研修動画を制作するメリット・デメリット|動画の種類や制作方法も詳しく紹介


研修動画を制作するメリット・デメリット|動画の種類や制作方法も詳しく紹介

本記事では研修動画の種類やメリット・デメリット、制作方法について詳しく解説します。制作や運用のポイントも紹介していますので、これから研修動画を自社で運用したいと考えている方はぜひ参考にしてみてください。

研修動画は、人材育成の効率化やコスト削減につながるため、多くの企業が導入しています。


しかし「自社でも導入したいけど、制作方法がわからない」「本当に研修動画は意味があるのか」と考えている方も多いのではないでしょうか?


たしかに、従来の集合型研修とは仕様が大きく異なるため、動画による研修の経験がないとどのように取り組めばいいかわからず戸惑いますよね。


正しいステップで動画を制作しないと、研修内容の品質が下がってしまい、スキルや知識の定着率が低くなるため注意が必要です。


そこで本記事では研修動画のメリットやデメリット、制作方法について解説します。


効果的な研修動画を制作・運用するポイントを把握できますので、研修の映像化を検討している方はぜひ参考にしてみてください。


また、研修について詳しく知りたい方は、別記事「研修」をあわせてご確認ください。 


研修動画の種類3選


研修動画は、これまで集合型研修で行っていた内容を映像化したものです。サーバー上に研修動画をアップロードすることで、社員が時間や場所に縛られず視聴できるため、学習効率を高められます。


最近では、自社内でeラーニングを導入している企業も多く、新人社員研修やスキル研修など幅広く活用されています。


研修動画にはいくつか種類があり、代表的なものは以下の3つです。


  • セミナー型
  • マニュアル型
  • ドキュメンタリー型


それぞれの特徴について詳しく把握できますので、研修動画にどのようなタイプがあるかを知りたい方は、参考にしてみてください。


セミナー型


セミナー型は、集合型研修をそのまま映像化した研修動画のことです。講師が登壇して解説している姿を撮影、編集して動画を制作します。


オンライン研修を録画してアーカイブとして残し、繰り返し学習をできるようにしている企業も少なくありません。マナー講座や自社商品の紹介動画など、プレゼンテーション形式で行える講義でセミナー型はよく活用されてます。


比較的簡単に動画を制作でき、小分けして閲覧できるのが、セミナー型のメリットです。


事例:職場のハラスメント防止研修動画|RESUS社会保険労務士事務所

職場のハラスメント防止研修動画(アルバイト・新入社員・一般従業員・管理職など社内研修用)


マニュアル型


マニュアル型は、商品の製造方法や営業の手順など、実務に必要な内容を動画にしたものです。実務を始める前に新人社員に視聴してもらうことで、どのような段取りで業務を実施すればいいかを詳しく把握できます。


新人に作業を教える際に同じ内容を伝えられるため、作業ミスの防止や品質の均一化につなげられます。


事例:[レストランサービスの基本]接客8大用語|M&Sサービスパートナーズ

[レストランサービスの基本]接客8大用語


ドキュメンタリー型


ドキュメンタリー型は、研修内容をストーリー仕立てで解説する動画です。実務でよくある状況を紹介し、どのような行動を取ればいいかを解説します。


ストーリー形式の動画にすることで、内容をわかりやすく伝えられるのがメリットです。主に、企業理念や経営方針を浸透させる際に活用されています。


自社の社員が動画に出演することで、社員に対して親しみをもちやすくなる効果を与えられるので、エンゲージメントの向上にも効果的です。


事例:初級ビジネスマナー|日本経済新聞社

【日経DVD】初級ビジネスマナー(動画研修映像サンプル)


研修動画を制作するメリット5選


研修動画を制作するメリットとして、以下の5つがあります。


  • 短時間で受講できる
  • 研修内容の品質を均一化できる
  • 研修コストを抑えられる
  • 時間と場所の制約がなく学習できる
  • 反復学習により学習効果を高められる


