ゲーミフィケーションとは何か?概要や活用するメリットなどをわかりやすく解説


ゲーミフィケーションとは何か?概要や活用するメリットなどをわかりやすく解説

ゲームの楽しみながら行えるゲーミフィケーションは、サービスの継続利用やファンの育成につながります。従業員に対して提供することで、モチベーションアップも期待できます。

今回は、ゲーミフィケーションとは何か、概要や活用するメリットを説明します。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

ゲームをするように楽しみながら行えるゲーミフィケーションは、企業が取り入れることでサービスの継続利用やファンの育成にもつながります。従業員に対して提供することで、モチベーションアップも期待できる方法です。

今回は、ゲーミフィケーションとは何か、概要や活用するメリットを説明します。ゲーミフィケーションを利用した従業員の育成や属性データ収集などをお考えの企業の人事担当者の人は、本記事を参考にしてみてください。

ゲーミフィケーションとは何か?


「ゲーミフィケーション」とは、報酬・競争などのゲーム要素をゲーム以外の分野に活用することを指します。ゲームとは、多くの人にとってワクワクしながら楽しく継続して行えるものです。そういったゲームの要素をビジネスに取り入れることで、ゲームで遊ぶ感覚で、顧客を自然にサービスに夢中にさせることができます。

具体的には、会員顧客のポイント獲得やレベルアップなどの特典を促すためのミニゲームを実施したり、ゲーム的なデザインのバッジやランキング要素などを加えたサービスを導入したりなどの手法があります。こういった要素を用いることで、顧客のモチベーションを高めたり、サービスのファンになったりなどのメリットが期待できます。

ゲーミフィケーションが浸透した背景

ゲーミフィケーションの概念自体は、2011年頃から存在していました。アメリカの大手調査企業であるガートナーが「テクノロジーハイプサイクル」にゲーミフィケーションという言葉を発表し、注目されるようになったことがきっかけです。

しかし、効果的なマネジメント手法として浸透したのは、2012年から2016年にかけてごろです。その背景には、スマホの普及によるインターネットの認知度向上といった要素が挙げられます。

誰もが常に持ち歩けるスマートフォンを手に入れたことで、空き時間にスマホで簡単にできるソーシャルゲームが流行しました。そういった社会の変化のなか、多くの人々のタッチポイントとなるため、多くの企業がゲーム要素を取り入れたサービスの提供を始めました。企業側から一方的に情報を送信するだけではなく、気になる、もっと見たいと思ってもらえるように、ゲーミフィケーションは工夫されています。

ゲーミフィケーションは顧客のロイヤリティを高めるだけでなく、従業員のモチベーションアップにも有効です。製品ではなく業務のなかにもゲーミフィケーションの要素を用いている企業も増えてきています。

ゲーミフィケーションの活用事例を紹介

スマホの普及により、さまざまな企業がゲーミフィケーションをサービスに導入しました。これまでに実際に開発されたケースとしては、どういったものがあるでしょうか。

以下に、ゲーミフィケーションを取り入れた企業の例をいくつか紹介します。

1:スポーツメーカー A社

スポーツメーカーA社には、ランニング支援アプリがあります。さまざまなゲーム要素を取り入れて、利用者のモチベーションを向上させた事例となっています。

たとえば、アプリ内にはランニングの記録を別のSNSでシェアできる機能や、アプリを利用するほかの人と記録で競争できるランキング機能があります。自分との戦いになるランニングは、継続が難しく続かない人も多いなかで、アプリを使えば、もっと楽しみながらランニングすることができるようになりました。

2:回転ずし B社 

回転ずし B社には、食べ終わった皿を集計して、5枚集まるごとにゲームができるサービスがあります。さまざまなコンテンツとのコラボも行っており、売上の向上・来客数の増加につなげています。

ゲームで当たりが出ればガチャ玉がもらえて、欲しいアイテムを手に入れるために奮闘する人もいるかもしれません。5皿必要という明確な目標があるため、寿司を食べている時にあと1枚でゲームができるのであれば、もう1皿食べようという気分になり、購買意欲向上にもうまくつながっています。

3:カフェ C社 

カフェC社には、商品を購入することで、ポイントが貯まるシステムがあります。繰り返し利用することで、ドリンクやトッピングといった無料アイテムがもらえる仕組みをつくり、効果的に顧客のリピートにつなげています。

アプリ上にポイントが溜まっていく方式で、コーヒー豆やフードのほかオリジナルグッズも手に入ります。また、いくつかポイントを集めると、ゴールド会員にレベルアップします。

