パーパスブランディングとは?これからの経営に欠かせない手法を学ぼう


パーパスブランディングとは?これからの経営に欠かせない手法を学ぼう

パーパスブランディングとは、パーパスを広く知ってもらい、共感や信頼を得てブランド価値を高める手法です。パーパスブランディングとは何か、どのような効果があるかを事例とともに解説します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

自社が社会に貢献する理由や目的をパーパスと呼びます。パーパスブランディングとは、パーパスを広く知ってもらい、共感や信頼を得てブランド価値を高める手法です。
パーパスブランディングとは何か、どのような効果があるかを事例とともに解説します。本記事を読むとパーパスブランディングがこれからの経営にどのように役立つのか、具体的な方法やポイントを学べるでしょう。

【自社のファンを獲得!】パーパスブランディングとは 

パーパスとは「目的」や「意図」という意味の言葉を指し、パーパスブランディングとは、社会における自社の存在意義を世間に認知してもらい、多くの共感を獲得することによってブランディングにつなげる手法です。近年、消費者や投資家の価値観や消費マインドが変化し、企業が社会に貢献することが重視されるようになりました。

そのため、自社がなぜ存在するのか、どのように社会に影響を与えるのかというパーパスを明確にすることが、企業の競争力や持続可能性につながります。

企業のあり方の変化によってパーパスブランディングが注目されている 

パーパスブランディングは、利益拡大ではなく認知拡大が主な目的であり、直接的な利害関係にかかわらず広く社内外に向けて施策を行います。そのため、従来のブランディングとは異なるアプローチが必要です。
パーパスブランディングは、自社のパーパスをブランド戦略の中心に据え、あらゆる施策をパーパスに基づいて展開していくことで、社内外からの信頼やロイヤルティを高めますが、なぜ今パーパスブランディングが求められるのでしょうか。

パーパスブランディングが求められる理由は3つ

パーパスブランディングはSDGsへの取り組み、正解のコモディティ化への対応、VUCA時代の挑戦を通じて重要性が増しています。SDGsは社会的価値を高め、正解のコモディティ化では理念や思想の差別化が鍵となるのです。
VUCA時代では、社会への貢献と使命感が求められます。企業が成功するには、パーパスブランディングでその存在意義を明確にして競争力を維持する必要があります。

SDGsへの注目 

SDGsとは、国連が定めた「持続可能な開発目標」であり、貧困や格差、気候変動などの社会課題を解決するために、2030年までに達成すべき17の目標と169のターゲットから構成されています。
近年、消費者や投資家は、企業がSDGsに取り組んでいるかどうかを重視するようになりました。パーパスブランディングでは、自社がどのようにSDGsに貢献しているかを伝えて、社会的な価値を高めます。

正解のコモディティ化 

正解のコモディティ化とは、インターネットやAIなどの技術発展によって正しい答えや最適な方法が容易に見つかるようになり、差別化が難しくなる現象です。このような状況では、商品やサービスが飽和状態となってしまいます。機能や価格だけでは競争力が低下するので、企業カラーや従業員によってブランディングを行う必要があります。

VUCA時代の到来 

VUCA時代とは、Volatility(変動性)、Uncertainty(不確実性)、Complexity(複雑性)、Ambiguity(曖昧性)の頭文字を取った言葉で、現代社会が直面している激変や混迷を表します。このような時代では、企業は単に利益を追求するだけではなく、社会的な使命感や責任感を持って行動しなければなりません。不確定要素の多い現代社会で、パーパスブランディングによって企業の軸を固めることが求められます。

企業がパーパスブランディングに取り組むメリット


パーパスブランディングに取り組むメリットについて解説します。パーパスブランディングを成功させるには、自社のパーパスを定義してそれに基づいた施策を展開するだけでなく、その効果を測定し改善する取り組みが重要です。

ステークホルダーからの信頼を獲得

社会に貢献する企業であるのを示せると、顧客や取引先、投資家などのステークホルダーからの信頼を獲得できます。信頼される企業は、商品やサービスの価値が高まるので売上や利益が増えます。また信頼される企業は、危機や不祥事に直面したときにも、ステークホルダーからの支持や理解を得やすくなるのです。

企業が進むべき方向を社内で共有できる

社会における自社の存在意義を明確にできれば、企業が進むべき方向を社内で共有できます。従業員全員が同じパーパスに向けて働ける環境になれば、やるべきことが明確になるので仕事に対するモチベーションが高まるのです。

その結果、業務効率が向上して競争力が付きます。またパーパスを共有して従業員が同じ目線で働けるようになると、部署や役職に関係なく協力し合う風土が育ちます。

自社にマッチする人材の確保

自社の価値観や思想を世間に発信し続ければ、同じ価値観を持つ人を自社に集めやすくなります。特に若い世代は、就活市場において「社会貢献」という言葉が流行っているように、仕事選びにおいてパーパスを重視する傾向が強いので社会課題に関心を示す企業に魅力を感じます。パーパスブランディングを行うと、自社の魅力や特徴をアピールできて優秀な人材を引き寄せられるようになるのです。

