なぜなぜ分析のやり方を解説!成功のポイントや事例も紹介


なぜなぜ分析のやり方を解説!成功のポイントや事例も紹介

なぜなぜ分析は問題解決のメソッドのひとつです。解決すべき課題の原因に焦点をあてることで事象の因果関係を整理し、論理的な解決策を導き出せます。本記事では、なぜなぜ分析のやり方について詳しく解説します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


問題解決のフレームワークとして、「なぜなぜ分析」があります。なぜなぜ分析の正しいステップと注意点を把握すれば課題を迅速に解決し、長期的なスパンでの業務効率化が実現できます。本記事で、ビジネスで必須のなぜなぜ分析の基本的な考え方やメリット、注意点を見ていきましょう。


なぜなぜ分析の概要

なぜなぜ分析とは、物事の原因にスポットをあてて「なぜ起きたのか?」という点を突き詰めることで根本的な再発防止を目指すメソッドです。なぜなぜ分析を行うと複雑なアクシデントの原因を特定できるため、業務効率化や企業の信頼性向上につながります。まずは、なぜなぜ分析の目的や歴史、他の分析手法との相違点を見ていきましょう。


なぜなぜ分析の目的

なぜなぜ分析の目的は、トラブルの再発防止です。


予期せぬトラブルが発生した場合、目に見える原因にばかり注目しては表面的な改善に終始してしまいます。企業の場合には、時間と費用を大きくロスしてしまいかねません。そこで場当たり的な対処による消耗を防ぐため、なぜなぜ分析ではネガティブな事象に対して「なぜ?」と繰り返し掘り下げることで真の原因を洗い出し、抜本的な対策につなげます。


事象の真因を徹底的に特定することで改善策が従業員に共有され、長期的な再発防止が可能です。

なぜなぜ分析はトヨタ自動車で生み出された

なぜなぜ分析はもともと、トヨタ自動車の業務改善サイクルとして導入されました。トヨタでは当初、なぜなぜ分析を最低5回以上繰り返すよう従業員に義務づけており、徹底した改善メソッドは世界的にも高く評価されています。


なぜなぜ分析はトラブルの理由探索を5回繰り返すことから5Whysとも呼ばれ、業務効率化の手法として多くの企業で取り入れられました。


今ではなぜなぜ分析の手法は企業の実践によって洗練され、特に回数を決めず具体的な改善策が見出された時点で打ち切るのが主流になっています。

なぜなぜ分析とカイゼンの違い

トヨタが世界に先駆けて提唱した方法にカイゼンがあります。カイゼンは著名な経営者である大野耐一氏が著書『トヨタ生産方式』の中で詳しく紹介して、注目されました。カイゼンもなぜなぜ分析も業務効率化につながるメソッドですが、その意味は異なります。


カイゼンは部品の生産業務に焦点を当て、無駄なプロセスを徹底して省くことで生産性向上を実現するメソッドです。一方、なぜなぜ分析は生産業務に限らず自社で起きたすべてのトラブルを対象に、発生した時点で原因追及を繰り返し根本的な対策を見出す目的があります。


カイゼンはなぜなぜ分析を応用したメソッドと言えるでしょう。

なぜなぜ分析とRCAの違い

RCAはRoot Cause Analysisの略で、日本語では根本要因分析と訳されます。なぜなぜ分析はRCAの手法を応用し、より汎用性の高いメソッドとして改良した理論です。


RCAは原因分析評価のフレームワークのひとつで、航空分野や医療分野など幅広い業界で応用が進められてきました。なぜなぜ分析はRCAのエッセンスを取り入れ、トヨタ自動車に最適化されたフレームワークと言えるでしょう。

なぜなぜ分析のやり方を4ステップで解説

なぜなぜ分析の達成には以下の4つのステップが必要です。それぞれのプロセスについて詳しく見ていきましょう。


  • 課題の設定
  • 原因の追及
  • 改善策の選定
  • 改善結果を評価

解決したい問題を具体的に設定する

なぜなぜ分析では、具体的な解決課題の設定が重要です。たとえば、従業員に最近やる気が見られないと課題を設定してもテーマ自体が曖昧なため、抽象的な解決策しか出てこなくなります。


