【企業向け】ストレスコーピングとは?種類や実践方法を解説


【企業向け】ストレスコーピングとは?種類や実践方法を解説

今や、企業において、従業員のメンタルケアは必須と言える時代です。本記事では、従業員のストレスケアに役立つ「ストレスコーピング」の基礎知識や具体的な実践方法を詳しく解説します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

今や、企業において、従業員のメンタルケアは必須と言える時代です。本記事では、従業員のストレスケアに役立つ「ストレスコーピング」の基礎知識と具体的な実践方法を詳しく解説します。

ストレスコーピングとは

ストレスコーピングとは、ストレス管理方法の一つでストレスへの対処方法を理論化し、気持ちを整理することでストレスを和らげる手法です。私たちは、日常生活や仕事においてストレスから完全に逃れることはできません。だからこそ、ストレスをコントロールし、上手に付き合って行くことが大切です。本章ではストレスコーピングの基本的な概念と、実践におけるポイントについて解説します。

概要

ストレスコーピングは、1980年代にアメリカの心理学者リチャード・ラザルスによって提唱された概念です。ラザルスはストレスに対する人間の反応を研究しており、ストレスが人間の健康に与える影響について深く調べていました。

ラザルスの理論によれば、ストレスは単に外界からのプレッシャーや苦難というだけでなく、ストレスの要因(ストレッサー)に対する人間の評価や対処によって負荷が変動します。つまり、ストレスの原因が同じでも、それを受けた人の受け取り方によって、感じ方や影響力が大きく変わると考えられているのです。そこで重要になるのが、「ストレスにどう対処するのか」、すなわち「ストレスコーピング」という方法論です。

ストレスコーピングは3種類

ストレスコーピングは、大別すると3つの方法に分類されます。それぞれ異なるアプローチでストレスに対処するため、個人の性格や置かれた状況・ストレスの性質などにより、最適な方法の使い分けが必要です。以下では、ストレスコーピングの3つの方法について、詳しく解説します。

1:問題焦点コーピング
問題焦点コーピングは、ストレスの原因となる​ストレッサーそのものに直接働きかけ、ストレスに対処するという方法です。具体的には、職場の人間関係で悩んでいる場合、話し合いやその他の手段で、直接人間関係を改善しようとするアプローチが該当します。問題焦点コーピングは、自分の力でストレッサーをコントロールできる状況において有効です。

2:情動焦点コーピング
情動焦点コーピングは、ストレッサーそのものに働きかけるのではなく、ストレッサーに対する自分の考え方や感じ方を変化させるという方法です。たとえば、自分の力量を上回る仕事を与えられたことがストレッサーになる場合、与えられた仕事を重圧と捉えずに、自分に対する期待や試練だと考えることが情動焦点コーピングと言えます。自分の力では変えられない外界のストレッサーに対して、内面の情動を変化させることによってストレスに対処します。

3:ストレス解消型コーピング
ストレス解消型コーピングは、ストレスの原因を取り除いたり考え方を変えたりせず、感じたストレスを発散させるタイプの対処法です。具体的には、スポーツにより汗を流したり趣味に没頭したり、楽しくお酒を飲んだりといった方法が該当します。この方法は、短期的なストレスや、一時的な忙しさなどに有効です。ストレスコーピングという概念を知らずとも、多くの人が無意識に行っているストレス解消法でもあります。

適切なストレスコーピングは3つのポイントを守ろう


ストレスコーピングを適切に行うことで、メンタルヘルスの維持に貢献し、ひいては仕事での生産性を向上させます。ただし、実践のためには正しい方法とポイントを理解しておくことが非常に重要です。

ストレスコーピングを実践するには、行う本人が、自身がどのような状況にあるのか客観的に理解し、自ら適切なストレス対策を選択・実行する必要があります。以下ではストレスコーピングを適切に行うための3つのポイントを見ていきましょう。

1:現状を客観視する

ストレスを適切に管理するためには、自分が置かれている現状を冷静に客観視することが大切です。まずは、ストレスを抱える本人がどのような問題や困難に直面しているのかを明らかにし、それが自分の精神や肉体にどのような影響を与えているのかを理解する必要があります。

