非正規雇用割合の推移と男女差は?都道府県別では違いはあるの?


非正規雇用割合の推移と男女差は?都道府県別では違いはあるの?

非正規雇用は正規雇用と比べて、雇用期間に定めがあり、待遇面でも違いがあります。今回は、非正規雇用割合がどのように変化しているのかの推移や都道府県別の違いなどを解説します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


非正規雇用は正規雇用と比べて、雇用期間に定めがあり、待遇面でも違いがあります。また、非正規雇用の割合は業種や職種、性別、エリアによっても異なります。


この記事では、非正規雇用割合がどのように変化しているのかの推移や都道府県別の違いなどを解説します。


非正規雇用とは

非正規雇用とは、派遣社員・契約社員・アルバイト・パートタイマーのように、あらかじめ定められた期間に限って働く雇用契約を指します。無期雇用契約である正規雇用と対比される言葉であり、雇用期間や給与、労働時間などに違いがあります。


日本における非正規雇用は増加傾向にありましたが、コロナ禍の影響で近年では減少に転じている様子も見られます。一方で、働き方に対する価値観の多様化から、業種や職種によっては非正規雇用の割合が多いのも特徴です。


性別・年齢・都道府県別の非正規雇用割合の違いは?

非正規雇用の割合は、性別・年齢・学歴・都道府県などで違いがあります。どのような違いがあるのかを見ていきましょう。


男女別にみる非正規雇用割合

内閣府男女共同参画局が公表している「男女共同参画白書 令和4年版 正規雇用労働者と非正規雇用労働者数の推移(男女別)」によれば、非正規雇用労働者の割合は男女共に1994年ごろから緩やかな増加傾向にありましたが、2020年と2021年はコロナ禍の影響があり、減少に転じています。


2021年の非正規労働者数は2,065万人であり、男性652万人(21.8%)、女性1,413万人(53.6%)です。全体の割合で男女比に違いが見られるのは、女性のほうが妊娠・出産・育児といったライフイベントがあるため、キャリアを継続しづらい傾向があるものと予測されます。


年齢別にみる非正規雇用割合

次に、年齢別の非正規雇用の割合を見ていきます。厚生労働省が公表している「非正規雇用の現状と課題」という資料では、2022年の統計結果として以下のようになっています。

年齢別の非正規雇用労働者数と割合

年齢

非正規雇用労働者数

割合

15~24歳

267万人

12.7%

25~34歳

233万人

11.1%

35~44歳

322万人

15.3%

45~54歳

437万人

20.8%

55~64歳

439万人

20.9%

65歳以上

405万人

19.3%

出典:【厚生労働省】「非正規雇用の現状と課題」

年齢別では、45~64歳が全体の41.7%となっています。若年層では割合が低く、中高年層の割合が高くなっている傾向がわかります。また、65歳以上の非正規雇用労働者の割合が増加しているのも特徴です。


学歴別にみる非正規雇用割合

厚生労働省が公表している「就業形態の多様化に関する総合実態調査結果の概況」によれば、学歴別の非正規雇用の割合は次のとおりです。

学歴別の非正規雇用割合

就業形態

中学・旧小学

高校・旧中学

専修学校

(専門課程)

高専・短大

大学・大学院

正社員

2.4%

42.2%

7.6%

13.4%

31.8%

非正社員

7.2%

55.8%

9.0%

12.1%

13.1%

契約社員

5.6%

37.7%

13.7%

13.0%

27.6%

嘱託社員

19.0%

53.2%

5.4%

4.3%

16.6%

出向社員

3.6%

42.8%

5.5%

6.7%

39.3%

派遣労働者

2.9%

35.8%

11.1%

23.7%

23.6%

臨時的雇用者

20.6%

48.1%

5.1%

4.5%

18.6%

パートタイム労働者

6.3%

61.0%

8.9%

12.2%

8.5%

出典:【厚生労働省】「就業形態の多様化に関する総合実態調査結果の概況」

上記の結果からわかることは、高校・旧中学卒は正規雇用と非正規雇用の割合がどちらも高く、大学・大学院卒では正規雇用の割合が高い一方で、非正規雇用のそれほど高くない傾向が見られます。


また、大学・大学院卒と中学・高校卒の差は、女性のほうが顕著だといえます。ただし、年齢が高くなるにつれて、学歴に関係なく非正規雇用率が高くなっている傾向も見られます。


都道府県別にみる非正規雇用割合

総務省統計局が公表している「平成29年 就業構造基本調査」によれば、都道府県別の非正規職員・従業員の割合は以下のとおりです。

都道府県別の非正規雇用割合

都道府県名

非正規職員・従業員の割合

沖縄県

43.07%

京都府

42.47%

奈良県

41.10%

山梨県

40.80%

北海道

40.64%

滋賀県

40.63%

大阪府

40.30%

鹿児島県

40.26%

埼玉県

40.12%

福岡県

40.01%

全国平均

39.73%

出典:【総務省統計局】「平成29年 就業構造基本調査」

上位のものから並べた結果を見ると、47都道府県のうち10番目までは非正規職員・従業員の割合が40%を超えていることがわかります。全国平均でも39.73%なので、割合としては高い傾向が見られるでしょう。


非正規雇用割合はどのように推移している?

非正規雇用について、総務省統計局が公表している「労働力調査」(2022年4~6月)によれば、非正規職員・従業員は2,084万人となっており、前期と比べて15万人増加しています。割合で見ると、労働者全体に占める非正規職員・従業員の割合は36.6%で、2期ぶりの低下となっている傾向がわかります。


不本意非正規雇用割合が減っている理由は?

