ウェルビーイングの概要
そもそもウェルビーイングとは何なのでしょうか。ここでは、ウェルビーイングの概要やウェルフェアとの違いを解説します。
ウェルビーイングの意味と関連指標|必要性や3つのメリット、導入方法を紹介
ウェルビーイングの定義
ウェルビーイングとは、Well(よい)とbeing(状態)を組み合わせた言葉です。瞬間的な幸福ではなく、身体的・精神的・社会的に良い状態にあることを表す概念として知られています。ウェルビーイングについて考える際によく引用されるものとして、世界保健機関(WHO)憲章があります。世界保健機関(WHO)憲章の前文は、以下のとおりです。
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Health is a state of complete physical, mental and social well-being and not merely the absence of disease or infirmity.
健康とは、病気ではないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが 満たされた状態にあることをいいます。
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ウェルビーイングでは、本人がどう思っているかが重要です。他人から見て、身体的・精神的・社会的に健康だが、本人には自覚がない、満たされていないというケースもあるでしょう。他人から見て健康的かつ幸福であっても、本人が幸せや健康を感じていない場合はウェルビーイングには該当しません。
※引用:公益社団法人日本WHO協会|世界保健機関(WHO)憲章とは
ウェルフェアとの違い
ウェルフェア(welfare)には、「福祉」「福利」「幸福」「福利厚生」などの意味があります。ウェルビーイングとウェルフェアは言葉として似ているため混同しがちです。しかし、ウェルビーイングは目的、ウェルフェアは手段として使われることが多くなっています。
ウェルビーイングが注目を集める理由と背景
ウェルビーイングが注目されているのは、なぜなのでしょうか。ここでは、その理由や背景について解説します。
日本のウェルビーイングの現状
日本のウェルビーイングは低い状態にあります。国連のThe Sustainable Development Solutions Network(SDSN)が米国ギャラップ社のデータをもとにしてまとめた「世界幸福度リポート2020(World Happiness Report 2020)」によると、2020年度の日本の幸福度は153か国・地域中62位でした。
2018年は54位、2019年は58位だったため、日本のウェルビーイングは後退しているといえます。
一方、日本の平均寿命は世界1位、1人当たりのGDPは経済協力開発機構(OECD)加盟37か国中19位です。数字的な豊かさはありますが、日本人の自己肯定感は低いという現状がわかるでしょう。ウェルビーイングを高めることで、企業への貢献意識、仕事へのモチベーション維持・向上につながると考えられています。
※参考:The Sustainable Development Solutions Network|World Happiness Report 2020
価値観の多様性
多様性はダイバーシティとも呼ばれており、人種や宗教、性別、働き方などにとらわれない幅広い考え方のことです。それぞれのスキルや能力を最大限に発揮させ、さまざまなバックグラウンドを持つ人と、コミュニケーションを活性化させる必要があります。そのためには、多様性を認めることやウェルビーイングの概念を意識することが大切です。
人材と労働力の確保
人材と労働力の確保は企業の大きな課題です。内閣府の「令和5年版高齢社会白書」によると、生産年齢人口は令和4年時点で7,421万人でした。令和14年に6,971万人、令和52年には4,535万人となると推計されており、各会社で労働力不足と生産性の向上が大きな課題となっています。
そのため、社員1人ひとりが能力を最大限に発揮し、長く活躍できるように、ウェルビーイングを意識した環境を整えなければなりません。たとえば、通院と仕事、育児と仕事の両立などの働き方改革が求められます。
働き方改革
2019年4月に働き方改革が施行され、働き方は大きく変化しました。具体的には、長時間労働の是正や雇用形態に関わらない公正な待遇の確保、多様かつ柔軟な働き方の導入などが挙げられます。社員が働きやすい環境を整えることにも、ウェルビーイングが関係しているため、注目を集めています。
SDGsの目標の1つに掲げられている
「SDGs(エスディージーズ)」とは、持続可能な開発目標のことです。SDGsは世界的な目標として注目されており、企業だけでなく個人としての取り組みも求められます。SDGsは2001年に策定されたミレニアム開発目標の後継にあたるものです。17のゴールの内の3つ目に「すべての人に健康と福祉を」という項目があり、ウェルビーイングへの注目が高まっています。
※参考:外務省|SDGsとは?
