こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。
「タレントマネジメントの事例が気になる」
「タレントマネジメントを導入したいが具体例を知りたい」
タレントマネジメントの具体的な事例について、ご興味のある方は多いのではないでしょうか。
近年、テクノロジーの導入や少子高齢化社会の進行に伴い、タレントマネジメントの必要性が注目されています。そこで本記事では、タレントマネジメントの事例や導入の流れについて解説します。タレントマネジメントを成功させるための方法も合わせてご紹介していますので、ぜひ最後までお読みください。
タレントマネジメントとは?
タレントマネジメントとは、人材データをもとに人材育成や適正配置を行い、組織全体の活性化を実現する手法の一つです。近年、少子高齢化やテクノロジー導入など多様化する人事課題に対応するため、タレントマネジメントが注目されています。
例えば、タレントマネジメントによって人材データを一元化することで、社員の強みやスキル状況を把握できます。社員一人ひとりの状態が分かると、適正配置の検討や人材育成の立案が可能です。その他、将来管理職として有望な人材を抽出できるため中長期的な企業の成長にも活かせます。
企業の抱える人事課題を解決するためにはタレントマネジメントを活用して、効率よく社員に還元していく必要があります。タレントマネジメントの導入率は年々増加しており、企業規模の大きさに比例して拡大傾向です。
タレントマネジメントの導入率についてさらに詳しく知りたい方は、別記事「タレントマネジメント導入率」を合わせてご確認ください。
タレントマネジメントが注目される理由・背景
タレントマネジメントが注目される背景は、以下の通りです。
・年功序列から成果主義への移行
・生産年齢人口の減少
・人的資本経営への関心の高まり
こうした背景から、多くの企業が慢性的な人手不足に直面し、採用強化だけでは成長が難しいと感じています。そのため、社員の能力を最大限に活用し、「適材適所」を追求するタレントマネジメントが求められるようになりました。
タレントマネジメントの市場規模や導入率
株式会社矢野経済研究所の調査によると、2020年の国内タレントマネジメントシステム市場は180億9400万円に達し、2019年から13.6%増加しました。リモートワークの普及による業務のデジタル化が背景にあり、今後もこの成長が続くと予測されています。
※参考:HCM市場動向に関する調査を実施(2021年) | ニュース・トピックス | 市場調査とマーケティングの矢野経済研究所
タレントマネジメントの主な目的
タレントマネジメントの主な目的は、3つあります。ここでは、3つの目的について解説します。
会社・組織の生産性を向上させる
タレントマネジメントを活用して多様な情報を可視化することで、会社・組織の生産性を向上させられます。生産性の向上は、社員の成長にも繋がり、最終的にはチームや企業全体の成長に寄与します。そのためには、上司や部署が社員の生産性向上をサポートし、企業全体で取り組む環境を整えることが重要です。
適切な人材配置を実施する
社員の資質やスキル、経験を可視化することで、適切な人員配置が実現できます。企業全体のパフォーマンスを最大化し経営目標を達成するためには、各人材が十分に活躍できる役割に配置することが重要です。これにより、個々のスキルと適切なポジションのマッチングを図り、個人と組織の成果を最大化します。
人材の育成と定着を支援する
少子高齢化で労働力が減少するなか、優秀な人材を社内で育成することも重要です。タレントマネジメントを使えば、社員のキャリアビジョンを把握し、育成に役立てられます。また、やりがいやモチベーションを維持し、キャリア開発を通じて、社員が長く活躍できる環境を整えることも可能です。
失敗しないタレントマネジメントの始め方ガイド
企業によるタレントマネジメントの成功事例5選
企業によるタレントマネジメント導入の成功事例を5つピックアップし、紹介します。
株式会社ニチレイ
ニチレイは、グループ36社の社員情報を可視化し、経営意思決定に資する人材データを活用するため、タレントパレットを導入しました。導入後、社内公募応募数は2倍以上に増加し、社員の自律的なキャリア形成支援および離職防止に貢献しています。また、女性活躍推進や次世代人材育成にも活用されており、人的資本経営推進に向けた基盤構築を実現されています。
公募に係る工数が削減されたことで募集の掲載数が増え、それに伴って社員からの応募も2倍以上になりました。これにより組織活性化だけでなく、これまでとは全く違った業種や職種への異動も可能となったため、社員のキャリアプラン支援やリスキリング、離職防止にもつながっていると感じています。