研修動画のメリットを把握することで、自社で研修動画が必要かどうかを把握できるため、ぜひお読みください。


短時間で受講できる


研修動画は編集が可能なため、短時間で気軽に視聴できる動画を作成できます


講師の発言と発言の合間や研修内容と少し離れた話などをカットでき、必要な情報だけテンポよく伝えられる映像に仕上げられます。


動画の場合、1時間の工数が必要な研修を、内容ごとに区切って3~5分の研修にすることも可能です。研修を内容ごとに細分化すると、受講者は隙間時間を使って学習したり、気になるところだけ復習したりしやすくなり、知識の定着率を高められます。


研修内容の品質を均一化できる


動画研修ではどの受講者も動画で同じ内容を学習でき、均一化したスキルや知識を身につけられます


集合型研修の場合、講師のスキルによって教え方や教える内容にバラつきが生じ、受講者ごとに知識が偏ってしまうケースが少なくありません。研修動画は講師のスキルに左右されないため、研修で教えるべき内容を全員が確実に把握できるようになります。


知識やスキルに偏りがなくなるので、属人化の解消にもつなげられます。


研修コストを抑えられる


研修動画は動画制作費が発生しますが、長期的な視点では集合型研修よりも費用を抑えられます


集合型研修では、以下のような費用が発生します。


  • 研修会場のレンタル費
  • 講師の講演費
  • 受講者の交通費
  • 研修担当者の人件費


開催するたびに上記の費用が発生するため、経費の負担が大きくなりがちです。


研修動画を導入すると、一度制作したら何度でも繰り返し活用できるようになるため、集合型研修にかかる費用項目を削減できます。


受講者は自宅からでも視聴できるようになるため、移動時間の工数も抑えられます。


自社の社員が研修講師の場合は、毎回登壇する手間を省けるため、業務負担の軽減も可能です。


時間と場所の制約がなく学習できる


研修動画はネット環境さえあれば、時間・場所問わずに学習できます。社内にある自身のデスクや、出向先、自宅などからの受講が可能なため、参加へのハードルが低いです。


集合型研修の場合は受講のために時間を空けなければなりませんが、短時間で学習できる研修動画を導入したら業務予定に影響しづらくなり、気軽に受講できます。


反復学習により学習効果を高められる


集合型研修だと講義内容を1回しか見れませんが、動画研修では何度でも繰り返し閲覧できます。受講者が見返すことで、知識やスキルを身につけやすくなり、育成のスピードを高められます。


シークバーによって自分の学習したい内容だけを視聴でき、効率の良い学習が可能です。


人材不足に悩んでおり、新しく確保した人材を即戦力として活用したいと考えている方は、動画による研修がおすすめです。


研修動画を制作するデメリット3選


研修動画を制作するデメリットとして、以下の3点があります。


  • 動画の制作に手間やコストがかかる
  • リアルタイムで質問できない
  • 受講管理が難しい


研修動画の制作や運用でトラブルが起きないようにするためにも、デメリットをしっかり把握しておきましょう。


動画の制作に手間やコストがかかる


研修動画は制作するのに、さまざまなスキルが必要なため、手間やコストが発生します。学習効果の高い動画を制作するには、以下のようなスキルが必要です。


  • デザインスキル
  • 編集スキル
  • 画像・イラストの制作スキル
  • 撮影スキル


自社に制作スキルをもっている社員がいない場合、動画が仕上がるまでに長期間を要します


また、動画制作には以下のようなコストがかかります。


  • 撮影機材費(カメラ・証明・マイクなど)
  • 編集機材費(パソコンや周辺機器など)
  • 編集ソフトの費用
  • 動画制作の教育費
  • 動画編集スタッフの人件費


動画制作が長期間かかるほど人件費が膨れるため、コスト負担が大きくなりがちです。


動画制作を外注する方法もありますが、内製よりも高額になる場合があるため、見積を依頼してから制作方法を検討しましょう。


リアルタイムで質問できない


受講者が動画の内容で不明点や疑問点があった際、リアルタイムで質問できないことがデメリットです。質問できないため、わからないことをそのまま放置してしまい、研修効果が得られなくなる可能性があります。