コロナ禍・テレワークなどによる働き方の変化
新型コロナウイルス感染症の拡大も、ウェルビーイングのきっかけとなりました。感染拡大を抑えるためにテレワークが浸透しましたが、慣れない業務、人と会わない生活で新たなストレスを抱える社員も増えています。そのため、今後も定期的なストレスチェックの実施や労働環境の改善など、真摯な対応が重要です。
ビジネス面でのウェルビーイングを構成する5つの要素
ビジネスにおけるウェルビーイングでは、ギャラップ社の調査が広く知られています。ここでは、米国調査会社・ギャラップ社による、ウェルビーイングを構成する5つの要素を解説します。
キャリアウェルビーイング(Career well-being)
キャリアウェルビーイングとは、キャリアに対する幸福度を表す指標です。仕事におけるキャリアやスキル向上、昇進だけではなく、家事や育児、ボランティア活動などプライベートも含まれます。いわゆるワークライフバランスのことで、仕事とプライベートの両方の幸福を構築することが大切という考えです。先述した働き方改革の実現にも役立ちます。
ソーシャルウェルビーイング(Social Wellbeing)
ソーシャルウェルビーイングとは、直訳すると社会的な幸福ですが、ここでは人間関係に対する幸福度を表します。安心して働くためには、信頼できる相談相手や上司、家族やパートナーなどの愛情を注げる人が必要です。また、友人の数やコミュニケーション量だけでなく、それぞれの人と深く良好な関係が構築できているかも大切になります。
ファイナンシャルウェルビーイング(Financial Wellbeing)
ファイナンシャルウェルビーイングとは、経済的な幸福度を表している指標です。業務内容に対して報酬が少ないなど、仕事と報酬のつり合いが取れていないと、社員の不満が高くなります。企業は社員が報酬に納得しているか、安定した生活のための正しい資産管理ができているか、などを確認しておくことが重要です。
フィジカルウェルビーイング(Physical Wellbeing)
フィジカルウェルビーイングとは、身体面・精神面に対する幸福度を示す指標です。心身ともに健康かつ前向きで明るい感情を持って活動できれば、仕事やメンタルのモチベーションも保ちやすくなるでしょう。定期的な健康診断や人間ドックなどを実施するのもよい方法です。
コミュニティウェルビーイング(Community Wellbeing)
コミュニティウェルビーイングとは、地域社会に対する幸福度を表す指標です。「コミュニティ」とは、家族、親戚、友人などの身近な集団を指しています。ビジネスにおいては、部署の上司や同僚、部下、取引先などです。コミュニティでの関わりの深さや親密さなどを判断材料として、幸福度を測っています。
企業がウェルビーイングに取り組むメリット
企業がウェルビーイングに取り組むことで、どのようなメリットが得られるのでしょうか。ここでは、3つのメリットを解説します。
生産性が上がる
ウェルビーイングとビジネスには相関関係があるといわれています。手間やコストがかかりますが、ウェルビーイングに取り組むことで、労働環境の改善につながるでしょう。結果として、働きやすい環境となり、モチベーションも維持しやすくなるため、生産性や利益の向上が期待できます。
社員の定着率が上がり離職する人が減少する
仕事へのモチベーションや満足度、自社への愛着などが高まることで、社員に長く勤めてもらえるようになります。管理職や幹部などさらに上の役職を目指す人が増えることで、総合的な企業力やブランドイメージ向上につながるでしょう。離職者が減れば、社員の採用や育成コストも削減できます。
社員の健康増進
自社の人間の健康促進につながる点も、ウェルビーイングのメリットです。ウェルビーイング経営において、社員の心身の健康と幸福度を高める健康診断や予防接種の実施は、重要な取り組みです。社員の健康状態が良好になれば、休職者も減り、結果的に生産性の向上にもつながるでしょう。
優秀な人材が集まりやすくなる
ウェルビーイングは、「働きがいのある企業ランキング」や「ホワイト企業ランキング」などで注目されている概念です。そのため、ウェルビーイングを実現することで、メディアから評価されるケースもあります。社員を大切にする、職場環境が整っている、良好な人間関係が構築されているなど、さまざまな要素において外部からの評価が高まれば、優秀な人材が集まりやすくなるでしょう。
ウェルビーイングの使い方が学べる国内の企業事例
ウェルビーイングを実際に取り入れている国内の企業は多くあります。ここでは、ウェルビーイングを実施している企業事例を紹介するため、参考にしてください。
大新技研株式会社