この場合は、「3割の従業員に週平均で3時間前後の遅刻が見られる」とできる限り具体性のある課題を設定することで問題提起しやすくなり、解決策の具体化が可能です。客観的事実に基づいた数字を課題に取り入れることで問題点を可視化でき、なぜなぜ分析の精度が向上します。

問題に対してなぜを繰り返して掘り下げる

解決すべき具体的な課題を設定したら、「なぜ?」の問いかけを繰り返すことで問題の本質を掘り下げます。


3割の従業員に週平均3時間の遅刻が見られる例ならば、第1段階で正確な就業時間が共有されていないことが原因として考えられます。そのうえで原因を掘り下げると、就業規則がマニュアル化されていないからという原因が浮上します。


この時点で就業規則のマニュアル化が解決策として妥当だと判断されれば、なぜなぜ分析は終了です。5回以上「なぜ?」を繰り返しても具体的な改善策が見出されない場合は課題の再設定を行いましょう。


根本的な原因にたどり着いたら改善策を考える

根本的な原因にたどり着いたら具体的な改善策を検討します。例では業規則のマニュアル化が改善策にあたり、改善策の試行によって根本原因を取り除くのがなぜなぜ分析の最終目的です。


このフェーズでは改善策の単純な洗い出しが目的のため、コストを含めた実現可能性の検討は評価フェーズで行います。

改善策の結果を評価する

改善策の実行後、結果について評価しましょう。評価の際は基準の明確化が大切です。先ほどの例では、就業規則のマニュアル化によって従業員の遅刻が全体で何割減少したのかを具体的な数字で表すことで客観的な評価を可能にします。


「遅刻が何となく減ったから成功」「まだまだ遅刻が目立つから失敗」など、主観に頼った評価を長期間続けても場当たり的な対策が繰り返されるだけです。評価の結果、当初想定した改善が見られない場合は課題の再設定を行い、なぜなぜ分析をスタートラインから繰り返します。

なぜなぜ分析のメリット

ビジネスにおけるなぜなぜ分析には、以下のメリットがあります。


  • トラブルの再発防止
  • 違った角度での課題のとらえ直し
  • 社内の連帯感の強化


それぞれのメリットを掘り下げていきましょう。

同じ失敗を繰り返させない

なぜなぜ分析の本質はトラブルの再発防止です。ひとつの課題について原因を限界まで深掘りし、同じ失敗を繰り返さない仕組みを構造化すれば長いスパンで見た場合業務効率化や生産性向上につながります。


また、発生した課題についてその都度丁寧になぜなぜ分析を行い、再発防止システムを残しておくと現在の従業員だけでなく、将来入ってくるすべての従業員のミスの予防が可能です。

新たな発見が生まれる

なぜなぜ分析はトラブルの再発防止にとどまらず、リソースの再発見および再構築にも効果があります。解決課題の原因を深掘りする過程で埋もれている内部リソースが確認できたり、思わぬ強みが見つかったりと、ひとつの分析から新たな発見が生まれるのもなぜなぜ分析の大きなメリットです。


単なる発見では終わらせず、リソースの再構築から生み出される新たな付加価値を具体的に洗い出せば実践的な分析につながります。


現場の一体感が生まれる

全社で取り組むべき課題の解決策をなぜなぜ分析で追及すれば個々の従業員に当事者意識が生まれ、社内の連帯感がより強まります。部署内でも連帯感が生まれることでお互いの長所・短所を補い合う仕組みが自然と定着し、ベテランから新入社員まで安心して働きやすい雰囲気の醸成が可能です。


現場の一体感が育まれると将来にわたるトラブルの再発防止につながり、長期的な視点での業績アップ効果が得られます。

なぜなぜ分析を成功させるポイント

なぜなぜ分析で望ましい成果を得るにはポイントを得た運用が必要です。分析の客観性や正しい着眼点など、なぜなぜ分析を成功させるうえで意識すべきポイントを見ていきましょう。

客観的に分析する

客観性はなぜなぜ分析に必須の要素です。たとえば、特定の部品の生産ラインでミスが目立っているという事象の原因を分析する場合、「あの作業は大変だからミスが増えても仕方がないな」「あの人は真面目だからミスをするはずがない」など、主観のみで導き出された原因を掘り下げてに分析の精度が下がります。


