タレントマネジメントシステムとは?できることやシステムの種類を解説


タレントマネジメントシステムとは?できることやシステムの種類を解説

昨今はさまざまな人事戦略が登場していますが、そのうちの1つがタレントマネジメントです。この記事では、タレントマネジメントの概要をはじめ、目的やタレントマネジメントシステムでできることなどについて解説します。また、タレントマネジメントシステムを採用するにあたって、押さえるべき注意点も取り上げるため、ぜひ最後までご覧ください。

タレントマネジメントとは

コロナ禍により、人事戦略は大きく見直しが必要となっています。従来の属人的な人事では、リモートワークへの対応や優秀社員の離職防止、不況を乗り越える新規事業への挑戦などといった直近の課題には対応できません。データを元にした科学的人事=タレントマネジメントが今、求められているのです。

では、どのようにデータを集め活用するのか。それについては、すでに社内のマーケティング事業部などが行っている顧客育成の取り組みが大きなヒントになります。顧客を従業員に置き換えると、エンゲージメントの向上や離職(離脱)防止など、さまざまな施策を応用できることがわかります。

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タレントマネジメントの目的

では、実際にタレントマネジメントを始めた企業では、どのような目的を置いているのでしょうか。タレントマネジメントシステムを導入した先進企業の中から、いくつか事例をご紹介します。

情報の一元化

多くの企業では労務や人事評価、研修、自己申告などの情報がバラバラに保管されています。このため、従業員1人を把握するためにも複数のシステムを閲覧する必要があります。タレントマネジメントシステムではこういった情報を従業員に紐付けて一元管理し、さらにまた蓄積していくことで、より高度な人材管理を実現しています。

目的というより手段である項目ではありますが、他の目的を達成するためには、この情報一元化が欠かせません。

経営層の人材戦略に関する意思決定支援

人材活用は人事部門だけでなく、経営層の課題でもあります。定性的になりがちな人事情報をリアルタイムかつ客観的にすることが、意思決定をより確かなものにします。

次世代人材の育成

ミドルマネジメント層やグローバル人材の育成では、成長段階や取得スキルなどのモニタリングが肝要です。それらを見える化し育成推進することも、タレントマネジメントの大きな目的の1つです。

エンゲージメントの向上

リモートワークの増加で、リアルタイムに従業員のモチベーションを把握したいという企業が増えています。パルスサーベイで日々の変化を追ったり、サンクスポイントなどで従業員のコミュニケーションを活性化することでエンゲージメント向上を目指します。

タレントマネジメントを成功させるための思考

タレントマネジメントは、ただシステムを入れて情報を統合するだけでは成功しません。さらに一歩先の、データに基づく「マーケティング思考」を取り入れることが重要です。マーケティング思考とは、顧客の視点に立ってニーズや価値観を把握し、そこから戦略や施策を立案する考え方です。この手法を上手く使えば、働き手のニーズや自社の強みを分析し、アピールを行えます。

また、せっかくのデータを管理するだけではなく、実際の施策などに活用しなければなりません。そして活用するためのデータは静的な人事データではなく、動的な人材データなのです。

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タレントマネジメントの成功にはタレントマネジメントシステムの採用がおすすめ

タレントマネジメントを成功させたい場合は、タレントマネジメントシステムの採用がおすすめです。タレントマネジメントシステムとは、タレントマネジメントのサポートを目的に開発されたシステムの呼称です。タレントマネジメントシステムを活用することで、戦略的な人材マネジメントを実現し、組織の競争力強化につなげられます。

タレントマネジメントシステムでできること

タレントマネジメントシステムを用いて、どのようなことができるのか、以下で詳しく解説します。

ハイパフォーマー/次世代人材育成

タレントマネジメントシステムでできることの1つが、ハイパフォーマー、次世代人材の育成です。企業にとって、人材育成は重要な課題です。タレントマネジメントシステムによって、従業員1人ひとりにあった人材育成を効率よく実施できます。

採用強化・ミスマッチ防止

採用の強化、およびミスマッチ防止も、タレントマネジメントシステムによってできることの1つです。タレントマネジメントシステムでは、収集した情報をもとに組織にどのような人材が在籍しているのか、分析できます。その分析結果をもとに採用を行えば、企業に足りない人材を的確に補填できます。

離職防止施策

タレントマネジメントシステムができることとして、離職防止施策も挙げられます。優秀な従業員の離職は、企業にとって大きな損失です。タレントマネジメントシステムを利用すれば、適切なキャリア支援やエンゲージメント施策を実施できます。結果として、離職率を下げる効果が期待できます。

タレントマネジメント(人事管理)システムの種類

企業によって、適したタレントマネジメントシステムは異なります。ここでは、タレントマネジメントシステムを「部分最適型クラウド」「ERPパッケージ系システム」「統合型クラウド」に分けて解説します。

部分最適型クラウド

人事評価やモチベーションなど、人事領域の一部の課題解決を目的として導入されるシステムです。機能は限られていますが、低コストのため、少人数のチームでの業務効率化に適しています。