大新技研株式会社は、エンジニアリング事業、ファクトリー・オートメーションシステム事業、医療ソリューション事業で、付加価値の高いシステムを提供している会社です。同社では、健康経営を課題の1つとしています。
具体的な取り組みとしては、タレントパレットのヘルスチェック機能を活用して、半年に一度全社員の健康状態を確認するようにしました。社員が運動不足の場合はウォーキングイベントの実施、食生活に問題があれば健康教室などを開催しています。このように、健康状態のデータを収取するだけでなく、結果をもとにして新たなことに取り組んでいるようです。
自律型の成長を促すスキル管理と、適性検査を活用したプロジェクト編成でやりがいと働きやすさの両立へ
千寿製薬株式会社
千寿製薬株式会社は、医療用医薬品や一般用医薬品、動物用医薬品を展開している製薬メーカーです。同社では、ヘルスケアを経営課題の1つとしています。
同社はタレントマネジメントシステムを導入して、ストレスチェックを始めました。社員が操作しやすく、受検から産業医との連携までシステム内で完結できるようになったため、簡単に回答を集められるようになっています。
今後は人事制度や働き方改革を通して働きやすさや働きがいを高めていき、会社組織と社員が互いに高め合う文化の醸成を考えています。
人事が経営のビジネスパートナーとなるべくタレントマネジメントシステムを活用推進
株式会社プレナス
株式会社プレナスは、1976年に設立された、ほっともっと・やよい軒・MKレストランを全国に展開している会社です。同社では、会社に対する愛着や思い入れを意味する、エンゲージメント向上を課題の1つとしています。
たとえば、タレントマネジメントシステムのアンケート機能で、毎月社員のコンディションをチェックしています。コンディションがよくない、下がってきている社員にヒアリングでき、状況に応じた配置換えなど素早い対応が可能です。
社員ごとのデータを時系列で管理できるため、状況の比較も容易にでき、長期的な視点からフォローしやすくなっています。
全国2,500店舗の社員を対象とした採用強化・エンゲージメント向上・離職防止をワンストップで実現
株式会社オリエントコーポレーション
株式会社オリエントコーポレーションは、さまざまな決済商品・サービスをワンストップで提供する会社です。同社ではエンゲージメント向上が課題の1つとしています。そこで、全社横断のアフターコロナ体制構築プロジェクトチームを結成しました。チームが考案した内容は、本社と営業部門にテレワーク用のモバイルパソコンを配布、テレワーク率50%の目標を設定、フリーアドレスの導入などです。
その結果、テレワーク率の目標達成、別部署との連携、新しいアイデアの創出などにつながっています。また、在宅勤務が難しい部門にも働きやすい環境を提供するため、1か月単位の変形労働時間制を採用し、昨年11月より週休3日制に切り替えました。
社員数数千人の適材適所、キャリアプランを見据え、タレントパレットを導入
セガサミーホールディングス株式会社
セガサミーホールディングス株式会社は、エンタテインメントコンテンツ事業、遊技機事業、リゾート事業を主軸としてビジネスを展開しています。同社では、エンゲージメント向上が課題の1つとしています。
そこで、タレントパレットのテキストマイニングを活用し、不安要素を持っている社員を抽出しました。分析機能を活用し、他の新入社員と異なった記載をしている社員がいないか、チェックすることも可能です。また、タレントパレットを社内で展開するための動物占いを実施したことで、社員同士のコミュニケーションのきっかけにもなっています。
タレントパレット導入で社員の見える化が実現。セガサミーグループHR変革ビジョンの実現へ
学校法人阪南大学
学校法人阪南大学は、大阪府の私立大学です。エンゲージメントの向上を課題としています。同大学では職員のモチベーションの把握や異変の察知を目的として、Pulseサーベイを実施しました。モチベーションが低下している人に対しては、1on1を実施するなど適切なフォローを行っています。
専任事務職員と常勤嘱託職員を対象に、「就職活動をしている人に対して入社を勧めたいと思うかどうか」などのアンケートも実施し、エンゲージメントを可視化しました。また、TPI適性検査で自分の性格と似ている人を画面で見られたり、自分の適性検査の結果画面をシェアしたりすることで、回答率を上げる工夫をしています。
変化が激しい時代、データを活用し「人」にフォーカスした経営で他大学との差別化を図る
ビジョンホームプロダクツ株式会社
ピジョンホームプロダクツ株式会社は、40年以上に渡り赤ちゃん用スキンケア商品などの製造・販売をしています。同社ではエンゲージメント向上が課題でした。そこで、タレントマネジメントシステムを導入し、1on1でコミュニケーションの時間をしっかり取るなどして、エンゲージメントの向上につなげています。
