採用管理システム(ATS)で人材確保をスムーズに!活用方法とそのメリットとは


採用管理システム(ATS)で人材確保をスムーズに!活用方法とそのメリットとは

企業で採用を担当している人のなかには、「今よりももっと効率よく業務をこなしていきたい」と考えている人もいるのではないでしょうか。採用業務では多数の応募者とコミュニケーションを取らなければならないので、アナログな管理方法では業務が追いつかない場合もあるでしょう。そこで注目を集めているのが採用管理システムです。この記事では採用管理システムの概要と、運用することのメリットとデメリットについて紹介します。

採用管理システム(ATS)とは

採用管理システムはその名の通り、募集から採用までの流れを一元管理できるシステムです。これまでエクセルなどで管理してきた募集から採用に至るまでのプロセスを1つのシステム上で一元管理できるのが特徴です。採用管理システムは英語では「ATS(Applicant Tracking System)」と呼ばれており、単語本来の意味で日本語に訳すと「応募者追跡システム」になります。つまり、応募から採用に至るまでの応募者の流れを追跡し、管理してくれるシステムです。
特に中小企業に多かった従来の採用管理は、主にExcelやGoogleスプレッドシートを活用した方法でした。しかし、Excelでは同時に複数人が同じファイルを開いて作業することはできません。そのため、1人の担当者に負担が集中する傾向にありました。一方、Googleスプレッドシートはネットワーク上のシステムを利用することになるので、更新の問題は起きません。しかし、データ容量が増えれば増えるほどシステムの負担が増えて、処理が重たくなっていました。ExcelやGoogleスプレッドシートは手軽に使いやすい反面、採用業務においては余計な労力がかかっていたのです。

採用管理システム(ATS)で管理できる項目


採用管理システムで管理できる項目


採用管理システムで管理できる項目は主に4つあります。1つ目の項目は「求人案件の管理」です。採用管理システムを活用すると、求人を募集するための条件を簡単に管理することができます。具体的にいうと、採用予定人数や求める人材、募集期限といった内容を一元的に管理することが可能です。また、公開した媒体名や媒体数の管理もできるので、「どの媒体へどのような条件で募集したか」の管理が簡単にできるようになります。複数の媒体へ求人をかけると管理が大変になるものですが、そうした負担を減らすことが期待できるのです。

管理できる2つ目の項目は「個人情報管理」です。求人を公開したら、不特定多数の応募者から履歴書などの個人情報が送られてきます。応募者が少数なら紙ベースでの管理でもそれほど問題ないでしょう。しかし、応募者が多数いる場合に紙ベースで管理するのは大変です。人事担当者から応募者情報の問い合わせがあるたびに、ファイルを開いて確認しなければいけません。ファイルを開いて探すのは手間がかかりますし、時間の無駄です。また、万が一ファイルを紛失してしまっては、個人情報保護の観点から考えて非常に大きな問題になる恐れもあります。採用管理システムではデータベースで個人情報を管理するので、人事部門から問い合わせがあっても検索すればすぐに情報を伝えられます。また、毎回ファイルを探す必要もなくなるので、紛失リスクも軽減できるでしょう

採用管理システムでは「選考管理」にも対応しています。具体的には面接の評価や進捗状況の管理といった内容です。採用試験においては基礎学力を試すための筆記テストや、人間性を確かめる面接などによって、応募者を絞り込んでいきます。そうした個人の評価はあまり外部に公開するものではないので、特定の担当者に情報が集中してしまいがちです。しかし、あまりにも担当者任せでは仕事量の配分に問題がありますし、社内コミュニケーションの観点から考えても好ましいものではありません。透明性の高い採用を行うためにも応募者の評価を社内で共有することが大切で、そのためにはデータを可視化して客観的な評価を可能にする採用管理システムが適しています。

採用管理システムの機能は、採用が決まるまでだけではありません。システムによっては内定通知や内定後の連絡まで対応しています。企業にとって内定後の入社辞退が続くと、採用計画の変更を余儀なくされる可能性があります。入社辞退を避ける可能性が高まるという点で、内定後のフォローは非常に大切です。採用管理システムによっては、内定者のフォローを目的として専用のシステムを搭載しているものもあります。

採用管理システム(ATS)を利用するメリット

採用管理システムを利用する最大のメリットは求人から採用までを一元管理することによる「人事工数の削減」です。従来のExcelなどによる採用管理では、大勢の職員が同時にファイルを開くことができず、進捗状況の可視化を図ることは難しくなっていました。しかし、採用管理システムでは求人管理から内定管理までさまざまな情報をデータベース化し、社内で共有できます。それによって選考の進捗状況が可視化されるので、スピード感を持ってPDCAを回すことができ、積極的な採用戦略を実現できるようになります。

採用活動の効率アップで、他社に負けない人材の確保に役立つ点がメリットのひとつとなります。情報機器が進化している現代では求職者の多くがスマホやタブレット端末を活用して、リアルタイムに情報を収集しています。優秀な人材ほど他社もスピード感を持って採用することを目指しているので、業務を効率化して採用にかかる時間を減らす努力をすることが大切です。採用管理システムは求人から内定までの時間の削減に大きく貢献するでしょう。

また、採用管理システムのもう1つのメリットとしては、「採用業務の透明性を高め、ケアレスミスを減少させる効果」が挙げられます。日本において採用選考がオープンに行われるケースは少ないです。一般的には人事担当者と役職員のみといったごく限られた担当者だけで進められていきます。特に内定者を選別するための評価については、情報が漏れないように非常に慎重に扱われます。内定者が事前にバレてしまうというのは企業の情報管理において好ましいものではないので、できるだけ極秘に進めていきたいという方針は妥当ともいえます。ただし、閉鎖的な空間で業務をこなしていくと、特定の担当者がいないとスムーズに業務が回らないという事態に陥るケースがあります。

