企業の生産性を高める5つの人事業務について具体的な事例と共に解説


企業の生産性を高める5つの人事業務について具体的な事例と共に解説

労働人口の減少や世界的競争力の後退により、企業の生産性アップについて気になる方は多いのではないでしょうか。
本記事では、生産性に関わる人事業務や効率的な働き方について解説します。限られた人材を活かして企業の生産性を高めたい方はぜひ参考にしてみてください。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。


「人事業務で企業の生産性を上げたい」

「企業の生産性に影響する人事業務を知りたい」


人事業務を改善して、企業全体の生産性を上げたいと思っている担当者の方も多いのではないでしょうか。人事は企業を支える「ヒト」に関連した業務を担うため、活動次第で全体の生産性にも影響を与えます。近年、日本の労働人口が減少傾向にあることからも、企業にとって一人あたりの生産性を上げることは大きな課題のひとつとなっています。


そこで本記事では、企業の生産性を上げるために重要な人事業務について解説します。生産性に関わる人事の業務内容や事例も合わせてご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。


人事業務による生産性の向上が注目される要因2選

人事業務によって、生産性を向上することが注目されている理由は2つあります。


  • 生産年齢人口の減少による労働力不足
  • 世界における日本の競争力の後退


ここでは、人事業務により企業の生産性向上が注目される理由について詳しくみていきましょう。


生産年齢人口の減少による労働力不足 

企業の生産性向上が注目される背景の一つに、少子高齢化問題があります。少子高齢化により生産年齢人口が減ってしまうと、働き手不足につながるためです。働き手が不足する中で企業の経済成長を維持させるためには、生産性の向上が鍵となります。


総務省が実施する国勢調査によると、2030年から2060年にかけて総人口が1億1,662万人から8,674万人に減少する見込みです。企業は将来的に新たな人材の確保が難しくなります。このような背景でも企業の成長や業績を維持するためには、一人ひとりが高い能力を発揮し、生産性を上げることが重要です。


参照元:厚生労働省|人口減少化の中で誰もが活躍できる社会に向けて


世界における日本の競争力の後退 

生産性の向上は、世界からみた日本の競争力後退への対策として注目されています。1990年代以降、日本の国際的な立ち位置は大きく減退しています。OCEDによると、2021年の日本の1時間あたりの労働生産力は49.9ドルです。加盟国38カ国のうち27位と先進国にしては遅れをとっており、改善の必要があるといえるでしょう。


参照元:国土交通省|我が国の経済成長について

参照元:公共財団法人 日本生産性本部|労働生産性の国際比較2021


厳しい状況の中で競争力を高めるためには、人的資産への投資が欠かせません。企業が積極的に人材育成に力を入れたり、ビジネスを行いやすいよう構造改革を行ったりことで生産性が高まります。生産性の向上は、競争力の後退が目立つ日本において、深刻な課題です。


企業の命運を左右する4つの生産性

ここまで生産性と一言で表して来ましたが、大きく4つに分類できます。


  • 人時生産性
  • 労働生産性
  • 資本生産性
  • 全要素生産性


生産性の分類ごとに、それぞれがもつ特徴について解説します。


人時生産性

人時生産性は、社員一人が1時間あたりで得た粗利益の割合を示します。粗利益とは企業が提供できた価値、つまり付加価値のことです。


人時生産性を求めると、労働時間に見合った粗利益を生み出しているのか把握できます。人時生産性は、粗利益を総労働時間で割って算出します。

人時生産性の計算式

粗利益(付加価値)÷総労働時間 

労働生産性

労働生産性は、社員一人あたりが生み出す成果の指標です。労働生産性が高いということは、資源の量を抑えつつ企業にとって利益を出せている状態を示します。つまり、コスパ良く利益を出せているということです。労働生産性は、以下2つの生産性に細分化されます。


