中小企業の人材育成で気をつけるべきポイント4個


中小企業の人材育成で気をつけるべきポイント4個

中小企業における大きな悩みの1つが「人材育成」です。中小企業ではなぜ人材育成が難しいのか、その理由を明らかにすることが課題解決のヒントとなるでしょう。中小企業において人材育成が難しいと言われる理由と、人材育成の実行にあたり気をつけるべきポイントについて解説します。

中小企業で人材育成を進める際のハードル

 中小企業での人材育成には、どのようなハードルがあるのでしょう。多くの会社で問題となりやすいポイントを紹介します。
 

人材育成担当者の確保が難しい

そもそも人材育成担当者の確保が難しいケースです。
人材育成には、新入社員、中堅社員、管理職などそれぞれレイヤーに応じた育成手法を用いる必要がありますし、担当者は短期、中期、長期の育成計画、研修計画の作成やマネジメントなどの様々な業務を行うことになります。
大手企業にはこれらの業務を専門に行う人材育成専門の担当者がいますが、中小企業では人事担当者が育成や教育業務を兼務することがほとんどでしょう。人事担当者は育成だけを専門に行うのではなく、採用、社内組織の構築、人事評価、労務管理、人事制度企画立案、さらに給与計算、労働保険・社会保険や所得税の管理などの実務もこなさければなりません。また、中小企業の場合、採用や組織構築に関しては経営者みずからが携わる場合もあります。
中小企業では、人材育成のために割ける人的リソースは限られていることが多いでしょう。
 

人材育成の時間が足りない

人材育成の時間を作るのが難しい、という問題もあります。
 
時間がないのは教育担当者だけではありません。教育を受ける側の社員も多忙であり、研修やトレーニングに向き合う時間はなかなか確保できないものです。
余裕がない状況で無理に研修を詰め込んでも、十分な学習効果は得られないでしょう。OJTなど、現場での育成を行う場合でも、上司、先輩社員、一般社員が多忙すぎると、思うように育成が進みません。
とくに中小企業の管理職は業務の負担が大きく、人材育成にかける時間の不足が問題になりがちです。
 

人材育成のしくみが整っていない

人材育成計画に基づいたしくみが整っていないケースも見られます。
人材育成には研修、社内勉強会、自己学習、OJT、ロールプレイング、メンター制度、ブラザー・シスター制度などさまざまな方法があります。
人材育成ではこれらをどう組み合わせて効果的な仕組みを作り上げるのかが問われます。

中小企業の人材育成で気をつけるべき4つのポイント

 では、中小企業の人材育成を成功させるには、何が必要なのでしょうか。気をつけるべきポイントを4つ挙げて説明します。
 

人材の見える化に取り組むべき

人材育成を効率的に行うには、人材の見える化が先決です。
人材の見える化とは、組織内の社員の能力・スキル、保有資格、経歴、キャリアプランなどの情報をデータ化し、すぐに参照できるようにすることです。
 
たとえば、顔写真付きのプロフィールと社員情報を合わせた人材データベースを作り、そこに研修や学習の履歴を加えれば、どの社員にどのような教育が必要なのかの針を決めたり、現在どの程度の教育を受けているのか把握することができます。
 
人材の見える化、人材情報のデータ化は、タレントマネジメントシステムと呼ばれるシステムを使うと容易に構築することができます。
 

属人化している業務はマニュアル化するべき

特定の社員がいないと進まないような属人化している業務があるなら、まずそれを発見することも重要です。属人化している業務は、それだけで企業内の人材育成を阻む原因となるためです。
 
発見した属人化業務は、なるべく多くの社員が対応できるよう標準化を進めましょう。具体的にはその業務を進めるためのマニュアルを作って共有する方法が考えられます。
マニュアルだけ理解するのが難しければ、必要に応じて細かい部分の講習や勉強会も実施します。
 

社内だけで完結しようとしないこと

育成方針・育成計画の策定、育成のための仕組み作り、ゴールと運用ルールの設定、施策の実行・管理、評価測定など、人材育成にはいくつかのフェーズがあります。
中小企業の場合、これらをすべて社内で完結させるのは難しく、役に立つのが外部サービスです。外部の研修サービスや、eラーニングの活用などを検討してみましょう。人材育成計画の策定などは人材育成コンサルティングを依頼する方法もあります。
 
厚生労働省ではキャリア形成促進助成金、キャリアアップ助成金などの従業員育成費用の助成制度を用意しています。こうした制度も積極的に利用するのもよいでしょう。
 

なんとなくの教育でなく体系化した人材育成を心がける

最も気をつけたいのは、人材育成や社内教育を中途半端に実施して「なんとなくの教育」で終わらせてしまうことです。
人材育成がまったく行われないわけではないものの、十分に育成するには至らず、なかなか優秀な人材が育たない、育ってもすぐに転職してしまうといったケースが多いように見受けられます。
 
とはいえ、中小企業では人材育成に割ける人や時間に限りがあります。そこで求められるのが効果的かつ効率的な体系化された人材育成プログラムです。
タレントマネジメントシステムなど、人材育成に関する課題を解決するための外部サービスやシステムをいかに上手く組み合わせて活用するかも、中小企業の人材育成を成功に導くポイントとなるでしょう。

まとめ

タレントパレットは、社内の人材情報の見える化、社員の育成状況の把握、研修やeラーニングの受講条項管理といった機能を備えたタレントマネジメントシステムです。人材育成計画の立案、実行、振り返りを一気通貫で行うのに適しています。また、独自のテキストマイニング機能により、研修レポートを分析し内容の改善に活かすことも可能です。人材育成をはじめとする統合型人材マネジメントシステムとしてお役立てください。