採用管理システムを採用することで情報のデータ化や可視化に大きく貢献し、労力をかけることなく社内で共有できます。それによって、社内のコミュニケーションが高まり、社員同士のチェック機能が働きやすくなる点も採用管理システムのメリットです。

採用管理システム (ATS) を利用するデメリット

採用管理システムを導入するにあたって、特に大きなデメリットはありません。基本的には作業効率のアップに貢献するはずなので、費用対効果を考えながら導入すれば大きなメリットは得られるでしょう。ただし、注意しなければいけないのは、自社の採用状況に合わないシステムを選択しないことです。採用管理システムには非常に多くのサービスが提供されています。それぞれのシステムには特徴があり、サービスも大きく異なります。たとえば、求人管理に重点を置きたい企業が、内定者管理に大きなメリットのあるシステムを選んでも満足することは難しいでしょう。

自社の状況に合っていないシステムを採用してしまうと、限られた機能のなかでやりくりすることを求められてしまいます。結果的に操作方法や設定に工数が取られてしまい、本来のシステムの使用方法よりも無駄な手間が増えてしまうでしょう。そのような事態を避けるために、導入する予定のシステムにどのような特徴があるか、よく把握しておくことが大切です。適切なシステムを導入して、業務効率のアップにつなげましょう。

また、採用管理システムではネットワーク上でデータを管理する方法になります。そのため、手作業が絡むようなアナログな採用管理方法に基本的に対応していません。企業によっては選考過程で、どうしても人力が必要な場合もあるでしょう。そのようなときは、採用管理システムで管理するのが向いていないケースもあります。どうしても人力での作業が必要な企業で採用業務の効率を上げたい場合は、採用業務アウトソーシングサービスを導入したほうがよいケースもあることは覚えておきましょう。

採用管理システム (ATS) はセキュリティを重視する


採用管理システムのセキュリティ


採用管理システムでは応募者の学歴や資格の有無はもちろん、連絡先などのプライバシーにかかわる情報も扱います。個人情報の扱いが厳しくなった現代では、万が一それらの情報が洩れてしまうようなことがあると、その後の企業活動に大きなマイナスになるかもしれません。採用活動で取り扱う情報は、重要な個人情報が多く含まれていますから、セキュリティがしっかりしているシステムを選ぶことが重要です。具体的にはデータベースの暗号化やアクセスログの記録ができるかどうかについて事前に確認しておきましょう。そのため、採用管理システムの選定にあたっては、人事担当者だけでなくシステム担当者からの意見を聞くことも大切です。

また、どれだけセキュリティがしっかりしていても情報漏洩のリスクがまったくないシステムは存在しません。情報漏洩が実際に起こってしまったときの対策についても事前に考えておく必要があります。具体的には「連絡経路をはっきりさせておく」ことが重要で、システム担当者や上司の誰に連絡すればよいかを社内で共有しておくことが望ましいです。さらに、システムのセキュリティ対策についてはサービスの提供者側のメーカーの協力が必要になるケースも多いので、サポート体制を重視する必要もあります。いずれにしても、最悪のケースを想定して準備しておきましょう。

求職者の立場で見ることも大切

採用管理システムを導入することで業務の効率化に役立てることができますが、採用業務本来の目的は自社に適切な人材を入社させることです。採用管理システムを導入した企業のなかには業務の効率化を優先するあまり、求職者からどのように見られているかを意識しないケースがあります。その結果、業務効率は良くなったけれども、肝心の応募者数が減ってしまい、必要な人材を見つけにくくなってしまうことがあります。採用管理システムを導入したことで、必要な人材が見つからなくなってしまっては本末転倒です。

このような状況に陥るのは、採用管理システムを導入するにあたって社内の立場から物事を考えすぎていたことが原因です。大切なことは求職者から求職情報がどのように見られるかを意識することです。採用管理システムを導入して実際に採用業務を始めると、求職者は採用管理システムを介して求人情報の詳細を確認することになります。求職者にとっては、求人票に掲載されているページが企業についての理解を深められる重要な情報源です。そのため、採用管理システムを選ぶときは、求人情報の見やすさや分かりやすさ、応募しやすさといった、ユーザーにとって使いやすいポイントを重視することが大切です。

採用管理システムによっては簡単に魅力的な求職情報を作れるものもあるので、それぞれのシステムを事前によく比較検討することが重要です。社内の意見を重視することも大切ですが、システムを選ぶときは採用業務本来の目的を忘れることのないようにしましょう。

自社にマッチする採用管理システム(ATS)を導入しよう

採用管理システムにはさまざまな製品があり、機能は大きく異なります。導入するときは、自社に合った採用管理システムをどうやって見極めるのかが重要です。また、導入にあたっては費用がかかるので、年に数人程度しか採用しないような企業の場合、コスト面でデメリットのほうが大きくなる可能性もあります。各製品の特徴を把握して、それぞれのサービスが対象としている企業規模に合わせて導入を検討しましょう。

採用管理システムを活用すれば、オンラインでの面談や採用のPDCAサイクル構築も可能

タレントパレットで採用から配置、離職防止までワンプラットフォームで管理を

タレントマネジメントシステム「タレントパレット」は現在いる社員だけでなく、採用候補者の管理もできるタレントマネジメントシステムです。
社員の情報を活用することで、採用候補者が自社平均と比べてどんな特色があるのか予め知ることが可能です。また、現在活躍している人材が採用時にはどんなことを言っていたかについても簡単に把握することが出来ます。 社員の情報を採用前から一元管理し、活用できるようにしましょう。