さとり世代はいつから?特徴と違い・仕事の価値観を徹底解説!


さとり世代はいつから?特徴と違い・仕事の価値観を徹底解説!

企業にとって、「さとり世代」は次の時代を担う重要な人材群です。

さとり世代はそれまでの世代とは異なる価値観を持っており、なかでも消費や仕事に対する考え方に大きな特徴があります。今回はさとり世代の特徴や仕事に対する考え方を解説します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


「さとり世代」はゆとり世代やミレニアル世代、X・Y・Z世代と同じように、特定の年代に生まれた世代を総称する呼び方です。さとり世代は、ちょうど若手社員にあたる年代であり、企業にとっては次の時代を担う重要な存在といえます。


今回はさとり世代の特徴や考え方、採用・育成時の注意点などをご紹介します。


さとり世代とは?

「さとり世代」とは、「ゆとり世代」や「ミレニアル世代」のように、特定の世代を指す言葉です。大きな特徴としてあげられるのは、「大きな目標や夢を追いかけるのではなく、現実的なラインで安定した生活を求める傾向がある」という点です。


ここではまず、さとり世代の基本的な意味や用語が生まれた背景について見ていきましょう。


さとり世代が発生した年と年齢

さとり世代とは、一般的に1980年代後半~1990年代中盤の不景気な時代に生まれ育った世代のことを指します。世代ごとの区分で言えば、ゆとり教育を受けてきたゆとり世代の後半に該当する世代です。


この世代が育ってきた年代には、「バブル崩壊(1993年頃)」「阪神淡路大震災(1995年)」「リーマンショック(2009年)」「東日本大震災(2011年)」と社会や経済に大きな影響を与える出来事が続いたのも特徴です。不景気の厳しい時代に育ってきたことから、社会に出る前に現実を「悟っている」ように見えたため、さとり世代と呼ばれるようになっています。


また、ゆとり世代の前半と比べると、「脱ゆとり教育」を経験しているのも1つの特徴といえます。


さとり世代が生まれた背景

さとり世代という言葉が生まれたのは、インターネットの匿名掲示板で用いられ始めたことがきっかけとされています。さらに、2013年に「新語・流行語大賞」にノミネートされたことにより、社会でも広く注目を集めるようになりました。


さとり世代の特徴

さとり世代の特徴を一言で表せば、「現実的で欲がない世代」と表現できます。ここでは、具体的な特徴や傾向を掘り下げて見ていきましょう。


実用性重視

現実的な感覚を持つさとり世代は、「ブランドよりも実用性」を重視します。主にバブルの時代では、高級ブランドの商品や高価な外車は性能や品質というだけでなく、知名度やブランドイメージそのものが重要な価値を持っていました。


しかし、さとり世代はブランドそのものにあまり大きな価値を感じず、冷静に実用性を見極める人が多いのが特徴です。コストを抑えつつ、一定以上の品質や実用性を持つ「コストパフォーマンスに優れた商品・サービス」を選ぶ傾向にあるといえるでしょう。


デジタルネイティブ

さとり世代の大きな特徴として、「デジタルネイティブ」であることがあげられます。これは、生まれながらにしてインターネットや電子機器に触れていることを意味する言葉です。


さとり世代は幼少期から身近にインターネット環境が存在しており、知りたい情報をどんどん自分で収集できたり、多方向からの意見を柔軟に受け入れたりできるのが特徴です。「すぐに答えが見つかるため、自分で考える力が育たない」というネガティブな見方もありますが、「多様な情報を受け入れられる」「新しい技術にも抵抗なく対応できる」など、プラスの側面もあります。


また、商品・サービスの選択についても、購入する前に口コミやレビューで情報収集をしてから利用を判断するといった特徴があります。


競争や優位に立とうとしない

それまでの世代と比べて、競争意識が低いのも特徴の1つです。教育システムの変化により、テストや運動などで競争を意識する機会が減っていたことから、競い合って優位に立つことにそれほど強い関心を持ちません。


むしろ、人と比べられたり、他者よりも成果を求められたりすることを好まないため、社会に出てからギャップに悩んでしまう人もいます。ただし、あくまでも競争意識が薄いというだけで、向上心に欠けているわけではありません。