日本特殊陶業株式会社
日本特殊陶業は、事業ポートフォリオ転換に伴う人材ポートフォリオ見直しのため、タレントパレットを導入しました。社員のスキルやWILL(なりたい姿)を可視化し、人事・現場双方で活用できるプラットフォームを構築。これにより、スキルに応じた研修提案、自律的なキャリア形成の促進、最適な人材配置・育成・採用を実現されています。
社員が今どんなスキルを持っているかを引き続き可視化し、必要なスキルを明らかにして今後社員に学んでいってもらうために、タレントパレットを活用していきたいですし、期待しています。

青山商事株式会社
青山商事は、採用から育成、配置、定着、エンゲージメントまで一貫した人事管理体制構築のため、タレントパレットを導入しました。約7,500名の従業員に展開し、eラーニングや人事考課、スキル可視化に活用。社員のスキル認識向上とキャリアパスの明確化、社員と上司間のコミュニケーション促進、採用活動の効率化に寄与しています。
やりたいこと、やろうとしていることはタレントパレットでほぼ実現できると考えています。目標とする「採用」から「活躍」までのタレントマネジメントをタレントパレットを使って実現したいと考えています。

大阪ガス株式会社
大阪ガスは、従業員の価値を最大化し、適材適所の人材配置を実現するため、散在していた人材データを集約・活用ができるタレントパレットを導入しました。全18業務領域の経験を可視化し、サクセッションプラン策定や人事計画の高度化に活用。社員のキャリア開発支援、リスキリング促進、人材不足への対応を推進されています。
各社員の経験領域ごとに、年次と職責等級のマッピングが可能となり、サクセッションプランの⾒える化が実現でき、組織⻑や管理者の配置・選抜等に活⽤しています。

株式会社ADKホールディングス
ADKホールディングスは、専門性の強化と生産性向上を目指し、人的データ活用を推進するため、タレントパレットを導入しました。パルスサーベイによる新入社員フォロー、人事評価フィードバック分析、勤怠管理による業務量可視化、退職者傾向分析などに活用。従業員エンゲージメントの向上と最適な人員配置を実現し、組織コミュニケーションの効果性を高めています。
タレントパレットの導入により、まさに『ADKらしい人的データ活用』が実現できました。社員一人ひとりのスキルや潜在能力、そして想いを深く理解し、適材適所へ配置することで、組織全体の専門性を高め、生産性向上にも繋がっています。

