【記入例あり】雇用契約書の正しい書き方|作成時に注意したい7つのポイントも徹底解説


【記入例あり】雇用契約書の正しい書き方|作成時に注意したい7つのポイントも徹底解説

雇用契約書は労使間で雇用契約を締結する際の大切な書類です。労働者がどのような条件で働くのかについて記されているため、不備があると会社に対する不信感が募る可能性があります。本記事では、雇用契約書の記入例を交えて盛り込むべき内容や注意点を解説します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

「これまで作成した雇用契約書の書き方は合っているだろうか?」

「トラブル防止のために改めて作成時のルールを知っておきたい」

「具体的な記入例もあれば嬉しいな」

という方は多いのではないでしょうか?


雇用契約書は、会社と労働者が労働契約を締結する際に交わす大切な書類です。雇用契約書に不備があれば、労働者は会社に対して不信感を抱き、クレームにつながるリスクがあります。


雇用契約書の作成にあたっては、労働基準法や就業規則などとも矛盾しない内容を盛り込むことが大切です。


そこで本記事では


  • 雇用契約書の概要
  • 雇用契約書の書き方の例
  • 雇用契約書に記載すべき事項
  • 雇用契約書作成時の注意点


について解説します。


「雇用契約書に労働条件をしっかり明記して、労働者に安心して働いてもらいたい」という方のお悩みを解決できる内容になっているので、ぜひ最後までお読みください。


雇用契約書は労使間の雇用契約を書面化したもの

雇用契約書は労使間の雇用契約を書面にしたものです。通常、採用が決まり雇い入れる際に手渡しして、確認後に労働者にサインをもらいます。


原則として、使用者と労働者は雇用契約書の内容に拘束されます。しかし、雇用契約の内容が労働基準法に反する場合、その部分については無効となり労働基準法の基準に修正されることになるので注意が必要です。


例えば、労働基準法第39条では、年次有給休暇は雇い入れの日から起算して半年経過後に与えるべきことを謳っています。しかし、雇用契約書に「年次有給休暇は雇い入れ日から1年経過後に付与する」と明記されている場合には労働基準法違反となり「1年」が「半年」に修正されることになるのです。


また、雇用契約書の内容が就業規則や労働協約に反する場合も同様に、反する部分が修正されます。ただし、労働協約は労働組合に加入している労働者が適用となります。


雇用契約書についてもっと詳しく知りたい方は、別記事「雇用契約書」をあわせてご確認ください。


参照元:厚生労働省 労働基準法違反の契約(第13条)・労働契約期間(第14条)・労働条件の明示(第15条)


