従業員に対するキャリアサポートとは?実施する必要性やメリットについて解説


従業員に対するキャリアサポートとは?実施する必要性やメリットについて解説

キャリアサポートとは、個人のキャリア形成を企業が支援する活動のことを指します。多様な働き方があるなか、希望に合わせて働き方を柔軟に変えていくことが重要です。今回は、企業が行うべきキャリアサポートとは何か、実施すべき理由やメリットについて説明します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

キャリアサポートとは、従業員一人ひとりに合わせたキャリア形成を企業が支援する活動です。多様な働き方が広まる現代において、社内で一定のキャリアパスを描くだけでなく、従業員の希望に合わせて柔軟に変えていく姿勢が求められるようになりました。

ここでは、企業が行うべき従業員に対するキャリアサポートとは何か、実施すべき理由やメリットについて解説していきます。キャリアサポートを進めたいとお考えの人事担当者の人は、本記事を参考にしてみてください。

従業員に対するキャリアサポートとは


人生100年時代の生き方が問われる今、職業人生の長期化や働き方の多様化など、労働環境が変化しています。こうした変化に合わせて、一人ひとりが自身のキャリアプランを立て、自主的にキャリアアップを図る姿勢や、その能力を発揮できる環境を整えることが重要です。

変化の大きい時代に合わせて企業が成長できるように、企業側も従業員のキャリアサポートを行うことが増えてきました。

キャリアサポートとは、従業員の価値観や希望する働き方、将来についてヒアリングし、個人のキャリア形成をサポートする活動のことです。キャリアについて抱える悩みを聞き、適性を判断して、望ましい職業や自分らしく生き生きと働ける仕事を見つけていきます。

個人の適正のある職務や希望する場所で働けることによって、仕事に対するモチベーションも向上し、無理なく長期的に働けるでしょう。従業員に健やかな職場環境を提供することで、今後のビジネスの成長が見込まれるため、キャリアサポートは企業にとっても必要な活動です。

キャリアサポートの必要性について

従業員のキャリア形成を支援するキャリアサポートは、ビジネスの成長に重要な活動です。特に近年の社会情勢から見ても、キャリアサポートの必要性が高いといえます。

以下で、キャリアサポートの必要性について2つの観点から解説していきます。

働き方が多様化している

これまでの働き方として主流だったのは、「新卒で入った会社で定年まで働く」というものでした。しかし、近年では転職が一般的になり、育児や介護と両立しながら働きたい、自分の好きな時間・場所で働きたい、複数の仕事をしたいなど、労働者のニーズが多様化しています。

このような社会情勢のなかで、自社にいる従業員も自分に合った働き方を考え、選択し、自律的にキャリア形成をすることを求められています。

また、企業側も状況に合わせた対策が必要です。働きやすい職場環境を整えることで、今までより力を発揮したり、成長意欲が増したりする従業員が多くなります。

従業員に対して、キャリア形成を考える機会を提供し、企業が協力的に支援してくれるキャリアサポートは、従業員からもよい反応が得られるでしょう。働き方についての悩みを解消して意欲的に日々の業務に取り組めたり、企業に対する信頼の向上や帰属意識を促したりできるきっかけになります。

少子高齢化により優秀な人材が不足している
日本では今後、少子高齢化によって労働人口が減り、優秀な人材が定年を迎え、業務がうまく回らなくなる可能性が懸念されています。

どの業界でも人手不足が加速していくと予想されているため、それに対する対策が必要です。すでにITや医療・介護、建築、観光業界などでは労働力が足りておらず、求人倍率も年々下がっています。

近い将来に起こる人手不足に対応するため、企業はさまざまな働き方を検討し、従業員それぞれが長く働けるような制度を準備しておくことが大切です。そのためにも、キャリアサポートを行う過程で働きやすさについて従業員と話し合うことの必要性は高まります。

従業員のキャリアサポートを行うメリット
働き方が多様化し、労働力不足問題も顕在するなか、企業は従業員のキャリア形成をサポートし、働きやすい会社にしていく必要があります。
ここでは、企業が従業員のキャリアサポートを行ううえで考えられるメリットについて4つ紹介します。