タレントマネジメント導入で得られる4つの効果・メリット
タレントマネジメントを導入すると、4つの効果・メリットが得られます。ここでは、4つの効果・メリットについて解説します。
最適な人材配置で企業と人材の活性化を図る
タレントマネジメントを導入すると、最適な人材配置で企業と人材の活性化を図ることが可能です。例えば、営業で結果が出なかった人材でも、技術職で必要とされるスキルを持っていることがあります。また、経営を担える人材は、早期に経営の要となるポジションで経験を積ませるとよいでしょう。
中長期的な戦略づくりができ、人事の役に立つ
タレントマネジメントを導入すると、企業の中長期的な人材戦略を立てることが容易になり、人事に大きな効果をもたらします。自社に適した人材の特徴や成果をもとに採用基準を確立することで、必要に応じて採用基準の見直しも行えます。
社員のエンゲージメントが向上する
タレントマネジメントの導入によって、社員のエンゲージメントが向上します。これにより、社員一人ひとりを適切なポジションに配置でき、働きがいを感じやすくなります。その結果、業務や企業への満足度が高まり、エンゲージメントがさらに向上するでしょう。
人材育成・採用が促進される
タレントマネジメントの導入は、人材育成・採用の促進にもつながります。社員は自身のキャリアパスを構築しやすくなり、各自の希望に応じた育成方法を検討できます。また、タレントマネジメントを活用することで、人材採用時のミスマッチの回避も可能です。既存の社員データを分析することで、自社に不足しているスキルや資質を明確にし、次回の採用基準を策定できます。
タレントマネジメントが失敗する5つの理由
タレントマネジメントの導入が失敗してしまう5つの理由は、以下の通りです。
・完璧を目指しすぎる
・明確な目的がない
・求める人材が明確になっていない
・システムを十分に活用できていない
・社員の協力が得られない状況にある
タレントマネジメントが失敗する理由を把握しておくと、導入が行き詰まったときでも瞬時に軌道修正できます。導入前に確認しておいて下さい。
完璧を目指しすぎる
タレントマネジメントが失敗してしまう理由として、完璧を目指しすぎることが挙げられます。全てのデータを完璧に収集または分析するには膨大な時間を有します。また、大量のアンケートや自己申告書の提出は、社員からの協力を得られにくいです。
データを集めるメリットや活用の仕方を明確にして、全てが完璧ではなくても、まずはできるところから実践してみる気持ちが大切です。発生したトラブルには都度対処が必要なため、タレントマネジメントを導入する際は、サポートの手厚いところをおすすめします。
明確な目的がない
明確な目的がないと、タレントマネジメントの導入が失敗してしまうかもしれません。タレントマネジメントは組織の目標によって活用すべきシステムが異なります。導入時は、適切なシステムを使うために明確な目的が重要です。
例えば、人材育成や評価を行う場合は人材データベースを用いた分析を行います。最適配置を行うためには、アンケートによる現場の声を調査したり異動シミュレーションが効果的です。タレントマネジメントを導入する際は、目的に合わせて使える機能が豊富かどうかチェックしてみて下さい。
求める人材が明確になっていない
求める人材が明確になっていないと、タレントマネジメントの導入に失敗する可能性があります。「タレントマネジメントシステムをなぜ導入するのか」「解決したい課題や達成したい目的ことは何か」を明確にしないまま進めると、実施後の評価や成果確認が難しくなります。
システムを十分に活用できていない
システムを十分に活用できていないことも、失敗してしまう大きな要因です。現在、一般企業が導入しやすいシステムは多数ありますが、効果的に活用するには自社に合ったシステムを選ぶことが重要です。企業の規模や業態、業種によって適切なシステムは異なるため、注意しましょう。
社員の協力が得られない状況にある
社員の協力が得られない状況では、タレントマネジメントの導入が失敗する可能性があります。タレントマネジメントシステムは社員が利用するものであるため、導入や運用について理解を得られなければ成功は難しいでしょう。特に、社員からのデータ提供が不足すると、システムは必要な情報を参照できず、スキル分析や能力開発計画の策定が難しくなります。
タレントマネジメントを成功させるための3つの方法
タレントマネジメントを成功させるための方法として、以下3つの内容をお伝えします。
・目的を明確にしておく
・活用できるデータの把握・整理しておく
・システムを活用する
タレントマネジメントを導入する際、しっかり成果が出せるよう成功のポイントをおさえておきましょう。
①目的を明確にしておく
タレントマネジメントでは、目的を明確にしておく必要があります。目的が明確になっていないと方向性がわからず、膨大なデータを活用できないため、成功に繋がりません。タレントマネジメントは人材情報を人事戦略に生かす取り組みであり、どのように人材を活用していくのか目的を明確にしておく必要があります。
②活用できるデータの把握・整理しておく
タレントマネジメントの導入前には、活用できるデータを把握し、整理しておきましょう。タレントマネジメントでは、人材データを活用して企業の人事課題を解決に導きます。そのため、活用できるデータを収集しておく必要があります。
信憑性が低かったり誤った情報が混雑するなどデータが煩雑だと、正しい成果を得られません。人材データをあらかじめ整理しておくことが、タレントマネジメント成功のポイントです。
システムを活用する
タレントマネジメントを成功させるためには、システムを大いに活用しましょう。例えば、人材育成を効率よく行いたい場合は目標設定やスキルマップを作成します。一方、適正配置を立案するときは人材データベースや異動シミュレーションを活用するなどタレントマネジメントは目的によって活用するシステムが異なります。
タレントマネジメントを成功させるためには、目的に合わせたシステムの有効活用が重要です。
タレントマネジメントシステムの導入の流れ
タレントマネジメントシステムの導入は、主に以下3ステップで行います。
1.課題のヒアリング
2.保持データの確認
3.運用や活用支援
1.課題のヒアリング
課題のヒアリングでは、まず「できていること」と「できていないこと」を明確にします。その後、取り組むべき課題を検討し、具体的な目的として「生産性を上げたいのか」や「人材を発掘したいのか」など企業の目的を確認しましょう。
2.保持データの確認
次に保持データの確認においては、現状のデータを確認して整理します。この過程では、多くのフォーマットが散在しているデータや重複データが存在するため、データを洗い出して整理し、高精度で扱いやすい状態に整えましょう。間違ったデータのままタレントマネジメントシステムを導入してしまうと誤った施策に繋がってしまうため、重要なステップです。
3.運用や活用支援
運用や活用支援では、企業が成果を出せるようサポートに努めます。専門のサポーターが、メールや電話などでフォローします。また、研修や勉強会などを開くことで、タレントマネジメントそのものの知識を補うことが可能です。
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タレントマネジメントを導入する際は、初めから全ての機能をご利用いただける「タレントパレット」がおすすめです。タレントパレットは、大手企業を始め数多くに導入されており、コンサルティングの知見もあるHRテック企業です。企業の抱える様々な目的に合わせて、多方面から運用をサポートいたします。「タレントパレット」で実際に利用できる機能例は以下の通りです。
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