雇用契約書の書き方の記入例と記載すべき項目

雇用契約書を書く際は、以下のような雛形を会社で作成し、パソコンまたは手書きで作成します。

契約書には、労働者にサインをもらうことを忘れないようにしましょう。

雇用契約書の記載項目には、大きく以下の2つの項目があります。


  • 絶対的明示事項
  • 相対的明示事項


絶対的明示事項は、雇用契約の締結に際して必ず明示しなければならない事項のことで、相対的明示事項は、会社が制度として定めていれば明示が必要な事項のことです。


以下、絶対的明示事項と相対的明示事項について具体的にみていきましょう。


参照元:厚生労働省 よくある質問


絶対的明示事項として書くべき5項目

絶対的明示事項には、大きく以下の5つの項目があります。


  • 労働契約期間について
  • 就業場所や従事すべき業務に関すること
  • 労働時間等について
  • 賃金について
  • 退職に関する事項


労使間のトラブルを避けるためにも、必ず雇用契約書に盛り込むようにしましょう。


労働契約期間について

労働期間の定めについての有無について記載し、正社員であれば「期間の定めなし」、パートタイム労働者で期間の定めがある場合には、契約期間を記載します。


また、契約期間を更新する場合があるときは、その旨を記載し本人の能力や勤務態度、仕事の進捗状況などの条件があることについても具体的に記載します。


試用期間がある場合にはその期間と、正規採用になる日について記載が必要です。


就業場所や従事すべき業務に関すること

実際に業務を行う場所について記載しますが、将来的に転勤等によって勤務場所が変わる可能性がある場合は、その旨も記載します。


業務内容は実際に行う業務の内容を具体的に書きます。部署間に渡って業務が多岐に渡る場合には、就業する可能性のある業務についてすべて記載しましょう。


労働時間等について

労働時間等については、主に以下の事項について記載が必要です。

記載事項

内容

始業時刻および終業時刻

  • 始業開始時刻と終業時刻を記載
  • シフト制などで勤務形態が複数ある場合には、すべてのパターンを記載する

所定の労働時間を超える労働の有無

  • 所定労働時間外労働の有無について記載する
  • 所定労働時間外労働をしても8時間を越えなければ、割増賃金は発生しない
  • 法定労働時間の8時間を超えると割増賃金が発生する

休憩時間

  • 勤務時間に応じた休憩時間を記載する
  • 労働基準法第34条では、1日の労働時間が6時間を越え、8時間以下の場合には少なくとも45分の休憩、8時間を超える場合には少なくとも1時間の休憩を与える必要があると明記されている
  • シフト勤務などによって、複数の勤務形態がある場合には、それぞれのパターンごとに休憩時間を明記する

休日・休暇

  • 労働基準法第35条では、労働者に対して1週間に1日以上または、4週間を通じ4日以上の休日を与えるよう定めている
  • 就業規則に倣い、年間休日日数はもちろん年次有給休暇や育児休暇、介護休暇などについても記載するとよい

二組以上に労働者を分けて就業させる場合の就業時転換に関する事項

  • いわゆる交代制勤務がある場合にはその旨を記載し、交代のルールや規則についても説明する

例えば、所定労働時間が6時間と定められている労働者が8時間労働した日は、6時間を超える2時間分については割増賃金は発生しません。


一方、同じ所定労働時間の労働者が9時間労働した日には、8時間を超える1時間分については割増賃金が発生することになるのです。


賃金について

賃金の決定方法や計算方法について記載しますが、月給・日給・時間給などに応じた各種手当の支給がある場合にはその旨を明記します。

また、賃金締め日と支払日、支払い方法(金融機関振込、手渡しなど)についても提示します。昇給がある場合には昇給の時期についても記載が必要です。ここでの賃金は、退職手当および臨時に支払われる賃金等は除く点に注意しましょう。

退職に関する事項

自己都合により退職する場合には、何日前までに申し出る必要があるのかを明記し、定年退職の場合は、その年齢や定年後の再雇用の有無についても記載します。また、どういう場合に解雇事由に該当するのかの記載も必要です。


相対的明示事項として書くべき8項目

相対的明示事項には大きく以下の8つがあります。


  • 退職手当
  • 臨時に支払われる賃金等
  • 労働者の負担すべき費用
  • 安全及び衛生に関する事項
  • 職業訓練に関する事項
  • 災害補書および業務外の傷病扶助に関する事項
  • 表彰及び制裁に関する事項
  • 休職に関する事項


退職手当については、支給するかどうかは会社の自由ですが、就業規則等に支給が定められている場合には、適用される労働者の範囲や支給決定の方法、計算方法や支払いの時期について記載します。


臨時に支払われる賃金には、例えば賞与がありますがその支払い時期や回数などを記載します。ここには、退職手当は含まれません。


労働者の負担すべき費用には、例えば食費や作業用品などがあります。


雇用契約書作成時の注意点7選

ここでは、雇用契約書作成時に注意したいポイントを解説します。


  • 雇用契約書は使いまわさない
  • 法律や規則等に抵触しないか確認する
  • 求人内容や面接で伝えた内容と矛盾しないようにする
  • 賠償予定について触れない
  • 作成後は複数人でチェックを行う
  • 雇用契約書をデータとしても保管する
  • 雇用形態にかかわらず作成する