  • 物的生産性
  • 付加価値労働生産性


それぞれの生産性について詳しくみていきましょう。


物的労働生産性

物的労働生産性は、目に見えて数えることのできる成果がどれだけ得られたかを示します。物的労働生産性を求めると、社員一人あたりの生産効率が分かります。


生物的労働生産性は、生産数や顧客対応数などの物的成果を労働量で割ると算出可能です。労働量とは、労働者数や労働時間のことをいいます。

物的生産性の計算式

販売金額または生産数量÷労働量

付加価値労働生産性

付加価値労働生産性は、生産利益から原価や人件費を引いた付加価値がどれだけ得られたかを表します。付加価値労働生産性では、社員一人ひとりが付加価値のある作業を行えているか分かります。


原価や人件費を除いて得た粗利益を労働量で割って算出可能です。

付加価値労働生産性の計算式

粗利益(付加価値)÷労働量

資本生産性

資本生産性は、土地や機器など導入した有形の固定資産がどれだけ成果を上げたか数値化したものです。有形の固定資産が生み出す付加価値を把握できます。資本生産性が高いということは、設備を効率良く使用できているといえます。

資本生産性の計算式

粗利益(付加価値)÷有形固定資産額

全要素生産性(TFP)

全要素生産性とは、すべての投入資産が対象です。労働や資産などの量的資産だけではなく、技術や能力などの質的な成長因子を含みます。企業にとって、生産性の伸び率を捉えるための指標です。


全要素生産性では技術革新がもたらす企業の生産性を測ることができ、企業のもつ潜在的な成長率が分ります。

全要素生産性生産性の計算式

生産量÷全要素投入量

企業の生産性を上げる5つの人事業務

企業の生産性を上げるために、取り組むべき5つの人事業務について解説します。


  • 人材育成
  • 人材の最適配置
  • 人材ポートフォリオの作成
  • 人事評価
  • 労働環境の見直し


人に関わる人事部は、企業の生産性アップにつながる業務が豊富です。人事業務の取り組みについて詳しく確認してみましょう。


人材育成

人材育成によって社員一人ひとりの能力が高まると、作業効率が上がります。また、将来管理職になりうる有望な社員を教育することでリーダーシップを発揮できる人材が育ち、中長期的な視点での生産性向上につながります。


労働人口が減っている今、一人あたりの能力を上げて生産性を上げるのが近道です。今まで以上に教育に力を入れる必要があるといえるでしょう。


なお、人材育成を効率良く行いたいときは「タレントパレット」がおすすめです。「タレントパレット」では、人材データを集約し一元化するため、社員のスキル状態がひと目で分かります。新人や管理職候補など社員一人ひとりの状況に合った育成計画を設計可能です。人材育成でお悩みの方はご相談ください。


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人材の最適配置

生産性アップのためには、社内の人材をどのように配置するかも考える必要があります。社員の能力を生かし、相性まで考慮した配置にであれば、仕事のパフォーマンスが向上するためです。人事は個人の能力に注目し、社員がもつスキルを十分に引き出せるよう考慮しなければなりません。


人事では最適配置のために、人材データの把握だけではなく配置後の影響を確認する必要があります。例えば、配置変更後の業務効率や社員の満足度などはチェックすべきポイントです。全体最適になるように配置後の影響を知ることで、次の最適配置を設計するときに役立ちます。


人材ポートフォリオの作成

人材ポートフォリオは、人材の構成内容を表したものです。人材ポートフォリオを作成すると社員の適正がひと目で分かり、具体的な人事戦略に役立ちます。人材ポートフォリオに沿って社員の強みを活かした教育や評価を行うことで、企業の生産性を高めることが可能です。


また、人材ポートフォリオはキャリアパスの作成に役立ちます。キャリアパスとは、企業の目標達成までの道筋を表したものです。企業がキャリアパスを示すことで社員は将来像を描きやすくなり、効率的に仕事を進められます。人材ポートフォリオの活用は、生産性向上のために重要な要素です。


人事評価

適切な評価は社員のモチベーションを高め、仕事に対するやりがいを生みます。社員は、自分の行動が評価につながることを理解すれば積極的になり、成果を出しやすくなります。結果として利益が増えるため、企業全体の生産性向上につながるのです。