人事評価では、評価ポイントを集計して社員も確認できるようにするといった方法で、透明化を図っていることも特徴です。ポイントが貯まると昇進できる「累積評価ポイント」を導入したことで目標設定がしやすくなっています。また、採用の一元化にも取り組んでおり、応募媒体や候補者の比較がしやすくなりました。
数日かかっていた人事評価の運用を大幅に効率化。空いた時間を活用してより良い会社づくりへ
株式会社LIXIL Advanced Showroom
株式会社LIXIL Advanced Showroomは、オンラインショールーム部門の運営を行う会社です。同社では、エンゲージメント向上が課題でした。そこで、社員間で感謝ポイントが付与できる「サンクスポイント」を導入しました。その結果、サンクスポイントを積極的に活用するメンバーが増え、店舗や組織を跨いだコミュニケーションの1つとして浸透しています。
また、接客業務や基本的な知識、技術などを動画や資料にまとめてコンテンツ化し、パソコンやスマートフォンなどで好きなタイミングでの受講が可能です。新入社員向けにはパルスサーベイを実施し、モチベーションが低下している社員の把握や傾向の確認、社員との1on1などのアクションにつなげています。
400コンテンツ以上のe-ラーニングを実施、全国の拠点で現場社員の研修・育成を推進
株式会社不二ビューティ
株式会社不二ビューティは、エステティックサロン「たかの友梨ビューティクリニック」を展開している会社です。同社ではエンゲージメント向上が課題でした。そこで、タレントマネジメントシステムを導入しています。社員のアカウントとデータを紐づけることで、データと社員の顔を一緒に見られるようにしました。そのため、どのような人かが感覚的につかみやすく、社員との距離を近くに感じられるようになったそうです。
また、サンクスポイントも取り入れました。感謝の気持ちを伝えるだけでなく、思いやりのある行動を見かけたり、チャレンジ精神のある取り組みをしたりしたときにポイントを送ることで、エンゲージメント向上が見られたようです。
採用管理から入社後の情報共有・エンゲージメント把握までワンプラットフォームで実現
世界におけるウェルビーイングの事例
以下では、日本以外の国や地域で実施されている、ウェルビーイングの事例について解説します。
Googleのデジタルウェルビーイング
世界的なIT企業であるGoogleでは、デジタルウェルビーイングが実施されています。簡単に説明すると、デジタル機器への依存症を防ぐ取り組みのことです。Googleでは、デバイスの使用量をグラフ化して、ひと目でわかるようにするアプリを開発しました。その結果、意識的にオフラインの生活ができるようになり、デジタル機器やネット情報に左右されない、健康的な生活の実現に貢献しています。
ウェルビーイング先進国、オーストラリアのABW
オーストラリアでは、ABWに注目が集まっています。ABWとは、仕事をする時間や場所を自由に選べる働き方のことです。ABWを実施した結果、企業側はコスト削減に、社員側はワークライフバランスの実現を成功させました。これによって、互いの幸福度の向上にもつなげています。
オランダのワークシェアリング
オランダでは、業務を分け合い社員1人あたりの負担を軽減する働き方、ワークシェアリングが実施されています。ワークシェアリングの登場によって、1982年時点で12%あった失業率は、2%まで低下しました。また、雇用体系の多様化によって、雇用や労働市場の拡大にもつながっています。
ウェルビーイングの注意点
ウェルビーイングに取り組むにあたって、どのような点に注意すればよいか、以下で詳しく解説します。
目標の達成基準を明確にする
ウェルビーイングを成功させるためには、目標の達成基準を明確にする必要があります。達成基準が曖昧なままウェルビーイングを進めてしまうと、施策の内容を正しく評価できず、成功したのかわからなくなります。そのため、自社の人材戦略や人材活用の課題と照らし合わせながら、目的や達成基準を明確にしましょう。
短期的な経営の悪化の可能性がある
ウェルビーイングを進めるにあたって、新しいシステムやツールの導入によって、短期的に経営が悪化する可能性を考慮しておきましょう。ウェルビーイングでは、長期的な視点が求められます。目の前の結果に一喜一憂しすぎず、必要な投資と割り切って計画を進める胆力を持ちましょう。もちろん、想定を超えるレベルで経営が悪化した場合は、計画の見直しも必要です。
ウェルビーイングを成功させるための手法
ウェルビーイングを成功させるにはどうすればよいのでしょうか。ここでは、ウェルビーイングを成功させる手法を解説します。
身体・メンタルのサポートを実施する
