リファラル採用制度とは?導入ポイントやメリット・デメリットから費用・注意点まで解説


リファラル採用制度とは?導入ポイントやメリット・デメリットから費用・注意点まで解説

リファラル採用制度は、近年注目を集めている紹介による人材採用手法です。社員の友人・知人からの応募により高いマッチング率と定着率が期待できます。本記事では、縁故採用との違いや運用の流れなどを解説します。導入を検討している人事担当者は、ぜひ参考にしてください。

企業の採用活動にはさまざまな方法があります。そのなかで注目を集めているのが、リファラル採用です。この記事では、リファラル採用とは何なのか、リファラル採用を実施するメリットやデメリット、成功させるためのポイントなどを詳しく解説します。リファラル採用を検討している場合には、ぜひ参考にしてください。

リファラル採用とは

リファラル採用とは、自社に勤めている既存社員から知人や友人を紹介してもらう採用手法です。縁故採用と混同している人もいますが、縁故採用は社員などの親族から紹介を受ける形で、必要な人材のスキルに関係なく採用しなければいけないケースが多くなります。一方、リファラル採用は紹介された人材のスキルや特性を見て採用するかどうかを決めます。

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縁故採用との違い

リファラル採用と縁故採用を混同している人もいますが、縁故採用は社員などの親族から紹介を受ける形です。必要な人材のスキルに関係なく採用しなければいけないケースが多くなります。一方、リファラル採用は紹介された人材のスキルや特性を見て採用するかどうかを決めます。


 リファラル採用の重要性が高まっている理由・背景

なぜリファラル採用に注目が集まっているのでしょうか。ここでは、リファラル採用が注目される背景を解説します。


人材獲得競争が激化している

日本では少子高齢化などにより労働人口が減少傾向にあります。そのため、有効求人倍率が高まっており、採用活動に難航している企業も多いようです。求人を出し、求職者からの応募を待つだけでは、優秀な人材と出会ったり獲得したりすることが難しくなっています。


優秀な人材は表に出る人材市場には出にくく、企業側からの積極的なアプローチが必要です。このような背景から、リファラル採用の重要性が高まっています。


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社員の離職防止が求められている

新型コロナウイルス感染症の流行などにより、働く人の価値観が変化しています。そのため、転職を考える人も増加傾向にあるようです。自社で長く働き続けてもらうためには、企業理念や文化、企業としての目標などに共感してくれる人材の獲得が欠かせません。


リファラル採用の場合、友人や知人から職場内の雰囲気や企業理念などについての正直な意見を聞いたうえで応募してくれるため、事前に自社の風土に合うかどうかのすり合わせが可能で、離職防止にもつながります。


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リファラル採用を導入するメリット・目的

リファラル採用の導入にはどのようなメリットがあるのでしょうか。ここでは、4つのメリットを解説します。


自社にとって精度の高いマッチングが実現しやすい

求人広告は、応募があったとしても自社が必要とする人材に出会えないケースもあります。しかし、リファラル採用の場合には、あらかじめ紹介者に対して自社が求める人物像、必要なスキルなどを伝えておくことにより、精度の高いマッチングにつながりやすいです。また、応募者は紹介者からの意見を聞くことができ、入社後のミスマッチ防止も期待できます。


紹介者のエンゲージメント向上が期待できる

リファラル採用の場合、紹介者が知人や友人に対して、「自社の魅力」や「なぜこの企業に入ったのか」などを自ら語ることになります。自社を選んだきっかけや企業理念、魅力などを語ることにより、自身のキャリアを見直すきっかけになることも期待できるでしょう。結果として紹介者のエンゲージメント向上につながります。


採用コスト削減につながる

転職や就職に関するエージェント、求人広告などを介さないことで、求人サイトへの掲載費用や手数料などが必要なくなり、コスト削減につながります。企業によっては紹介者にインセンティブを支払うケースもありますが、エージェントなどを利用するよりコストを抑えられます。また、面接の日程調整や自社開催の求人セミナーなどにかかる工数削減も可能です。