パーパスブランディングだけでなくあらゆる情報を管理・分析できるツール導入もおすすめ

パーパスブランディングを成功させるには、自社のパーパスを定義して施策を展開するだけでなく、PDCAを回して改善するのも重要です。そのためには、あらゆる情報を管理・分析できるツールの導入がおすすめです。

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パーパスブランディングの企業取組事例を紹介

パーパスブランディングに取り組んでいる企業事例として、3社の事例を紹介します。これらの企業はパーパスブランディングによって、自社の存在意義や魅力を世界中に伝えているのです。

A社

A社は、世界的なエレクトロニクスメーカーであり、音楽や映画などのエンターテイメント事業も展開しています。A社は2019年1月に、「クリエイティビティとテクノロジーの力で、世界を感動で満たす」というパーパスを掲げました。

このパーパスは、A社が創業以来追求してきた「感動」を核とし、その実現に必要な「クリエイティビティ」と「テクノロジー」をキーワードとしています。A社はこのパーパスに基づいて、様々な事業や取り組みを展開しているのです。
たとえば、コロナ禍でも消費者のストレス解消や生活の豊かさを提供するために、ゲームや映画の発売・公開を予定通り行ったり自然災害や貧困などの社会課題に対して支援活動や技術提供を行ったりしています。

B社

B社は、食品や日用品などの消費財メーカーであり、世界190ヶ国以上で事業を展開しています。「サステナビリティを暮らしの“あたりまえ”に」というパーパスを掲げました。
このパーパスは、B社が提供する商品やサービスが環境や社会に与える影響を最小限に抑えるとともに、ポジティブな変化をもたらすのを目指しています。B社はこのパーパスに基づいて、様々な事業や取り組みを展開しているのです。

たとえば、シャワーや入浴、洗濯の際に使う水の消費量削減を目的とした行動見直しプログラムや、トイレの水を流すことなく消毒・消臭ができるトイレ用スプレーの開発、女性や子どもの教育や健康に関する支援活動などがあります。

C社

C社は、世界最大の食品・飲料メーカーであり、190ヶ国以上で事業を展開しています。「食の持つ力で、現在そしてこれからの世代のすべての人々の生活の質を高めていく」というパーパスを掲げました。
このパーパスは、C社が提供する商品やサービスが人々の健康や幸せに貢献することを目指しています。C社はこのパーパスに基づいて、様々な事業や取り組みを展開しているのです。
たとえば、栄養不足や肥満などの食と健康の課題に対して、商品の改良や情報提供を行ったり食品ロスや環境負荷の削減に向けた取り組みを行ったりなどです。

パーパスブランディングの手法と注意点を解説


パーパスブランディングの手法は自社パーパスの認識・確立、パーパスステートメントの作成、実行・検証の3つです。これらの手法では、自社パーパスが本当に自分たちの想いと一致しているか、消費者や従業員の心に響くかを確かめるのが重要です。

自社パーパスの認識・確立 

自社パーパスとは自社が何のために存在し、何を目指しているかということです。自社パーパスを認識・確立するには、自社の強みや価値観、社会的な課題やニーズなどを分析して自社の存在意義や目標を明確にしましょう。また、自社パーパスが共感や感動を呼ぶかの検証が大切です。自社パーパスが本当に自分たちの想いと一致しているかを確かめられれば、企業としての存在意義を確立できます。

パーパスステートメントの作成 

パーパスステートメントとは、自社パーパスを一言で表現したものです。パーパスステートメントを作成するには、自社パーパスを簡潔に言い換えてその言葉が具体的でわかりやすいかを確認しましょう。
聞いた時に頭に入ってきやすいキャッチーなフレーズが望ましいです。また、パーパスステートメントが感情や行動に訴えかけるものであれば、世間の共感を得やすいでしょう。

実行・検証 

実行・検証とは、自社パーパスやパーパスステートメントを実際に活用して効果を測ることです。明確にしたパーパスを実際に業務や企業カラーに落とし込む必要があります。パーパスに基づいた取り組みを企業全体で行い、取り組めているかを数値化して把握すればパーパスが落とし込めているかを確認できます。

また、世間に対してはパーパスステートメントを多くの人に見てもらうための取り組み(CMやSNS)を行い、成果や反響を評価しましょう。

まとめ

現代社会は、技術発展によって正しい答えが容易に見つかるのでサービスの差別化が難しいです。パーパスブランディングは、社会における企業の存在意義を世間に認識、共感してもらうブランディングです。
どの企業もサービスの内容がほぼ変わらない現代では、企業ブランドの信頼が購入につながります。パーパスブランディングで重要なのは、従業員全体が同じパーパスに向かうことです。そのためには、パーパスに基づいた取り組みを定め、きちんと取り組めているかを数値化して評価しましょう。

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