ロイヤリティの意味やメリットとは?基本的な概要と向上方法について解説


ロイヤリティの意味やメリットとは?基本的な概要と向上方法について解説

ビジネスシーンにおいて、「ロイヤリティ」を重視する風潮は高まりつつあります。それは人事部門でも同様であり、社員のロイヤリティを高めることは重要であるという認識が広まっているのです。
本記事ではロイヤリティの基本的な意味や、ロイヤリティを高めるメリット・方法などについて解説します。

ロイヤリティの基本的な意味とは

まずはロイヤリティという言葉の基本的な意味について、以下で解説します。

ロイヤリティ(Loyalty)は「忠誠心」や「愛着」などの意味を持つ

ロイヤリティ(Loyalty)とは、忠誠心や愛着などの意味を持つ言葉です。マーケティングの現場では自社ブランドに愛着を持ってもらい、「この会社の商品・サービスを使いたい」と顧客に思ってもらうための手段を指します。

顧客のロイヤリティを高めて、自社の商品・サービスを選択してもらう機会を増やすことが、企業にとって重要な施策となるでしょう。

ロイヤリティとロイヤルティの違いとは

ロイヤリティと似た言葉に、「ロイヤルティ」があります。以下では、ロイヤリティとロイヤルティの違いについて解説します。

ロイヤルティ(Royalty)の言葉の意味とは?

ロイヤルティ(Royalty)とは、気品や王位などを意味する言葉です。例えばアクセサリーや衣類などを評価する際に、「ロイヤルティのある〇〇」といった表現で使われることがあります。忠誠心や愛着を意味するロイヤリティとはまったく違う意味を持つ言葉であるため、使い方に注意が必要です。

ロイヤルティ(Royalty)には特許や著作権などの意味もある

ロイヤルティ(Royalty)をビジネス上で用いる際には、特許や著作権などの意味で使用されるのが一般的です。例えばフランチャイズ店が本部に商標や看板などの使用権を支払う対価を、ロイヤルティと呼びます。

ロイヤリティにはさまざまな種類がある

ロイヤリティはビジネスおよび企業内で使用される際には、さまざま種類があります。以下では、ロイヤリティの主な種類について解説します。

マーケティングで使用されるロイヤリティ

企業のマーケティング部門では、ブランドロイヤリティ、顧客ロイヤリティなどの種類があります。ブランドロイヤリティとは、特定のブランドに含まれる商品やサービスに対して好意を持つことを意味します。自社ブランドの一部に興味を持ってもらうための施策は、ブランドロイヤリティに分類されるでしょう。

一方で顧客ロイヤリティとは、企業全体に興味関心を持つことを指します。企業そのものに価値を見出してもらうことを目的にする場合、顧客ロイヤリティの向上を目指します。

人事で使用されるロイヤリティ

人事の分野においては、従業員ロイヤリティが多くの企業で重要視されています。従業員ロイヤリティとは、社員が会社に愛着・忠誠心・帰属意識などを持つことを意味します。

従業員ロイヤリティを高めることで、自社に貢献したいという思いが強くなるため、多くのメリットを組織に与えます。人事担当者は社員のロイヤリティを高める施策の考案・実施が、組織のポテンシャルを引き出すためのポイントになると考えられます。

人事におけるロイヤリティの重要性

人事部門においてロイヤリティは、重要性の高い要素として認識されています。以下では、人事部門でロイヤリティが重要視されている理由について解説します。

社員の働く意欲向上や理由の発見につながる

人事部門におけるロイヤリティは、社員の労働意欲を向上させることを目的とします。ロイヤリティの向上を進めることで、自然と自社で働く社員のモチベーションアップをサポート可能です。そのほか、社員が自社で働く理由の発見にもつながるため、社員と会社の関係性を良好なものにできる点もロイヤリティが重要視されている理由になります。

社員の離職を防ぐための環境づくりにもなる

社員のロイヤリティが低いと、会社への愛着や忠誠心が低下していると判断できます。その状態を放置していると、生産性の低下や離職の原因になることも懸念されるでしょう。自社で働きたいと自発的に思ってもらうためにロイヤリティを向上させることが、生産性の低下や離職といった損失を防ぐきっかけになり得るため、人事部門において重要視されているのです。

人事において従業員ロイヤリティを高めるメリット

人事において従業員のロイヤリティを高めることには、多くのメリットがあります。

従業員ロイヤリティの向上は顧客ロイヤリティの向上とつながる

従業員ロイヤリティを向上させると、社員が自社のアピールや営業を積極的かつ丁寧に行うようになります。結果的に顧客ロイヤリティも上昇し、企業の経営にプラスとなることが見込めるでしょう。従業員ロイヤリティの上昇=顧客ロイヤリティの上昇という2つの成果につながる点が、大きなメリットとして数えられます。

