DX事例から学ぶ!業種別のデジタルトランスフォーメーション例を紹介


DX事例から学ぶ!業種別のデジタルトランスフォーメーション例を紹介

デジタルトランスフォーメーションは、デジタル技術による業務の最適化や新たなビジネスモデルの創出を指します。本記事では、DXを取り入れている企業を分野別に紹介します。DXの自社導入を検討している方は、ぜひ参考にしてみてください。

こんにちは。人事・経営に役立つメディア「タレントマネジメントラボ」を運営する「タレントパレット」事業部編集チームです。

「デジタルトランスフォーメーション」は別名「DX」とも呼ばれています。DXとは、世の中に存在するデジタル技術を使って業務を最適化したり、新たなビジネスモデルを作り出すことです。

本記事ではDXの概要をはじめ、DXを取り入れている企業を分野別に紹介します。これからDXを導入しようとお考えの担当者の方は、ぜひ参考にしてみてください。

デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?

デジタルトランスフォーメーション(DX)は、デジタル技術を使って業務の効率化・最適化を目指したり、新たなビジネスモデルを構築することをいいます。デジタル技術は、AIやビッグデータ、IoTなどが当てはまります。

これらは企業が円滑に経営を行うにあたって重要かつ便利なツールです。積極的に活用することで、従来よりも大きな利益を生み出せる可能性もあるでしょう。

DXを用いて企業変革に成功すれば、企業だけではなくお客様にとっても快適かつ信頼できるサービスを提供できるようになるというメリットがあります。

関連記事:デジタルトランスフォーメーション(DX)とは?現状や問題点、成功のコツについても紹介

なぜデジタルトランスフォーメーションの事例を知ることが大切なのか

デジタルトランスフォーメーションを導入する際は、まずDXの概念や仕組みをしっかりと理解することが大切です。

概念や仕組みを理解した上で、自社で活用する際の具体的なイメージを持つことができれば、想定外のトラブルや問題の発生を可能な限り少なくできるでしょう。

ほかの企業の導入事例を知ることで、DX推進に対する具体的なイメージを持てます。また、DXについて自社の従業員に説明する際も、事例があれば理解してもらいやすいです。

【製造業】デジタルトランスフォーメーションの成功事例


ここでは、製造業分野の成功事例を紹介します。紹介する企業は以下の3つです。

  • 株式会社ブリヂストン
  • 味の素株式会社
  • 株式会社LIXIL

製造業の事例1.株式会社ブリヂストン

ブリヂストンは、日本のタイヤメーカーです。経済産業省と東京証券取引所が照会するDX銘柄として、3年連続で選出されました。

ブリヂストンでは、現場で長期間培ってきた生の技術と、デジタルを組み合わせることにより、匠の技を余すことなく伝え、お客様に安定した質の商品を常に提供しています。

ブリヂストンがデジタル技術として開発したのが、タイヤの検査や修理、加工から製造、品質、加工などの情報を管理するツールです。このデジタル技術により、品質やサービスの向上とお客様の安全を守ることに貢献しています。

製造業の事例2.味の素株式会社

味の素のデジタルトランスフォーメーションの事例として挙げられるのが、DX推進部門の設置です。この部門の設置に伴い、年齢や経歴にとらわれず、デジタル技術に長けている人材やデジタル思考の強い人材を積極的に採用・配置する動きが活性化しています。

味の素のDX推進部門で軸となっているのは「デジタルサポート」「データサイエンス」「ビジネスデジタル」の3つです。

これらを導入することにより、IT基盤を整え、お客様に高品質な商品の安定的な供給を実現しています。

製造業の事例3.株式会社LIXIL

LIXILでは事業の変革、消費者の新たなニーズに応えること、生産性を向上させることを軸にDXを推進しています。

DX推進の目標は、デジタル技術を駆使した新規市場の開拓や商品の開発をはじめ、企業が長期的に成長できることです。

円滑にDXを推進するために、ビジネスニーズに応えるための仕組みを構築したり、社内でのデジタル技術に関する研修も行われています。

また、DX化の加速による既存商品との比較で生まれた新商品も、企業を支える大きな資産となっています。

【小売業】デジタルトランスフォーメーションの成功事例


ここで紹介する小売業の事例は、以下のとおりです。

  • 株式会社セブン&アイ・ホールディングス
  • 株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ)
  • 株式会社良品計画