現状を客観的に分析した結果、ストレスの原因や対処の仕方が明確になります。たとえば、業務でのプレッシャーが自分にとってのストレッサーだと気づいたなら、時間管理や優先順位づけなどを、ストレスへの対策を立てることにつながるでしょう。

2:主体的に実施する

感情やストレス反応をコントロールするには、自己の行動や感情を制御し、問題解決能力を向上しようとする意思が求められます。

他人や環境に頼るのではなく、自分自身で対策を実行することで、自己効力感も高まり、ストレス耐性も向上するでしょう。また、主体的な対応ができるようになると新たなストレッサーが現れても的確かつ迅速に対処できるようになります。

3:たくさんの選択肢を持っておく

ストレスに対処する方法をたくさん持っておくのもストレスコーピングの重要な考え方です。ストレスに対処する方法は人によっても状況によっても異なります。

自分にとって効果的なストレスコーピングが何かを見つけるためにも、様々な選択肢を試し、たくさんの方法をストックしておきましょう。ある方法がうまくいかなかったとしても、他の選択肢を試すことで新たな解決策になる可能性は大いにあります。

ストレスコーピングだけで終わらない、あらゆる人事データを統合して分析

従業員のストレスケアに役立つ「ストレスコーピング」。適切に行うことでメンタルヘルスの維持と仕事の生産性向上が望めます。タレントパレットには、仕事のストレス軽減につながるさまざまな機能が備わっています。この機会に活用を検討してみましょう。

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企業でストレスコーピングを導入するためのポイントは4つ


ストレススコーピングには、ストレスを抱える本人の自覚と能動的な対応が必要不可欠です。企業がストレスコーピングを導入する際は、従業員のストレススコーピングをサポートする4つのポイントを押さえておき​​ましょう。

1:カウンセリング窓口

カウンセリング窓口の設置は、多くの企業で導入実績がある効果的な方法です。ストレスの感じ方は人それぞれで、誰にも当てはまる解決策はありません。専門的なカウンセリングを通じて、ストレスの度合いや原因を正しく理解することが、適切な対策への第一歩となります。

従業員が安心して自分の感情を発露できる場を提供することで、ストレス問題の予防や早期発見にもつながるでしょう。

2:職場の環境を見直す

労働と休息のバランスや快適な作業環境や正当な評価制度など、職場環境は従業員のストレスレベルに密接に関係しています。ストレスコーピングを導入する場合、職場環境の見直しは必須事項と言えるでしょう。

職場環境の見直しや改善を実施すると、ストレスを生み出しにくい仕組みが構築できます。業務の効率化や合理化、コミュニケーションの円滑化などを実現することで、環境的要因のストレスが減れば、従業員の士気も上がり、組織全体の活性化にもつながるでしょう。

3:研修会の実施

ストレスコーピングに関する研修会の実施も大切なポイントです。

ストレスは、気づかないうちにたまっているものです。ストレス対策は、限界が来るまでその重要性に気づきにくいため、産業カウンセラーやメンタルヘルスカウンセラーなど、専門家の研修会を実施することで、従業員のストレス対策への意識を高めることができるでしょう。

社内に意識が浸透すれば、ストレスコーピングの重要性が正しく伝わるでしょう。また、リラクゼーション法やマインドフルネスなど、具体的なテクニックも身につけられます。

4:メンター制度の導入

ストレスコーピングを適切に行うには、メンター制度の導入も有効です。メンター制度とは、経験豊富な社員が指導役となり新人や若手社員に対して業務遂行や職場の人間関係に関するサポートを提供する制度です。

新入社員や若手社員の多くは、不慣れな職場環境で多大なストレスを感じています。頼れるメンターの存在は、ストレスコーピングの視点からも非常に有効と考えられるでしょう。

まとめ

本記事では企業におけるメンタルヘルス対策の重要性とストレスコーピングの具体的な方法について解説しました。企業でのストレスコーピング実践には、カウンセリング窓口の設置やメンターの育成など、いくつかのポイントがあります。そこでおすすめなのが、あらゆる人事システムのデータを統合して分析できるタレントパレットの導入です。ストレスコーピングを適切に実施するためにタレントパレットの導入をぜひご検討ください。

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