転職潜在層にアプローチできる

リファラル採用の場合には、既存社員が一緒働きたいと思った友人や、自社に必要だと思った知人などを紹介する形です。そのため、転職意向がない人材も候補として挙がりアプローチできるため、転職潜在層へのアプローチにも効果的です。転職サイトやエージェントでは出会えない、優秀な人材の獲得につながるケースもあります。


リファラル採用を導入するデメリット

リファラル採用の導入には多くのメリットがありますが、デメリットもあります。ここでは、リファラル採用のデメリットを解説します。


内定承諾まで時間がかかる

リファラル採用の場合には、内定承諾まで時間がかかるケースも多いです。そのため、急いで人材を獲得する必要がある場合は不向きです。転職潜在層は今すぐに転職したいという意思がないケースが多いため、採用するまでには時間がかかってしまいます。候補者と継続的に接点を持つことや、自社の魅力をしっかりと伝えていけるような仕組み作りが重要です。


既存社員の理解と協力が必要になる

リファラル採用は社員が主体となって行う採用活動のため、既存社員の理解と協力が欠かせません。「忙しくて紹介する暇がない」など協力してくれる社員ばかりではないため、リファラル採用の必要性などを周知しましょう。また、どのような人材が必要か理解していない場合、ミスマッチが起きてしまうため注意が必要です。


似たような人材が集まる可能性がある

リファラル採用の場合、仲のよい友人や価値観、考え方などがマッチする知人などを紹介するケースが多いため、似たような人材が集まりやすくなるというデメリットがあります。人材の多様性がなく同質化してしまう可能性があるため、あらかじめ求める人物像を明確にして、既存社員にしっかりと伝えておく必要があります。


リファラル採用で発生する費用

リファラル採用で発生する費用としては、以下のようなものが挙げられます。

  • 紹介報酬制度(インセンティブ)
  • 会食費用
  • ツールの利用料金


それぞれの内容は、以下の通りです。


インセンティブ(紹介報酬制度)

インセンティブとは採用決定時に紹介者に支払われる報酬です。リファラル採用を実施している企業の多くが、インセンティブを設定しているとされています。


会食やイベント参加など採用活動費

候補者との会食費用を支給することで、社員が気軽に候補となる人材へ声をかけやすくなります。


外部サービス利用料

リファラル採用を活性化するためにツールを利用するケースも多く、ツール導入・運用コストも必要です。


中途採用とのコストの差

リファラル採用は、従来の中途採用手法と比較して、大幅なコスト削減が期待できます。人材紹介会社を利用しての採用では、年間数百万円かかりますが、リファラル採用では、数十万円の社員への紹介インセンティブで済むためです。さらに、社内に知人がいることで、職場への適応がスムーズになり、離職に伴う追加コストも抑えられる利点があります。


リファラル採用制度の実施プロセス

リファラル採用を実施する場合、どのような流れで行えばよいのでしょうか。ここではリファラル採用の実施プロセスを紹介します。


1.リファラル採用に対する社内体制・制度を構築する

まずは、リファラル採用を実施するための社内体制や制度の構築から始めましょう。リファラル採用に既存社員が協力してくれるような体制や制度作りが重要です。たとえば、「自社が求めている人材(ペルソナ)を明確化させる」「インセンティブを設定する」「プロジェクトメンバーの選抜」などを行います。


2.既存社員の認知を広げ施策を実行する

リファラル採用の体制や制度などが整ったら、既存社員に協力してもらうためにリファラル採用についての認知を広げましょう。施策の周知は、経営層や人事、マネージャー層などから積極的に発信することが重要です。また、社内SNSやチャットツールなど複数のチャネルを活用しながら行うとよいでしょう。


3.施策の成果や効果を分析し改善に努める

実際に施策を実行したあとは、リファラル採用の成果を分析します。リファラル採用を実施して終わりではなく、しっかりと効果を分析して課題を洗い出し、改善に努めることでよりよい施策につながります。具体的には、「協力数や協力率」「社員1人あたりの紹介数」「決定率」などを分析し、改善につなげていくとよいでしょう。