意識が向上して生産性が向上する
従業員がキャリアプランを考えることでモチベーションが上がり、仕事に対して主体的に取り組むようになります。そのため、事業の生産性向上につながるでしょう。

さまざまな働き方が選べる現代では、従業員自身が自らの働き方について見直し、目標を持って主体的に取り組むことが大切です。また、キャリア形成を明確にすることで、自己理解が深まり、自信にもつながります。キャリア形成をするうえでは、他者からのアドバイスや支援を受けることが効果的です。

キャリアの目標達成までのロードマップを描き、達成までの支援を会社が積極的に行うとなれば、従業員も迷いなく目標に向かって努力できるでしょう。目標を持って日々の業務に取り組むことで、マンネリ化せず日々を前向きに過ごせることが期待できます。

自律した風土が形成される
自ら考えて行動する従業員が増えることで、「指示待ち人間」が減り、管理職の負担が軽減するでしょう。新しいアイデアや業務改善などの効果も見込めます。

テクノロジーの進歩が目覚ましく、ビジネスの展開も常に変革を起こして走り続けることが求められている社会では、働く従業員一人ひとりの自立性が重要視されています。指示を受けてから業務に取り組むのでは遅く、時代を先読みして変化に対応できる人材が必要です。

そのためにも、日々の業務がマンネリ化しないよう意欲的に取り組んでいけるかどうかが重要となります。企業がキャリアサポートを行うことで、仕事に目的意識を持って従事できる人が増えるでしょう。

離職率が低下する
キャリア形成を企業の費用負担でサポートできるのは、従業員にとっても大きなメリットです。従業員が企業に対しての愛着や貢献の意志をより深めることができ、離職率が低下します。

キャリアサポートを積極的に行う企業は、信頼性が高く魅力的です。新しいキャリアを築きたいと思っている従業員にとって、社内で挑戦できる環境があれば、転職の必要がなく新たな挑戦ができるよい機会となります。自社で働き続けたいと思う従業員が増えることで、事業の安定や業績の向上にもつながるでしょう。

また、キャリアサポートにより長期的なキャリアパスが明確になることで、希望するキャリアに向かって着実にスキルアップできます。モチベーションを保ちながら仕事に取り組めるため、日々の仕事を意味のあるものにすることができるでしょう。

企業としての魅力が高まる
従業員に対して、自身のキャリアと向き合っていくことを促す姿勢は、企業としての魅力が高まるものでもあります。自分自身について考える機会を企業側から従業員に与えると、企業に対する信頼感が増し、帰属意識が芽生えることにもつながります。

また、採用時の求人情報や広告でキャリアサポートを行っていることをアピールしたり、リファラル採用を実施したりなどが可能です。これにより、キャリアアップの意思がある有力な候補者が入社する可能性があります。

自分でキャリア形成を行うことが求められる現代社会で、キャリア形成の支援をする企業は、魅力的でそこに就職したいと考える人は多いでしょう。

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従業員のキャリアサポートを行う際の注意点
キャリアサポートは、従業員のモチベーションを高め、企業を発展させるためにも重要な要素です。実際にキャリアサポートを行っていく場合には、どのような点に注意すればよいのでしょうか。
以下で、キャリアサポートを実施する際の注意点を4つ紹介します。

従業員が主体であることを認識する
キャリアサポートにおいて企業側は、「こういう人材が必要だから、この能力を伸ばそう」といった企業目線でサポートしないようにすることが重要です。あくまで従業員が目的意識を持って自発的に取り組めることをサポートしましょう。

キャリアサポートの目的は、従業員が自ら能力開発を行い、モチベーション高く日々の業務を行えるようになることです。しかし、「新たな事業のために、海外に精通した人材を育てたい」「社内のIT化を進めるために、IT人材を今から増やそう」など、企業の計画のために必要な人材も出てくるでしょう。

必要な人材が社内で育成できればよいですが、会社の意向を強制された従業員は「会社にいわれたから勉強します」といったように、消極的な姿勢を見せていく可能性があります。

キャリア開発は自分自身で取り組まなくては意味がありません。成長できる環境を整えることは重要ですが、企業は従業員に強いる姿勢ではなく協力する姿勢を心がけましょう。

従業員の属性に適したサポートを行う
従業員すべてに同じ育成計画を用意することは効果的ではありません。企業が用意したプランに該当しない従業員もいます。キャリアサポートを行う際には、従業員の年齢や役職などに応じた細かな支援が必要です。

