ソーシャルスタイル診断の4つのタイプとは?メリットやビジネスで活かすコツも紹介


ソーシャルスタイル診断の4つのタイプとは?メリットやビジネスで活かすコツも紹介

現代の日本企業では、コミュニケーションの手段や方法、他者との関わり方が多様化しており、職場におけるコミュニケーションが働く上で重視されています。そこでコミュニケーション促進に役立つソーシャルスタイルについて紹介します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

昨今のビジネスでは、職場の人間関係が重視されることからクの普及などからコミュニケーションの手段や方法、他者との関わり方が多様化しました。そこでアメリカ発祥のソーシャルスタイルを活かしたコミュニケーション方法について紹介します。

ソーシャルスタイルの概要

ソーシャルスタイルとは、15~20問程度の簡単な質問に回答するだけで診断できるコミュニケーションスタイルであり、1968年にアメリカの産業心理学者であるデビット・メリル氏が提唱したコミュニケーションの理論です。

ソーシャルスタイルの目的

ソーシャルスタイルの目的は、人の言動を4つのグループに分けて分析することで、他者の望ましいと感じる対応を模索し、選択することです。ビジネスシーンにおいては、顧客と直接コミュニケーションのやり取りを取る機会の多い営業職や販売職、コンタクトセンターのオペレーターなどが、ソーシャルスタイルを理解することで円滑なコミュニケーションを実現できると考えられています。

disc理論との違いとは?

disc理論とは、1920年にアメリカのウィリアム・M・マーストン博士が提唱した人の特性や行動パターンを4つに分類したコミュニケーションの考え方です。ソーシャルスタイルとdisc理論の両方ともに、他者との円滑なコミュニケーションを実現することが狙いではあるものの、グループ分けする際の軸が異なります。

ソーシャルスタイルでは、「自己主張型か聞き役型か」「感情豊かか感情を抑えがちか」に軸を分けており、disc理論は「外交的か内向的か」「タスクや問題を重視する傾向にあるか人間関係を重視する傾向にあるか」に軸を分けています。

ソーシャルスタイル診断で分けられる4つのタイプ

ソーシャルスタイル診断を行うことで、コミュニケーションのタイプを4つに分類します。分類名称はそれぞれ「アナリティカル」「ドライビング」「エミアブル」「エクスプレッシブ」です。具体的にはどのような特徴があるか紹介します。

アナリティカル

アナリティカルタイプは、いわゆる分析型の人物を指します。事実やデータに基づいた理論的なコミュニケーションを展開し、感情表現や主義主張は控えめな傾向にあります。例えば、会議などでは積極的に発言しなくても、冷静に話を聞いて的確なフィードバックをすることが得意と考えられ、思慮深く物事にあまり流されない人が該当します。

このタイプに当てはまる方とコミュニケーションを取る場合、感情に訴えかけるような話し方では響きません。表面的かつ抽象的な内容の会話を嫌うため、会話の内容に矛盾やあいまいさが残る提案を受け入れることはないと考えましょう。詳細な資料をもとに具体的な根拠の明示した提案を心がければ受け入れてもらえる確率が高くなるため、提案前には事前準備を入念にしておくことをおすすめします。

ドライビング

ドライビングタイプは、自分の意見や考えをしっかりと主張しつつも、冷静にコミュニケーションを取ろうとするタイプを指します。プロセスよりも結果を重視するような、合理的に物事を達成していくビジネスライクな性格を持ち合わせています。決断力に優れ、上昇志向も強く、簡潔な会話を好む傾向があります。人によってはぶっきらぼうな印象を受けてしまうようなタイプと言えるでしょう。

このタイプに当てはまる方とコミュニケーションを取る場合、まず結論ファーストが重要です。まず結果や結論を伝えた後に経緯や理由を伝えるコミュニケーション方法を好む傾向があり、間延びするような会話やとりとめのない内容を好まないので、話は短く端的に伝えることがポイントです。物事の主導権を握りたがるため、主導権を渡してしまう方がスムーズに会話が進むので、複数の選択肢を提示し、相手に選んでもらうようなやり取りをおすすめします。