それまでの世代と比べて、自己実現や社会貢献に対する意識は高い傾向にあります。


好きなことにお金をかける

誰もが羨むようなブランド品や高級品に対する関心は薄い一方で、自分の好きな分野や趣味に関する事柄には出費をしやすいという傾向があるのもさとり世代の特徴です。成長過程において、ゲームや音楽、ファッション、マンガといった多様なジャンルの娯楽が社会的な認知を得ていったため、趣味にお金を使うことにはそれほど抵抗がありません。


親しみやすい

さとり世代は競争意識が低く、他者を蹴落としてまで勝負に勝ちたいという考えは持ちません。人と衝突するよりも、調和して良好な関係性を築きたいと考えるため、人当たりが良く親しみやすい人が多いのも特徴です。


自分の意見を押し付けることが少ないとともに、他者から価値観を押し付けられることはあまり望みません。


さとり世代の仕事に対する価値観


これまで見てきたように、さとり世代はそれまでの世代と比べて、現実的で競争意識が低い人が多いのが特徴です。それでは、仕事においては具体的にどのような特徴を持つのでしょうか。


ここでは、3つのポイントから解説します。


指示に忠実

さとり世代は無用な衝突を好まないため、上司や先輩からの指示には忠実に従う傾向にあります。与えられた業務をしっかりと遂行することに、重要性や責任感を見出すのです。


一方、「求められていること以外には積極的に動けない」「自己判断でトラブルを起こすくらいなら指示を待ったほうがいい」と考えるため、与えられた指示以上のことには取り組めない性質があるとされています。ただし、デジタルネイティブであることから、高い情報収集能力や処理能力を持っており、仕事の効率性自体は優れている人が多いのも特徴です。


プライベート重視

上の世代と比べると、仕事での昇進や昇格、出世に対する欲求はそれほど強くありません。仕事に時間や精神力を費やしてしまうのではなく、プライベートも充実させたいと考える人が多いため、ワークライフバランスに対する要求は高いといえます。


たとえば、仕事とプライベートの区別をハッキリさせることから、業務時間外での集まりなどには消極的な傾向が見られます。


1つの会社に依存しない

さとり世代は自己実現に対する意識が高いことから、特定の会社に依存するよりも、自分の生き方や価値観を追求できる環境を優先する傾向にあります。また、社会に出るころには、すでに終身雇用や年功序列といった価値観が崩壊しているため、1つの会社で勤め上げることに魅力を感じにくいのも特徴です。


今の会社に給与や待遇面で不満がなくても、より自己実現や社会貢献につながる可能性があれば、転職や独立の道を目指すというのもさとり世代には多いケースといえるでしょう。


競争力のある組織づくりのために、あらゆる人事データを統合して分析

長期にわたって競争力の高い組織をつくるには、様々な世代の人材を柔軟に活かせるような仕組みを整える必要があります。それには、世代ごとの特徴を把握するとともに、個人に合ったアプローチができるシステムを構築することも大切です。


タレントマネジメントシステムである『タレントパレット』は、あらゆる人事データを一元管理し、活きた情報として最大限に価値をもたらすためのツールです。ご興味を持たれた方は、ぜひ下記より資料をダウンロードしてみてください。


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さとり世代を選考する際の連絡方法

前述のように、さとり世代はデジタルネイティブであることから、メインとなる連絡方法にはそれまでの世代と違った特徴を持ちます。さとり世代の選考を行う際には、スムーズな連携を図るためにも、連絡方法にこだわることも大切です。


SNSでのやり取り

さとり世代と接触を図るうえで、SNSを活用する企業も増えています。具体的には、TwitterやInstagramなどのプラットフォームで公式アカウントを持ち、自社の魅力を発信したり、説明会やインターンの案内を告知したりするといったケースです。


さとり世代は企業の情報収集の選択肢として、SNSを用いる場合もめずらしくありません。そのため、SNSに情報を掲載しておくことで、自社の存在を知ってもらえる機会は格段に広がるでしょう。


また、SNSはホームページなどと比べて、双方向のやりとりが行いやすいのも特徴です。その結果、自社に親しみを持ってもらえ、応募者数の増加なども期待できるようになります。


メールやLINEでの連絡

選考段階の連絡手段としては、従来と同じようにメールを用いる企業も多くあります。そのうえで、連絡の取りやすさなどを考慮して、LINEによるやりとりを導入している企業も増えています。