リファラル採用の3つのポイント

リファラル採用を制度として成功に導くための、指標となる3点について解説します。


協力数・協力率

協力数・協力率は、リファラル採用制度への社員の参加状況を示す重要な指標です。制度の認知度と社員の当事者意識の高さが数値に反映されるため、定期的な測定と分析が欠かせません。


1人あたりの紹介数

1人あたりの紹介数は、リファラル採用の活性度を測る指標です。この数値が低い場合は、紹介のハードルが高すぎないか、社内の仕組みに課題がないかを検討する必要があります。


採用決定率

採用決定率は、紹介された応募者の質と、社内の採用基準との整合性を表す指標です。この数値が低い場合は、求める人材要件が社員に正しく理解されているか、選考基準が明確に共有されているかを確認します。

リファラル採用を成功・促進する方法

リファラル採用を成功・促進させるためには、3つのポイントを押さえることが重要です。以下では、各ポイントについて解説します。

既存社員にとってのメリットを具体的に伝える

リファラル採用を成功に導くためには、既存社員に積極的に動いてもらうなど社員の協力が必要不可欠です。既存社員が積極的にアプローチしてくれる環境を作るには、既存社員にとってのメリットをしっかりと伝えることが大切です。実行や成果に応じて与えられるインセンティブなどのメリットを具体的に伝えましょう。


気軽に友人・知人を紹介できる雰囲気づくりをする

友人や知人を面接に誘導することは心理的ハードルが高く、ためらってしまう社員も多いでしょう。そのため、社内見学ができる体制を整えておく、採用イベントや会社説明会などを開催してスムーズにアプローチできる環境を構築するなど、状況に応じた施策を検討しましょう。紹介しやすい体制、雰囲気作りが大切です。

他の採用手法も同時に実施する

リファラル採用には多くのメリットがありますが、先述のデメリットで説明したように急ぎの求人には向かないなどの課題もあります。そのため、リファラル採用だけではなく、他の採用手法も並行して行いましょう。状況に応じて複数の採用手法を同時に行い、採用経路を多く確保しておくことで必要な人材を獲得しやすくなります。

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リファラル採用を実施する際の注意点

リファラル採用を実施する際には、注意したいポイントもあります。ここでは、2つの注意点を解説します。


不採用時は紹介者と応募者の関係に配慮する

社員からの紹介であったとしても、自社の風土には合わない、求める人物像との乖離がある場合には不採用にしなければいけません。その場合、紹介者と応募者の関係が悪くなってしまう可能性もあるでしょう。紹介者の人間関係に悪影響が出ないように、不採用時のフォロー体制の構築は欠かせません。


高額なインセンティブは設定しない

インセンティブは高額に設定しすぎないことがポイントです。インセンティブがあまりにも高額だと、多く紹介した人には多額のインセンティブが支払われるため、社内で不公平感を感じて不満を持つ社員が出てくる可能性があります。また、インセンティブが高額すぎると、人材紹介業を行ったと判断されて違法性を問われるケースもあるため注意しましょう。


リファラル採用に活用できるおすすめツール

リファラル採用を効率的に行うにはツールを活用するとよいでしょう。リファラル採用に活用できるツールとしては、タレントパレットがおすすめです。


タレントパレットとは、人事にマーケティング思考を取り入れたタレントマネジメントシステムです。人材データの一元化や分析だけでなく、離職防止や採用強化などの人事戦略を実現できます。タレントパレットでは適性検査によるミスマッチの防止や、応募から採用までの一連の採用管理が可能です。


また、活躍する社員のスキルや性格、特性などを抽出し、応募者のなかから同じ特徴を持った人材を発掘することなどもできるなど、採用の効率化に役立ちます。


まとめ

リファラル採用とは、既存社員に自社に合うと思った友人や知人を紹介してもらう採用手法です。精度の高いマッチングが可能で、採用コストの削減などさまざまなメリットがあります。リファラル採用をより効率的に運用するためには、専門的なツールの導入がおすすめです。

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