エミアブル

エミアブルタイプの人物は、相手の立場にたったコミュニケーションを取ることを好み、自分が注目を浴びることよりも全体の調和を重んじる傾向にあるタイプです。親しみやすい雰囲気を有しており、ソフトで柔らかい言葉遣いが特徴です。周囲のサポート役が得意な一方、優柔不断な一面があります。

このタイプは結論をせかされるようなコミュニケーションを嫌う傾向があります。強い口調で迫られた場合、強いストレスを感じることがあるので、せっかくの提案自体を断られることもあります。相手の不安に寄り添って、共感を示しながら解決策を提示する方法がおすすめです。

エクスプレッシブ

エクスプレッシブタイプの人物は、声やリアクションが大きく、感情の発露が目立つようなコミュニケーションが特徴的なタイプです。仕事の効率性や成果よりも、人間関係を優先することを好む傾向があります。雰囲気も明るくムードメーカー的な存在のため、自ら先頭に立って人を率いる場合が多々あります。

このタイプは、感情やノリを重視する傾向があるので、淡々とした感情を抑えたような会話を嫌います。反対にエクスプレッシブタイプのノリに合わせた話し方を心がけると、提案の承諾率があがることがあります。社交性の高さと楽観的な考えを持ち、親しみやすさを感じやすい一方で、楽しさ重視が行き過ぎた結果ルーズな面もあることは注意しなければなりません。

ソーシャルスタイル理論の活用だけで終わらない、あらゆる人事データを統合して分析

ソーシャルスタイル理論は従業員のモチベーション向上や部署選定に活用できます。適切な従業員のスキル把握を行うためには日頃のデータや情報管理が大切です。

時代は人材情報「管理」から人材情報「活用」へ!
タレントマネジメントシステム『タレントパレット』で、様々な経営課題と向き合えます。
・あらゆる人事情報を一元集約
・人材の見える化で埋もれた人材を発掘
・AIシミュレーションで最適配置を実現
・簡単操作で高度な人事分析が可能
⇒タレントパレットの資料を見てみたい

ソーシャルスタイル診断を実施するメリット


ビジネスでは、円滑な対人関係を築くことが重要です。無用な衝突は組織の生産性を低下させる可能性があるため、相手に合わせたコミュニケーションを取ることができれば職場の雰囲気が良くなり、生産性の向上が期待できます。

相手に合わせたコミュニケーションができる

まず一つ目のメリットは、相手に合わせたコミュニケーションができる点です。相手に合わせたコミュニケーションができるれば、職場での意思決定の速度が上がることが期待できます。

例えば、エクスプレッシブタイプのメンバーへ仕事の協力を依頼をお願いする場合、相手にとって心地よいお願いの仕方、相手をほめるような一言を添えてお願いすることで、エクスプレッシブタイプのメンバーは気持ちよく協力をしてもらえる可能性が高くなります。

相手が心地よいと感じるコミュニケーションは双方にとってメリットが生まれます。

チーム内の仕事が円滑に進む

チーム内の仕事が円滑に進むメリットもあります。相手の好む方法でコミュニケーションを取れば、チーム間の仕事の協力体制の構築が用意になります。協力体制がしっかりと整った組織は強く、お互いがお互いを思いやることができるので、大きな仕事だとしてもメンバー同士が助け合って、チーム一丸となり成功に繋げることができます。

チームの短所をお互いに補える

チームの短所をお互いに補える関係性の構築にも役立ちます。コミュニケーションスタイルが異なるメンバーが集まることがビジネスの中では度々発生します。チームメンバーの特徴が異なれば、メンバーごとの得意不得意も異なります。この時に日頃から相手を思いやったコミュニケーションを取れていれば、メンバー間で助け合うことを苦には感じることも少なくなり、想像以上の結果を残せるようなチームに成長するでしょう。