そのため、「共有されたマニュアルが存在しないため業務ミスが増えた」「経理専用ツールがないため請求書処理が毎月滞っている」など、すべての従業員が納得できる客観的事実をつなぎ合わせて分析する必要があります。

要素は一つずつに分けて掘り下げていく

なぜなぜ分析の解決課題に複数の要素が含まれる場合、そのまま分析を続けると得られる結果は曖昧になってしまいます。


たとえば、従業員同士の連携が効率的に進んでおらず、生産性が向上しないという課題の場合、従業員同士の連携が効率的に進んでいない、または生産性が向上しないの2つの要素が含まれているため、明確な改善策の特定は難しいでしょう。


要素が複数含まれているなら、要素を分解したうえでそれぞれについてなぜなぜ分析を行うことにより分析を効率化でき、真の解決策の導出に役立ちます。

なぜの回答は一つに絞らなくてよい

ひとつの解決課題に対して複数の原因が見つかった場合、それぞれを起点としたなぜなぜ分析を繰り返すことで、分析精度の向上が可能です。むしろ、ひとつの課題に複数の原因が付随しているケースのほうが多く、それぞれに最適な改善策を実行することで課題の真因除去につながります。


また、職種や部門、経験など分析の視点によっても導き出される原因が異なるため、複数の視点から分析を行うことで多様な改善策が見出され、より実践的な分析が行えるでしょう。

仕事の仕組みに着目する

「あの人が経理だから」「この人はもともと遅刻が多いから」など個人に原因を帰結させるなぜなぜ分析は失敗です。個人に責任を押しつけてしまうとその人が辞めた後に分析をゼロからやり直さなくてはならず、効率的ではありません。


仕組みを根本から見直さない限り、ミスは何度でも繰り返されます。「メール送信前に宛先と企業名をチェックする」「新規の人事評価ツールで業務の絶対量を削減する」など、抜本的な仕組みの改善・再構築につながる分析を行うことで長期的な問題解決に直結します。


また個人を責めない体制を確立すれば、すべての従業員にとって働きやすい環境が整えられるでしょう。

なぜの回数にこだわらない

トヨタ自動車が提唱したなぜなぜ分析では、原因追及は5回までとされていましたが、回数に必ずしもこだわる必要はありません。5回に満たなかったとしても、論理的に妥当な改善策が導き出されたならその時点で分析を打ち切り、仮説の実証や評価のフェーズに移行します。


反対に、根本的な原因と解決策が見つからなければ5回以上の分析を繰り返しましょう。ただし、延々と原因追及ばかりに終始していては時間的・人的コストの浪費につながるため、意思決定のボーダーライン設定が重要です。

どうすれば?を取り入れる

なぜなぜ分析を繰り返し課題の真因が特定できたら、最後の段階で「どうすれば解決できる?」という設問を用意しましょう。


たとえば、「新規の経理ツール導入によって請求書処理を効率化する」という解決課題が導き出された場合、このままでは単なる原因追及で終わってしまいます。


「どうすれば新規の経理ツールを導入できる?」という問いを立てることで導入のための予算を確保するという解決策が連想されるでしょう。原因追及から具体的なアクションを提示することで取るべき行動がわかりやすくなり、問題解決のサイクルが早まります。


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なぜなぜ分析が失敗してしまう原因

設定した課題が抽象的だったり論理が飛躍していたりすると、なぜなぜ分析で正しい結果を得られません。ここではなぜなぜ分析の代表的な失敗例を挙げ、対策を合わせて見ていきましょう。

解決したい問題が抽象的

なぜなぜ分析のスタートラインにあたる課題設定が抽象的だと具体性のある原因が見つからないため、最終的な改善策も曖昧なままです。なぜなぜ分析では必ず、具体的な解決課題を設定しましょう。OK例とNG例の違いは、以下の通りです。


NG例:主力商品のコンバージョン率がここ最近低下気味である

OK例:主力商品のコンバージョン率が7~9月にかけて15%減少している


NG例の場合、コンバージョン率がいつからどの程度低下しているのかが具体的に示されていないため、問題の本質が見えません。


一方、OK例ではコンバージョン率の低下率と低下している時期が具体的に提示されているため、考えるべきポイントが限定できます。具体的な議題からさらに具体性のある論点を導き出せるため、客観的な改善策への到達が可能です。