また来たくなる理由付けとして、アプリが有効に働いている事例です。

ゲーミフィケーションを活用するメリット・デメリットとは

ユーザーを楽しませてサービスに親しんでもらうゲーミフィケーションですが、活用する際にはさまざまなメリットやデメリットがあることも覚えておきましょう。

以下で、ゲーミフィケーションを活用するメリット・デメリットをそれぞれ詳しく解説します。

ゲーミフィケーションを活用するメリット

メリットとして挙げられる点は、「モチベーション向上」「目標の可視化」「楽しみながら実行できる」の3点です。

まずは、ゲーム内での競争や報酬の獲得といった要素がユーザーを夢中にして、モチベーションが向上することが挙げられます。

また、ゲームは目指すべきゴールが存在するものが多く、ゲーミフィケーションで作成する際にも目標が設定しやすいことがメリットといえるでしょう。たとえば、スタンプを集めることやレベルアップさせることを目的とさせることで、ユーザーは目標達成のために継続することができます。

さらに、ゲーミフィケーションの一番の利点としては、楽しみながらできることでしょう。やらなければいけないというスタンスではなく、能動的に行動してしまうものであるため、無理なく続けることができます。

ゲーミフィケーションを活用するデメリット

一方で、デメリットとしては「難度の設定が難しい」「飽きられる可能性がある」などの点が挙げられます。

ゲームのタスクが難しすぎるとユーザーのモチベーションは下がってしまい、簡単すぎても面白くありません。そのため、ユーザーのレベルに合わせた難易度設定が必要となります。

さらに、ゲームが面白くなければすぐに飽きられてしまう可能性もあります。面白くなくてはいけないというのは、通常のゲームと同様で、企業が提供するアプリ内のゲームに対しても同様の面白さが求められます。

頑張って継続すればクリアできるほど難しくなく、すぐに終わらせてしまえるほど簡単でもない、自社のユーザーにちょうどいいレベル感のゲームを作成しなくてはいけない点が困難なポイントです。

ゲーミフィケーションの活用だけで終わらない、あらゆる人事データを統合して分析


時代は人材情報「管理」から人材情報「活用」へ!
タレントマネジメントシステム『タレントパレット』で、様々な経営課題と向き合えます。
・あらゆる人事情報を一元集約
・人材の見える化で埋もれた人材を発掘
・AIシミュレーションで最適配置を実現
・簡単操作で高度な人事分析が可能
⇒タレントパレットの資料を見てみたい

タレントパレットは、従業員情報の把握や人材育成などの人事業務をサポートします。従業員のスキルレベルを見える化して、一覧で確認することが可能です。従業員のスキルを時系列で確認できる機能もあります。

ゲーミフィケーションの活用を検討している企業の担当者の方は、まずは無料の資料請求で詳細をご確認ください。

ゲーミフィケーションに必要な要素

ユーザーに合わせて作成すべきゲーミフィケーションには、いくつか必須の要素があります。要素としては、「目的」「課題」「現状の可視化」「報酬」「ユーザー同士の交流」の5つです。

以下で、それぞれの具体的な内容を説明します。

要素1:明確な目的

まずは、ゲームを行うことで何をしてほしいのかといった明確な目的をユーザーに示すことが重要です。目的がはっきりしないゲームでは、ユーザーがゲームを開いて何をすればいいのか迷ってしまいます。

たとえば、ポイント集めやほかの参加者との交流など、目的を明確化したうえでゲームを設計しましょう。

要素2:取り組む課題

目標が決まれば、次に、目的を達成するためのさまざまな課題を用意してください。たとえば、ポイントを獲得するためにアプリを開かなければいけなかったり、ルーレットを回さなくてはいけなかったりなど、さまざまなルートが考えられます。

簡単なタスクから時間をかけて取り組むタスクまで、幅広い課題を用意し、難易度ごとに報酬の量が変わるなどの仕組みを作ると効果的です。

要素3:現状の可視化

取り組んだ時間や達成した課題、ランキングなど、現象が可視化できる状態であると、よりユーザーの意欲が高まります。

自分が今どれくらい達成していて、目標までにあとどれくらい必要で、また他の人がどのくらい進んでいるのかなどの情報が見えることで、継続して頑張ろうというモチベーションが湧くでしょう。数値を出すことで、ユーザーにフィードバックを送って促すこともできます。

要素4:さまざまな種類の報酬

課題を成功させたら報酬を与える仕組みにしてください。報酬には金銭的価値があるマネタリーリワードのほか、インナーリワードやソーシャルリワードなどさまざな種類があります。

マネタリーリワードとは、お金で評価される報酬です。特定の場所で使えるクーポンやポイントなどがあり、明確にお得だというモチベーションでゲームを続けられます。ただし、一度報酬を受け取ったら満足するような短期的なものであるため、長期的な関係性やサービスの愛着を持たせたい場合には、ほかの手法が有効です。

インナーリワードは、自分のなかで価値のある報酬です。達成感やスキルアップなど、ゲームをすることで大きな満足感を覚えます。どういったことで満足感を覚えるのかは人によってさまざまであるため、ユーザー理解が重要になります。

ソーシャルリワードは、他人から評価されることで満足できる報酬です。得ることで社会的ステータスになるバッジや、他者との交流の過程で褒められることなどが挙げられます。ゲーム感の交流やブランド力などの要因が関係してきます。