例えば、新卒3年目の従業員と10年目の従業とでは、取り組んでいる業務内容も将来に対する視座も異なります。職種によっても、営業職と技術職では積み上げていくべきキャリアステップが変わるでしょう。そのため、従業員一人ひとりに合わせたキャリア形成を行えるように、サポートしていくことが重要です。

また、それぞれの立場のモデルケースとなるキャリアプランはいくつか存在します。企業側がフレームワークを用意するのではなく、従業員が自分の意思で選び取れるようにすれば、従業員にとって満足のいくキャリアサポートを提供できるでしょう。

幅広いキャリア形成に精通したキャリアプランナーが支援できる環境があると最適です。

キャリアについての相談ができる窓口を作る
キャリアに対する不安や悩みを持った従業員が気軽に相談できる窓口が必要です。具体的には、キャリアコンサルタントといわれる国家資格を有した窓口があるとよいでしょう。

自ら具体的な目標を持って進んでいける従業員もいますが、なかには「目標をどうやって立てたらいいかわからない」「目標に向かって何をすればいいのかわからない」といったような悩みを抱えている従業員もいます。こうした悩みに対して、的確にアドバイスができるキャリアコンサルタントがいるとスムーズにキャリア形成を行うことが可能です。

キャリアコンサルタントとは、職業選択や能力開発について相談・アドバイスができる専門職のことで、国家資格を有しています。専門家に依頼することで、公正な目線での助言が期待できるため、社内の人に相談するよりも安心して指導を受けられるでしょう。

近年では、キャリア相談窓口を設置する企業も増えてきています。キャリアコンサルタントに依頼できない場合は、先輩社員が後輩社員を指導するメンター制度も効果的です。

従業員との信頼関係を構築する
キャリアサポートを実施していても、従業員とのよい信頼関係を築いていなければサポートができません。企業は、従業員一人ひとりについて把握することが大切です。

「この会社で長く働き続ける未来が見えない」「この会社ではやりたいことができない」と感じている従業員は、自社でキャリア形成を行うまでもなく離職してしまう可能性があります。まずはキャリア面談で、従業員が普段どのようなことを考えて仕事を行っているのか、将来像や目標などを気軽に話せる場を作ることが必要です。

キャリア面談により従業員は、企業に対して信頼感を置くようになり、企業側は適切な方向に経営の舵を切ることができます。実際に働く現場の人と意思疎通を行い、それぞれのキャリアに合わせて実現できる方向性を考えることが重要です。

キャリアサポートの具体例
具体的にキャリアサポートを行う時期は、入社して3年目、6年目や、35歳、45歳などのタイミングが一般的です。キャリアの転換期にある従業員を対象に、キャリアマネジメントの研修を実施します。

3年目、6年目はキャリアに対するモチベーションが高い一方で、知識や経験は浅く、キャリアの発展途上にある年齢です。周りとの実力差を感じたり、失敗により意欲が下がってしまったりなど、困難な課題に向き合う時期でもあります。この時期に、再度自身のキャリアプランを確認することで、目標を持って壁を乗り越えていける可能性が高まるでしょう。

35歳ごろは複数の役割をこなしたり、マネジメントなど責任のある仕事を任されたりする年齢です。新たな挑戦として、転職や独立などを考える時期でもあり、適切に企業側がポジションを用意したり、さらなる成長機会を促したりすることで大きな戦力となる可能性があります。

社歴も長く豊富な経験を持つ45歳ごろの従業員は、日々の業務もマンネリ化し定年までのモチベーションが下がっていく年齢です。「自社のことはわかっているだろう」といってフォローを怠らず、一人ひとりに合わせたキャリアサポートを行いましょう。

このように、それぞれの年代に合わせて適切にキャリアサポートを行うことが大切です。

まとめ


従業員のモチベーション維持や帰属意識の向上のために、企業がキャリアサポートを行うことは有効に働きます。実際にキャリアサポートを行うときには、従業員の主体性を尊重し、それぞれの特性に合わせたキャリアサポートを行うことが重要です。

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