なぜなぜ分析のスタートラインでは具体的な数字を意識的に取り入れて、誰にとっても考えやすい思考プロセスの構築を意識しましょう。

なぜの回答を飛躍させてしまう

なぜなぜ分析の失敗例は、論理の飛躍です。分析プロセスの中に因果関係の跡切れがあると問題の本質が見えにくく、具体的な改善策を導き出せません。


たとえば、従業員Aのパフォーマンスが低下している問題に対して「従業員Aはすでに退職を考えているからだ」と結論づけてしまうのは危険です。たんなる推測であり、そのうえ個人に原因を帰結しているため論理的な分析を妨げてしまいます。


課題がパフォーマンス低下の場合、業務量のバランスやサポート体制の充実度、適切な人員配置など、具体的な数値として検証できる要因を挙げてロジックでつなぐのが基本です。


主観的な意見や感情に左右されず、徹底的な調査と分析を行うことで、正確な根本原因を特定できます。

導き出された改善策の実行が難しい

なぜなぜ分析で客観的な原因特定と同様に重要なのが実現可能性です。論理的な分析によって問題の根本原因が特定されたとしても、それに基づいて導き出された改善策の実行が難しければ机上の検証のみで終わってしまい、根本的な原因が放置されてしまいます。


たとえば、パフォーマンス低下の根本原因が業務負荷の増加であると特定された場合、改善策として追加人材の採用が必要でしょう。しかし、予算的な制約があれば新規採用へのハードルが高まり、実現可能性が低下します。


なぜなぜ分析を成功させるためには、導出された改善策の実現可能性を合わせて検討し、実現に向けた行動計画をセットで考えましょう。その過程では関係部署との折衝や自社リソースの再構築が必要です。改善策の進捗を定期的にモニタリングし、必要に応じて調整を行うことで分析の費用対効果がより高まります。

感情や推論で進めてしまう

なぜなぜ分析において、個人の感情や推論は禁物です。感情や推論に基づいた分析では、個人の主観や先入観が反映され、客観性が欠如し、正確な根本原因の追及が妨げられます。


たとえば、新商品の購買率が10%下がっているという課題がある場合、明確なリサーチを省いて競合他社が似たような商品を売り出しているせいだろうと曖昧な推論のみで結論を出してしまうのは失敗です。


新商品の売れ行きが想定よりも下がっているのなら、競合他社の動向や地域特性の変化、気温など複数の定量的・定性的なデータを充分に集めたうえで分析しましょう。


なぜなぜ分析を行う際には、客観的なデータとリサーチに支えられた客観性のある分析が欠かせません。

なぜなぜ分析の失敗パターン

個人の主観や曖昧な論理構成に基づいたなぜなぜ分析では具体的な改善策が導き出せず、失敗します。例として、アフィリエイトブログの記事制作に時間がかかるという課題のなぜなぜ分析を想定しましょう。分析の結果、以下のような論理構成が得られました。



ステップ

課題

原因

1

なぜアフィリエイトブログの記事制作に時間がかかる?

文章の書き方で悩むから

2

なぜ文章の書き方で悩む?

全体の構成を決めていないから

3

なぜ全体の構成を決めずに書きはじめる?

ブログ更新ができず焦るから

4

なぜブログ更新ができないと焦る?

収益が減少するから

5

なぜ収益が減少する?

アクセス数やPV数が減るから


ブログ記事政策に時間がかかる原因を分析したはずが方向性の違う結論に着地してしまいました。「なぜ記事制作に時間がかかる?」と「アクセス数やPV数が減るから」をつなげても、論理的な因果関係は見出せません。例では原因追及の部分で悩む、焦るなど抽象的・主観的な表現を使っており論理構成が曖昧です。抽象的な課題設定に基づいたなぜなぜ分析は推論の域を出ず、失敗に終わってしまいます。

なぜなぜ分析の成功パターン

原因追及の具体性を高めることで、なぜなぜ分析の精度向上が可能です。同じ例をもとに考えましょう。



ステップ

課題

原因

1

なぜアフィリエイトブログの記事制作に時間がかかる?