心身に異常がある状態はウェルビーイングとはいえません。社員自身が自分の健康やメンタルなどの状態を把握できるよう、企業側でサポートすることが大切です。身体面・メンタル面で分けて、具体的なサポートを紹介します。
- 身体面:定期的な健康診断の実施、人間ドックなどの検診費用の補助、予防接種の補助、ジムやフィットネスなどの優待など
- メンタル面:ストレスチェックの実施、産業医や保健師との個別面談、オンラインでの面談など
労働環境を調整する
必要なサポートの検討や導入をした後は、現場などの労働環境の見直しを図りましょう。労働環境の改善や調整の具体的な方法は以下のとおりです。
- 業務量を見直して残業を減らす
- 状況に応じてテレワークを導入する
- 休憩時間を調整する
- リラックスして過ごせるように休憩スペースを整える
- パソコンやタブレットを新しくして、操作性を向上させる
- 外の景色が見えるレイアウトに変更する
- 仕切りのあるボックス席を設置する など
福利厚生を充実させる
福利厚生を充実させることは、社員のウェルビーイングにつながります。そのため、福利厚生についても見直しが必要です。具体的な方法としては、以下のような内容が挙げられます。
- 住宅、通勤:住宅補助や通勤手当など
- 食事:社員食堂の導入やメニューの見直し、食事手当、自動販売機の設置など
- 休暇:特別休暇やリフレッシュ休暇、バースデー休暇、慶弔休暇など
- 経済面:資格取得支援、企業年金、企業型DC、財形貯蓄制度の導入、副業支援など
- 育児、介護:短時間勤務制度やフレックスタイム制度の導入、ベビーシッターや家事代行の利用補助、介護用品や介護サービス利用の補助金支給 など
コミュニケーションの円滑化をはかる
社内の人間関係もウェルビーイングには重要です。たとえば、上司から部下に積極的に話しかける、相談しやすい雰囲気を作るなどのコミュニケーションの施策が求められます。具体的な方法は以下のとおりです。
- 1on1の実施
- メンター制度の導入
- 休憩スペースの設置
- 食事会や懇親会の実施
- 社内での部活動の実施 など
実施状況をデータ化する
ウェルビーイングの取り組みは成果が分かりにくいため、実施状況や結果をデータ化するとよいでしょう。経営者や上司の主観が入らないように、明確な実施データをまとめることがポイントです。実施状況をデータ化することで、課題の洗い出しや施策のブラッシュアップ、改善などにも役立ちます。
ウェルビーイングに関するよくある質問
最後に、ウェルビーイングに関するよくある質問、そして質問に対する回答について解説します。
ウェルビーイングにおける幸福度を上げる行動や方法は?
幸福度を上げるためには、社員1人ひとりの価値観や考え方、ライフスタイルなどを受け入れる必要があります。また、時代やニーズの変化に合わせて、社員の働きやすい環境を整えることも大切です。具体的な方法として、以下のようなものが挙げられます。
- フレックスタイム制度の導入
- 長時間労働対策
- テレワークをはじめとする働く場所の自由化
ウェルビーイングとワークライフバランスの関係は?
ワークライフバランスとは、仕事と生活を調和させることです。ライフワークバランスの推進には、以下のようなメリットが存在します。
- 社員のモチベーション向上
- 生産性の向上
- 健康の維持
これらのメリットは、社員のウェルビーイングを向上させる効果も期待できます。
ウェルビーイングが高い社員の特徴とは?
ウェルビーイングが高い社員の特徴は、以下のとおりです。
- ストレスが少ない
- 仕事に対する満足度が高い
- 人間関係が良好
- 健康意識が高い
単に元気な人ではなく、心身、社会的に満たされている点が、ウェルビーイングが高い社員の特徴といえるでしょう。
ウェルビーイング向上のために企業が導入できる具体的なサービスは?
昨今は、ウェルビーイングを高めるさまざまなサービスが登場しています。具体的なサービスの一例は、以下のとおりです。
- メンタルヘルス支援プログラム
- フィットネスプログラム
- バランスワークプログラム
自社に適したサービスを選択できれば、社員のウェルビーイングを効率的に高められるでしょう。
まとめ
ウェルビーイングとは、身体的・精神的・社会的によい状態にあることを表す概念です。企業がウェルビーイングを実現することで、生産性の向上や社員の定着率向上、離職率の減少、優秀な人材の確保などが期待できます。ウェルビーイングを実施する際には、タレントマネジメントシステムを導入するとよいでしょう。
タレントパレットは、HRテック提供企業が手掛けるタレントマネジメントシステムです。大手企業をはじめ、数多くの企業に導入されています。ウェルビーイングの実現のために、タレントマネジメントシステムの導入をお考えなら、お気軽にご相談ください。