要素5:ユーザー同士の交流

ユーザー同士で交流が生まれることにより、モチベーション向上につながる場合があります。強い敵を協力して倒したり、敵として他者と戦ったりするなど、ゲームのなかで多くの人と関わることで、ユーザーは楽しさを見出せます。

たくさんのユーザーが交流すれば、サービスの活性化にもつながります。単調にゲームをクリアするだけでなく、オンラインでやりとりを行うことは毎回違った体験ができるため、多くの人が夢中になっています。

ゲーミフィケーションに関わるバートルテストとは

人々がゲームに熱中する要因はひとつではありません。その人のタイプによって、好まれるゲームの様式が変わります。どんな人にどんなゲームがぴったりか、ゲーマータイプを把握する考え方にバートルテストがあります。

バートルテストとは、人がゲームに夢中になる心理を4タイプに分ける分類法です。具体的には、興味関心の方向性やその人の性格で分割しています。

効果的なゲーミフィケーションを制作するためには、利用者を予想して、関心に合致したタスクを用意することが重要です。そのため、バートルテストの内容を参考にゲーミフィケーションを作成しましょう。

バートルテストによって分けられる4分類を紹介

バートルテストは、「アチーバー」「エクスプローラー」「ソーシャライザー」「キラー」の4タイプに分けられます。それぞれゲーム自体に関心があるか、他のプレイヤーに関心があるかといった興味の方向性や、集団でいることが好きか単独行動を好むかといったその人の特性で分割しています。

具体的には、以下のとおりです。

1:アチーバー

アチーバーは、目標達成に楽しみを見出すタイプです。ゲーム自体が好きで、単独行動を好む人に分類されます。

コツコツとレベル上げをしていくことや、すべてのアイテムをそろえることに喜びを感じるタイプで、難しいタスクにも果敢に挑戦します。こういったタイプの人には、それぞれのタスク達成に対して褒美を与えるなど、目標達成に向けた要素をしっかりと用意されたゲーミフィケーションが有効に働きます。

2:エクスプローラー

エクスプローラーは、ゲーム内の仕掛けに関心があるタイプです。ゲーム自体が好きで、集団行動を好む人に分類されます。

アチーバーとは逆で、レベル上げや勝利に興味はなく、ゲーム内を探索して隠れた要素や予想外の報酬を発見できることが楽しくてゲームをしています。ゲーミフィケーションでは、よく見ないと見つけられない要素を取り入れるなどして、発見できた時の喜びやもっと探そうという気にさせてくれるようなものを加えることがポイントです。

3:ソーシャライザー

ソーシャライザーは、プレイヤー同士の交流を楽しむタイプです。ほかプレイヤーに関心があり、集団行動を好む人が分類されます。

協力プレイで進めていくゲームが好きで、他の人と力を合わせて目標に到達したり、他のプレイヤーから頼りにされたりすることをモチベーションにしています。

バートルの研究では、世の中の8割の人がこのタイプに分類されるとしています。

4:キラー

キラーは、競争を好むタイプです。ほかプレイヤーに関心があり、単独行動を好む人が分類されます。

4つのタイプのなかでは少数派で、ゲームのなかで1番になることを目標にしています。ゲーム内のランキング発表などのイベントを導入して、ほかのプレイヤーと比較して自分が強いことがわかるような仕組みがあるとモチベーション高く取り組みます。

ゲーミフィケーションを取り入れる際の注意点

ゲーミフィケーションはユーザーのモチベーションを高く惹きつけることができる手法ですが、使用する際にはいくつかの注意点があります。

ユーザーのニーズを把握して効果的に行動を促すゲーム設計をすることが重要です。そのために、「方向性を決める」「データとして記録する」「内容の検討を行いサービスや商品を改善する」といったポイントが挙げられます。

まずは、想定ユーザーがどのような人でどのようなゲームを好み、どんなことをモチベーションに頑張るか、バートルテストなどの考え方を利用して定義しておきましょう。そのうえで、ゲームの方向性を決める必要があります。

また、ゲームの結果はデータとして記録しておくことも有効です。どのくらいのユーザーが、ゲームのどの時点まで達成したか、ユーザーの反応を見てくことで、どうすればより良いゲームにしていけるか次の施策を考えられるきっかけになります。

また、ゲームの内容の検討は都度行い、サービスや商品を改善するための糧にしていきましょう。ユーザー属性や特徴によってやるべきことが分かれば、事業の発展につながります。

まとめ


ゲーミフィケーションは、ユーザーにモチベーション高くサービスを継続利用してもらうために有効な手法です。ユーザーに合わせて仕様を変えることで、より効果的な方法を取ることができます。
タレントパレットは、従業員情報の把握や人材育成などの人事業務をサポートします。簡単なアンケートを取ることで手軽に従業員のモチベーションを把握できます。従業員のモチベーションを可視化できるため、離職の可能性がある従業員を瞬時に発見可能です。
ゲーミフィケーションの導入を検討している企業の担当者の方は、まずは無料の資料請求で詳細をご確認ください。

タレントパレットのHPはこちら