執筆の途中で作業が中断するから

2

なぜ作業が中断する?

記事の結論が見えていないから

3

記事の結論が見えていない

結論を固めるために必要なデータや情報が足りないから

4

なぜ必要なデータや情報が足りない?

事前のリサーチが不充分なまま書きはじめるから

5

なぜ事前のリサーチが不充分なまま書きはじめる?

何が重要なデータなのかがわからないから

6

なぜ重要なデータがわからない?

記事作成前に見出しと概要を作っていないから



成功例では原因追及の段階で抽象的な言葉を使わず、具体的な行動の問題に焦点を当てています。「なぜブログ記事制作に時間がかかる?」と「記事作成前に見出しと概要を作っていないから」はつなげても違和感がなく、論理構成が明確です。


分析の結果、記事制作にあたっての準備不足が根本原因として特定され、見出しと概要を作ってから記事本文を執筆するという改善策が導き出されます。

原因解析に必要なロジカルシンキング

ロジカルシンキングは、実践的ななぜなぜ分析において重要なスキルです。ロジカルシンキングの基本的な枠組みを理解することで組織の中長期的な課題を論理的に分類し、実現可能性が高い改善策を社内で共有できます。


以下のセクションでは、代表的なロジカルシンキングのフレームワークについて見ていきましょう。

フレームワーク

ロジカルシンキングの基本的なフレームワークは、問題解決や意思決定までのプロセスを論理構造として明示するための枠組みです。課題に合わせて適切なフレームワークを使用すると複雑な問題を整理し、要素ごとの因果関係に基づいて論理的に分析できます。


多様な特性を持つフレームワークを理解し、考え方のプロセスとしてストックしておくことで専門分野を超えた解決課題にも対応でき、早期の業務効率化が可能です。

MECE

MECE(Mutually Exclusive、 Collectively Exhaustive)は、ロジカルシンキングの原則の1つです。日本語では「漏れなく、重複のない」と訳され、論理構成の要素について網羅的に考えるアプローチとして知られています。MECEの適切な例と不適切な例は以下の通りです。


適切な例:企業の無料セミナーへの応募資格で(20歳以上、男性、既婚)

不適切な例①:企業アンケートの職歴記入欄で(正社員、パート・アルバイト、リモートワーク)

不適切な例②:子どもの年齢に関するアンケートで(未就学児童、小学生、高校生、大学生)


適切な例では年齢と性別、結婚歴がそれぞれ排他的に明記されており、漏れも重複もありません。


一方、①の例ではリモートワークが正社員やパート・アルバイトと重複しています。そのため、単数回答だった場合、リモートワークで正社員(パート・アルバイト)として働いている人はどの欄に該当するのか迷ってしまうでしょう。②の例では中学生が回答の候補から漏れています。


MECEの運用では解決課題の原因を外部要因と内部要因の2つに大別したりコスト・業務量・コミュニケーションなど複数の要因に分解したりと網羅的に書き出し、整理することで本質の可視化が可能です。

ロジックツリー

ロジックツリーは問題解決や意思決定のツールとして役立ちます。ロジックツリーでは目標や問題を頂点とした階層構造を作り、派生する下位の要素や要因を順に検証することで課題の本質の可視化が可能です。


ロジックツリーは解決すべき課題の種類に応じてWhyツリーやWhatツリー、Howツリーに分けられ、最終的なゴールが異なります。なぜなぜ分析はWhyツリーの派生と言えるでしょう。与えられた解決課題の検証に最適なロジックツリーを瞬時に判断できるスキルがビジネスでは重要です。


ピラミッドストラクチャ

ピラミッドストラクチャは、特定の課題を重要度や優先度に基づいて整理するフレームワークです。議論の前提となる情報や結論をピラミッドの頂点に配置し、下層部には結論を支える根拠を置くことで論理構造を構築します。さらに、根拠を実証するための事実を下位構造としてつなげることで結論の補強が可能です。


ピラミッドストラクチャは自社商品について複数の要素からPRする際のフレームワークとしてよく用いられます。

So What / Why So

「So What / Why So」は、結論と根拠の論理的つながりを明確にするフレームワークです。主にピラミッドストラクチャやWhyツリー、PREP法などと組み合わせて用いられます。上位構造(結論)から下位構造(根拠)にかけては「なぜそうなるの?」という関係でつながり、下位構造から上位層にかけては「だから~である」という関係で結ばれています。


