営業職における評価制度の特徴と気をつけるべきポイントとは?


営業職における評価制度の特徴と気をつけるべきポイントとは?

営業職に対する評価方法は、飛び込み営業やテレアポなどが主流だった時代とは大きく変わってきています。現在の営業職に対する評価制度に求められるのはどのようなものでしょうか。営業職の評価制度の特徴、作成方法、気をつけるべきポイントについて解説します。

時代による営業の変化

時代の移り変わりに伴って営業の方法やスタイルも新しく変化しています。一口に営業といっても現在は細分化や多様化が進み、企業ごとに新しい営業手法を確立するための模索も続いてるといえます。ただ、そんな中でも大きな流れとして次の2種類の営業方法を挙げることができます。
 

アウトバウンド営業とインバウンド営業

アウトバウンド営業は、企業側から顧客に働きかけるプッシュ型営業です。従来からある飛び込み営業やテレアポなどが該当します。最近はインターネット上の問い合わせフォームや一括見積もりなどを介してコンタクトのあった顧客にアプローチして商談の機会を得るケースも多く、こうした引き合い営業もアウトバウンド営業の一種に含められるでしょう。
 
一方のインバウンド営業は、潜在顧客から見込み顧客へと変わった顧客からの問い合わせに対して情報提供や提案を行うことで商品購入に結び付けるプル型営業です。オウンドメディアやSNSなどを使って情報発信し、商品に興味を持ってコンタクトしてきた顧客に対して対応することからセールスにつなげていきます。
インターネットの浸透に伴って増えてきたスタイルで、アウトバウンド営業も一部インバウンド的な手法を取り入れるようになっています。また、対面取引ではなくメールやチャット、Web会議システムなどを活用したインサイドセールスを行う企業も増えています。
 

評価制度の注意点

アウトバウンド営業とインバウンド営業ではそれぞれ必要とされるスキルが異なります。トレンドとして今後インバウンド営業が主流になるとの見方もありますが、手法としてインターネットを活用するようになっても、アウトバウンド営業が完全になくなることはないと考えられます。
 
そこで問題になるのが評価制度です。どのような営業方法や営業スタイルもそれぞれの状況に応じた評価をし、不公平感を生まないようにすることが求められます。同じ企業内でも営業のやり方が細分化・多様化していくことが考えられ、それに対応できる制度づくりが必要となります。
 

営業職の評価制度の特徴

営業職に対する評価基準でも、基本的に「能力評価」「業績評価」「情意評価」の3つからなります。それぞれの内容を説明します。
 

能力評価

与えられたミッションを遂行するために必要な能力に関する評価です。営業職であればコミュニケーション能力や調整能力などが挙げられます。
 

業績評価

業績や成果そのものに関する評価です。営業職では売上、受注件数などが挙げられます。
 

情意評価

勤務意欲、勤務態度など仕事に対する姿勢に関する評価です。責任感、協調性、積極性などが挙げられ、具体的には顧客に対して誠実かつ丁寧に接しているか、他のメンバーへのアシストを行っているか、新しい商材などの知識の習得度合いはどうかなどを見ます。

営業職の評価制度の作成方法

では、営業職の評価制度はどのようにして作成すれば良いのか、その方法を紹介します。
 

評価目的を決める

最初にやるべきこと    は営業職の評価制度を作成もしくは整備する目的の明確化です。給与や賞与の査定のためというのが一般的な評価目的だと考えられますが、社内に異なる営業スタイルの社員がいるのであれば、公平な評価をすることも目的に含められるでしょう。他にも評価の結果を最適配置や今後の育成に活用すると行った目的も考えられます。
 

評価基準を作る

評価のための基準を設定します。上述した能力評価、業績評価、情意評価の各評価基準から自社の状況に合わせてバランスを調整し、制度設計していきます。
 

評価項目を決定する

評価項目は能力評価、業績評価、情意評価の各評価基準から、具体的な評価項目をリストアップして決めていきます。下に例を示します。
 

・能力評価

コミュニケーション能力、調整能、折衝能力、企画力、実行力、改善力。
 

・業績評価

業績目標達成度(売上、顧客獲得件数、契約件数、成約率、リピート率)、課題目標達成度(企画提案、資料作成、アフターフォロー)。
 

・情意評価

責任感、協調性、積極性、規律性、リーダーシップ。

営業の評価制度の作成で気をつけること

最後に、営業の評価制度を設定する上で注意すべき点を2点挙げておきます。
 

成果だけでなくプロセスも評価基準になる

売上や成約率だけではなく、プロセスも評価対象とするよう評価基準に取り入れると、社員のモチベーション向上を促進することができます。たとえば顧客に対してどのような企画提案をしたか、資料作成を行ったかといったフォロー面やアシスト面が考えられます。また、新人であればテレアポの架電数や顧客訪問数など、単純な活動量を評価し、経験を積むことを優先する選択もできるでしょう。
 
たとえ成約に至らなくても、今後の営業活動に役立つ知見の蓄積につながる行動であればプラス評価を与えるべきです。
 

現場とコミュニケーションを取りながら作成する

評価制度の設計を進めていく上で重要なのが、現場とのコミュニケーションです。営業部の管理職だけではなく、営業職に携わる一般社員、関係部署の社員などにもアンケートやヒアリングを実施し、広く情報集するとより実態に即した評価基準・評価項目が設定できるでしょう。
 
営業職の役割や営業の方法、求められる能力などが大きく変わりつつある現在、評価制度もそれにマッチした内容に刷新することが求められています。
 

まとめ

タレントパレットは科学的人事をワンストップで提供するタレントマネジメントシステムです。社員の能力評価、人事評価を客観的かつ公平に実施するための機能がそろっています。評価制度の設計・設定にお役立てください。