ERPパッケージ系システム

人事部門が管理のために使うシステムです。数万名まで対応し、拡張性は高いですが、その分自社に応じて必要な機能をオプションで追加したり、カスタマイズしたりする必要があります。

統合型クラウド

人事部門だけでなく経営層、マネージャー層、一般従業員層まで使用することを前提としているシステムです。顧客育成のマーケティング手法から機能開発されており、人材分析・活用に適しています。また、時系列で人材データを蓄積するため、採用〜配置〜育成〜評価〜抜擢まで、ワンストップで人材を見ることができます。

タレントマネジメントシステムを選ぶポイント

さまざまなタレントマネジメントシステムが存在しますが、そのなかから自社に適した製品を探すポイントについて解説します。

人材データベースの機能性

タレントマネジメントシステムを選ぶ際は、人材データベースの機能性を重視しましょう。機能性に問題があると、期待しているタレントマネジメントの効果を得られない可能性があります。具体的には、以下の点をチェックしましょう。

  • 管理項目はわかりやすく表示されているか
  • カスタマイズ性は高いか
  • 操作や検索は直感的に行えるか


自社の人事評価制度との相性

自社の人事評価制度との相性がよいか否かも、重要な選定ポイントです。人事評価制度にはさまざまな種類があり、タレントマネジメントシステムごとに対応しているものもあれば、そうでないものもあります。自社の人事評価制度に対応するフォーマットや機能が備わっているか、またカスタマイズが可能か、必ず確認してください。

自社の課題に対する解決力の有無

タレントマネジメントシステムを選ぶにあたって、自社の課題に対する解決力を有しているかは重要です。たとえば、将来的にどのような人材が必要か知りたい場合は、分析や診断の機能が搭載されているものを探しましょう。なお、製品によっては目的の機能がオプション購入限定であるケースもあるため、購入前にチェックするのを忘れないでください。

自社の運用形態との相性

自社の運用形態との相性も、重要な選定ポイントです。タレントマネジメントシステムはクラウド型、そしてオンプレミス型の2種類の導入形態があります。それぞれ初期費用や管理にかかるリソースが異なるため、よく比較してからどちらを選ぶか決めましょう。

セキュリティー対策

タレントマネジメントシステムを選ぶポイントとして、セキュリティー対策も挙げられます。タレントマネジメントシステムが管理している情報は、すべて重要な個人情報です。万が一流出してしまうと、企業の信用低下をはじめ、さまざまな問題につながりかねません。部署によるアクセス制限や二段階認証など、セキュリティー機能が充実しているものを選びましょう。

運用サポートの有無

運用サポートの有無も、タレントマネジメントシステムを選ぶ際に重視すべきポイントです。新しいシステムを導入するにあたって、トラブルの発生はつきものですが、業務の進行に影響を与えます。運用サポートを受けられれば、トラブルに対してもスムーズに対応できるようになるでしょう。

タレントマネジメントシステムを採用する際の注意点

最後に、タレントマネジメントシステムを採用するにあたって、押さえておきたい注意点について解説します。

初期費用がかかる

タレントマネジメントシステムを導入するにあたって、初期費用がかかることがあります。システムの導入費用だけなら問題ないでしょうが、周辺機器まで揃える必要があるケースもあります。その場合、かなり大きな金額を初期費用として用意しなければなりません。気に入ったタレントマネジメントシステムを見つけても、どの程度費用がかかるのか必ず確認しましょう。

効果は入力されるタレント情報の品質次第

タレントマネジメントシステムの効果は、入力されるタレント情報の品質次第です。情報が古い、または不正確など、品質に問題があると、分析結果の精度は著しく低下します。高品質なデータを維持したい場合、従業員の協力と人事部門の継続的な努力が必要です。

定期的に情報更新が必要

タレントマネジメントシステムを使用する場合、定期的に情報の更新を行いましょう。従業員のスキルや経験は、常に変化しています。それらを正確にデータに反映できれば、より正確な分析結果を出せます。ただし、更新頻度が高すぎると、従業員の業務負担が大きくなる可能性がある点に注意しましょう。

セキュリティ対策が必要

セキュリティ対策も、タレントマネジメントシステムを採用する際に押さえるべき注意点です。タレントマネジメントシステムには、従業員の個人情報をはじめとする機密情報が含まれています。アクセス制限やデータの暗号化など、多角的にセキュリティを強化するようにしましょう。

過度なラベリングによる人材の多様性の見落としリスク

過度なラベリングによって、人材の多様性を見落とさないようにしましょう。タレントマネジメントは、従業員のスキルや適性のラベリングによって、人材の可視化を行います。しかし、度の過ぎたラベリングは、従業員の多様性を見落とす原因になりかねません。見落としが発生しないように、適宜柔軟な評価基準も用いるようにしましょう。


まとめ

タレントマネジメントシステムは、企業のタレントマネジメントをサポートしてくれる存在です。ただし、タレントマネジメントシステムと一口にいっても、さまざまな種類が存在します。予算や抱えている課題などから総合的に判断して、自社に適した製品を選択できるようにしましょう。


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