LINEの採用アカウントを開設すれば、応募者とのコンタクトや情報の管理が簡単に行えるため、採用担当者にとっても負担を軽減しやすいのがメリットです。


さとり世代の内定時のフォロー方法

続いて、さとり世代の内定者フォローで意識しておきたいポイントも見ていきましょう。


プライベートのオンオフを分ける

さとり世代は仕事とプライベートの区別がハッキリしているため、必要以上に私生活には踏み込むべきではありません。そのため、採用担当者や先輩従業員も両者のオンオフをきちんと分ける必要があります。


内定フォローの段階では、ほとんど信頼関係を築けていないため、たとえ雑談であっても休日の過ごし方や加増構成などについて踏み込むのは避けましょう。


オンライン座談会

デジタル機器に慣れているのに加えて、仕事に効率性を求めることから、さとり世代はオンラインによる打ち合わせにもそれほど抵抗はありません。むやみに自社へ足を運んでもらうよりも、内定フォローや研修などはオンラインのほうが好まれやすいといえるでしょう。


オンライン座談会を行う際には、チャット機能やアンケート機能なども活用して、意見や質問を投げかけやすい環境を整えるのもポイントです。


さとり世代入社教育時の注意点


最後に、さとり世代に対する入社後の接し方・教育方法について、特に注意したいポイントをご紹介します。


プレッシャーを与えすぎない

繰り返しにはなりますが、さとり世代は競争や出世よりも安定と調和を求める傾向が強いです。それだけに、たとえ成長のためであっても、過度なプレッシャーを与えるのは逆効果になるケースが多いです。


まずは目の前の課題を着実にこなしてもらいながら、じっくりと自信をつけていってもらうほうが、長期的には人材育成が成功しやすくなるといえるでしょう。


指示・命令は避け提案する

さとり世代は他者を否定することに強い抵抗感を覚える一方、価値観や意見の押しつけにも嫌悪感を抱いてしまいます。指示に対しては忠実に従う傾向にありますが、頭ごなしに命令されたり、業務に関係のない価値観を押し付けられたりすることは嫌うのです。


そのため、基本的には強い命令口調を用いるよりも、「わかりやすく筋の通った指示」や「提案」をベースにコミュニケーションを図ることが大切です。


さとり世代それぞれの個性を理解する

さとり世代は仕事に対して自己実現やワークライフバランスを求める傾向があり、従来と比べて価値観が多様化しているのも特徴です。「しっかり働いて高い給与を得る」という目的だけでなく、「環境問題の解決に助力する」「社会貢献をする」「仕事と子育てを両立させる」などのように、仕事や職場へ求める価値が複雑になっているのです。


また、さとり世代と一口にいっても、当然ながらそれぞれに異なる個性があり、なかには競争意識が高い従業員もいます。そのため、人材それぞれの個性をしっかりと理解し、柔軟に接していくのが理想といえるでしょう。


まとめ

さとり世代は、それまでの世代と比べて、現実的で安定した志向を持つのが特徴です。仕事においても、競争意識は低く、出世や大きな成功よりも調和や他者の尊重を重んじる傾向にあるのです。


一方、デジタルネイティブであることから情報処理能力は高く、効率的に仕事を進められるのは強みといえるでしょう。さらに、自己実現や社会貢献に対する意識は、それまでの世代以上に高い面もあります。


企業が力強い組織を構築するうえでは、「さとり世代の人材をどのように活かしていくか」が大きなテーマとなります。そこで活用したいのが、「タレントマネジメントシステム」です。


タレントマネジメントシステムとは、人材の能力やスキルを最大限に発揮してもらうために、人材データを集約・一元管理して、高度な意思決定を可能にするシステムをいいます。人材一人ひとりのスキルや保有資格、経歴などのデータをもとに、計画的な人材育成や高度な配置戦略を練るために活用できます。


また、タレントマネジメントシステムである『タレントパレット』は、データに基づいた科学的な人事を実現するためのシステムです。あらゆる人事データを蓄積・統合することにより、精度の高い分析を行えるので、「従業員の個性に合った育成アプローチを実現したい」「さとり世代に合った採用システムを整えたい」という方は、ぜひタレントパレットをご活用ください。


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