法に則った雇用契約書を作成するために、それぞれのポイントについて1つずつ詳しくみていきましょう。


雇用契約書は使いまわさない

他の労働者の雇用契約書を使い回すことは避けるべきです。雇用契約書は定型的なものであるため、共通する部分が多く、氏名や賃金だけを変えるだけの書類を作成してしまうこともあります。


しかし、雇用契約書には労働者ごとに契約締結日や勤務時間、勤務場所、通勤手当など異なる部分が他にも多くあり、使い回すことはできません


万が一、他の労働者の情報が残ったままになるとトラブルに発展する可能性もあるため、新たに労働者を雇い入れる際には白紙の状態から雇用契約書を作成することが大切です。


法律や規則等に抵触しないか確認する

雇用契約書の内容が、労働基準法などの法律に抵触していないかの確認が大切です。


例えば、労働者に十分な休憩を与えてなかったり、1週間に1回以上の休日を与えていなかったりする場合には懲役刑または罰金刑が課されることがあります。


また、労働基準法、就業規則、労働協約などの基準を下回る契約内容を雇用契約書に記載している場合には、その部分は無効となります。


法律や規則等の内容と照らし合わせながら、作成する必要があります。


求人内容や面接で伝えた内容と矛盾しないようにする

求人を出した際の募集内容や、面接時に提示した条件と矛盾することを雇用契約書に書かないようにしましょう。


例えば、求人票には基本給(月給)が25万円と記載があったにもかかわらず、雇用契約書には20万と記載するような場合には労働者から「こんなことは聞いていない」とトラブルに発展するケースもあります。


入社後も労働者が納得して働けるように、雇用契約書を作成することが大切です。労働者が納得して会社で働くことが、離職を防ぎ無駄なコストを抑えることにもつながるのです。


賠償予定について触れない

労働基準法16条では事業主が雇用契約の締結にあたり、労働者に対して労働契約の不履行の違約金を定めたり、あらかじめ損害賠償を予定する契約をすることを禁じています。


雇用契約書には「労働者が自らの過失によって会社に損害を与えた場合には○○万円を会社に対して賠償する」といったような賠償予定について記載をしてはいけません。


ただし、現実に労働者の過失によって生じた賠償に対して請求することは問題ありません。


参照元:厚生労働省 賠償予定の禁止(労基法第16条)


作成後は複数人でチェックを行う

雇用契約書を作成したら、社内において複数人でチェックをすることが大切です。ちょっとした記入漏れや、記入ミスでも労働者にとっては大きな問題となることもあるからです。


入社後のトラブルを防ぐためにも、就業規則等に則った雇用契約書を労働者に渡す必要があります。


雇用契約書をデータとしても保管する

作成した雇用契約書はデータとしても保存することがおすすめです。雇用契約書は労働者との間に万が一トラブルが発生した場合に、重要な証拠となります。


雇用契約書の保管期間は5年と長期に渡ることから、電子媒体としても保管しておくと安心です。


雇用形態にかかわらず作成する

雇用契約書は、労働者の雇用形態にかかわらず作成する必要があります。正社員はもちろん、パートタイムやアルバイトの労働者とも、契約を締結してから入社させるべきです。


雇用契約書を作成していないと後々、労働者との間でトラブルに発展する可能性があるので、入社時には必要事項を記載した雇用契約書を作成し労働者のサインをもらうようにしましょう。


パートタイム労働者の雇用契約書について詳しく知りたい方は、別記事「雇用契約書パート」をあわせてご確認ください。


雇用契約書のまとめ

雇用契約書の作成時は、労働者ごとに必要事項を盛り込んで作成する必要があります。労働者ごとに条件は異なるため、抜け漏れや記入ミスがないかのチェック体制の整備も大切です。


また、就業規則についても整備しておくことが求められるため、企業の労務管理がますます重要になってくるでしょう。


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今後、雇用契約書の作成にも対応していき、さらに業務の効率化に役立つようになる予定です。


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タレントマネジメントシステムについて詳しく知りたい方は、別記事「タレントマネジメントシステムを導入する3つの目的と7つの効果!導入ツールの比較ポイントも併せて解説」をあわせてご確認ください。