リアルタイムで質問に回答するのは難しいですが、受講者がいつでも質問できるようチャットツールを取り入れて、講師や研修担当者とのコミュニケーションの場を作ることをおすすめします。


受講管理が難しい


研修動画の場合、誰がどのくらい動画を視聴したかを把握するのが難しいです。


進捗の管理方法として自己報告がありますが「本当に研修を受けたか」「研修の内容が身についたか」を判断するのが困難になります。エクセルで管理表を用いて受講状況を確認する方法も、入力ミスや入力忘れが発生するため、細心の注意が必要です。


研修の進捗状況を適切に管理したい方は、eラーニングシステムの導入を検討しましょう。eラーニングシステムは、研修動画の配信や受講の進捗管理などを効率的に行えるツールです。


動画を見終えた場合や研修内のテストに合格した際に自動的に受講完了のマークが付くようになり、受講者の進捗の把握が可能です。


eラーニングシステムのひとつとして弊社のタレントマネジメントシステム「タレントパレット」があります。タレントパレットでは、eラーニング教材の作成・管理はもちろんのこと、社員全員のスキルや能力を可視化できます。


人材の能力やスキルに関するデータから社員に向けておすすめの研修を推奨できるため、効率的な人材育成が可能です。


研修動画の進捗管理の適正化やeラーニングシステムの構築をしたいと考えている方は、下記からタレントパレットの資料請求をしてみてください。


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研修動画の制作手順


研修動画は、以下のような手順で制作します。


  • 研修テーマを決める
  • 動画の種類や本数を決める
  • 構成案を作成する
  • 素材を集める
  • 編集する


はじめて研修動画を制作する方にもわかりやすく解説しますので、ぜひ参考にしてみてください。


研修テーマを決める


はじめに自社に必要な研修テーマを明確にし、研修動画で達成したい目標を設定しましょう。研修の目標があいまいだと、何のスキルが身につく動画になるかわからなくなるためです。


以下のような観点から、研修動画を制作するかを決めます。


  • そもそも自社の課題が研修で解決できるのか
  • 動画だけで成立する研修か
  • どの社員が対象でどのレベルまでスキルを引き上げればいいのか


研修が本当に必要かどうかを把握するために、各部署に研修のニーズについて聞くことも大切です。研修テーマについて詳しく知りたい方は、別記事「研修テーマ」をあわせてご確認ください。


動画の種類や本数を決める


研修テーマに沿ってセミナー型やマニュアル型など、どの種類の動画にするかを具体的に決めます。内容に応じて、動画の内容が長くなる可能性があるため、カテゴリ別にして細かく分けましょう。