So What / Why Soの関係が成立していなければ論理構造のどこかに飛躍や矛盾があるため、So What / Why Soの徹底により検証プロセスの効率化が可能です。

6W2H

6W2Hは、問題解決やプロジェクト管理において重要な要素を洗い出すためのフレームワークです。What(何を)、Why(なぜ)、Who(誰が)、When(いつ)、Where(どこで)、How(どのように)、How much(いくら)、How many(いくつ)の8つの質問を使用して、情報の抜け漏れを防ぎ、全体像を把握することができます。

PDCAサイクル

PDCAサイクルは、計画(Plan)、実行(Do)、評価(Check)、対策(Act)の4つのフェーズからなる継続的な業務改善プロセスです。新規プロジェクトをプランニングしたら実践に移し、効果を評価します。そのうえでプロジェクトの課題や問題点を洗い出し、解決のための対策を議論して再度プランを修正することでプロジェクトの精度向上が可能です。


PDCAサイクルを継続的に回しつづけることでプロジェクトを停滞させず問題点を修正し、業務効率の向上が実現できます。

SCAMPER

SCAMPERは既存の商品やサービスの改善・再構築を促すための手法です。SCAMPERは以下の要素によって構成されます。


  • Substitute(代替する)
  • Combine(組み合わせる)
  • Adapt(適応させる)
  • Modify(修正する)
  • Put・to・another・use(別の用途に使う)
  • Eliminate(削除する)
  • Reverse・Rearrange(逆にする・並べ替える)


SCAMPERは7つの要素の頭文字を取ったフレームワークです。商品やサービスに課題が見つかった場合、SCAMPERを構成するいずれかの手法を実践することで新たな付加価値が生まれ、改善に向かう可能性があります。


写真のフィルム製造技術に使っていたコラーゲンを美容分野に転用した大手フィルム会社の成功はSCAMPERの代表例と言えるでしょう。

アイゼンハワーマトリクス

アイゼンハワーマトリクスは、米国のドワイト・D・アイゼンハワー大統領が重要な意思決定の際に用いたフレームワークです。アイゼンハワーマトリクスでは、複数のタスクを優先順位に基づいて整理し、効果的な時間管理とリソース配分を実現します。


アイゼンハワーマトリクスで重視されるのは重要度・緊急度の2つの評価軸です。その評価軸に基づき、4つの象限に分けて課題やタスクを整理します。


緊急かつ重要(Urgent and Important):即座の対応が必要であり、かつビジネスの目標や重要な課題に密接に関連しているタスク


緊急ではないが重要(Not Urgent but Important):タイムリミットはないものの長期的な目標や戦略に関連しているため計画的な取り組みが重要なタスク


緊急だが重要ではない(Urgent but Not Important):緊急性はあるが自社にとっては重要性が低いため、外注や業務削減によるリソースの節減が求められる


緊急でも重要でもない(Not Urgent and Not Important):優先度が最も低いため、削減が妥当とされるタスク


一般的に、緊急性・重要性ともに低いタスクは全体の2割以下に抑えるのが理想です。アイゼンハワーマトリクスを効果的に用いることで現在抱えているタスクの重要度を視覚化し、有効に使えるリソースの迅速な把握および共有につながります。

まとめ

なぜなぜ分析は解決すべき課題のなぜ(原因)を徹底的に掘り下げて本質を抽出し、抜本的な改善策を洗い出すためのフレームワークです。もともとはトヨタ自動車のメソッドとして導入され、普遍的なフレームワークとして普及しました。主観や感情、推論を排除し客観的な事実・データをもとに分析を繰り返すことで論理的な改善策が導き出されます。なぜなぜ分析はたんなるトラブル解決にとどまらず、長期的な業務効率化・業績アップに効果的です。


タレントパレットは複数の人事データを一元的に活用できる統合プラットフォームです。採用管理から実績、人事評価まであらゆる人事データを時系列に沿って管理できるため、従業員のスキルや将来性など、目に見えにくい要素を可視化できます。新規人材の登用や定期的な人事評価、組織再編などにぜひご活用ください。


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