日本の企業が抱えがちな人材育成の課題と問題点とは


日本の企業が抱えがちな人材育成の課題と問題点とは

社員を会社の発展に貢献できる人材として育てる「人材育成」は、経営戦略の根幹となる重要な部分です。その一方で、働き方改革によって個々の事情に応じた多様で柔軟な働き方が求められる現代では、人材育成についてさまざまな課題を抱えている企業も少なくありません。特に近年は、テレワークの普及で社員同士に物理的距離が発生したことで、人材育成のあり方を根本から見直す必要があるケースも増えています。
そこで今回は、日本の企業が抱えがちな人材育成の課題と問題点と、その解決のヒントを詳しく解説していきます。

日本の企業が抱える人材育成の問題と課題

人材育成の大切さを把握してはいるものの、実際には人材育成の成果が実感できずにもどかしい思いをしている企業も少なくありません。人材育成を成功へ導くためには、まずは抱えている問題と課題を明らかにしていくことが大切です。
では、実際に日本の企業は人材育成においてどのような問題や課題を抱えているのでしょうか。詳しく見ていきましょう。
 

人材の流動化

日本ではこれまで、ひとつの会社に定年まで勤めるという終身雇用が一般的でした。ところが、多様な働き方が尊重されるようになった現代では、一社に長くとどまって働き続けるのではなく、キャリアアップをめざして転職をするワークスタイルが広まってきています。経験を積んだベテラン社員やスキルのある人材が自由に企業間を移動するようになったことで人材の流動化が起こり、業務に関するノウハウやスキルが社内で蓄積されにくい状態となっています。その結果、人材育成においても適切な教育を行うことが難しくなっているのです。
 

求められる能力の変化

従来の人材育成では、新入社員など対象となる社員を集め、一度に研修を行う「集合研修」が一般的な手法でした。ところが、社員一人ひとりの価値観が多様化する現代では、このような旧来の方法では効果的な人材育成を行うことが難しくなってきています。新型コロナウイルスの感染拡大によって世の中が一変したように、今後も私たちを取り巻く環境は大きく変化し続けていくでしょう。その中にあって求められるのは、変化にも対応できる柔軟性と応用力、変化を前提にスキルアップを続けることができる専門性です。このような能力を育てるためには、人材育成の方法そのものを見直す必要があるのです。
 

教育制度の不備

業務の手順などを教育する場合、これまでは職場で実務を体験しながら仕事を教えるOJT(On the Job Training)が一般的でした。しかし近年は限られた時間と人材を有効に活用するため、社会人として必要な一般知識を集中的に学ぶことができるe-ラーニングやoff-JTを併用し、そこで学んだことをアウトプットする場としてOJTを行うのが理想的な流れとなっています。ところが、企業によってはe-ラーニングやoff-JTを導入するための環境が整っておらず、人材育成で大きな遅れをとってしまっているケースも少なくありません。
 
 

人材育成の課題を解決するには

人材育成に関する課題は、どのようにして解決すれば良いのでしょうか。主なポイントは以下の3つです。
 

人事評価制度の見直し

人材育成を効果的に行うためには、社員一人ひとりが抱えている課題を明確にして、それぞれのレベルに応じた教育を行なわなければいけません。そこでカギとなるのが、「人事評価制度」です。人事評価によって個人の業績や業務に対する姿勢などを正しく評価することで、そのデータを人材育成に活用していくことができます。現在の人事評価制度がそのようなデータを導き出す内容になっていない場合には、人事評価制度そのものの見直しが必要というわけです。
 

社内の人材・能力の可視化

人材育成が思うように進まない場合には、社内にどのような人材がいて、どういったスキルがあるのか現状について見える化することも大切です。誰がどのような仕事をどれだけ抱えていて、どのくらい成果を上げているのか、新入社員に限らずミドル層についても同様にデータを収集していきましょう。その上で、どのような課題があるのか、また年次や役職ごとにどのようなスキルを求めるのかを明確にし、それに応じた人材教育を行なっていきましょう。
 

タレントマネジメントシステムの導入

会社の規模や人材育成に携わる人員によっては、人材に関する情報をデータ化して一元的に管理できるタレントマネジメントシステムを導入するというのも、効果的な選択肢のひとつでしょう。社員一人ひとりの特性や能力などを細かく分析し理解することで、より適切な人材育成を提供することができます。

まとめ

科学的人事をワンストップで提供するタレントマネジメントシステム「タレントパレット」なら、社員一人ひとりのスキルを見える化できるだけでなく、eラーニングや研修などの受講履歴を管理・蓄積し、それぞれに合った学習環境を提供することが可能です。人材育成の課題解決の選択肢のひとつとして、検討してみてはいかがでしょうか。