たとえば、マナー講座の研修動画を制作したい場合、以下のようにカテゴリを分けます。


  • 来客対応のマナー
  • 電話対応のマナー
  • 名刺交換のマナー


動画の時間が長いと集中力が切れやすいため、できるだけ短い動画を複数作りましょう。


構成案を作成する


構成案を作成し、企画内容や撮影・編集方法などを具体化します。受講者のターゲットや研修テーマに沿って教える内容や教える順番などを決めましょう。


構成案がある程度まとまったら、台本や絵コンテを作成します。絵コンテとは、動画の設計図のようなもので、以下のような内容を記載します。


  • 動画の流れ
  • 撮影の必要なシーン
  • 出演者の動き・セリフ
  • 必要な機材
  • 挿入する効果音やBGM、テロップ


チームで動画を制作する場合、全員が同じ方向性で動画を制作するための指針となるため、絵コンテは作成しましょう。


素材を集める


絵コンテに沿って必要な映像や資料、イラストなどを用意しましょう


ドキュメンタリー型やマニュアル型の研修動画の場合は、撮影に向けて以下の手配が必要です。


  • 撮影場所
  • 撮影機材
  • 出演者


セミナー型でも、社内の研修担当者に講師を依頼する場合は、撮影の許可を取ります。


高品質な映像を撮れるよう、照明や音質、手振れ補正などを意識して撮影しましょう。撮影前日までに明るさや音質、画質などを確認することをおすすめします。


編集する


集めた素材を用いて動画編集ソフトで動画を制作します。テンポのいい研修動画を制作するために、余分な映像をカットしましょう。


研修内容がわかりやすく伝わるよう、図やグラフを用いたり、重要な情報にはテロップを挿入したりすることをおすすめします。


資料だけを映すセミナー型の動画の場合は、音声でもナレーションを入れることで、より動画の内容をイメージしやすくなります。


最終調整を行い、問題がなかったら研修動画の制作は完了です。


研修動画の制作・運用ポイント4選


高品質な研修動画の制作や効果的な運用を行う方法として、以下の4点があります。


  • 受講者が能動的に動画を視聴できる工夫を作る
  • 研修動画の目的を周知する
  • 定期的に効果測定する
  • あとで編集しやすいように動画を制作する


研修動画による人材育成の効果を最大化するためにも、ぜひ参考にしてみてください。


受講者が能動的に動画を視聴できる工夫を作る


動画媒体の場合、受講者は受け身になりやすく、定着率が低くなる可能性があるため、能動的に動画を視聴できる工夫を作りましょう。


能動的に視聴する工夫として、考える時間を作ることをおすすめします。たとえば、動画の途中にクイズを設けたり、課題を出したりすることで受講者が集中して動画を見るようになります。


考えながら視聴することで研修内容が記憶に残りやすくなるため、学習効果を高めることが可能です。


研修動画の目的を周知する


研修動画を運用する前に、受講を促すために社内で周知しましょう。動画配信の目的や研修内容について解説することで、社員が研修動画の必要性を把握でき、やる気につなげられます。運用方法も伝え、どのように学習してほしいかを伝えることで、スムーズな運用が可能です。


eラーニングシステムを導入した際は、操作方法を教える機会も作り、全員が使えるようにしましょう。


定期的に効果測定する


動画の効果があったかどうかを確かめるために、研修後の振り返りを実施し、効果があったかどうかを確認しましょう


振り返りの方法として、以下のようなものがあります。


  • アンケート
  • テスト
  • レポートの提出
  • プレゼン
  • 受講者インタビュー


上記の方法で研修の理解度や研修後の活用方法について確認し、良かった点や改善点を把握します。


研修の振り返りについて詳しく知りたい方は、別記事「研修振り返り」をあわせてご確認ください。


あとで編集しやすいように動画を制作する


研修内容をすぐにアップデートできるよう、あとで編集しやすいようにしましょう


複雑な構成や装飾をせず、スライドショーのようなシンプルな動画にすることで、再編集が簡単になります。スライドの入れ替えやナレーションの挿入で済むため、動画編集の経験が少ない人でも対応が可能です。


動画を制作した担当者が退職や人事異動をしても、同じようなテイストで再編集できるようなレベルに落とし込むことをおすすめします。


研修動画を制作して人材育成を効率化しよう


研修動画はコスト削減や学習効率の向上などの効果があります。目的や目標を決めて研修動画を制作し、人材育成のスピードを高めましょう。


ただし、研修動画には、受講管理が難しいというデメリットもあるので、注意が必要です。


研修動画の運用に不安のある方は、タレントマネジメントシステムやeラーニングシステムの導入も検討してみてください。


弊社のタレントマネジメントシステム「タレントパレット」は、人材管理だけでなく、eラーニングシステムの構築が可能です。研修の進捗管理や人材一人ひとりに最適な研修の提案などができ、人材育成をより効率的にできます。


弊社ではタレントパレットの資料を無料で配布しています。下記リンクから資料請求ができますので、研修動画の運用に成功したい方は、お気軽にお問い合わせください。


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