社員自らが課題の発見や解決に尽力してくれる

従業員ロイヤリティを向上させることで、社員が自発的に事業の課題発見や解決に取り組んでくれるようになります。社員それぞれが「会社のために何ができるのか」を考える風潮ができれば、生産性向上などのメリットにつながるでしょう。「指示待ち社員」を減らし、それぞれの社員が積極的に自分の考えで動ける組織を作るきっかけになります。

長期的な視点で人材育成プランを構築できる

従業員ロイヤリティを高めて離職の可能性を低下させることで、人事は長期的な育成プランを構築できるようになります。長い時間をかけて社員それぞれの能力を高められるため、自社に必要な人材としての成長を促せる点もメリットです。長期的な成長を前提とできれば、潜在能力を重視したポテンシャル採用なども実施しやすくなります。

リファラル採用の活発化が期待できる

従業員ロイヤリティを高められれば、リファラル採用の促進に期待できます。リファラル採用とは、自社の社員に知人や友人を新入社員として紹介してもらう採用制度です。従業員ロイヤリティの向上によって自社への愛着が高まると、「優秀な友人を招いて自社に貢献してほしい」という気持ちが強くなるため、リファラル採用での紹介が発生しやすくなります。

ロイヤリティを高める方法について

自社のロイヤリティを高めるためには、いくつかの方法があります。以下の方法を参考に、ロイヤリティを向上させる計画を立ててみてはいかがでしょうか。

ロイヤリティを高める方法1. インナーブランディングを推進する

社員のロイヤリティを高めるには、インナーブランディングの実施が有効です。インナーブランディングとは、社員に対して企業ブランドの価値や将来のビジョンを伝えて共有する施策を意味します。

インナーブランディングを実施することで社員は会社への理解を深め、ロイヤリティ向上につながるきっかけを作れます。研修や社内イベントの実施などを通して、インナーブランディングを推進する機会を設けるのがポイントです。

ロイヤリティを高める方法2. 人間関係をフォローする

社員同士の人間関係が劣悪な環境では、ロイヤリティは向上しにくくなります。そこで人事は可能な範囲で社員同士の人間関係をフォローし、会社での居心地を良くすることが役割となるでしょう。

レクリエーションの実施や匿名で相談を受け付ける窓口の設置などが、社員の人間関係をフォローする手法として考えられます。また、HRテクノロジーを用いたコミュニケーションシステムで、社員同士の交流を活発化・見える化させることも施策の1つです。

例えばプラスアルファ・コンサルティングが提供するタレントマネジメントシステムでは、「サンクスポイント機能」という社員同士の評価を見える化するシステムが導入されています。社員が感謝の気持ちをシステム上のポイントで贈りあうことが可能なため、エンゲージメント向上や積極的なコミュニケーションの活性化につなげられます。

ロイヤリティを高める方法3. 人事評価を正しく実施する

従業員のロイヤリティ向上には、正確な人事評価が不可欠です。人事評価に納得できないと、社員は人事部や会社に不満を持つ可能性が高まります。そのためロイヤリティ向上を目指す際には、まず人事評価の方法や制度を見直す必要があります。

成果だけでなくプロセスをきちんと評価したり、評価基準を明確にしたりして、人事評価を改めて整備する時間を作るのがポイントです。

ロイヤリティを高める際に注意すべきこと

社員のロイヤリティを高める際には、以下の注意点を把握しておくことも重要です。

ロイヤリティの向上には時間がかかる

社員のロイヤリティを高めるには、それなりの時間が必要です。短期間で会社への忠誠心を高めることは難しいため、時間をかけてそれぞれの社員に合わせた施策を実行することが重要となります。短期間で成果が出ないからと何度も方針転換をしたり、施策の内容を複数回見直したりしていると、結果的にロイヤリティが向上するまで余計に時間がかかってしまいます。

効果測定でロイヤリティの状況を可視化する

ロイヤリティを向上させる際には、効果測定を定期的に実施するのもポイントです。社員のロイヤリティが上昇しているのかを確認し、必要に応じて方針の修正や改善を進める必要があります。効果測定は1度だけでなく、期間を定めて繰り返し実施するのが基本です。

まとめ

企業にとって愛着や忠誠心を意味するロイヤリティは、社員の能力を開花させたり、離職を防いだりするための重要なポイントになります。現在抱えている課題が、ロイヤリティの向上によって改善することも考えられるでしょう。この機会にロイヤリティの基本とメリットを確認し、社員の意識を変えることを目標にしてみるのもおすすめです。