小売の事例1.株式会社セブン&アイ・ホールディングス

「セブンイレブン」で知られているセブン&アイ・ホールディングスもDXを推進しています。

グループを横断してDXの推進を行っているのが特徴です。グループ全体でお客様に豊かな商品、体験を提供するためにDXの課題を解決し、様々な施策を実行していくことをミッションとして取り組んでいます。

DX推進の成功事例として、グループ各社の商品をすぐに届けるためのプラットフォームの構築、顧客のデータを集約した会員サービスの開始などが挙げられます。

小売の事例2.株式会社ファーストリテイリング(ユニクロ)

ユニクロを展開するファーストリテイリングでは、大きな決定権を持つCEOがデジタル変革の必要性を唱え、現在のDX推進につながりました。

ファーストリテイリングが目指すのは、「製造小売業」から「情報製造小売業」への進化です。これを実現するため、デジタル業務改革サービス部という職種があり、デジタル技術活用による業務変革を行っています。

小売の事例3.株式会社良品計画

株式会社良品計画は「無印良品」を展開する会社です。良品計画では中期経営計画として、デジタルの特化組織を活性化させるとともに、これまでのECを超えた新しいサービスの構築を掲げています。

そのための取り組み計画として挙げられているのが、デジタル人材の100名規模の採用や宅配・注文・受取のデジタル化、ダイレクトコミュニケーションの支援システム構築などです。

【情報・通信業】デジタルトランスフォーメーションの成功事例

情報・通信業は、デジタル技術を主に扱う業界です。ここでは、以下の3つの導入事例を詳しく解説します。

  • 日本電信電話株式会社(NTT)
  • 通信業の事例2.KDDI株式会社
  • ソフトバンク株式会社

情報・通信業の事例1.日本電信電話株式会社(NTT)

日本電信電話株式会社(NTT)では、デジタルビジネスに対して5年で約3兆円の投資を実施して、DX推進に取り組んでいます。

NTTの中期経営戦略として掲げられているのが、国内産業におけるDX・データ利活用の推進とグローバルにおけるデジタルビジネスの改革です。両者を相互展開することでDX推進の強化を目指しています。

またグループ企業のNTT東日本では、業務のフルデジタル化やDXチームの設立などの取り組みが行われています。

情報・通信業の事例2.KDDI株式会社

KDDIで推進されているのが、業務の生産性を高める「コーポレートDX」や経営課題を解決する「ビジネスDX」です。KDDIでは、あらゆる企業のDX化を支援するサービスや、DXを含む企業経営に関するコラムサイトの運営などを行っています。

これらの取り組みにより、コーポレートDXやビジネスDXの実現を目指しています。

情報・通信業の事例3.ソフトバンク株式会社

ソフトバンクが目指すのは、日本の社会問題である高齢化、過疎化、出生率低下などを、デジタルの力で解決することです。

ソフトバンクは、DXによる新規事業として医療・飲食・物流・社会インフラなどのあらゆる分野に参入しています。

例えば、医療分野では、医師や看護師、薬剤師にいつでも相談できるチャットサービスを展開しています。さらに、飲食分野で展開するサービスが、労働人口の減少やフードロス問題解決に貢献するAI予測システムです。

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【金融・保険業】デジタルトランスフォーメーションの成功事例

金融や保険業でも、多くの企業がデジタルトランスフォーメーションを推進、活用し新たな事業を展開しています。

ここで紹介する企業は、以下の3つです。

  • 株式会社鹿児島銀行
  • 東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社
  • SBIインシュアランスグループ株式会社

金融・保険業の事例1.株式会社鹿児島銀行

鹿児島銀行では、世界的に加速しているデジタル化の動きを反映し、あらゆるシステムの変革にも対応できるようDX化を推進しています。

目標は「地域社会のデジタル化を引っ張る存在になること」であり、DX化に特化した10年戦略を策定しました。これに基づき、生産性の向上やコスト構造の変革、人材の高度化、お客様体験の充実の4つを実現できるよう、積極的な動きが見られる企業です。

