)の合格者を対象に大阪商工会議所は、「Ⅰ種合格者フォーラム」を設けています。無料で登録が可能で、メンタルヘルスについての最新情報のほかにイベントのお知らせなどについてのメールマガジンです。メールマガジンは年に4回程度発行され、セミナー・交流会は適宜開催のため、Ⅰ種に合格した際はぜひ活用してください。

メンタルヘルスマネジメントだけで終わらない、あらゆる人事データを統合して分析

タレントパレットではメンタルヘルスマネジメントだけでなく、多彩なタレントマネジメント機能が搭載されています。人材データをワンクリックで確認でき、人材データを自由にかけ合わせて分析が可能です。

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メンタルヘルスマネジメントがもたらす4つのメリット


メンタルヘルスマネジメントを取り入れることによって、従業員だけでなく企業にも大きなメリットがうまれます。本章ではメンタルヘルスマネジメントが与える4つのメリットを解説します。

休職者や退職者の減少

職場でストレスを感じる状況が続くと、精神疾患を引き起こす可能性があります。症状が悪化してしまうと、場合によっては原因となる職場から離れることが必要です。最終手段として、休職や退職をせざるを得ない場合があります。

しかし、あらかじめメンタルヘルスマネジメントを行い、従業員のメンタルが安定していれば休職や退職する必要がありません。休職した従業員がいたとしてもサポートできるので、職場復帰がしやすい環境を整えられます。

職場環境の改善

メンタルヘルスマネジメントを取り組むうえで、従業員がストレスや悩みを抱えている場合は、職場環境の改善が必要です。ストレスや悩みを上司や同僚に相談しにくいと考えている場合もあるため、相談窓口などを設置して、相談のしやすい環境を作ってください。

従業員のメンタルヘルスマネジメントを行えば、職場内の問題が浮き彫りになるでしょう。職場全体の環境改善を行い、その結果、従業員の定着率の増加につながります。

業務の効率化や生産性の向上

ストレスのない環境で仕事が行えると集中力やモチベーションも上がり、ストレスがある状態での仕事よりも、短時間に効率よく働けます。メンタルヘルスマネジメントはメンタルのケアを行い、従業員の離職率が低下すると、従業員の確保ができ生産性が向上するだけでなく、上司が部下に対して正しい知識のもとで指導を行えば従業員一人ひとりの仕事の質や生産性の向上が期待できます。

管理職者の人材育成

企業における管理職者は部長や課長を指し、店舗規模であれば店長が該当します。管理職者は経営面だけでなく、人材育成も重要です。管理職者がメンタルヘルスマネジメントの知識を身につけておけば、部下の悩みや不安などのメンタルの不調に対して迅速対応可能です。

メンタルの不調を未然に防止できるので、部下のメンタルが良好な状態で人材育成が可能です。結果的に人材育成によって部下の成長が期待できるでしょう。

メンタルヘルスマネジメントに関連した資格

メンタルヘルスマネジメント以外にも産業カウンセラーや心理相談員などと、メンタルヘルスケアを行う資格があります。メンタルヘルスマネジメントのメリットは受験をするにあたって制限がないため、誰でも受けられる点です。本章では産業カウンセラーと心理相談員について解説します。

心理相談員

職場のメンタルヘルスの対策に必要となる知識や、心と身体に配慮した健康づくりを学ぶ心理相談専門研修を実施しています。従業員にとって相談しやすい存在で、ストレスに素早く気づきサポートや相談に必要となる技術や方法を学べるでしょう。

また、研修を修了すると「心理相談員」の指導者登録ができます。ただし、研修の受講対象者は衛生管理者、保険系国家資格(医師、看護師、保険師、管理栄養士など)、産業カウンセラー、公認心理師、社会福祉士、労働衛生コンサルタントなどの資格や、中央労働災害防止協会が実施している研修を修了された方などに限られるため注意が必要です。

開催地も東京都、愛知県、大阪府、広島県、福岡県と限られます。研修期間は5.5時間の動画事前学習と2日間の集合研修です。

産業カウンセラー

従業員や組織の抱える問題に対して自ら解決するために、心理的な方法を用いてサポートするカウンセラーです。ハラスメントやメンタル不調、職場の人間関係の問題について国や自治体、企業などから専門的なサポートを期待されています。産業カウンセラーの受験資格は日本産業カウンセラー協会が行っている講座を修了するなどの一定の条件が必要です。

試験の内容は学科試験と実技試験があります。学科試験は90分の選択問題です。実技試験は受験者同士で行うロールプレイングや試験官との口述試験があります。試験に合格後、協会に入会の登録を行うと産業カウンセラーとして呼称の使用が可能です。

まとめ

メンタルヘルスマネジメントを行う際には、タレントパレットの使用がおすすめです。あらゆる人材のデータを統合し、さらに分析まで行えるため人事業務の効率化の他にも経営や人事課題において根拠ある施策を打てます。

導入時だけでなく日々の活用もお客様ごとに専任の担当者がつき、目的やスタイルに合わせて、最適なサポートを提供しております。ぜひタレントパレットをご検討ください。

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