人事は、社員が正当に評価されるために人事制度を見直さなければなりません。人事制度を見直すことで適切な評価ができ、報酬コントロールが可能です。人事評価は、社員のモチベーションアップだけではなく報酬の管理を行い、企業全体の生産性向上に大きく貢献しています。


労働環境の見直し

企業の生産性を高めるためには、労働環境の見直しが課題です。長時間労働や休日出勤が続く職場は、労働環境に問題があります。過剰な労働を強いている職場はコストが発生するだけではなく、社員の士気を下げてしまいます。その結果、生産性が落ちるばかりか離職率に影響しかねません。


労働環境に問題のある職場に対して、企業は早急な対策が必要です。人事部門では、残業のルールを明確化したり、部署と連携しつつ採用計画を変えたりする必要があるでしょう。


生産性向上に使える人事業務のアウトソーシング事例2選

人事業務の質を上げるためには、人事部そのものの生産性を上げることも必須です。人事をコア業務に集中させるための戦略のひとつがアウトソーシング。取り入れることで、人事業務の負担を軽減させることができます。


生産性向上のために、人事業務でアウトソーシングを取り入れた2つの事例をご紹介します。


  • 人事戦略コンサルティング
  • 労務関係


人事業務のアウトソーシングによって得られた結果について確認してみましょう。


人事戦略コンサルティング

長時間労働の削減に至った事例です。事前調査によって、まずは業務にかかる時間をざっくりと分類し、課題を抽出しました。この事例では、メール対応や異動など重要度の低いものはフロー時間、付加価値を産む重要な時間をストック時間と分類しています。


長時間労働の問題では、単に労働時間を短縮するだけではなくストック時間の効率化を検討することが重要です。業務時間を洗い出すことで、より付加価値を産む仕事に時間をかけられるように改善ができました。


アウトソーシングとして経験豊富なプロの力を借りることで、自社にないノウハウをもって現状を改善することができます。

課題内容

長時間労働が多い。中長期的に生産性を向上するにはどうすべきか。

対応策

事前調査を行い、労働時間をフロー時間とストック時間に分類。

結果

無駄な時間を削減し、付加価値を産む時間を重視できるようになった。

参照元:パーソル総合研究所|生産性向上化のための人事施策 = 労働時間短縮か ?

労務関係

就業規則を事業所に実態に合わせて整えたという事例です。もともとこの企業には就業規則は合ったものの、専門家の助言を受けていませんでした。そのため、不備がないかという不安や、実態に即していないという課題があり、アウトソーシングに至っています。


労務関係は、専門的な知識を要する部分となります。経験豊富なプロに任せることで、労働基準法を守りつつ、実態に即した整備が可能です。複雑な労務関係は、アウトソーシングでプロにお任せすることがおすすめです。

課題内容

労務管理について不備がないか不明な点がある。

対応策

現行の制度を明確にし、労働基準法の要件を満たす内容に変更

結果

労働時間や休日などの制度を明確化するため、就業規則の見直しができた。

参照元:厚生労働省|人材確保に「効く」事例集 ⑥労働条件に関する取組

アウトソーシングについて詳しく知りたい方は、別記事「人事制度コンサルタント」を合わせてご確認ください。

人事生産性のまとめ


生産性を高めるために、企業は人的資本である人材をうまく活用することが重要です。人材に関わる人事業務は、人材の育成や人材配置など生産性の向上に深く関わっています。人事業務の中でも長時間労働の見直しや人事戦略の実現には、プロの力を借りるのが得策です。


「タレントパレット」では、人材データをもとに社員情報の統計を行い、戦略的な人事施策をサポートします。企業の生産性向上に向けて、「タレントパレット」でご利用いただけるサービスには以下のものがあります。


  • 人材データを分析し計画的な人材育成の仕組みを構築
  • 社員満足度調査によりモチベーションの低下を早めに察知
  • 最適配置をシミュレーションし配置案をご提案


タレントパレット」は科学的人事を実現できるタレントマネジメントシステムです。人事業務で企業の生産性を高めたい方はお気軽にご相談ください。


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