業務の効率化が図れる

チーム間のコミュニケーション不足や情報伝達の不備が発生すると、すぐに業務は滞ってしまいます。コミュニケーションの重要性が説かれていても、上手くチームが稼働しない背景には、相手に寄り添ったコミュニケーションが取れていない理由が散見されます、相手のタイプに合わせた提案や依頼を行えば、業務のキャッチボールも活発になり、今まで以上にスピード感のある業務遂行が可能になります。

交渉や提案スキルがアップする

上司への提案や他部署のキーマンとの交渉が上手くいかず、自身の業務が思うように進まない経験をされた方が多いと思います。なぜ上司やキーマンはわかってくれないのか悩むときもあったかもしれませんが、今一度自身のコミュニケーションの取り方が適切だったか振り返ってみることをおすすめします。

ドライビングタイプの上司に対して回りくどい提案を行い、上司の機嫌を損ねてしまった、といったようなことがある場合は、改めて上司のタイプと好みのコミュニケーション方法を確認した上で再提案するのはいかがでしょうか。

ビジネスでソーシャルスタイル診断を活かすコツ


実際に職場でソーシャルスタイル診断を導入する際には、まずは従業員の多くにソーシャルスタイルの理解を深めることから始めることをおすすめします。まずは、従業員自身のソーシャルスタイルを認識してもらい、そのあとに周囲との意見交換やスタイルごとのコミュニケーション方法の理解につなげていくことをおすすめします。

自分のソーシャルスタイルを知ってもらう

まず最初のステップは、従業員に自分自身のソーシャルスタイルを認識してもらうことです。意外と自分のソーシャルスタイルを明確に認識している人は少なく、少ないからこそミスコミュニケーションが発生してしまいます。自分のソーシャルスタイルを理解することで、今まで経験したミスコミュニケーションの原因を知ることができ、他者とのコミュニケーションにおける自身の視点と相手の視点とのギャップを認識することができます。

周りのソーシャルスタイルを把握する

次のステップは、周囲のソーシャルスタイルを把握することです。同僚のソーシャルスタイルを把握するにあたり、まずは相手の感情と意見の二つの観点に注意を向けることが重要なポイントです。普段の言動やコミュニケーションの取り方を観察してみると、同僚のソーシャルスタイルを推察できます。

例えば、普段から自分の意見をはっきりと発信する人はエクスプレッシブタイプもしくはドライビングタイプであることが考えられます。その上で、同僚の感情表現に着目してみましょう。感情の発露が少ない方であればドライビングタイプではないか、といったように推察してみることをおすすめします。

スタイルごとのコミュニケーション方法を理解する

最終ステップとして、相手のソーシャルスタイルに合わせたコミュニケーション方法の理解を進めましょう。自身と相手のコミュニケーション方法の傾向を事前に理解できていれば、相手の好まないコミュニケーション方法をとってしまうリスクを回避できます。

多くのミスコミュニケーションの原因は、相手への配慮が不足していた結果、自分のコミュニケーションスタイルを押し付けてしまった形となってしまったことです。結論を端的に知りたい相手へ結論を後回しにした会話を進めてしまうと相手をイライラさせてしまいます。

お互いにとって心地の良いコミュニケーションを取るために、相手の望むことを把握しましょう。

まとめ

今回は、ソーシャルスタイル診断の内容やポイントを通じて、相手に寄り添ったコミュニケーションの重要性と、上手くコミュニケーションを取ることができた場合のメリットや組織への導入のコツについて紹介しました。少しの気づきと気配りでミスコミュニケーションの減少、ひいては組織力の向上に繋がることがわかります。

タレントパレットでは、社内にあるあらゆる人事システムを活用できます。システム活用に合わせて、組織間のコミュニケーションを定量的に分析できるので、従業員同士の関係性を構築できるでしょう。

タレントパレットのHPはこちら