不本意非正規雇用労働者とは、非正規雇用労働者であり、現職についた主な理由が「正規の職員・従業員の仕事がないから」と回答した人を指します。近年この割合が減少しているのは、正規の職員・従業員の割合が増加傾向にあり、不本意非正規雇用の割合が低下しているものと予測されます。


若年層の考え方が変わってきている

労働市場に変化が起こっている要因の1つとして、若年層の働き方に対する考え方が変わってきていることが影響しています。終身雇用制度を維持する企業が減ってきており、若年層も1つの会社で働き続けることにこだわりを持つ人の割合が減少傾向にあります。


転職や副業に対して、従来よりも取り組みやすい環境が整ってきており、多様な働き方を尊重している部分があるといえるでしょう。また、若年層の考え方の傾向として、「自由に働きたい」「就業時間に縛られたくない」「家事や育児、介護との両立が可能だから」といった理由も増えています。


高齢者が増加している

日本は少子高齢社会であり、労働人口は減少傾向にありますが、高齢者は年々増加傾向にあるといえます。先に述べたように、非正規労働者として働く65歳以上の割合は増えており、逆に若年層の割合は減ってきています。


企業においても、人手不足を補うために高齢者の採用や再雇用を積極的に取り組むところが多くなっているといえるでしょう。


世界にみる非正規雇用割合は?

非正規雇用労働者の割合は、国によっても違いがあります。諸外国の割合について見ていきましょう。


アメリカ

アメリカでは、全労働者の約34%が不安定雇用で働いています。アメリカでは正規雇用と非正規雇用の区別がなく、フルタイムとパートタイムの区分のみとなっているのが特徴です。


イギリス

イギリスは移民問題を抱えており、また高齢社会に突入しているため、労働力の確保が大きな課題となっています。ヨーロッパでは、オランダに次いで非正規雇用の割合が高いという特徴があります。


イタリア

イタリアでは200万人強の雇用者増となっていますが、約70万人がパートタイマーです。非典型労働による女性の割合は、約70%となっているのが特徴です。


フランス

フランスの正規雇用は、約90%を占めています。無期限雇用と有期限雇用の2つの雇用形態がありますが、どちらの雇用契約であっても、フルタイムとパートタイムの働き方が設けられています。


しかし、労働条件の見直しがあり、有期限雇用の場合は手当がつくなどの改善が行われました。


ドイツ

ドイツでは雇用の多様化が問題視されており、無期限雇用の失業問題よりも、有期限雇用の就業といった考え方のほうが優先されています。そのなかでも、軽微雇用の拡大が社会的な問題となっているのが特徴です。


カナダ

カナダでは、初職就業形態から現在の就業形態を比べても、正規雇用率は安定している傾向が見られます。むしろ、正規雇用割合のほうが男女共に伸びていることがわかります。


非正規雇用を雇うメリットとデメリット

非正規雇用で従業員を企業が雇うときには、メリットと同時にデメリットも考えておく必要があります。それぞれのポイントを解説します。


メリット

非正規雇用の従業員を雇用するメリットは、人件費の抑制ができる点があげられます。繁忙期など企業にとって必要な時期だけ雇えるため、余分な人件費を支払わずに済むといったメリットがあるといえるでしょう。


また、即戦力となる人材を雇えるといった点もあります。自社のリソースが不足しているときに、専門知識や経験豊富な人を雇えれば、業務に余裕を持たせることができるでしょう。


デメリット

非正規雇用の従業員を雇用するデメリットは、人材育成を行うのがなかなか難しい点があげられます。正規雇用の従業員と比べて、雇用期間が短く、離職率も高い傾向があるので思うように教育する機会が作れないといえるでしょう。


また、重要な業務を任せづらいといった部分もデメリットです。適切なキャリア支援を行うなどして、人材の定着を図ることが大切だといえます。


非正規雇用の活用ポイント

非正規雇用の従業員に活き活きとした気持ちで働いてもらうには、いくつかのポイントを押さえておく必要があります。どのような点に気をつければよいかを解説します。


管理能力の強化

非正規雇用でも、正規雇用でも同じ企業に所属をしていれば、共通の目的意識を持って業務に取り組んでもらうことが大切です。そのためには、マネジメント力を強化していく必要があります。


企業が目指す目標と従業員の目標を擦り合わせるため、1on1ミーティングなどを通じて日頃からコミュニケーションをしっかりと取るようにしましょう。また、業務に関する適切なフォローやフィードバックを行うことで、業務に対するやりがいを感じてもらうことが大事です。


ITツールの活用

非正規雇用の従業員は、人によって出勤日が違っているので、ITツールを活用して人材データを一元化することが大切です。人事担当者や現場の責任者が連携をして、従業員の管理を行うことで、きめ細かなサポートを行えるようになるでしょう。


社内環境の整備

多様な働き方をサポートするためには、労働環境の整備が不可欠です。業務に関するマニュアルの整備や託児施設が利用できる環境を提供するなどして、業務に専念できる環境を整えてみましょう。


ミーティングなどを通じて、現場の従業員が何を求めているかを聞き、実現しやすいものから整えていくことが大事です。


まとめ

非正規雇用として働く従業員の割合は、日本全体では約40%となっています。企業にとっては欠かせない存在であり、継続的に働いてもらうには労務環境の整備や待遇面での改善が必要だといえます。


非正規雇用の従業員だけでなく、正規雇用の従業員も安心して働ける環境を整備するのに役立つのが、「タレントマネジメントシステム」です。タレントマネジメントシステムとは、人材の能力やスキルを最大限に発揮してもらうために、人材データを集約・一元管理して、高度な意思決定を可能にするシステムをいいます。


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