金融・保険業の事例2.東海東京フィナンシャル・ホールディングス株式会社

東海東京フィナンシャル・ホールディングスは、DX推進により他社との差別化を図る独創的な経営戦略を打ち出しています。

その2つの柱となるのが「生産性向上」「新しいビジネスモデルを作り出すこと」です。

生産性向上では、業務効率の向上、あらゆるデータを最大限に活用すること、業務のオートメーション化を目指しています。

また、新しいビジネスモデルでは、コミュニケーション、取引・サービス機能、資金調達のDX化を実現しており、デジタルの強みを最大限に引き出す取り組みを行っています。

金融・保険業の事例3.SBIインシュアランスグループ株式会社

SBIインシュアランスグループでは、経済産業省が定める「DX認定」を取得しています。

企業に起こる様々な問題や課題をAIによって解決するべく、AIの全社的導入を行ってきました。

さらに、社内にある多種多様なデータを最大限に活用することで、従来の「ダイレクト損保」から、デジタル活用を前面に押し出した「AIドリブンカンパニー」へとビジネスモデルの大きな変革が行われています。

【化学工業】デジタルトランスフォーメーションの成功事例

化学工業においても、デジタルトランスフォーメーションを導入している企業が多く存在します。

ここで紹介する企業は、以下の3つです。

  • 三菱ケミカルグループ株式会社
  • 旭化成株式会社
  • 富士フイルムホールディングス株式会社

化学の事例1.三菱ケミカルグループ株式会社

三菱ケミカルで積極的に行われているのは、20代、30代の若手従業員が自主的にDX活用に取り組める環境作りです。

社内で用いられるDXについての意識を全社的に高め、お互いが持つ意見や考えを交換する場を設けることで、精度の高いDX化を実現しています。

三菱ケミカルでは、DX化による安心・安全な体制作り、業務の効率化、生産性の向上、高品質な商品の提供を、企業目標として掲げています。

化学の事例2.旭化成株式会社

旭化成がDX推進を加速するために設置したのが、デジタル共創本部です。グループの強みである多様性を最大限に引き出す取り組みを行っています。

また、デジタル人材育成にも力を入れています。全従業員に向けてDXについての意識を高めるとともに、全社DX大会などでDXを身近に感じられるよう工夫しているのが特徴です。

化学の事例3.富士フイルムホールディングス株式会社

富士フイルムホールディングスでは、デジタル活用で「従業員ひとりひとりの生産性向上」「優れた製品やサービスを提供」の2つを目標にしています。

社内では、DX推進プログラムが開始されており、グループを横断した推進体制が整えられているのが特徴です。

また、DXの取り組み事例としては、AI技術を活用した医療現場の支援や、紙文書のスピーディーなデジタル化などがあります。

日本企業におけるデジタルトランスフォーメーション推進の課題と現状

様々なメリットがあり、企業成長に直結するデジタルトランスフォーメーションですが、導入にはいくつか課題が存在します。DXを円滑に稼働させ、最大限の効果を発揮するためには課題を洗い出し、解決することが必要です。

現在、あらゆる企業でDX化が進められていますが、中小企業ではDX化に取り組んでいない企業も数多く存在します。DX化にあてる十分な予算の確保が難しいのが要因といえるでしょう。

また、今後企業のデジタル化が進めば、既存システムの老朽化により、増大したデータ量を保管・処理するのが難しいといわれています。高齢化社会が進むとともにメインの業務の担い手を一気に世代交代させる必要も出てくるでしょう。

さらに、テクノロジーの進化に追いつける優秀なIT人材は不足しているのが現状です。DX化に対応できる人材を増やすには、社内での教育やキャリア形成の支援、DX化に関する人事評価の整備などが求められています。

関連記事:DX戦略とは何?必要とされている理由や成功させるポイントなどを紹介

デジタルトランスフォーメーションの推進を成功させるポイント

デジタルトランスフォーメーションの推進を成功させるためには、まず経営層などの組織のトップが、率先してリーダーシップをとっていく必要があります。

従来の仕組みややり方をDX化する動きがあれば、企業全体の文化や風土も大きく変わっていくでしょう。一部だけのシステムを変えるのではなく、会社全体をデジタル化に対応できる仕組みにしていくことが必要です。

また、DX推進のために必要なのが、IT分野に優れた人材です。最先端のデジタル技術を使える人材は限られているため、デジタル技術に長けている人材の雇用や既存の従業員の育成が必要でしょう。

さらに、拡張機能がないソフトやサポートが終了しているシステムがあれば一新し、新しい技術や人材にコストをかけることも大切です。

関連記事:タレントマネジメントシステムの"これだけは外してはいけない"選び方と必要な思考

まとめ


デジタルトランスフォーメーションの活用により、企業にとっては大きなメリットを感じられるでしょう。しかし、成功事例が多く見られる一方で大きな課題が存在しているのも事実です。

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