中小企業の人材不足対策とは?人材を確保するためにやるべき施策


中小企業の人材不足対策とは?人材を確保するためにやるべき施策

人材確保と人材定着は中小企業にとっても課題であり、この先、競争力を維持し続け、さらに企業を発展させるための重要な経営テーマです。中小企業がどのようにして人材を確保し、さらには長期間にわたって社員を定着させていけば良いのか、有効な施策について解説します。

中小企業が人材不足に陥りやすい理由

人材確保の施策について述べる前に、中小企業が人材不足に陥りやすい理由について確認しておきます。中小企業が陥りやすい問題と、その背景にある人材不足につながる原因を見ていきましょう。
 

人材募集をかけても集まらない

新卒採用または中途採用において、人材を募集しても応募者が集まらないという問題があります。
大局的に見ると、今の日本は少子高齢化が進んでいて労働人口が減少しており、求職者減少傾向にあります。そのため、少しでも条件の良い会社に応募が集中し、好条件や手厚い福利厚生を用意するための資本が少ない中小企業が、不利になる場合があります。
 

人材が流出しやすい

若手は入社しても数年で転職してしまうという傾向もあります。終身雇用や年功序列が崩壊して人材の流動化が進んでいる現在、離職率を抑えるための企業努力も重要になっています。
 
将来、ベテラン社員が定年になってしまう頃には社員数が先細りになってしまう可能性もあります。2030年には団塊ジュニア世代が定年を迎えることになり、そのときのための対策を考えなければならない企業も少なくないでしょう。
 

人材ミスマッチが起きやすい

労働市場では、求人数が求職者よりも多い「売り手市場」が続いています。
そのため、優秀な人材は取り合いになりやすく、中小企業は「とにかく人材確保をしなければ」と焦った結果、採用した人材とのミスマッチが起きやすくなる傾向があります。
ここでいう人材ミスマッチは、採用した人材が現場で必要としていた能力や適性、人物像などと異なっていたことからギャップが生じている状態のことです。
 
人材ミスマッチは、企業が本当に自社の求める人材像を絞りきれていないときに起きやすくなります。この場合、人を採用しても実質的な人材不足は解消されていない状態にとどまります。
 
 

中小企業が人材を確保するためにやるべき施策

では、人材はどのようにして確保すれば良いのでしょうか。4つの施策を紹介します。
 

複数の採用方法を試し、自社に合う方法を見出す

まず採用のチャンネルを増やすことを試してみましょう。転職サイトに求人を出すなどの一般的な方法だけに頼らず、様々な方法で採用をすることで、他社との差別化を図れるでしょう。
メールなどを使ったスカウト、SNS採用、リファラル採用(知人紹介)、転職フェア利用、自社サイト採用ページ、人材紹介、インターンシップなど、今ではさまざまな採用方法があります。
様々な採用方法を試してみると、自社に合った方法が見つかるかもしれません。とくにダイレクトリクルーティングと呼ばれるスカウト型採用は、大量採用には向きませんが、ベンチャーなど、独自の魅力を持つ中小企業などで行われることの多い採用方法です。
 

組織が必要とする人物像を明確にする

人材のミスマッチを防ぐために、組織や現場が本当に必要としている人物像を事前に明確化しておくことが大切です。人物像を絞り込む作業を行うときは、配属先の上司など、現場の意見もしっかりとヒアリングするとよいでしょう。
 
人材ミスマッチは会社だけではなく、応募者にとっても大きなダメージとなります。人手不足であっても、採用は慎重に行うのが大前提です。
 

多様な人材を雇用する

売り手市場で応募者の数は多くない状況で、人物像の絞り込みをすれば、ますます人材の確保は難しくなってしまいます。そこで求められるのが、多様な人材への対応です。
 
出産や育児などがきっかけで離職した女性や、定年退職後のシニア、外国人労働者など幅広い人材も視野に入れて検討すれば、その中から「必要な人材」を見つけることができる可能性は高くなるでしょう。
昨今、人種、宗教、性別、ライフスタイル、国籍、学歴、職歴などにとらわれないダイバーシティ経営の推進は社会的にも求められています。多様な属性の受容は企業評価の向上につながり、有能な人材の確保にも役立つでしょう。

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中小企業が人材の定着化のためにやるべき施策

採用した人材を定着させて離職率を抑える努力も必要です。定着化のための施策を5つ紹介します。


従業員満足度調査を行う

まずは定量的な評価を確認することが重要です。施策前後に調査を行うことでどれくらい効果があったのか測定することもできるため、手始めに行うとよいでしょう。
簡単なアンケートでも構いませんが、社員が自由に記載できるフリーコメント欄があれば、この後どんな施策を行うかの参考にもなります。

経営層のビジョンを共有し理解を得る 

将来どうなるのかわからないという不安は、大きな不満の種になります。
経営層がどんなビジョンを描き、何を目指しているのか、社員にしっかり話しておくことは大きなメリットです。
例えば今後新規事業を立ち上げるなどの計画があれば、やる気が高まる社員も増えるでしょう。そうした社員にとってポジティブな情報は積極的に共有し、一丸となって業務に取り組むモチベーションのもとになるでしょう。

人材管理に力を入れる

人材定着のためには、データに基づいた客観的・論理的な人材管理を行うことが必要です。客観的・論理的な人材管理の目的は、社員個々に合わせた教育、適材適所、人事評価を行うことにあります。
社員が必要に応じた教育を受けられ、最適な部署やポジションで働くことができ、適正な評価を受けられているという実感を持てば、離職率は下がります。
 
人材管理ために重要なのは、社内にどのような能力・経歴・志向・考えを持った人材がいるのかを正しく把握することです。このような考え方はタレントマネジメントと呼ばれています。最近では人材情報を一元管理・活用するためのタレントマネジメントシステムと呼ばれるITツールも活用されています。
 

職場環境を改善する

多様な人材が、それぞれ適した働き方ができるよう、制度を整えることも同様に重要です。働き方改革の推進とも連動して、テレワークや時短勤務、フレックスタイム制など柔軟な働き方の需要は今後さらに増していくでしょう。
 
職場環境の改善とともに業務効率化を行い、残業などを減らす努力も求められます。IT化はそのための有効な手段です。システムやツールの活用で業務の軽減ができれば、今よりも少ない人員で業務を行える可能性があります。
 

評価基準を明確にする

明確な評価基準による人事評価も欠かせないポイントです。社員を教育・育成できたとしても、年功序列から抜けきれず、成果を上げた社員が評価されないような状況にあるとすれば、離職への動きが加速する可能性があります。
 
職場環境などを整備して「働きやすい会社」という評価が得られるようになれば、社員の定着率が向上し、評判が広まり応募者が増えることも期待できます。人材確保と人材定着を一気通貫ですすめることで、人材に関する好循環を生み出すことに繋がります。
 

まとめ

少子化が進む中、人材不足の解消は容易ではありません。
人材データを一元化し分析することが、自社の課題とその原因を把握する第一歩となります。
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